シンオウの神竜と行く神装機竜の世界   作:松山新

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新年あけましておめでとうございます。
私情により、長らく執筆に手をつけておりませんでした。
「用語集」についてですが、原作の1巻ごとに章で分け、章と次の章の間に更新していきたいと思います。
また、そちらはその章で新しく出た用語等についてのみ書いていくつもりです。
それではどうぞ。


4話

試合が始まってからの流れは概ねルクスの想定通りに進んだ。

持久戦に持ち込み、消耗の早い神装機竜の攻撃をいなし、出来るだけダメージを負わないようにする。

ルクスの技術は、数多の戦いを制してきたリーズシャルテを焦らせ、危機感を抱かせるほどだった。

ゆえにその焦りから生まれた隙は大きく、リーズシャルテの《ティアマト》は少なくないダメージを受けていた。

 

(どうして、どうして倒しきれない!これが『無敗の最弱』と呼ばれる所以か!しかし新王国の王女として、負けることなど断じて許すつもりはない!)

 

「・・・はぁぁああ!」

「ッ!」

 

突然戦闘スタイルが変わったリーズシャルテに対し驚くルクス。

先程までは空挺要塞(レギオン)を牽制に使い、遠距離射撃でダメージを与えていくことで、ルクスを近距離まで入れない戦い方をしていた。

それが何かを見た後、16もの空挺要塞(レギオン)を惜しみなく使い、数の暴力で押し切ろうとするようになった。

 

(無駄な思考は捨てろ!今はここを切り抜けなきゃ!)

 

ルクスは試合が始まってから防御に専念していた。

ここまでは想定通りだったが、激しいリーズシャルテの攻撃に耐えるのは至難の業だった。

今までは機竜咆哮(ハウリング・ロア)やブレードで何とか防いできたがーーー。

 

そう考えている内に、リーズシャルテは呆然とした様子で固まる素振りを見せた。

 

(今だっ!)

 

即座にダガーを投げるが、《ティアマト》の目前までダガーが迫っていることに気付くと、

 

「舐めるんじゃないぞ、『無敗の最弱』よ!」

 

腰の機攻殻剣(ソード・デバイス)で弾いて見せた。

 

「どうやらお前はこちらが思っている以上に強いようだ。だから、拝ませてやろう、《ティアマト》の神装を!」

 

ルクスの脳内ではまさかあれを使うはずが無い、という考えと、この王女ならやりかねない、という考えが渦巻いていた。

 

(この言葉が虚勢(ブラフ)だったにしろ、ここであちらの思惑通りにさせるのはまずい!ここは一旦引いて体勢を・・・ッ!)

 

「神の名の下にひれ伏せ!『天声(スプレッシャー)』!」

 

ギギギ・・・。

機竜が軋み、地面に押し潰されるような感覚を覚えるルクス。

かつて王立図書館で司書の雑用もしていたルクスには、この感覚が何なのかある程度理解することが出来ていた。

 

(これは、「重力」・・・僕の周りの重力を神装で操作して強めているのか!まずいぞ、このままだと・・・。)

 

「さよならだ、『雑用王子』よ」

 

七つの竜頭(セブンス・ヘッズ)を構え、照準を合わせるリーズシャルテに対し、ルクスはこの時覚悟を決めようとしていた。

 

(ここであれを使うわけには・・・いや、負ければ酷い目に遭う可能性は十分にある。やるなら相手が勝利を確信している今しか無い!) 

 

ルクスの覚悟が決まった瞬間、リーズシャルテの機竜に異変が起きた。

 

ガクンッ!

 

「何っ!?」

 

悲鳴をあげるリーズシャルテを一瞥し、ルクスは自身の置かれている状況を再確認する。

 

(神装が解除されて、重力が解除されている・・・。まさか、暴走しているのか!)

 

装甲機竜(ドラグライド)の操作方法は、自分の体を使い操作する肉体操作と、機攻殻剣(ソード・デバイス)に思念を送ることで操作する精神操作を使い分けている。

しかし、機竜使い(ドラグナイト)の精神的負担や疲労が原因で通信障害が起こり、機竜が予想外の動きをしたりすることがある。

これが「暴走」である。

 

リーズシャルテは未だに自分に何が起こっているか理解できておらず、

動揺している。

その隙を逃さず、推進出力を最大にすることでルクスはリーズシャルテに肉迫した。

 

「私は、王女として・・・負けるわけには、いかないんだぁぁあああ!」

 

瞬時に機攻殻剣(ソード・デバイス)を振るい空挺要塞《レギオン》への制御を切断し、七つの竜頭(セブンス・ヘッズ)への制御に集中することで何とか持ち直したリーズシャルテは、近づいてくるルクスに照準を合わせる。

 

試合の残り時間も残り少し。

決着するかと思われた、その時。

 

異変が起きた。

 

 

 

ギィイイイイイエエエエエエェェエエアアアアアッ!

 

 

 

雲の隙間から、人ならざる声が聞こえて来る。

「ガーゴイル」と呼ばれる獣は、空に声を響かせて襲いかかってきた。

 

 

 

 

 

 




どうだったでしょうか?
試合の内容に焦点を置き、できる限り戦闘の描写にはこだわりました。
「この表現の方がわかりやすいのでは?」と思った方は誤字報告や感想で伝えていただけるとありがたいです。
次回は幻神獣との戦闘になります。
戦闘描写は苦手な部類ですが、できる限り早めに投稿したいと思います。
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