ソードアートオンライン Monster Hunter World   作:GZL

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第15話 予想だにしない再会

夜が明け、外は冷たい暴風雨が消えて優しい光が鉄格子付きの窓から溢れていた。しかし、外の空気と違いキリトとユージオのいる部屋は居心地は良いものではなかった。質素なベッドに質素な石垣の壁…2人は既に禁忌目録を違反した罪人として、本来は学院規則に違反した生徒を閉じ込めるための部屋に軟禁されていた。

そして、唐突に部屋の扉が開き、「出なさい」と声をかけるアズリカの姿があった。昨日の騒動ですっかり疲れが溜まっていた2人だったが、すぐに上体を起こして扉へ歩み進める。

部屋から出てすぐにアズリカはポケットから緑色の種を取り出し、ユージオの潰れた目の前で砕き、神聖術を唱える。

 

「システムコール、ジェネレート・ルミナス・エレメント。リコンストラクト・ロスト・オーガン」

 

潰れた種から何かが溢れ出て、それがユージオの目に入っていく。

じきにユージオの右目が妙に疼き始める。

 

「目を開けなさい」

 

言われるがままにゆっくりと右目を開くと、昨日視力が完全に潰えたはずの右目に再び光が戻っていた。

 

「あ、ありがとうございます!アズリカ先生!」

 

「いえ、それよりも公理教会から迎えの者が来ております。修練場に行くように。そして、ユージオ修剣士、あなたは私でも成し遂げられなかった右目の封印を破りました。そして、キリト修剣士、私は最後まであなたが何者か分かりませんでした。だけど、2人がこれから成すことは…この央都にとんでもない旋風を巻き起こすと思います。あなた達が思ったこと、全てを全力で成しなさい」

 

それだけ言って、何かを知っているであろうアズリカは2人に背を向けた。

2人は何も聞くことなく、アズリカに指定された場所に向かった。

誰もいない、暗い修練場には鎧を身に纏った2人の騎士が言い争いをしていた。

 

「何故、あなたまで来たのですか?罪人の連行など、私1人でどうとでもなります」

 

「そう言わないでよ〜。私の方が先に召喚されたのんだよ?簡単に言えば、先輩なんだよ?そんなに逆らっていいのかな?」

 

「…分かりました。ただし、私の邪魔だけはしないでください」

 

「了解〜」

 

そういった、まるで年頃の少女の戯れが終わったところで、2人はキリトたちが来たことに気付いたのか、後ろ姿ではあるが毅然とした振る舞いを戻す。

1人は金色の髪に鎧、青い色の服を下に着ている騎士…。

もう1人は灰色の髪に銀色の鎧を有している。

どちらも女性と見られるが、ユージオは2人とも見覚えがあった。

キリトも金髪の女性騎士に…何とも言えない懐かしさを感じた。

 

(金色の髪に青色の服…、それに灰色の長髪…どこかで…)

 

(あの金色の鎧…昔、どこかで…)

 

2人とも、懐かしみを感じている間に金髪の騎士とがゆっくりと振り向いて、自身の名前を名乗った。その瞬間、キリトとユージオの脳に雷が落とされた様な衝撃が突き抜けた。

 

「北ドンドルマ地域統括、公理教会整合騎士…アリス・シンセシス・サーティです」

 

「あ…」

「お前は…」

 

ユージオは茫然とするばかりで、キリトはその騎士の顔を見た瞬間に思い出した。彼女は…SAOで共に戦い、そして今も消息が不明のアリスだったのだ。

何故アリスがここにいるのか…どうして整合騎士となっているのか…。驚愕は続く。同じく振り向いた灰色の髪の騎士を見た途端、ユージオは更に目を見開いた。

 

「同じく整合騎士のイーディス・シンセシス・テンでーす」

 

堅苦しいアリスと打って変わり、かなり緩い口調のイーディスにアリスは過敏に反応した。

 

「その様な口調は謹んでください。罪人に舐められてもしたらどうするのですか?」

 

「その時はアリスが罪人をぶっ飛ばすんでしょ?」

 

そんな会話は耳に入ってないユージオは固まっていた身体が自然と動き出した。8年もの間、探し、取り戻そうと思っていた2人の少女を、思いもよらないところで再開したのだ。ゆっくりと手を伸ばし、アリスの肩に触れるか触れないかのところで…彼女の目がギッと強くなった。

剣の柄を握り、鞘でユージオの頬を容赦なく叩き伏せたのだ。

 

「ぐあっ!」

 

「ユージオ!」

 

キリトは倒れる相棒を支え、アリスに物言おうとしたが、その時にはイーディスの黒い剣が目の前にあった。

 

「悪いけど、私たちにはあなた達の天命を7割も削っていいってことになってるの。今度変なことしたら…一生動けなくなるかもよ?」

 

先程の口調とは思えないほど冷たい視線を向けるイーディスにキリトは唇を噛む。だが、言わずにはいられなかった。

 

「アリス…俺だ!キリトだ!覚えているだろ‼︎」

 

真剣な眼差しを向けて叫ぶキリトだが、アリスの表情は一切変わらない。そして…彼女の口からは冷たい言葉ばかりが吐き出された。

 

「…これ以上妙なことを喋れば、ここで首を切り落とします。ユージオ修剣士、及びキリト修剣士、今よりあなたたちを捕縛し、審問した後に、処刑します」

 

「アリス…」

 

2人はイーディスに腕を掴まれ、外へと連行された。

そこには立派な翼を持つ竜が2匹…リオレウスとリオレイアが戯れあっていた。

 

「《赤王(せきおう)》!《緑姫(りょくき)》から離れなさい!」

 

「相変わらず、ラブラブねえ…」

 

アリスの声に2匹はすぐに距離を取った。イーディスはリオレイア…緑姫に乗る。そして、アリスはキリトとユージオの身体を鎖で縛り上げ、赤王の足に繋ぐ。恐らくこの状態でセントラル・カセドラルまで連行されるのだ。

その時を待っていると、何かを引き摺る音が4人の耳に入って来た。

その方向を見ると、そこには重たい剣を必死に引き摺って持ってくるティーゼとロニエの姿があった。キリトたちに愛剣を渡そうと思ったのだろう。しかし、すぐにアリスが立ち塞がる。

 

「…何しに来たのですか?」

 

「騎士様!失礼だとはご承知です!先輩たちに剣をお返ししたいのです!お願いします‼︎」

 

2人の懇願にアリスは静かに答える。

 

「彼らは処刑される身です。剣など不要です」

 

「そんな…!」

 

アリスの冷たい言い方にイーディスが反応した。

 

「それくらい良いじゃん。アリスったら、厳しいんだから。私が許可するわ」

 

イーディスは緑姫から降りると、2人の剣を取った。

だが、その瞬間イーディスの背筋に(おぞ)ましい感覚が流れた。キリトの黒剣から感じ取れる黒い気配に思わず、剣を投げ捨ててしまうそうになるくらいの悪寒が身体の中を通り過ぎたのだ。

その様子をアリスは気付き、声をかけた。

 

「イーディス殿、どうしたのですか?」

 

「……何でもないよ。ねえ、2人に対話の許可をしたら?最後になるだろうから…」

 

様子がおかしいイーディスにアリスは怪訝にしながらも、「仕方ない」と言いながら、ティーゼとロニエに言った。

 

「1分間の対話なら許します。早く済ませなさい」

 

2人は表情を明るくさせ、涙目のまま駆け出す。

ティーゼはユージオに抱きつきながらも、少ない時間の中で言葉を紡ぐ。

 

「ユージオ先輩…私のせいで…本当にごめんなさい…!」

 

「…違う、ティーゼは何も悪くない。むしろ友達のために勇気を振り絞れたことは立派だよ」

 

ティーゼは更に涙を溢れさせる。

 

「私…っ、絶対に整合騎士になって、先輩を助けに行きます!だから…待っててください‼︎」

 

ロニエもキリトに抱きつき、最後の別れを行う。

 

「先輩、私達が整合騎士になるまで…必ず生きててください!」

 

「ああ、分かって……っく!」

 

まだ話してる途中だったが、赤王の翼が羽ばたき、粉塵と旋風が舞う。『時間切れ』ということだろう。

 

「2人とも、離れなさい」

 

「私が先導するから、ついて来て」

 

イーディスの乗る緑姫が先に飛び、続いてアリスの赤王が飛び立った。

ティーゼとロニエは必死になって、その飛竜を追う。キリトとユージオはその姿に悲しい気持ちになる。特にユージオは、アリスとイーディスもあの時…この様な気持ちになっていたのかと感じてしまう。

2人は身体にかかる重力に耐えながら、想定してたこととは別の方法でセントラル・カセドラルに入ることが成功した。

…牢屋の中であったが。




【補足1】
『緑色の種』
原作では育ててみないと何か分からない物だと設定されている。
本作では主に回復系の植物(薬草や解毒草など)に育つ。よって、種には天命を回復及び欠損部位を治癒するエネルギーが含まれている。それを神聖術で強化し、アズリカは使用した…という設定にした。

【補足2】
赤王(せきおう)
アリスが相棒としている、火竜リオレウスの名前。

【補足3】
緑姫(りょくき)
イーディスの相棒としている、雌火竜リオレイアの名前。
今更になって、登場させたモンハンの大御所。書いてて、まだ登場させてなかったなと思い、ここで採用しました。


漸く登場のヒロイン2人。
次回から、漸く書きたいパートに入れるので、お楽しみに。
また、今回から新たなアンケート開始します。

太陽と言われて1番結びつくモンスターは?

  • マム・タロト
  • リオレウス希少種
  • トリドクレス
  • クアルセプス
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