そして修は翼によって……
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「翼!開けてくれよ翼!」
「ダメよ……開けたく無いわ。でもそうね……修が大人しく証を刻ませてくれたら開けてあげるわよ?」
どうしてこうなったんだよ!
「修は……浮気……していたのね?」
僕を見る翼の視線は冷ややかなモノになっていた。
「翼の事を傷付けた事は謝るよ。だけど……セレナとの事は浮気とは違うよ!そもそも!傘を渡しただけで再会したらあんな表情をされるとは思わなかった!」
「……そう。じゃあもう言い訳は充分したわね?」
「へ?何……を……?」
すると翼は立ち上がりカバンから〈何か〉を取り出した。そして僕の背後に回りこんだ。
バチィ!
僕は背後から何かを突き付けられた。
「これ……スタン……ガン……?でも……なんで……?」
「あら?まだ意識があるようね?流石私の修だわ♪じゃあもう一度♪じゃあね修♪次の目覚めはきっと幸よ?」
僕の意識はそこで完全に途切れた。そして僕が目を覚ました今、
「なんで……こんな事に……?」
そして僕は冒頭の訴えを翼に起こしている。しかし翼は聞き入れてくれない。
「ふふっ、私が何でもしてあげるわ
翼は僕を監禁したまま行ってしまったようだ。しかし事態は変化し、僕の端末が鳴り出した。相手は……〈令音〉さん?
『やあユウ……何とか無事かね?』
「ここがどこかわからない事を除けば……ですけどね?」
本当に不味い。もし今……セレナさんが出現すればASTは迷わずにセレナを攻撃するだろう。その事態が起こる前に手を打たなくては!
『私に策がある。その為にはユウ……君の働きが重要になるだろう』
「僕の……働き……ですか?」
返事に困った。でも……策が自分で浮かばない以上はやるしかないかな?
「いえ……教えてください令音さん。僕は何をすれば良いですか?」
『まずは天使のイメージをして欲しい。ユウは翼の天使を見た筈だ。ならばそれを思い出せ。そうすれば今の状況を打開できるだろう』
「わかりました!」
『そしてもう一つだ。君が探していた傘は〈小日向 未来〉が回収していた映像が発見された。なので脱出次第彼女の部屋に向かってくれたまえ』
「わかりました。ありがとうございます令音さん!」
『では私がその間に翼の説得を試みるとしよう。まあ……ほぼ確実に成功すると思われるがね?』
令音さんはそう告げて通話は終了した。そして僕は急いで未来に電話をした。
「未来……お願いがあるんだ。あの時失くした傘を探しているんだ。何か知らないか?」
『あっ!修くん♪傘……ねぇ……あるよ?だけどタダじゃあ返せないよ?何か……そうだなぁ……私の家に来て〈お願い〉を聞いてくれたら返してあげるよ?』
「その〈お願い〉が健全なモノならなんでも受け入れてあげるよ。だけど分不相応な事は絶対にしない。約束して欲しい」
『大丈夫だよ?だって修君は私の事を〈見てくれない〉事は知ってるから。じゃあ待ってるからね?』
僕と未来の通話はそこで終了した。
「じゃあ始めよう。鏖殺公(サンダルフォン)の力のイメージ……か。」
僕は翼が未来達と戦う時の姿や、泣きながらも出現させたあの玉座について思い出した。すると少しデザインは異なるが、間違いなく鏖殺公(サンダルフォン)が出現した。
「ごめんね翼……僕はセレナも救うよ。だけど君の事を疎かにしたくもない。だから……まずこの事態を乗り切る。そして翼……君と向き合うよ」
「さて……私も役目を果たすとしよう」
私は翼をファミレスに呼び出した。すると翼は不安を抱えながらやって来た。
「すまないね。少し大事な話があって呼ばせてもらったよ」
「わかっているわ。だけど……貴女に私の気持ちはわかるのかしら?」
「チッ!オレの事を認識させていないとはいえこの態度は気に入らんな。力を取り戻した時は絶対に許さんぞ」
私は小声で呪詛を呟いたが、翼には聞こえないように注意を払った。
「では単刀直入に聞こう。翼は修に何を求めているのだね?」
「簡単な事よ……子供が欲しいわ。だって修は皆に優しいもの。でも子供がいれば修は私を捨てられない。そうすれば〈私〉という存在はずっと修の中に残り続けるわ」
「オレの前で良くも抜け抜けとほざくな」
正直今すぐ翼を吊るしたい。しかし
「では提案だが、修からのプレゼント且つ、それが翼だけのモノであれば納得はするのだね?」
「えぇ。でもそんな簡単に言って大丈夫なのかしら?」
「ならば※※※というのはどうだ?デートの後にでもお願いすれば修はやってくれると思うぞ?」
「約束よ?必ず修に伝えてよね?」
そう言って翼は表情を和らげた。しかし憐れな事だ。
少し時間が経過し、僕は鏖殺公で扉を破壊した。そして姉さんからの通信もキャッチした!
『ASTがキナ臭い動きをしてる!早く目的のモノを回収して来い!』
「ありがとう姉さん!助かった!」
僕は急いで未来の部屋へと向かった。そうすると玄関前にこんな袋が入っていた。
〈このテープに修君の目覚ましボイスを三個・お休みボイスを三個・ただいまボイスを三個・お帰りボイスを三個・愛してるボイスを八個入れてくれたら袋を箱に入れてね?そうしたら傘は返してあげるよ?〉
〈なんでボイスを?〉と思って最後まで読んで驚愕した。
〈もしお願いのボイスを適当に済ましていたり、何も入っていなかったらお姉さんを殺すよ?それに翼さん・平原君・安藤さん・寺島さん・板場さんも送ってあげるから寂しくないよ?〉
殺人予告だ。それも僕の回りの人間をターゲットに据えている。
「僕がやらないと……平原達まで……」
僕に選択肢は残されていなかった。だから僕は未来の〈お願い〉を聞いてしまった。そして全二十種類のボイスを収録したテープを指定の箱に入れた。すると箱が部屋の中に入って行き、新聞受け(改造痕跡有り)から傘が出て来た!
「なんかもう色々言いたい事が有るけど仕方ない!さっさとセレナさんを……助けたい!」
そう思った時に空間震が発生した!セレナさんが現れたんだ!
僕が空間震の発生地点に到着すると、既に未来達〈AST〉が戦闘を始めていた。しかし戦況は思わしくないようだった。
「私はある物を探しています。邪魔をしないでください!」
「認められないよ〈ハーミット!〉貴女が精霊である以上は絶対に殺すから!」
未来達がセレナさんを追い詰めする。何とか……何とかしないと!
「そこの少年!何をしてるの!早く逃げなさい!」
しまった!僕も見つかったか!この状況をどう打開するか考えていると、意外な人達が現れた。
「それでは私達が時間を稼ぎましょう。修さんは彼女のもとへ向かってください」
「なかなか面白い状況だぞ!あたしも久しぶりに暴れるぞ!」
「ここは一つ私達の実力の見せ所だな。派手に暴れるとしよう」
「行きなさい修くん。私達が道を開くわ」
僕の前に現れたのは風見さん・火神さん・土屋さん・氷室さんだった。なんで彼女達がここに?そう思っていると風見さんが説明してくれた。
「私達が弦十郎さんから託された本当の仕事は修君のサポートです。精霊への対処の協力はオマケに過ぎませんわ。ですので遠慮なく私達を頼ってくださいますか?」
風見さんの言葉にまだ疑問は残るが、ひとまずは彼女達を信じる事にした。
「……ならお願いします!僕がセレナさんのもとへ辿りつけるだけの道を確保してください!」
「お任せください。では皆!やりますわよ?」
「「「了解(だぞ)!」」」
待っていてねセレナさん。必ず僕が救いに行くから!
未来からの殺人予告紛いの要求をなんとか叶えた修。しかし事態は未だ打開されていなかった。
次回〈抱えた想いと向き合って〉
更新をお待ちください。
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この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?
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キャロル1択だよ!
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せっかくだからヒロイン交代で
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前任者達も参戦!
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精霊達に押し倒されてしまえ!