ソードアートオンライン Monster Hunter World 作:GZL
相変わらずほぼ原作と同じなので、超大雑把に進めます。
マジでほぼ一緒なので、飛ばしたかったら、どうぞ飛ばしてください。
第17話 大図書室の使者
思わず誰かも分からない声に従って、ユージオはキリトを抱えて、謎の扉に飛び込んだが、そこは薄暗い木製の通路だった。入ってすぐにユージオは辺りを見回すと、後方で杖を携えた者が閉じた扉の前に立っていた。
「この扉はもうダメじゃな。彼奴に感知された」
杖で扉を叩くと、扉はゆっくりと崩れて消えた。
そして、2人に振り向いた者は帽子を被り、眼鏡をかけ、背も非常に低い…もはや子供としか思えないような少女だった。
そんな子供がどうしてここに…とユージオは思ったが、彼女はキリトの方を少し見てから通路の奥へと進み始めた。
「ついて来い。抱えてる者はこの先で治療してやろう」
そう言って、彼女はさっさと奥へと向かっていく。
既に気絶したキリトを抱え、ユージオは彼女を後を追う。
「あの…ここは、どこで、この通路はどこに繋がってるんですか?」
「ここは既にセントラル・カセドラルの中じゃ。まあ…外界とは隔絶した場所ではあるが、そしてこの先は…」
通路を更に進むと思っていたが、彼女が杖を軽く上げると目の前に新たな扉が現れる。そして、ゆっくりと開いたその先は…大量の本と棚が並んだ巨大な大図書館だった。
「大図書館…こんなところがカセドラルに…」
「お主が
ユージオは興味深く、この大図書館を眺める。
「さて、お主と其奴の傷を癒してやろう」
彼女が杖を2人に向け、「ほいっと!」と言うと、ユージオの天命はもちろん、キリトの重傷した腕を完治した。
「す、凄い…!ありがとうございます!あなたは…」
「私の名前はカーディナル。この大図書館の使者じゃ。後ろの者は私が預かろう。お主は少し休み、興味があるならあそこにある歴史書を読み耽るが良い」
「分かりました。何から何までありがとうございます」
ユージオはキリトをソファに寝かせ、歴史書のある本棚へと駆けていくのだった。
『キリト…ここまで来たんだね…』
目を覚ましたキリトの前にはSAOの時の服装のアリスが立っていた。
「その声は…アリス?良かった、記憶が…」
『ごめん。私は…もう、あなたの知るアリスには戻らないよ…。…じゃあね、キリト…」
白い光の中へと消えていくアリスの姿にキリトは必死に手を伸ばす。
ユージオのためもあるが、キリトも…ずっと探し続けていたアリスを取り戻したくて…。
「行くな…戻れ!アリスッ!アリスーーッ‼︎‼︎」
そこで漸くキリトは本当に意識を取り戻す。今着ている学院服も汗まみれで、いかに自分が悪夢に
「漸く起きたか。寝坊助な奴め」
カーディナルはキリトに向けてそう揶揄する。
敵だと思ったキリトは飛び起きて、彼女と距離を取ろうと思ったが、敵意を感じられなかった。
「あんたは…。それにユージオは…」
「ユージオなら、最高司祭が独断で作り上げた歴史書を読んでいるところじゃ。私はカーディナル。聞いたことがあるはずじゃろ?未登録ユニット、キリトよ」
「カーディナル⁈」
その名前を忘れるはずがなかった。
カーディナルとは仮想世界において、自動的にバグなどの現象を管理するシステム名だ。つまり、この仮想世界もカーディナルシステムによって管理されていることが分かったキリトは動揺を隠せなかった。
「まあ座れ。私はお主と話さなくてはならないことがある。…あまり時間が無いから、悠長には話せないがな」
カーディナルは茶と菓子を卓上の出し、事のあらましを話し始めた。
「この世界には4人の賢者がおった。それが創生の人間…お主たちの言葉で言えば、フラクトライトだ。その者たちがこのアンダーワールド内のフラクトライトを作り出したと言っても過言ではない」
「それじゃ…この世界の住人は…」
「お主は知らなかったようじゃな。そうじゃ、『ラース』と呼ばれる者たちが作った真性の人工知能じゃ。…完璧ではないがな」
『ラース』…。
その単語をキリトは覚えていた。菊岡に頼まれたバイトの共同企業の名前がそれだったのだ。つまり…今いるこの世界は記憶には全くないが、あの時のバイトと同じ場所…ということだと漸く分かる。
「しかし、その4人の内の1人には『支配欲』や『所有欲』などの利己的な欲求を教えてしまった。その教えをそのままそっくり受け継いだのが、人界を支配する絶対的存在…アドミニストレータじゃ」
「アドミニストレータ…管理者…」
「お主らの言葉で言えばいいですそうじゃな。彼女の本名はクィネラと言うが、彼女は私の双子の姉である」
唐突な話はキリトは仰天する。
「彼女は時が経つにつれ、神聖術を上達し、彼女のことをルーツ神の巫女とまで言われるまでになった。彼女は圧倒的な支配欲に、益々飲み込まれていった。それどころか更なる支配を求め、増えたフラクトライトが反旗を翻さないために『禁忌目録』を作り上げた」
「……」
禁忌目録の創生にそのような経緯があったことにキリトは強く怒りを覚える。要するに独占欲を満たすためだけに作られた、見せかけの法だったのだ。
「それでも彼女に悲劇が襲った。老いじゃ。いくら神に近い神聖術を持っていようとも、老いだけはどうしようもなかったのじゃ。彼女が100歳に近い頃、遂に見つけてしまったのじゃ、これを…」
カーディナルは神聖術を唱える。
『システム・コール。インスペクト・エンタイア・コマンド・リスト』と…。
そこに書かれていたものに…キリトは愕然とする。
「それはまさか…全ての神聖術が表示されているのか⁈」
「そうじゃ…。これを見れば、どんなことでもすることが出来る。彼奴は天命の全回復に自然減少の停止、更に永遠の美貌を手に入れた。もはや…不死の身体を手に入れたようなものじゃった。それでやめておけば、まだ人間としての理性があったと言えるが…彼女は更に悪魔的な行動に移った。彼女は…カーディナルシステムすらにも手をかけた。それにより、彼女とカーディナルシステムは同等の扱いとなった。そこで彼女は…人間をやめたのだ」
「そんなことが…一体どうやって…」
「本来なら出来ぬ。しかし外の者が手を貸せば、それも可能となる」
カーディナルは茶を一口飲み、話を続ける。
「それから更に月日が経ち、彼女に異変が起きた。フラクトライトの記憶容量が限界を迎えたのだ。そこで登場したのが…私じゃ」
「…まさか、カーディナル…君は…」
キリトは最悪の想像が思い浮かんでしまう。
「想像の通りじゃ。彼奴は私の身体を使っていたフラクトライトを消去し、別の人格を植え付けたのだ。あの時は、アドミニストレータの記憶をコピーしたのだがな…。それこそ…私が待ち続けていたことじゃった。カーディナルシステムは不具合なことを消去しようとする働きを持つ。カーディナルシステムと同等の力を持つ彼奴を消そうとするのは、当然のことじゃ」
「だから双子…ってことか。だが、それなら何故ここで待ち続けていたんだ?それ程の力があるなら容易に対抗できるはず…」
「それを防ぐために整合騎士が作られたんじゃ。他人のフラクトライトを書き換える術…通称:シンセサイズの秘儀で、彼奴に絶対忠誠を誓う究極の傭兵を作り上げたのじゃ」
「なるほどな…じゃあ、アリスやイーディスの2人も…」
「そうだ。シンセサイズの秘儀によって記憶を消されている。恐らく、その記憶はカセドラルの最上階にあるじゃろう」
「本当ですか…?その話は…」
するとそこへ本を読み飽きたのか、キリトと話している内容が気になったのか、ユージオがやって来た。
「アリスとイーディスは、最高司祭に記憶を操られているって…」
「間違いない。じゃが安心するがいい。必ずどこかに記憶は保管されている」
それを聞き、ユージオはホッとする。
だがカーディナルは残酷なことを告げる。
「しかし2人とも、お主らはアドミニストレータを倒した後のことはどうする?」
「「え?」」
「…この世界は間もなく崩壊する。ダークテリトリーからの侵攻によって…。それを防げるのはアドミニストレータだけじゃ。整合騎士や近衛兵たちだけでは絶対に勝ち目はない。それでも、アドミニストレータを倒すのか?」
突然の選択にユージオは迷ってしまうが、キリトは即座に言った。
「カーディナルはアドミニストレータを倒し、世界の本来ある姿を取り戻そうと思ってるはずだ。俺はその考えは正しいと思っている。あんな…禁忌目録は間違ってる。ロニエたちみたいな被害者を出すなら、俺はアドミニストレータを討つ。ダークテリトリーからの侵攻はどうにかする。絶対にこの世界を崩壊させやしない!」
「キリト…」
キリトの強い意志にカーディナルは「そう言うと思ったよ…」とだけ呟く。
「じゃがキリトよ、最後にこれだけ言わせてもらう。生きている限り、どんなに足掻いても諦めなくてはならない時が来る。その時、お主も分かるはずじゃ。本当の絶望を…」
それだけ言うと、彼女は杖をポンと地面を叩く。すると2人の前に一枚の紙切れが現れる。そこには神聖術が長々と書かれていた。
「カーディナルさん、これは?」
「お主らの剣を最大限高められるようにするための術式じゃ。上の方が武装完全支配術、下が記憶解放術じゃ。しかし、どちらもいざって時のために残しておくんじゃ。この神聖術を使用すると、剣の天命値は一気に消費される。そこだけ留意しておけ」
更にカーディナルは杖を叩くと、新たな扉が現れる。
「覚悟はもう決まっておろう?」
カーディナルの問いに2人は答える。
「ああ、アリスとイーディスの記憶を取り戻し、最高司祭を倒す!」
「おお、そうじゃ。忘れてしまうところだった。ほれ、これを持っていけ」
カーディナルが最後に渡して来たものは小さな短剣だった。
「この短剣には術式が組み込まれており、お主が求める2人のどちらかに刺せば、その者のシンセサイズの秘儀を解こう。本来はアドミニストレータに刺し、術式を不可能にするためのものじゃ。一本ずつ持て」
準備を終え、キリトはドアノブに手をかける。
「行くぞ、ユージオ」
「ああ、行こう!キリト」
ドアを開け、キリトとユージオは旅立っていく。
それを横で見守るカーディナル。
2人が去った後に、カーディナルは胸の中が騒めく感じがした。
「…今更、何を…」
大図書館で1人寂しい気持ちになってしまったカーディナルは、静かに呟くのだった。
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