それは僕達にとって……
修達が〈灼爛殲鬼(カマエル)〉の力を封印したその10日後……6月21日に天宮市に異変が起きた。
「この気配は……〈凶禍楽園(エデン)〉か? でもなんでアイツが……凜祢がいるんだ……?」
俺が状況の整理を始めようとすると、聞き慣れた声が聞こえ、ついでその主達が俺の元々に駆けつけた。
「士道! 無事か!?」
「お兄ちゃん無事!?」
「士道! 怪我はない?」
「士道さん……あうぅ……」
「ッ! 士道さん! 大丈夫でして!?」
「十香! 折紙! 四糸乃! 琴里! 狂三! お前達どうしてここに……」
「それは私達が呼んだからだよ? 今回は士道達に邪魔されるのは嫌だからね?」
俺達を集めた人物が声を上げた。そして現れた人物に俺達は動揺が隠せなかった。
「お前は……凜祢か! 本物なのか!」
凜祢は俺達の眼前に立つと俺を抱きしめた。そして耳元でこう告げて来た。
「士道達の知る〈園神 凜祢〉だよ? だけど今回の〈凶禍楽園(エデン)〉のターゲットは士道達じゃあないの。だから士道……今回の皆は何もしないで貰えないかな?」
凜祢の目的はなんだ? 俺達による修達への防止? ひとまず状況を整理しないと……
「園神 凜祢……何が目的? 事と次第によっては私が相手になる。幸い
折紙は凜祢にそう告げると、〈絶滅天使(メタトロン)〉を顕現させた。これには流石の凜祢も冷や汗をかいている。
「う〜ん……私自身には戦闘するつもりはないんだけどなぁ……それに折紙さんの相手は骨が折れるからなぁ…………本当に戦闘したくないけど……」
凜祢は俺達を前にして尚も戦闘態勢に入らない。何が目的だ?
「本当に何が目的なんだ凜祢? 何をするつもりなんだ?」
凜祢は俺の問いに答えてくれた。
「私の目的は彼……修君だよ? もちろん士道と会いたかったのは嘘じゃあないし、今でも士道の事は忘れてないよ? でもね……今は修君が欲しくて欲しくて狂しいほど大好きなの……ねぇ折紙さん……琴里さん……2人ならわかるんじゃない? 私のこの気持ちが……」
琴里は凜祢の言葉を聞くと、すぐに返事を返した。
「あら凜祢……どういう心変わりかしら? 士道に魅力がなくなったと言う訳? おにーちゃんにそんな侮辱をされて許す私だと思っているのかしら?」
「士道から手を引いたのは素晴らしい。しかし解せない……彼が士道に勝るとは到底思えない」
2人は俺の養護をすぐに始めた。しかし凜祢の返事もまた意外なモノだった。
「私ね……士道に救われた時に思っていたの……もし実体が持てたらな……って……でもね? その願いを叶えてくれたのが勇君だよ? そして私が勇君の世界にたどり着くまで彼はずっと待っててくれたの。だから私は今は彼が愛おしいの……それに彼はね……士道の生まれ変わりみたいな魅力があるの……」
「修が俺の生まれ変わり……な。まぁ確かに言われてみればそうだな。修はまるで俺を目指したかのような行動が多かった。恐らく無意識だろうけどな……それでも自分のできる事をやり続けた修は立派だよ。例え志半ばで倒れたとしてもな……」
「おにーちゃんがそこまで言うなら修は立派に成長できるわね。新生ラタトスクの協力者になって良かったわ」
「そういう事であれば仕方無い。しかし凜祢……! その道は困難を極める。何故なら私は未来に全てを叩きこんだ。愛おしい彼を奪う為にどうすれば良いかを……」
だよなぁ……折紙なら絶対未来に叩きこんだだろうなぁ……
「なら凜祢は今は誰かを依り代にしてるのか? よくそんな事を許容した人間がいたな……」
「うん……勇君と関係を持って唯一あの世界では身を引いた人が1人いたの。その人は勇君の子供を成人するまで育てあげてからこの世界にいる私にコンタクトを取ったの……そしてその人物がこの世界の私の依り代になった時に、嘗て士道と過ごして更には異世界に渡ったこの〈私〉へと記憶が引き継がれたみたいなの」
なるほどな。それなら修……いや、勇として生きた時代を知る人物な訳か。そして目的が合致した2人はギブアンドテイクの関係になった訳か。
「最後に教えて欲しい。俺達にはどうして欲しいんだ?」
「士道達は修君としての選択を私と見守って欲しいな。だって今では違うけど元カレを傷つけてしまうのは嫌だから……」
まぁ……〈凶禍楽園(エデン)〉の中は時間がループするからな……。俺達の負担自体はほとんど無い訳か。
「まぁ……どちらかと言えば今回の〈凶禍楽園(エデン)〉では色欲に溺れると思うよ? だって彼女達は気づいているからね?」
「は? どういう意味かしら? まさかクリス達は時間がループするのを良いことに彼の貞操を奪うつもりなの? 呆れるわね……お預けが出来ないのかしら?」
すると今まで大人しくしていた狂三が声を上げた。
「あらあら……琴里さんは酷い方ですわね。もし当時〈凶禍楽園(エデン)〉の時がループしている事を知ったならばます士道さんの事を押し倒したのは琴里さん……貴女ではありません事?」
「うっさいバーカ! 人のおにーちゃんを誑かしてるアンタを私はまだ認め無いわ! 絶対にこの〈凶禍楽園(エデン)〉で白黒つけてやるんだから!」
「奇しくも人間同士の私達ですからね? ここは士道さんの事をより満足させた方の勝ちと言うのはどうでしょうか?」
「あら? 良いじゃない。ならこう言うべきかしらね?」
すると2人は声を合わせるかのように同じ言葉を告げた。
「「さあ……女の意地をかけた
頑張れよ修……俺も多分この世界では皆に貞操を奪われるけど……
天宮市が不思議な空間に包まれた。それに気づいたのは僕だけじゃなくて、翼・セレナ・姉さんも気づいたみたいだ。そして何よりマリアがいつの間にか僕の背後にいた。
「ふふっ久しぶりね皆……この世界が形成されてからすぐに飛んで来たわ。だってここでの出来事は全て夢で終わるもの……」
「どの面下げて来たマリア……修のハジメテはこの世界だろうと渡さねぇぜ?」
「ねぇマリア……せっかくだから白黒つけないかしら? 私は貴女を殺したいわよ?」
「残念ですが死んでくださいマリア姉さん……もう私達は仲の良かった姉妹ではありませんよ?」
「戻って来てすぐにこんな事になるなら精霊は全員排除しないといけないよね? 待っててね修君……すぐに静かになるから……」
僕の周りでは何が起こっているんだ?
「それはね……この空間が精霊達の嫉妬から作り出された空間だからだよ? まぁ……私も修君が欲しいけどね?」
そう言って僕達の前に現れたのは、緩いウェーブの掛かったセミロングの薄い桃色の髪をした少女だった。
「私の名前は〈園神 凜祢〉だよ。修君の事が生まれた瞬間から大好きで、世界で1番愛してる女の子。世界を滅ぼしても君の事を手に入れたい精霊の1人だけどね?」
新しい精霊か。僕がデートしてデレさせないといけない精霊なんだね。
「さあ皆……女性としてのプライドをかけた
僕達の新しい
〈凶禍楽園(エデン)〉で行われた内容については別枠で投稿します。
次回〈楽園と僕達の決意は……〉
更新をお待ちください。
この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?
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キャロル1択だよ!
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せっかくだからヒロイン交代で
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前任者達も参戦!
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精霊達に押し倒されてしまえ!