ソードアートオンライン Monster Hunter World   作:GZL

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遅れてしまい、申し訳ありません。
現在非常に忙しくて…。
更には短いです。次回は長く出来ると思うので、許してください。


第41話 巨龍は恐るる

アスナは焦る気持ちを隠すことも出来ないまま、アリスの家へと駆け込んだ。ノックもせずに自宅に来たアスナにアリスは少々動揺する。

 

「どうしたの?アスナ…。急にやって来て…」

 

「ごめん、アリス…。暫くキリトくんを…預かってほしいの…」

 

その要望にアリスは眉を(ひそ)める。

 

「あんなにキリトを欲してたのに、突然どうしたのかしら?」

 

腕組みしながら、アリスは挑発するように言う。

だが、アスナはそれが挑発だとも分からないくらい、パニックに近い状態になっていた。

 

「どうだっていいでしょ!とにかくキリトくんを暫く預かって…!」

 

あまりに余裕のないアスナの声にアリスもふざけるのをやめる。

恐怖に負けているアスナに、アリスは打って変わって、優しく聞く。

 

「本当に何があったの?」

 

「……キリトくんから、邪悪な気配を感じた」

 

「邪悪な気配…?」

 

「Pohの持っている剣と同じ感じだった…。それに…背後に見たこともない龍が浮かび上がっていた…」

 

アリスはそれを聞いて、キリトを見詰める。

彼の握る紅い剣が妖しく煌めくが、それ以外はいつもとほぼ同じような状態だった。

何がアスナをここまで恐ろしくさせているのか…。

それはこの短時間では分からないが、アスナの怯えは尋常ではないため、その要望は聞くことにした。

 

「…分かった。暫く預かるわ。何かあったら、伝える」

 

「ありがとう…。今のキリトくんが…とても恐ろしくて、一緒にいれないの…」

 

アスナはそう言って、そそくさとアリスの家から出て行った。

その様子だけで、アリスはいつものアスナではないことが分かった。

アリスは何とも言えない気分であったが、キリトを見た途端、この要望を受けなければ良かったと思った。

何故なら、キリトは紅い剣を強く掴み、頬に涙を流していた。

しかも向いている視線はアスナが出て行ったドア…。

 

「キリト…」

 

彼の肩に触れ、耳元で囁く。

 

「大丈夫よ。アスナはいずれ戻ってくる。一生戻って来ないなんてことはないんだから…」

 

キリトは反応を示さないが、アリスは気にすることなく台所に立ち、料理を始めようとした矢先のことだった。

カタカタ…と、木製の机や椅子、食器やぶら下がる灯りが揺れ始める。

更には壁がミシミシと鳴り、揺れも激しくなる。

 

「何⁈」

 

揺れはとうとう立てないくらい激しくなり、湖の水面には高波が起き、周りの森林からは翼竜種のバルノスやニクイドリが飛び上がっていた。

そして、揺れが始まって、数十秒後……それは突然現れた。

湖の真ん中から巨大な身体が突き上がって来たのだ。

蛇のような頭をしているが、腕や足があり、身体中に無数の刃が突起物となっていて、地面を抉った。そして、その巨体はアリスの自宅へと倒れ込む。

 

「!」

 

アリスは車椅子からキリトを降ろし、一緒に自宅から飛び出した。

Pohとの戦闘で半壊した自宅を治して、はや2週間だったが、今度は全壊し、跡形も無くなってしまった。

 

「何よ…あれ…」

 

アリスは大蛇のような龍を見上げるが、そいつがアリスとキリトをジッと見ていることに気付いた。何もすることなく、ゆっくりと顔を近付けて、アリスとキリトを見続ける。

だが、キリトの手から紅い剣が落ちた時、その眼は黄色から赤色に変わり、天に向けて高々と咆哮した。そして、その巨体を2人に目掛けて、突進して来たのだ。

アリスは迷うことなく、オリジナルスキル【劫炎】を使って、蒼い炎の壁を形成し、キリトを突き飛ばす。これだけの巨体、時間稼ぎは1〜2秒程度しか出来ない。

アリスの予測は正しく、ほぼ即座に炎の壁は崩され、巨龍はアリスの真上を通過する。だが、身体中に形成されている刃が地面を、森を、そして…アリスを抉り、破壊の限りを尽くす。

 

「あぐっ⁈」

 

アリスの肩から鎖骨の辺りまで、その刃は彼女の身体の中に侵入した。

アリスは半失神状態で、地面の上で痙攣する。

感じたことのない痛みに身体がついていけてないのだ。

巨龍は暫し周囲を見渡す。

すると、けたたましい咆哮を上げて地面に突進した後に、何かを前脚で掴んで、更なる上層へと向かうために移動を開始する。

朧げな意識の中、アリスの目に入ったのは…紅い剣を離さないともがくキリトを掴み、天井を突き破る龍の姿だった。

 

 

 

 

巨龍…その真の名をダラ・アマデュラは現在攻略組が到達している第87層へと到達、そして溶岩で満ちた大地を駆け抜け、地形を変えていく。身体から粉塵が舞い、爆破が連鎖して、溜まっていた溶岩でさえも消え失せ、最終的に残ったのは僅かな大地と壁…。それ以外は空虚で、遥か下に溶岩が溜まっているような層へと変貌してしまった。

天井を支える柱は今にも崩れ落ちそうで、パラパラと塵が常に降る落ちている。

キリトは形成した大地に放り投げ、その身体を喰らおうと口を開けるが、奴はそこから動くことはない。

キリトが握る紅い剣に、明らかな恐怖を抱いていた。だから、そこから先は何もせず、自らが作った大地に身体を横にし、動かした身体を休める。

そして…新たな緊急クエスト【大討伐】が発信される。




【補足1】
『ダラ・アマデュラ』
MH4で出てきた超巨大古龍。体長だけで見れば、MHFの『ラヴィエンテ』に匹敵するデカさを持つ。身体中に刃を持ち、動くだけで大地を作り変える天災級のモンスターである。
本作の能力はここでは触れず、楽しみに待って頂きたい。

【補足2】
『大討伐』
MHFにあったシステム。
記憶が正しければ、最大32人で前述のラヴィエンテに挑む専用クエスト。
今作はまた変更がある。それもお楽しみに。
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