彼女達は諦めない!    作:タク-F

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炎の精霊の正体を知った修……しかし当人の答えは……


僕が会うべき人物

「姉さん……なんで僕に隠し事を……。それも自分が精霊だったなんて……」

 

 僕は風見さんからの報告を聞いて事の顛末を知った。そして同時に姉さんの力も封印しなければならない事を。

 

「僕の身の回りで起きている出来事を知らないといけない。その為にも姉さんに会わないと……」

 

 僕は姉さんに会う為にフラクシナスを歩き回った。しまったな……風見さんに部屋を聞き忘れていたよ。

 

修さん! 目を覚ましたんですね! 心配していました! 

 

 廊下を徘徊していると、セレナが僕に抱きついて来た。彼女もあの戦いで傷を負った以上は安静にしないといけない筈なんだけど……。

 

「大丈夫ですよ? 姉さんは甘い性格をしていますから、全員急所は外れています。そうなれば後は顕現装置(リアライザ)で治療ができます。なので私達はもう大丈夫です!」

 

 良かった。僕は胸のつっかえが1つ取れた。だったら早く行かないと……そう思った時()()()()()()()()()()()

 

「え? なんで凍っているの?」

 

「私が凍らせました。修さんがクリスさんのところに行くということは、私を捨てるつもりですね? だからダメです。絶対に逃しませんよ?」

 

 嘘だろ……なんでまたこんな目に……

 

「でもそうですね……キスをしてくれたら許してあげますよ? どうしますか?」

 

 僕はセレナに向き直る。そして1つ問いかけた。

 

「ならセレナはこの後何が起こっても受け入れるんだね?」

 

 僕はセレナを壁まで押した。そしてセレナの顎を少し上げさせた。

 

はわわわわわわわ! 修さん……そんな大胆な……」

 

 僕がそのままキスをしてあげると、セレナは気絶していた。

 

『廊下でセレナが倒れているので回収をお願いします』

 

 僕はそのメッセージをオペレーター宛に送った。余談だがセレナの顔は恍惚としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で……あたし様以外にもキスをする優しい王子様は何の用だ? あたし様の事か? マリアの事か? フラクシナスの事か?」

 

「う〜ん……姉さんだけの事……とは少し違うけど、姉さんと僕、それに翼と未来……後は〈誰か〉が側にいた記憶があるけどさ、姉さんは何が知らない?」

 

 こういう時はストレートに聞くべきだと直感が告げていた。

 

「なるほどな。極一部……〈ルナアタック〉の頃あたりの記憶か? それなら今の発言も合点がいくな……」

 

 姉さんは何かを呟いたけど僕には聴こえなかった。

 

「あぁ……多分それは霊力にこもった前任者達の記憶だろうな……あたしにもわからねぇ事があるからなんとも言えないけど……」

 

 そっか。姉さんもわからないのか……

 

「姉さん……僕とデートしよう?」

 

はわわわわわわわ! 修とあたしがデートだと!? 脅かすなよ! そんな冗談やめろぉ! 

 

 姉さんめっちゃ動揺してるじゃん……。僕は言葉を続ける事にした。

 

「姉さんが精霊で、僕が封印できる力がある。それなら僕は姉さんの力を封印するよ? それが弟の役割だとも思うからさ?」

 

「修……ばーか……。2年はえーよ……」

 

 多分来禅を卒業したら姉さんに喰われるんだろうなぁ……。

 

「あぁそれと、デートの場所は栄部のオーシャンパークで良いよね? 平原からチケットを貰ってたんだよ。本当はマリアを誘うつもりだったけど忘れてたのも僕だし、チケットの期日が明後日までなんだ。それまでに水着の調達は済ませるから行かない?」

 

「………………………………行く。絶対水着着るから……………………」

 

 姉さんは俯きながらも了承してくれた。なんだかんだで誘うのは成功かな。

 

 

「じゃあ明日ね? 楽しいデートにしよう!」

 

 僕は部屋を後にした。そしてもう1箇所行かないといけないところが僕にはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜礼音side〜〜

 

 辺りに人がいないのを確認してオレは明美に声をかけた。

 

「明美……いや、エルフナイン……起きているだろう?」

 

「起きてますよ。貴女はラタトスクの礼音さん……ではなく、キャロルですよね?」

 

 やはりエルフナインは知っていたか。ならば話は早そうだな。

 

「手間をかけてすまないな。だがこれでハッキリしたぞ。この世界でシェム・ハが転生させた人物は3人だ。それもオレ達がよく知る……な」

 

「ボク達がよく知る3人……ですか。それはあの世界での話ですか? それともキャロル達が渡った異世界も含めた世界ですか?」  

 

「前者だ。〈Dr.ウェル〉〈アダム・ヴァイスハウプト〉〈風鳴 訃堂〉その3人だ。これはオレ達が立ち上げた組織である〈ラタトスク〉がこの世界に存在する主要人物の中で、特に異質な者達を調べた結果だ。まあ……お前が潜り込んだ〈DEMインダストリー〉の内部または外部協力者として秘密裏に名前が上がっているだろう?」

 

「そうですね。〈魔術師〉の性能を1段向上させたのはDr.ウェルでした。まさかとは思っていましたが本人とは……」

 

「奴は勇に恨みを持っているからな。機会を見て下すとしよう。その為にはエルフナイン……お前の協力が今後も必要になる。危険を伴うが頼めないか?」

 

 正直エルフナインをこれ以上危険に巻き込む理由はない。荒事にはノエルを使えば良い「あまりにも扱いが酷いですよ姉様。そっちがそのつもりならば僕は仕事をサボりますよ?」……気の所為か。ノエルは働かせておかねば怠惰を貪り食う阿呆だからな。奴は過労させるくらいがちょうど良い。勇とオレを使って愉悦に浸れるからな。奴の性根が治れば待遇の改善は約束できるものを……

 

「そういえばキャロル……ノエルはどうしたのですか? 姿が見えませんが……」

 

「アイツはフラクシナスのAIに組み込んだ。放っておけば仕事をサボるからな。システム対応とバージョンアップを常に命じてある。フラクシナスが落ちれば奴も無事ではすまないからな……」

 

「なるほど……ではボクは引き続きDEMの内部で活動を続けます。いずれ動くエレンやアイザックの動きに対応しないといけないですから」

 

 頼もしい妹だな。まったく……嬉しい事を言ってくれる…………

 

「じゃあ勇達が修学旅行に行くまで頼むぞ? そこからはラタトスクに合流して欲しい。その時には面倒な奴等が出て来るだろうからな」

 

「わかっています。ボク達は勇さんが幸せに……そして力を取り戻す為なら何でもやります。芝居の1つ2つ任せてください!」

 

「ありがとうエルフナイン。だがしばらくは明美と呼ばせて貰うぞ? 次にお前の事をエルフナインと呼ぶのは……」

 

「キャロルが……いえ、勇さんとキャロルが力を取り戻した時ですね?」

 

「そうだ。頼むぞ明美?」

 

「任せてください礼音さん!」

 

 そうしてオレは明美の病室を後にした。やはり明美は気づいていたな。

 

 

〜〜礼音sideout〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜修side〜〜

 

 僕はあの後翼の様子を見るついでに買い物に誘う事にした。すると翼は2つ返事で了承してくれた。

 

「じゃあ翼……買い物に行こうか」

 

「えぇ。同行するのは本当に私1人で良いの?」

 

「うん。姉さんの水着を買うつもりだけどレジに並ぶ勇気は無いからさ。本当はセレナも連れて行きたかったけど気絶してるから……」

 

 翼は僕の背後から抱きしめて来た。

 

「嬉しいわ! 私1人で修を独占できるのだもの!」

 

 ……僕の腕を切り落とした事には触れないでおこう。この無邪気な笑顔だけは眩しすぎるから。

 

「修! 私この間買った水着を着ても良いわよね? 私……修をもっと感じたいわ!」

 

「明日行くオーシャンパークならね。もちろん僕と姉さんがデートをするのが本命だよ? 翼をないがしろにしたい訳じゃあ無いけど、姉さんの場合は命に関わるんだ。だからごめんね……翼とセレナには悪いと思っているけど……」

 

 僕の右腕から鈍い痛みが走り、よく見ると刃で斬りつけられていた。傷自体は浅いが、流れる血を見ると翼は僕の傷口を舐めて来た。

 

「ごめんなさい。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 翼は言葉とは裏腹に笑顔で僕の傷口を舐める。まるでマーキングと言わんばかりだ。

 

「修の1番は私よね? セレナでもクリスでもなく私よね? だって1番最初に救ってくれたのは私だものね?」

 

 翼の瞳には光が映っていなかった。なんでこんなに怖いの? これが本来の精霊の姿なの? 

 

「失礼ね。私が修を愛しく思っているだけよ。修を傷つけて良いのは私だけ。修に傷つけてもらうのも私だけ。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ただひたすらに翼が怖く感じた。僕はそんな翼を連れて水着の調達になんとか成功した。

 

「とりあえず準備はできたな。……姉さんが当たり前のように僕の前で下着姿で過ごす事が多かったから、なんとなく水着のサイズがわかっていたのは大きかったな……」

 

 姉さんの水着を持ってレジに並ぶ翼は凄い表情をしていたけど、店員さんには申し訳無いな。うちの(精霊)が申し訳ありません。

 

〜〜修sideout〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜未来side〜〜

 

「燎子隊長……これがDEMから届いた新兵器の……」

 

「えぇ……DW-029・討滅兵装〈ホワイト・リコリス〉よ。DEMでも使用者を廃人に追い込む程の反動を見せる程凶悪な力を持つ代物と言われているわね。今回はナイトメアに続いてイフリートも現れたから使用許可も当然といえば当然だけど……誰が使うって言うのよ……」

 

 折紙さんの嘗て使った顕現装置(リアライザ)だ。反動は凄まじく、折紙さん自身もかなりの性能と活動限界の速さに苦悩した……。でも嘗てシンフォギアを纏った私なら使いこなせる……そんな確信が何故かあり、私はこの顕現装置を待っていた。

 

「隊長……私が使っても良いですか? 今回出現したイフリートの潜伏先に心当たりがあります。杞憂である事まで考えると報告するか迷いましたが……」

 

折紙の在任期間もそうだったけど、その手の勘は信じる価値があるわね……良いわよ。ただし起動したら本部への連絡が自動的に入るように設定してもらうわ。異論はあるかしら?」

 

「ありません。ありがとうございます隊長!」

 

 ようやく手に入れたよ……このリコリスを扱えるようになればあの力……〈絶滅天使〉のコントロールも可能になるし、併用ができるようになれば私は誰にも……※※※にも負けない! 今度こそ必ず勇君を振り向かせるんだから! 

 

「その為にも踏み台になって貰いますよクリス義姉さん?」

 

〜〜未来sideout〜〜

 

 




2度目の失敗はない……未来は覚悟を決めた。

次回〈オーシャンパークで姉さんとデート〉

更新をお待ちください。

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この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?

  • キャロル1択だよ!
  • せっかくだからヒロイン交代で
  • 前任者達も参戦!
  • 精霊達に押し倒されてしまえ!
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