凜祢と名乗る人物から接触を受けた僕達は、一度情報の整理を行う事にした。
「皆も気づいているよね? 僕達は間違いなく1度は凜祢に殺された……だけど何故か僕達の死はリセットされている……」
「そうだな……確かにあたし達は修を押し倒した後、突然現れた凜祢に不意打ちで殺された。油断していた事や修を押し倒せた幸福感に包まれた時なのはあるだろうな……だけど祖だけが原因とは思えねぇ……」
「遺憾ですがクリス義姉さんの意見には思うところがあります。明らかに私達を標的にしてるのにこの状況が作られてる。これは作為的な事としか思えませんよ?」
「修は私達を救ってくれたわ。だけど……彼女は最初から修に好意を寄せていたわ。女の勘が告げているの……」
「修さんの事は私は運命の王子様だと思っていますよ? でも何故でしょう……凜祢さんとは初対面な気がしないんですよねぇ……」
「それは同感ね。私達は恐らく過去に彼女と出会っているわ。だけど何処で出会っているかはわからないわね……」
僕達はそれぞれが凜祢に感じた事を話しあった。しかし皆これといって決定的な何かを見つける事はできなかった。
「でも凜祢はこの場所を〈楽園〉って言ってたな……なんで楽園って言ってたんだろう?」
「それは多分ここが現実では無いからじゃあないかしら? だってここで私達が欲望のままに行動しても現実では何も起こっていない……なら私達は思う存分に自分のヤりたい事ができたわ……」
「しかし同時に〈それ〉を果たした瞬間に私達のいの事は彼女に奪われました。まるでそれが誤りであるみたいですよね?」
「だけど皆は思わねえのか? 修と交わりたい……欲望のままに修を食べたいって……」
「確かに私達は修の事が好きで……愛していて……他の誰かに取られるくらいなら……修を自分の手で殺したいくらいに思っているわよ? 皆もそうでしょう?」
「まるで私達がやる事を知ってるみたいだよね……なんでそんなにはっきりわかるんだろう……?」
僕達は今の会話でそれぞれが何か共通点がないかを必死に考えた。そしてもしかしたら……と言える凜祢の言葉を思い出した。
「ねぇ……確かに凜祢は言ったよね? この世界は精霊の嫉妬が作り出した空間だって……もしその嫉妬が、僕達じゃなくて……凜祢の嫉妬だったらどうだろう?」
自分でもあまりにも突飛な事を言ったと思える。しかし僕だけは皆と違い何故か幾度も凜祢に殺された記憶があった。その理由がこの空間を解除する要因になり得るのではないかと思えた。
「じゃあなんで未来までここにいるんだよ。未来は精霊じゃあねぇだろう?」
そう……未来はこの中で唯一精霊じゃあ無い。しかし何故か未来もこの時間がループする楽園に閉じ込められている。その共通点を探さないと……
「姉さん……ごめん……突飛な事を言った自覚はあるんだよ。でもね……未来が巻き込まれた理由はとても大事な気がするんだ……精霊を倒す筈の未来がなんで精霊に狙われるのかが……」
「修君……そこまで私の事を想ってくれてるんだね! 嬉しいよ修君!」
未来は僕に抱きついて来た。そして僕に濃厚な……舌を入れたキスをして来た。
「……ぷはぁ……修君の唇は美味しいね! 私……何度でも求めてしまいそうだよ!」
「「「「未来! 良くも抜け駆けしたなぁ! 」」」」
4人の心が1つになったなぁ……ん? 心が1つになった?
「ねぇ皆? もしかしたらこの世界は……皆がどれだけ欲望を我慢できるかが大事なんじゃあないかな……? 僕はいずれも押し倒されたけど……皆は押し倒して来たし……」
僕は思った事を正直に伝えた。すると皆は黙り込んで考え出した。
「欲望……欲望か。確かに修のハジメテを奪った時にあたしはやられたな。ずっと我慢してきて……邪魔者達がいないのを確認してからあたしは修を襲った。それは修の望んだ形じゃあなかったな……」
「修は私の事を求めてくれた。でも……邪魔者達は確かにいたし、私自身もこんなやり方しかできなかった自分が悔しいところもあるわ……。でも襲った事実は変わらないわね……」
「修君が私達の前からいなくなると思うと胸が張り裂けそうになるね……だから私は修君が逃げられないように求めて来たけど……」
「私は修さんにまた救ってもらえて嬉しかったです……だからずっといっしょにいて欲しいと願いました。そしてその機会が訪れた今回は手段を選んでいられないと思いあんな事を……」
「修の為なら何でもできるわ……そして同時に修には私がいないといけないと強く想ってしまうの……その為には赤ちゃんがほしかったわ……でも修がそんなやり方で喜ぶかどうかって基本的な事がわからなくなるなんて……私はとても愚かだわ……」
皆が思い思いの言葉を口にしている。本人達は独白のつもりなんだろうけど……僕は偶然なのか……それとも彼女達がわざと聞かせたかはわからないが、とにかく彼女達の愛が……まさかクリス姉さんからの愛までここまで重いとは思っていなかった。
「皆は……なんでそこまで僕の言葉を……」
僕は何故ここまで皆に求められるのかはわからない。だけど凜祢のやってくれた事で、皆が明らかに僕への強く確かな好意を寄せてくれること……そして手段を選びたくないことがとても良くわかった。
「ようやく皆気づいてくれたんだね?」
僕達がそれぞれの答えを見つけた時に凜祢は現れた。
「修君はまだわからないだろうけど……私はね……修君に嘗て救われたの。だから今度は私が修君を救うよ? そしてもし良かったら私の愛も受け入れて欲しいな?」
凜祢はそう僕に伝えるとキスをして来た。そして凜祢の僕に対する想いが流れ込んで来た。
「凜祢……君は一体……?」
「それは……まだ話せないかな? 修君が会わないといけない全員と出会って……そして力を取り戻す時に改めて語るよ? だから……それまでは少し待ってるからね?」
凜祢はそう告げると僕達の前から姿を消した。しかし何故だろう……凜祢とはまた会える……僕はそんな気がしてならなかった。
この話はR18回のバッドエンドの後の時系列となりますので、そちらを読んでいただければ幸いです。
次の更新の際はザババ編から再開します!
それまではお待ちください。
この続編……メインヒロイン交代しちゃいます?
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キャロル1択だよ!
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せっかくだからヒロイン交代で
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前任者達も参戦!
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精霊達に押し倒されてしまえ!