ソードアートオンライン Monster Hunter World   作:GZL

95 / 102
久しぶりに現実世界です。
と言っても…マジで原作通りな気がしますけど…。


第36話 オーシャンタートル襲撃

「キリトくん…!キリトくん…‼︎」

 

比嘉が叫ぶマイクに向かって、同じように叫ぶ明日奈。

しかし、そこから聞こえたは掠れた声で彼女の名前を呟くキリトの声だけで…そこで菊岡に腕を引っ張られる。

 

「明日奈くん!ここも限界だッ‼︎早くサブルームへッ‼︎」

 

「でもっ!」

 

「キリトくんは大丈夫だ‼︎彼の寝ているSTL部屋は襲撃できない!時間がないんだ、早く‼︎」

 

そこまで言われては明日奈も我儘を言ってはいられなかった。

菊岡に連れて行かれるがままに上階へと移動する。その部屋に通じる扉を厳重に閉じた後に比嘉はコンピューターを起動させる。

 

「サブコントロール室起動完了っす。これで少しは奴らを牽制できます」

 

安全なことが分かったところで、明日奈の怒りの矛先は菊岡に向けられる。足音を響かせ、彼の襟に掴みかかる。

 

「大丈夫なんでしょうね⁈」

 

「な…何がかね?明日奈くん…」

 

「このままキリトくんの意識が戻らなかったら…私は…っ、あなたを絶対に許さないッ‼︎」

 

殺意とほぼ同等の眼力。

襟が引っ張られ、息がしにくい菊岡は頑張って声を絞り出した。

 

「大丈夫だ、キリトくんの命…意識の回復は私が全責任をかけて保証する。だから落ち着いて…」

 

明日奈は言われた通りに手を放すが、同時に力なく倒れそうになる。

それを神代氏が支えてくれたが、明日奈も今のキリトの状態に不安で不安で堪らなかった。

漸くまともに会話出来そうな状態と判断した菊岡は比嘉に話しかける。

 

「まあ…我々がここに逃げ込めたことだけ良しとしよう…。連中の目的がこの施設の破壊なら、話は別だが…」

 

「それもないと思いますよ。奴らは真っ先にコントロールルームに向かってきました。目的は間違いなく…『A・L・I・C・E』の奪還。だけど心配ないっすよ。ライトキューブは固定して、どんな手を使っても取り出すことは出来ません。それにここは自衛隊が管轄するど真ん中…。もう少しすれば彼らが救助に来てくれるから、楽勝っすよ、楽勝」

 

呑気に構える比嘉に対して、菊岡の表情は曇ったままだった。

その様子を見た明日奈は菊岡に問う。

 

「どうしたんですか、菊岡さん。もしかして…まだ問題が?」

 

「ああ、大ありだ。比嘉くん、襲撃を受けて何分経った?」

 

「え?大体…7分ですね」

 

「7分も経ってるのに全く外部から救助も無ければ、連絡も寄越さない。流石におかしいと思わないか?」

 

言われてみればそうだった。

いくら自衛隊でもそんな無頓着のはずがない。

 

「因みに…自衛隊(うち)の者たちは今から2時間…このオーシャンタートルに入らないよう、上から命令があったらしい。もう分かるだろう?」

 

「まさか…襲撃グループは自衛隊に圧力をかけれる奴ら⁈」

 

「そういうことだろうね…。2時間もあれば…アンダーワールドにダイブしてアリスを奪還するなど、容易いことだ」

 

そこまで聞いたところで、明日奈は胸の内に膨れ上がる桐ヶ谷和人について聞いた。

 

「和人…キリトくんは…大丈夫なんですか⁈」

 

その声に冷静さなどない。

今にもこぼれ落ちそうな瞳を向けられた比嘉と菊岡は、今までのキリトの状況を伝えることにした。

 

「キリトくんは…アンダーワールド内で死亡したと思われます…」

 

その時、明日奈は息を飲んだ。

 

「彼は正体不明の襲撃者による治療のためにここに連れてきました。本来は、彼の記憶をブロックして行う予定だったんですが、彼は現実世界の記憶を保ったまま…アンダーワールドにダイブしました」

 

「ちょっと待って!じゃあ桐ヶ谷くんは、あの加速した世界で何年過ごしたの⁈」

 

「およそ…3年」

 

またもや息を飲む明日奈。

キリトと生まれてしまった差に、どこかポッカリと風穴が開いたような気持ちだった。

 

「それだけの時間、キリトくんは人工フラクトライトたちと触れ合った…。彼らがシミュレーションが終わり次第、消える存在だとは知らずにね。ですが、彼らはそれを知った。それを阻止するために現実世界との連絡手段…バーチャルコンソールがあると想定したセントラル・カセドラルを目指したのでしょう。菊さん…貴方に全フラクトライトの保全を要求するためにね…。ですが、その通信をした時には…もう…」

 

「キリトくんとは別の声がしました。彼らは、一体…」

 

あの襲撃の最中でも明日奈は覚えている。

1人の女性の胸を抉るような怒声。

それは襲撃中でもその場にいる全員を凍りつかせた。

 

「あの怒声の持ち主がアリスでしょう。その直後…主電源が切断された。本来ならフラクトライトが焼き尽くされて、治療どころではありませんでしたが…彼がその前に死亡したことが功を奏しました」

 

「どういうことですか?」

 

「死亡したことで、ライトキューブ内のフラクトライトは非活性化したんです。その状態では過電流を受けてもほとんど影響は出ない…ということです」

 

そう言われても、明日奈にはもう一つの不安要素があった。

キリトはどうなっているのか…治療は成功したのか…ということだ。

明日奈の視線を読み取った菊岡が、先に事実だけを伝える。

 

「残念ながら…キリトくんの治療は現時点では成功していない」

 

「つまり…しっ…ぱい?」

 

それを聞いた明日奈はゆっくりと崩れ落ちた。

もう二度とキリトと話せないのかと思うと、胸が張り裂けそうだった。

 

「話は最後まで聞きたまえ。確かにまだ治療は『成功はしてない』が、失敗もしていないよ?」

 

それを聞いた明日奈は即座に顔を上げた。

 

「比嘉くん、説明を」

 

「うっす。本来、アンダーワールド内で死亡…消滅した場合、ライトキューブ内のフラクトライトは自動的に消滅します。それはキリトくんも例外ではない。しかし…キリトくんは間違いなく死亡したのにも関わらず、フラクトライトはまだ残っています」

 

「それじゃあ…」

 

「何らかの方法でキリトくんはアンダーワールド内に留まっているということだ。どうやってそうなったのかは分からないが、まだ治療する見込みも…アリスをこちら側に持って来させることも出来る。…復活すればの話だが」

 

それを聞いたアスナはホッと胸を撫で下ろした。

しかし…その後、比嘉から聞かされた情報が明日奈の心を掻き乱す。

 

「ただ…僕の想定ではそこまで長くフラクトライトを維持することは出来ないと踏んでいます。アンダーワールド内で半年から1年も経つと…」

 

「とにかく、襲撃者が何者かだとしても、アリスを彼らに渡すわけにはいかない。頼みの綱のキリトくんも、今は動けない状態だ。なんとかしないといけない状況だが…」

 

その時、明日奈は勢いよく立ち上がり、菊岡に言った。

それは、菊岡も比嘉も想像出来なかった話だった。

 

「私を…アンダーワールドに飛ばすことは出来ませんか?」




短いですが、ここまでです。
次の話ですが、襲撃者視点の話にしようかなと思ったんですが、マジで原作通りにしかならなそうなので、ここはスルーさせて頂きます。
下手すれば…整合騎士たちの戦闘シーンも書かずに終わるかも…(それだけはどうにか阻止したいけど)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。