初の試みですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
Side:リーズシャルテ
「ふぅ・・・」
浴場で自分が浸かる分だけ湯を沸かし、肩まで湯船に浸かって今日あったことについて考えていた。
模擬戦が終わった後に湯を浴びるのは私の日課だ。
心身ともにリラックスできるし、今後の反省点について落ち着いて考えることもできる。
模擬戦、ルクス・アーカディア、
ルクスは・・・まあ、強かったと思う。
それに、そこらの貴族の男よりも遥かに頭が切れる。
まさか同年代の男でここまで出来る奴がいるとは思わなかったし、案外
今回の模擬戦は何かと
思い返せば、あいつの戦術は1つ1つが巧みで抜かりが無かった。
自分の腕に自信が無ければあのような緻密な戦術は立てられないだろう。
それに比べて私のものは「戦術」というより「初見殺し」だ。
16もの
しかし、今日の一件で私以上の戦術眼を持つ者にはそれ程通じない、ということが証明されてしまった。
何よりも頂けないのは、汎用機竜でも神装機竜に勝てるのではないか、という希望を生んでしまったことだ。
これから腕の立つ者は私に模擬戦を挑むことは多くなるだろう。
「『朱の戦姫』に汎用機竜で勝利した」という事実は卒業時に箔となり、士官するにもそれだけの技量があるとみなされ、有利に働くだろうからだ。
だから、新王国の王女としても、私個人としても負けるわけにもいかない。
新王国の王女が弱いと思われたら国民の求心力は落ちるだろうし、何より負けるのは悔しいからな。
そのためにも、まずはもっと《ティアマト》を扱えるようにならなければいけないな。
後は、最後に起きた
声は聞き間違いで無ければ
恐らく何者かが操作していた神装機竜であり、時間に干渉できる神装である可能性が高い。
しかし問題は、肝心の時間を戻した犯人とその神装機竜がその場にいなかったことだ。
この学園に神装機竜を持つ者は私を含めて4人だけだ。
ユミル教国の留学生であるクルルシファーの神装機竜《ファフニール》の神装は時間に関係しているが、時間そのものに干渉出来る神装では無い。
他の2人もそのような神装では無かったことから学園の生徒以外に絞られる。
その辺りについてはライグリィ教官や学園長、クルルシファーに聞いて洗い出しておこう。
他にも気になることはある。
ルクスの2本目の剣、そして2人目の男、ガルディア・アダマス。
前者については
残るはアダマス家の男だな。
あいつは底が知れないというか、よく分からない奴だった。
アダマス家に拾われたのは最近だと言っていたが、その手の話は聞いたことが無い。
待てよ、あの時私に勝負を挑んできたのは勝算があったということか?
となると・・・。
余談だが、その日の晩に浴槽でのぼせて溺れているリーズシャルテが見つかり、医務室に運ばれたらしい。
起きるとルクスの隣のベッドで寝ていたため、「私たちはまだ夫婦では・・・!」などと言っているのを見舞いに来た生徒に聞かれていたとか。
どうだったでしょうか?
次回は模擬戦から一夜明けたところからのスタートとなります。
読んでいただき、ありがとうございました。