6月11日……僕が姉さんとのデートを決行する日だ。
「じゃ姉さん……行こうか? 今日は姉弟水入らずでデートをしよう!」
「……邪魔者達がいないならな……あたしだって恥ずかしい時はあるんだよ……」
姉さんは顔を赤らめていたけど、僕は構わずに姉さんの手を引いた。
「それじゃあ行こうよ! それが僕達の
「ハッ! そんな歯の浮くような台詞を良くも言えたもんだ! 少し前まであたし様に押し倒されそうになって士道先輩に泣きついた癖によぉ!」
確かに僕は姉さんや翼……そしてセレナとの距離感に戸惑いを隠せない。しかしそれは僕自身が何か大事な事を忘れているからだ。それがわかれば本当は姉さん達と〈そういう事〉だってしたいよ。だけど僕は今は迷っている。だから答えを出すには早すぎるんだよ。
「逆に姉さんは僕にそこまで執着する理由が知りたいね! 僕と姉さんはいわば幼馴染の関係だ。だからこそ僕はそれが特有の距離感だとも思っていた。だけど最近になって気づいたよ。姉さんの目は
「おーおー生意気な事を言うようになったな修……。だけど心配はいらねぇよ。あたし様をデートでデレさせたら教えてやる。そうすりゃ霊力の封印もできるし、一石二鳥だろう?」
流石〈フラクシナスの艦長〉を任されてる姉さんだ。建前や立場をフルに使って自分が良い思いをしながら義務や仕事を果たそうとするなんて役得ポジションだよねえぇ……
「さて……少し時間を無駄にした気もするけどデートを楽しもうよ? 僕だってこんなに美人な姉さんとデートをする事自体はドキドキするからさ?」
「あたしはいつでも愛しい修を押し倒してしまいたいぐらいドキドキしてるよ。だって修の事を手放すなんて世界を捨てるようなモノだからな?」
愛が重すぎる気がするなぁ……やっぱり最近の私物の紛失や宝物の本が姉弟モノに変わっているのは姉さんの仕業だな?
「姉さん……僕の質問に答えて欲しい。僕の事は大好き?」
「うぅ……そりゃ……まぁ……狂おしい程に大好きだけど……」
最後の方は聞き取れなかったけど、僕の事を意識してくれる事はわかった。だから僕は全力で姉さんをデレさせる事ができる。
「じゃあプールに着いたら泳ごうよ! 僕も久しぶりに外で水着を使うからさ!」
「そしてあたしはその使用済の水着を後で貰うぜ? 安心しなよ。同じ種類の水着は取り揃えた。修が困る事はないぜ?」
……いや、僕の水着で一体何をするつもりなんだよ? ……平原に聞いたらわかるのかな?
「……見つけたわよ? やっぱりオーシャンパークにいたのね? そしてクリスの事を封印するつもり……か。あぁ……手遅れなのかしら?」
「許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません許せません私は修さんが大好きです。心から愛しています。なのに何故私の心は満たされ無いのですか? 私は何か悪い事をしたんですか? 人を愛した事が罪なのですか? それとも胸ざ無いのが罪なのですか? この小さな身長がダメなのですか? 教えてください。私は何故こんなにも心が締め付けられているのはでしょう?」
少し離れた場所から僕達を見ているかのような気配を感じた。しかし確信も得られなかったから気にしないように頑張った。
「……やっぱり視線を感じるなぁ……胸が大きいからなのか?」
僕は姉さんが何故人の視線を集めるか心当たりはあった。しかし確信はないから言える訳もなかった。
「……姉さんの場合は顔立ちも綺麗だと思うよ? それにその赤い水着は姉さんのボディを引き立たせているからね。僕は1人の男子として姉さんの水着姿は綺麗だと思う。だから自信を持ってよ姉さん! それに普段は男勝りな言動をしているのに、相手に主導権が渡った瞬間から動揺するそのギャップには正直萌える。それが姉さんらしいとも言えるからね?」
僕はひたすら姉さんを褒めまくった。すると効果てきめんと言わんばかりに水着姿の姉さんは耳まで真っ赤にして体を震わせていた。僕は姉さんのこの姿が好きなんだよね。女性扱いされて慌てる姉さんが可愛く見えるから。
「……もぅやめてくれぇ……。これ以上はあたし様がもたねぇよぉ……恥ずかしくて倒れてしまいそうだ……」
僕はありのままの気持ちを姉さんに伝えた。霊力の封印には好感度が高い事が条件らしいけど、僕の勘が正しければ姉さんは間違いなく僕にこ好意を寄せている。……というよりは、そうじゃ無いなら僕の自意識過剰で恥ずかしくて仕方無いけど……。
「あうぅぅ……泳いで来るから!」
姉さんはとうとう耐えきれずにプールに飛び込んだ。しかし急に飛び込んだこともあり、気づけば明日をつってしまったのか溺れていた!
「うぐぅぅ……助けてくれぇ……修……助けて……」
最後には消え入りそうな声で助けを求める姉さんに僕は夢中で救出していた。どうやら準備体操をせずにプールに入り体が思うように動かなくなり、溺れてしまったようだ。しかし不幸中の幸いそこまで水を飲んだ訳ではなかったので、なんとか助かった。
「ごめんな修……姉ちゃん久しぶりに修とデートできて嬉しかったんだ……初めて修があたしの水着を選んでくれて、久しぶりに2人でプールに来る事ができた。パパとママが昔は連れて行ってくれたけど……当時よりも……修が大きく見えるよ……。本当にあたし達は変わってしまったんだな……」
姉さんは僕達が本当にまだ小さい……7年ぐらい前の記憶を語っていた。僕はあの頃姉さんがお嫁さんになる事を照れながらも否定はしなかった。それは子供だからとも取れるし、姉さんと僕の距離感が近いからだとも言えた。……しかし今はその関係で良いのか僕自身も悩んでいる。
「僕だってこの関係について考えて行かないといけないんだな……それに翼やセレナとの事も……「呼んだかしら修?」「呼びましたか修さん?」ぇ……?」
「私達もここに来てみたのよ? 未来の家族になる旦那様のデートだもの。……それに私の姉になる人物の弱みは握っておかないと小姑となった時にうるさい人物ならかなわないわ?」
「本当は修さんのデートを見守りたかったです。しかしあまりにも甘い雰囲気になったのでクリスさんに牽制をしないといけないなぁ……と思いましてね?」
「なんで2人がここに……一応僕と姉さんのデートなんだよなぁ……」
本当に予想外の遭遇だった。それは姉さんも同じなようで少し体が震えた後に怒髪天で2人に怒鳴り出した。
「てめぇら……ガタガタ勝手な事を抜かしてんじゃねぇ! 誰がてめぇらに修をくれてやると言ったあぁ! とっととあたし様の前から消えろぉ! 」
「あらあら……私は本気なのよ?」
「まったく……弟離れを拗らせると婚期を逃しますよ?」
2人は尚も姉さんを挑発するが、姉さんも負けじと食い下がり2人に吠えた。
「余計なお世話だっつてんだよ! それにあたし様の結婚相手は修だ! 絶対にてめぇらみてぇな貧相な小娘共には愛しい修はやらねぇよ! 」
「あらあら……随分ご乱心ね……怖くて仕方無いわ?」
「修さん……私あの人が怖いです……助けてくださいますか?」
セレナと翼が僕の背後に陣取り、姉さんと睨みあった。気の所為か2人はほくそ笑んでるように思ったのは僕だけかな……
「ごめん2人共……今日だけは勘弁してもらえるかな? 姉さんの命に関わる事なんだ。2人には悪いと思っているけど……本当にごめん……」
僕は歯切れの悪い言葉しか2人に投げかける事ができなかった。しかし2人は僕の言葉に耳を傾けてくれた。
「セレナ……ここまでにしましょう? これ以上は修に迷惑をかけてしまうわよ? 私達は修に愛されたいけど、嫌われてしまら生きていけないわよ?」
「そうですね……これ以上やっても意味がありませんね。では修さん……次の機会でその心を私に砕いてもらいますよ?」
「保障しかねるけどありがとうね。おかげで姉さんの本心を聞くことができたから助かったよ」
「どういたしまして。だって私は修の妻だもの」
「はい! 夫を支えるのは私の役目ですから!」
2人共何言ってんだろう? 僕は条件付きで了承した筈なんだけど……
「てめぇら……さっさとあたし様の前から消えろおぉ!! そして2度と修を誑かすなあぁ!! 」
姉さんの怒声が再び響き渡った。
「あれ? 私も修君のお嫁さんなんだよ? 邪魔な小姑はいらないし、精霊は殺さないといけないんだよクリス義姉さん?」
「え……この声は……」
僕は自分の耳を疑った。そして声の主を確認しようとすると僕達全員をターゲットにしたようにミサイルが降り注いで来た。
「大丈夫だよ修君……修君は死なないし、もし足が吹き飛んだら私が一生支えてあげるからね?」
僕が声の主を確認する為に上空を見ると、今までにない程の大量の装備を展開して僕達を……精霊と言われる3人を殺害しようとする〈小日向 未来〉がそこにいた。
「なんでこんな事をするんだよ……未来……」
…………僕の呟きは未来には届かなかった。
クリスの本心を聞き出すことには成功した。しかしそこに未来が現れて……
次回〈未来の覚悟と精霊達の想い〉
更新をお待ちください。
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この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?
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キャロル1択だよ!
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せっかくだからヒロイン交代で
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前任者達も参戦!
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精霊達に押し倒されてしまえ!