彼女達は諦めない!    作:タク-F

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来禅高校に転校生がやって来た。しかしその人物は何か秘密を抱えてるみたいで……


三章 マリアバレット
6月5日の転校生


~~士道side~~

 

「もう6月……か。5月の連休が終わって学校の勉強も試験を乗り越えたこの時期は「新しい出逢いがある……ですわね士道さん?」……狂三か? その登場の仕方は心臓に悪いから遠慮してほしいよ……」

 

「あらあら。士道さんの困り顔とはたまりませんわ! 私が余すところなく見届けて差し上げますわ!」

 

 俺は天宮市内の通りをふらついていたら狂三に声をかけられた。そして現在俺達は猫カフェに二人で入り猫達と戯れている。

 

「そろそろ時計の針が回る事になるのかな?」

 

「えぇ……。そしてきっと甘くて苦い霞のような出逢いがありますわ」

 

「そうだな……物事が全て順調とは限らない。それは誰に対しても同じ事だな」

 

「さあ士道さん……始まりますわよ? 彼女達の新しき駆け引き(デート)が!」

 

 修……次の相手は一筋縄じゃあいかないぜ? 

 

~~士道sideout~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~修side~~

 

「はーい皆さーん! 今日からは転校生の方がこのクラスに来られましたよー!」

 

 ホームルームでタマちゃん先生の緩い声がクラスに響いた。そしてクラスがざわめき出した。

 

「平原……何でこのクラスなんだろうな?」

 

「う~ん……タマちゃんのクラスは問題児の集まりって噂が先輩達の中であったからな~」

 

 初耳なんだが? 

 

「詳しく聞こう」

 

「購買の焼きそばパン一つで良いぜ?」

 

 許容範囲だな。まあ……法外なまでにふっかけたら〆るけど。

 

「商談成立だな。まあ……お前の噂話は洒落にならんけど」

 

 すると平原は説明を始めた。

 

「まずタマちゃんは見た目相当の精神年齢だ。だけど頭はかなり良い。これは担当科目のテストを見ればわかるけどな」

 

「そこに異論は無いな。そして旦那さんを尻に敷いてる噂もあるらしいしね」

 

「て言うか噂の真相は士道先輩は知ってるし。まあ……そこは間違い無い筈だ」

 

 先輩は一体何をしたんだ? 

 

「いや先輩に好意を寄せてる人達は全員先輩が在学中に関わってるから流れた噂だ。そしてその噂の真相を調べる過程でタマちゃんの噂も見つかったわけだよ」

 

 納得の理由が出て来た。なるほど……一年であのハーレムを作れば噂は立つな。

 

「そしてそんなクラスの転校生だからな。恐らく何かしらの事情を抱えてるやつだろうさ」

 

 すると転校生さんが自己紹介を始めた。

 

「こんにちは。今日から皆さんと一緒に過ごす〈白崎 マリア〉よ。アメリカ人の父と日本人の母のハーフだけど育ちは日本だから気にせず声をかけてくれると嬉しいわ?」

 

そして彼女は何故か右目が隠れる程、桃色の前髪を伸ばしていた。その雰囲気を言葉にするなら〈ミステリアス〉と言えるのだろう。

 

「ハーフ!?」「すごいな! 本物じゃん!」「あの胸の脂肪……目障りね」「下手な日本人よりも大和撫子か!?」

 

 当然だがクラスは大分騒がしくなったな。まあ……こんなに綺麗で独特の雰囲気を出す女性はほとんどいない筈だからね。

 

「はいはい。質問は休み時間にしてくださいね! 授業を始めますよ〜!」

 

 そんなマリアさんの席は僕の側だった。だけど僕の周りには平原や安藤達もいるし、何より翼がすごい殺気を放って睨んでいた。もちろん反対側では未来も。

 

「あら? すごい殺気ね……。はじめましてお隣さん? もし良かったら私に学校案内をしてくれないかしら?」

 

「僕の名前は高崎 修です。よろしければ修と呼んで欲しいな」

 

「俺の名前は平原 巧だ。にしても……すごいスタイルだな。思わず見惚れちゃうよ」

 

「平原はブレないよねぇ。あたしは安藤 創世だよ。よろしくマリアさん」

 

「私の名前は寺島 詩織です。よろしくお願いしますわ白夜さん」

 

「アニメみたいな人間って本当にいるのねぇ……。あたしは板場 由美だよ。よろしくね?」

 

「ふふっ……こちらこそよろしくね。良い関係を築きましょう?」  

 

「貴女は何者なの? この時期の転校生って不自然よ?」

 

「良からぬ事を企んで修君を脅かしたら殺すからね? それじゃあよろしくね?」  

 

「あら?随分と怖い人達ね? だったら記憶に留めておくわ」

 

 どうして2人は仲良くできないのかな……。これじゃあ白崎さんが可愛そうだよ……。

 

「とりあえず止めなよ2人共。彼女は転校生なんだからいきなりくってかかる必要は無いだろ?」

 

「貴方を離さない為なのよ……なのにマリアまで……」

 

「不味い……とうとうマリアさんまで……このままじゃあいずれ✻✻✻まで……」

 

「やっぱり彼なのね。私が探していた運命の王子様は……」

 

 3人は向かい合うと小声で何かを呟いたが、僕には聞こえなかった。

 

「とりあえず白崎さんの案内……どうしようかな……」

 

「修君……と言ったわね? 貴方にお願いしても良いかしら? それと私の事はマリアと呼んで欲しいのだけど……」

 

 マリアさんは僕に視線を向けて来た。翼の時よりもドキドキするし、何より姉さん以上の胸部には嫌でも目を奪われる。そんな僕の肩に平原が手を置いた。

 

「未来をデートにさそわせろ。そうしたら手を打ってやる」

 

 助かるな。未来も最近視線が怖いから。だけど平原……お前のことを未来は見ていないんだが……

 

「そんじゃあ放課後に案内するよマリアさん。悪いけど2人共今日は見逃してくれると助かるな……」

 

 放課後は平原との交渉通りの提案をした。

 

「なら未来さん……翼さんも町に行かない? 俺ちょっと行きたいところが……」

 

「ごめんなさい……私は遠慮するわ。泥棒猫は早く殺さないと……」

 

「修君の恋人は私だよ? 絶対に許さないから……」

 

 平原……無視されて安定の撃墜だな。同情の余地すらねぇな。

 

「修……私のことはマリアと呼び捨てにしなさい。じゃないと私が歯痒いわ」

 

 この言葉に殺気が漏れる2人がいた。

 

「修……生傷を作るのは腕と足と胴体のどこが良いかしら?」

 

「修君のおはようボイスをここで流すよ? もう私以外の女に惑わされ無いように……ね?」

 

 もう僕の人生はお終いか……そう絶望した時に端末が鳴り出した。相手は……姉さん? 

 

『あたし様がハジメテを貰う予約を済ましただろ? 弟は姉のモノってのが世の中の常識だぜ?』

 

 ただの絶望勧告だった。余りの状況の悪さに僕の胃がどんどん痛くなる。

 

「修……顔色が悪いわよ? 保健室に行きましょう? 私の肩を貸してあげるから」

 

 そう言うとマリアさんは僕の肩を寄せて保健室までの道を聞いて来た。正直に言うと僕は生きていられない気がしてきた。

 

「ありがとうマリアさん。おかげであの場を離れられて良かったよ。あとで御礼代わりと言ったらアレだけど売店や屋上に行こう? 多分屋上に行く頃には夕日が綺麗だから……」

 

「修と夕焼けを見れるなんて素敵ね。なら私は修に甘えても良いかしら? あと呼び捨てにしてね? じゃないと次は噛み付くわよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう尋ねてくるマリアの表情に不安を抱えつつもあの時僕は眠りについた。そして時計を見れば放課後になっていた。

 

「今の時間は……放課後か。え? 放課後!?」 

 

「あら? 起きたのね修。少しは休めたのかしら?」  

 

 起き上がるとマリアは僕の手を握っていた。そして女神のような笑顔で問いかけて来た。

 

「それじゃあ案内してね? 私は待ちくたびれてしまったわ?」  

 

「ごめんねマリア。僕のせいで転校初日から……」

 

「大丈夫よ? それに大切なモノを見つける事ができたわ」

 

 そう言うとマリアは僕の手を取り学校の案内をせがんだ。僕も負い目があったので屋上の絶景で埋め合わせをする事にしたが、僕のペンダントが黒く光っていた事をこの時の僕は知らなかった。

 

 

「やっぱり勇は生まれ変わっても勇なのね。だけど私は思い出したわよ? だから必ず貴方の心を奪うわ。その為に分身を介して〈六の弾(ヴァヴ)〉」を失ったのは痛いけどガングニールを取り戻したのは大きいわ。だから私はもう負けないわよ……翼? ……未来? 

 

 そしてマリアの呟きも修には聞こえてはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1通りの校内の施設の案内を終えて今の僕達は屋上にいた。

 

「ふぅ……これで一通りかな」

 

「えぇ。助かったわ。明日からもよろしくね?」

 

 するとマリアは僕の腕を引くと足を引っ掛けて僕の体勢を崩させて、ちょうどマリアの胸に顔がうずくまるように受け止めた。当然僕は突如酸欠の恐怖に襲われた。

 

「むぐぅ!」

 

 もがく僕にマリアは優しい声色で語りかけた。

 

「これが私の愛よ。今はこれしかできないけど……」

 

 マリアが言葉を終える前に屋上の扉が開放された。未来と翼もここを嗅ぎつけたようだ。

 

「取引をしましょう翼さん。あのメス牛を殺します」

 

「初めて意見が噛み合ったわね未来。でも異論はないわ。マリア……すぐにあの世に送ってあげるわよ?」

 

 するとマリアは2人の横を通り抜けて逃亡を始めた。

 

「今日の目的は果たしたわ。また明日会いましょう♪」

 

 マリアは校舎の死角を用いながら逃亡を成功させた。僕もそろそろ退散を試みると2人に捕まった。

 

「私は浮気を許さないって言ったよ?」

 

「もう首輪が必要かしら? このままでは胸が張り裂けそうだわ……」

 

『修……シャワー浴びて待ってるぜ? 今夜は姉弟で楽しむだろ?』

 

「もう……知らない……」

 

 僕は迫りくる猛獣と呼べる一団からの逃亡を始めて、今回は寺島さんの家に逃げ込んだ。そして士道先輩にコンタクトを取り一団の沈静化を依頼した。

 

「大変ですわね。まあ……誠実なところが修さんの魅力ですから」

 

「ありがとう詩織。それじゃあ士道さんからの連絡が来るまで待たせて貰うよ?」

 

「はい! ゆっくり休んでください!」

 

 

 

 

 

 

〜〜明美side〜〜

 

 この同時刻に人気の無い路地で3人のならず者の死体が発見され、同時に1人の魔術師が精霊に戦いを挑んだ。

 

「彼の力を返して貰いますよ? まあ……今の貴女では意味がわからないと思いますが?」

 

「いいえ……もし貴女が私の予測している人物の関係者なら余計に殺される訳にはいかないわ!」

 

 そして数分で決着がつき、マリアの首が胴と別れた。

 

「とはいえ……少し気づいていましたね。早く✻✻✻に知らせなくては。でも今はどこで……」

 

 ほどなくして応援の部隊が到着し、死体となったマリアは片付けられた。

 

「そして早く……兄様に会わなくては……」

 

 少女の探す人物はロケットに映っていた。そしてその人物の姿は〈雪音 勇〉だった。

 

〜〜明美sideout〜〜

 




マリアに手をかけた人物は何を考えて修に接触するのか……

次回〈現れる妹と正体を表した精霊〉

更新をお待ちください。

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この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?

  • キャロル1択だよ!
  • せっかくだからヒロイン交代で
  • 前任者達も参戦!
  • 精霊達に押し倒されてしまえ!
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