温かい目で見ていただけるとありがたいです。
それではどうぞ。
どうしてこうなったんだっけ・・・?
ルクスの脳内を疑問がループする。しかし、時間は待ってはくれない。ルクスに跨られている少女はルクスに問いかけた。
「おい、変態。何か言うことは?」
まずい、何か言わないと!
「えっと、可愛いですよ?その小さい胸も・・・」
「は?」
そうなるのも当然だ。ルクスは今、周りにたくさんの少女がいる中、浴場で全裸の少女に跨っているのだから。
「いつまで私に乗っているんだこの痴れ者があぁぁぁあ!」
「す、すいません!そんなつもりじゃないんてすううううう!」
ルクスは周りの少女たちから投げつけられている物を避けながら、慌てて逃走を始めた。
Side:???
「ふあぁ・・・。ここが話に聞く城塞都市『クロスフィード』が誇る
昨日初めて男が侵入するという大事件が起こっていたことなど何も知らないこの男は、その大きさに圧倒されていた。乗っていた馬車を降りると、男は学園の入口へ向かっていった。
「すみません。学園長のレリィ・アイングラムさんにお取り次ぎ願えますか?」
「わかりました。お名前を伺っても?」
「ガルディア。ガルディア・アダマスです」
「アポイントメントを確認しました。学園長室へ案内しますので着いてきてください」
男、いや、ガルディアは守衛の案内の下、学園長へ向かった。中で何が起こっていたかも知らないまま。
「すいませんね、騒がしくて。いつもならこんな事は無いのですが・・・」
「いえ、大丈夫ですよ。しかし、どうしてまた?何かあったんですか?」
守衛は気まずい顔になる。
「実を言うと、昨日男が侵入したのですよ。1日中逃げ回った挙げ句生徒に捕まって。しかしその捕まった男がまたある意味有名な人物で」
「ほう?誰だったんですか?その不埒な輩は」
興味半分で尋ねると、守衛の口からは意外な名前が出てきた。
「それがあの『雑用王子』のルクス・アーカディアだったようですよ・・・あ、着きました。ここが学園長室です」
話の続きを聞きたかったが仕方がないここからは仕事の時間だと、ガルディアは気持ちを切り替えた。
「ここまでありがとうございました」
ここまで案内をしてくれた守衛にお礼を言い、ノックをして学園長室へ入る。
「失礼します。アダマス侯爵家より参りました、ガルディア・アダマスです」
「どうぞ、入って」
そう言って入ると、中にいたのは噂の『雑用王子』ルクス・アーカディアとこのクロスフィードのある新王国の王女「リーズシャルテ・アティスマータ」、そしてガルディアを呼び出したレリィ・アイングラムだった。
「それでだな学園長・・・なんだ?この男は」
「紹介するわ、2人共。私と付き合いのあるガルディア・アダマス君よ」
「ご紹介に預かりました、ガルディア・アダマスです。どうぞお見知り置きを」
そう言って一礼すると、噂のルクス・アーカディアがおずおずと口を開いた。
「え、えっと・・・よろしくね?ガルディア君」
「あー・・・呼び捨てで良いですよ、ルクスさん。私の方が年下ですし、これから一緒に働く仲間ですから」
「あ、うん……じゃあよろしく、ガルディア・・・」
そう言うルクスの言葉を遮るように、金髪の少女が怒声を上げた。
「おい、どういうことだ学園長?こんな話は聞いていないぞ」
「まあ、生徒の貴方にはまだ伝わっていないものね、リーズシャルテさん。彼は今日からルクス君と一緒に機竜整備士としてここで働くガルディア君よ」
「そうではなくて、どうしてアダマス侯爵家の者がこの場にいるのかと聞いているんだ」
リーズシャルテの切り返しに、レリィが事情を説明する。
「そうは言ってもねぇ・・・彼、アダマス家に拾われるまでの記憶が無いのよ」
「は?」
まあ普通はその反応だろうなと、ガルディアはリーズシャルテに説明をする。
「こちらにも色々と事情があるんですよ、王女様。たまたま拾われる形で侯爵家の一員となりましたが、記憶も無く政治の手腕すら無かった私には家にいる価値がないと判断され、家を半ば追い出されるような形になりまして。そこで以前知り合ったレリィさんに働き口を紹介していただいたのが渡りに船だったと言うわけです」
「なるほど、ある程度の事情は分かった。しかし学園長。アダマスの者はともかく、わたしたちはまだ『雑用王子』を認めたわけではないのだが?」
問い詰めるリーズシャルテの言葉にルクスはたじろぐ。
「い、いえっ、ですからそれは誤解でーー!?」
「ちよっと待ってください、王女様。その話、詳しく聞かせてはもらえないでしょうか」
「なに?」
話に割り込んできたガルディアに対し、リーズシャルテが怪訝な表情を浮かべる。
「おかしくはないですか?どうしていきなり彼が浴場に入って来れたのでしょうか。私が入ってくる時も、守衛によってかなり厳重な警備がされていました。私には何か理由があったのではないかと思いますが」
「そういえば、昨日その男が捕まった時に猫を追って偶然浴場に乱入したと言っていたな。だがな、その証明はどうやってするのだ?信用の足らない犯罪者を雇うのはどうかと思うぞ、学園長」
反論するリーズシャルテに、レリィが提案した。
「そうねえ……じゃあ、この件の被害者でもあり、2年の主席でもあるリーズシャルテさん。彼の処分はあなたの裁量に任せるわ。ただし、ガルディア君のことも考えてあげてね?彼も男の子1人で仕事をするのもしんどいでしょうし、ね?」
「じゃあ、そうだな。私もチャンスを与えてやるのもやぶさかではない。ルクス・アーカディア。お前が本当にこの学園で働く価値があるのか、私が直々に確かめてやる。お前が持っていたあの2本の
リーズシャルテが話を切り上げようとしていた所に、ガルディアが割って入った。
「あのー……その話、私も一枚噛ませて頂けませんか?王女様と戦えるなんて、またとない機会ですから」
「しかし、良いのか?私は強いぞ?」
リーズシャルテがニヤッと笑うと、ガルディアは笑顔で返す。
「大丈夫ですよ。私も腕には多少の覚えがありますから」
これはえらいことになったと、ルクスは密かに思っていた。
どうだったでしょうか?
これからもできる限り頑張っていきますので評価等よろしくおねがいします。