彼女達は諦めない!    作:タク-F

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妹と名乗る人物が修に接触をする。その行動が起こす影響とは……


現れる〈妹〉と本性を現した〈精霊〉

「はぁ……士道先輩が助けてくれて良かった。でも外出したおかげで晩御飯の食材も購入できた事は大きいな。今日は先輩にも料理を食べて貰おうかな?」

 

 僕はそんな事を考えながら1人帰路についていた。すると前方からどこか目を離せない少女がこちらへと歩いて来た。とはいえ狭い道でもないので僕が端に寄ったが、彼女は本格的に僕の前に立ちこう言ってきた。

 

「お久しぶりですね兄様。未来さんからの情報だったので心配していましたが、まだ体は綺麗ですね? もし純潔が奪われていたらボクは✻✻✻に顔向けができませんからね」

 

「君が僕の……〈妹〉? ごめん……人違いじゃないかな? 僕と君は初対面だと思うけど?」

 

 すると少女はロケットを見せて僕にこう告げた。

 

「いいえ……間違いではありません。高崎 修さん。いえ……✻✻✻さんは✻✻✻の伴侶なのですから。だからボクと修さんは兄妹ではありませんが、修さんと✻✻✻は無二のパートナーでした。そしてボク『ピピピピピピ! 』電話ですか? どうぞ出てください」

 

「ごめんね。とりあえず出させて貰うよ?」

 

 僕は端末の画面を見た。相手は姉さんだった。

 

「もしもし姉さん? 頭が冷えてたら相談だけど、晩御飯を一緒に食べない? もちろん翼やセレナさんも呼ぶよ?」

 

『チッ! 2人きりじゃあねぇのかよ。だけど修の手料理なら今日は行かせて貰うよ』

 

「オッケー。じゃあこれから「貴女が雪音 クリスさんですか? ボクは貴女にも会いたかったです!」え!?」

 

『修……あたしは待ってるからな?』

 

 姉さんがそう言うと通話が終了した。

 

「君は一体……?」

 

「ボクの事は到着してから詳しく話しましょう。まずは兄様のお家に案内してください」

 

 ボクは彼女を連れて重い足取りで家へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま……なんでもう帰っているの姉さん?」

 

 帰宅時には既に姉さんが僕達を待ち構えていた。

 

「待っていたぜ? さて……お前は何者だ? あたし様の知らねぇ修の妹なんであり得てたまるかよ!」

 

()()()()()()ですね〈雪音 クリス〉さん。いえ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とお呼びすればよろしいですか?」

 

 この娘は何を知ってるんだ? 僕の疑問はより不安を駆り立てた。

 

「お前は何者だ? その事を知ってるのは限られた人物だけだ。お前の名前を教えろよ?」

 

「そうでしたね。ボクの名前は〈北白 明美〉といいます。兄様との関係は、ボクの姉が兄様と関わりのある人物でした。そしてその人物のサポートをする為にボクは天宮市に来たのです。少し時間がかかりましたが先日この街で兄様を見かけたので探し出して今日ようやく声をかけました」

 

 一部の言葉が僕には理解出来なかったが、彼女は僕の事を知る人物の妹らしいが、僕自身は彼女の事を含めても何1つ思い出せていない。

 

「そうか……お前は修の事を知ってるんだな? ならわかるだろう? 修はあたし様の婚約者だ! 絶対に返さねぇぜ?」

 

「えぇ。()()()()()()()()兄様の結婚相手ではありません。しかし兄様の結婚相手は貴女でもありませんよ? その事は貴女も()()()()()()筈ですよ?」

 

「明美ちゃんと言ったよね? 君は一体何を……」

 

「その答え合わせはいずれしましょう。今日は顔合わせだけの予定でした。ああ……それと兄様には伝えておかないといけないですね。〈DEMインダストリー〉がもうすぐ活動を開始します。ボクもやれる事はしますので何かありましたらこちらに連絡をお願いします」

 

 明美ちゃんは僕の端末にいつの間にか自分の番号を登録していた。そして名刺がスマホケースに入っていた。

 

「明美と言ったよな? ……お前……何か目的だ?」

 

「ボクの目的は1つです。〈彼女〉を兄様と引き合わせる。それだけですよ?」

 

 そう告げると明美ちゃんは帰って行った。そして受け取った名刺には〈DEMインダストリー第2執行部隊所属 北白 明美〉……そう書かれていた。

 

 

「とりあえず翼とセレナがもうすぐ来るから晩御飯は作ろう……」

 

 僕はその後ハンバーグを調理して皆に振舞った。皆がよろこんでくれて僕も嬉しかったが、明美ちゃんの事が頭から離れなかった。

 

「まずは明日の準備をしよう」

 

 僕は明日の準備に取り掛かり、もう一人の気がかりな人物であるマリアとの関わり方を考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう修。また会えた事を私は嬉しく思うわ」

 

 翌日登校すると女神のようなマリアの微笑みが僕の心を強く揺さぶった。それと同時に何か大切なモノを受け取り・あるいは奪われた感覚さえしてしまう。

 

「おはようマリア。今日も会えて嬉しいよ。僕はマリアと出会ってから不思議な感覚があるからね?」

 

 僕は自分の本心を告げたが、それと同時に背後からの殺気も感じた。

 

「まずは胸ね。まるで交通事故に遭ったみたいな傷にしようかしら? それなら修も堂々と外を歩ける筈だかよ?」

 

 翼が物騒な発言をして彫刻刀を取り出した。

 

『授業が始まるだろう未来? 流石に席に戻らないか? 僕だって君に迷惑をかけたくは無いんだよ?』

 

 未来は静かに自分のカバンを漁り、僕が交渉の為に以前録音した未来の為のテープが再生を開始した。

 

「2人共……落ちついて貰えないかな? 僕は今とても困っているんだけど……?」

 

 彼女達は底冷えするような声で僕の言葉に返答した。

 

「大丈夫よ修。私は冷静だから修の体に私の存在を刻むの。だってキスマークよりも自然で……私の事を捨てる事は出来ないでしょう?」

 

「修君は恋人を捨てるような酷い事はしないよね?」

 

 何故僕の周囲の女性は目の奥から光が消えているのだろう? 僕が思い出せない記憶にどんな秘密が隠されているのだろう? 

 

「ごめん2人共! 僕は行かないといけないところがあるから!」

 

 逃げ出した僕は屋上に向かっていたが、そこでマリアは僕に声をかけてきた。

 

「修……少し大事な話があるわ。実は私ね……ある人物に()()()()()()()()()。だって私は()()()()()()()

 

 マリアは今まで隠していた右目をさらけ出した。その瞳は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()をしていた。

 

「マリアが……精霊? それに命を狙われているって……?」

 

 僕の疑問の答えは扉を蹴破り現れた未来によって明かされた。

 

「修君! 逃げて! 彼女は修君の事を!」

 

「あら? 貴女は確か……未来って言ったわね? もしかして昨日明美ちゃんの隣にいたかしら?」

 

「何か目的なの〈ナイトメア〉! この学校には貴女が手をかけるべき悪人はいないわ! 正義の味方気取りの精霊が狙う人物はここにいない!」

 

 マリアが……()()()()()()それは一体……? 

 

「はぁ。修には手伝って貰うつもりだったのよ? だってこの国の軍事を握っているのは……」

 

「何が……起こっているんだ? 誰か教えてよ?」

 

「そうね。修……明日デートをしましょう? そこで私の転校してきた本当の目的を語るわ。もちろんそこの貴女もついて来たかったらいても構わないわよ?」

 

うるさい……今すぐ殺してやる! 私から光を奪うつもりならもう躊躇わない!」

 

 未来は〈顕現装置〉を起動させるとブレイドでマリアに斬りかかった。しかしその剣はマリアに届く事はなかった。

 

「Granzizel bilfen gungnir zizzl〜♪」

 

 マリアの歌は僕の胸の内から時折聞こえる歌の1つだった。そして次の瞬間マリアは黒を基調とした鎧とマントを纏う。……そして右手には特徴的な形をした槍が握られていた。

 

「ありえない……シンフォギア(嘗て貴女が手放した聖遺物)は失われていたはず! なのになんでそれを纏うの! 白夜 マリア!」

 

「だけどこの槍は現にここにあるわよ? それに……私はここで止まる訳には行かないわ。修……明日の10時に天宮駅の南改札口で会いましょう?」

 

 マリアはマントを翻して姿を消した。

 

「マリア……何か目的なんだ?」

 

早く〈絶滅天使(メタトロン)〉の封印を解かないと間に合わないの? ……ううん……まだダメ。✻✻✻に対抗する為にはまだ手札が……

 

 未来も虚ろな瞳で屋上を後にした。小声で呟いた言葉はうまく聞き取る事ができなかった為に未来が何をするつもりなのかはわからない。だけど僕の抱える違和感に少なからず未来も関わってる事だけは理解できた。

 

「だけどマリアが精霊だと言うなら、僕はマリアを助けたい。それにマリアの命を狙う人物って一体誰なんだ……?」

 

 僕はこの疑問を解明する為に姉さんに連絡をしたが、礼音さんが後に見せるビデオが1つのトラウマを作る事をこの時の僕はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……少し情報を整理しよう」

 

 僕はマリアからデートに誘われた。それも()()()()()()()……だ。

 

 だけど言いようの無い不安に駆られた事もあり、礼音さんに相談する事にした。

 

「マリアが本当に人を殺したとは思えません。何かの間違いじゃあ無いかと思っています」

 

「……なるほど。確かに彼女の雰囲気から殺人を犯すタイプとは考えにくいだろう。しかし事実として転校初日にも彼女は殺人を犯している。……そして彼女自身もまた殺されている」

 

 礼音さんの言葉は僕にとっては残酷な言葉となった。

 

「修……悪いが礼音の言葉は事実だ。このビデオが何よりの証拠なんだ……」

 

 姉さんは申し訳無さそうにビデオデータを1つクリックして画面に映した。

 

「これから画面に出て来るのはマリア・明美・未来だ。そしてマリアが殺人を犯した場面も同時に確認できた」

 

 再生された映像では、マリアが3人程のならず者に絡まれていた。そして人気の無い路地に連れて入った瞬間に手にした銃で3人を殺害。その後に明美が現場に到着した。そこからは圧倒的な速さで接近した明美がマリアに肉薄してブレイドにてマリアの首をはねた。

 

「これは……何かの間違いじゃあ無いですか? 今日マリアは学校に来ていました。僕だけじゃなくて未来との会話も……」

 

 2人は申し訳無さそうに僕の呟きに答えてくれた。

 

「そこ……なんだ。彼女自身は間違いなく疑いようが無いほど完全に殺されている。比喩ではなく事実として……だ」

 

「だからあたし達はわからねぇんだ。マリアが何の為にこの学校に来たのか。そもそも何故殺人に及んでいるのかもな」

 

 姉さんは敢えてこの事を僕に黙っていてくれた。それはこの事態が何も見えていないからなのだろう。

 

「もちろん組織の一員としての判断で言えば、最前線に立つユウにこの事実を伝えていないのはクリスの過失でもある。……まあこの場合は難しいところも含まれているから一概には言い切れないがね?」

 

「今日登校したらすぐにでも伝えるべきだったかもしれねぇ。だけど可愛い修に余計な不安をかけるのも嫌だったんだ。これ以上精霊に関わらせたらそれこそいずれアイツ等もわかっちまう……」

 

 姉さんは僕の事を本気で心配してくれていた。だから感謝できる。

 

「姉さん……以前僕に言ったよね? 精霊は突然世界に放り出された……って。マリアも例外じゃあ無いんだよね?」

 

「恐らく……だがな。ただこの世界で過ごす内に〈見過ごす訳にはいかない悪〉と出会っただけなんだだろうよ。マリア自身は争いを望んでいない筈だ」

 

 その言葉を聞いて安心した。なら僕はマリアを止める義務がある。もう僕の目の前で殺人なんかさせられない。

 

「決めたよ。僕はマリアと明日デートをする。そこでマリアを説得するよ。可能なら封印だってして見せる。そもそもマリアが精霊の力を使う必要なんて無いんだから!」

 

「ああ。それでこそあたし様の可愛い弟だよ。思う存分やってこいよ! あたし達も協力は惜しまねぇからな。…………それにアイツが封印できたら目下邪魔者は無力化できる。そうすれば修……いや勇を押し倒して……

 

「姉さん? 最後なんて言ったの? よく聞こえなかったけど……」

 

「大丈夫だよ。修がいつの間にか成長した事を実感した独り言を呟いただけだ。何を呟いたかは教えてられねえがな」

 

 姉さんの言葉に僕は恥ずかしくなり逃げるように部屋を出た。そして下校時間になると急いで帰り支度を始めた。

 

「修君……今日は翼さんと何かあったの? あまりにも彼女の目が怖いよ?」

 

「あまりにも様子が普通ではありませんわ。女性に対して何か失礼な事はしてませんよね?」

 

「言いたく無いけど翼さんを泣かせたらあたし達も許さないよ。もしそうなったら友人として灸を据えるからね?」

 

 確かに僕の行いは端から見れば節操の無い男子だ。だけど3人共僕の事を少なからず知るだけに頭ごなしには怒らない。だからこうして警告をしてるんだ。

 

「僕の行いが翼を泣かせた時は裁きを受けるよ。だけど今の僕にはやるべき事もある。それが終わった時は逃げも隠れもしないからその時はお願いね?」

 

「はぁ……あたし達も修が何か事情を抱えてるのはわかるから……できる事は言ってよね? 協力はするからさ」

 

「それが私達ですわ。もちろん過ちがあれば裁きますけど」

 

「ここにいない平原もきっと同じ事を言うよ? アニメじゃないけどあたし達もあんたと付き合いが比較的あるからね?」

 

 僕は良い友人を持ったな。

 

「ありがとう3人共。これからも翼と仲良くして欲しい」

 

「「「もちろんだよ(ですわ)!!」」」

 

 僕はその言葉に背中を押されて教室を出た。そして明日のデートの為の準備にとりかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメですよ修さん……マリア姉さんには絶対に渡しませんから……ね?」

 

 この様子を見ていた人物がもう1人いた事を僕はまだ気付かない。




マリアに関する衝撃的な事実を聞かされた修は彼女とのデートを決意する。


次回〈マリアとのデート〉

更新をお待ちください。

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この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?

  • キャロル1択だよ!
  • せっかくだからヒロイン交代で
  • 前任者達も参戦!
  • 精霊達に押し倒されてしまえ!
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