人類は衰退中です   作:つりーはうす

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人物、用語紹介
わたし
旧人類の女性。国連調停事務所の所長であり、新人類である妖精さんと旧人類との関係を取りもつ調停官でもある。A,B,Cの教師も掛け持っている。
A
旧人類の少年。
B
旧人類の少年。
C
旧人類の少女。
妖精さん
10センチほどの体に大きな帽子を被ったメンヘラチックな容姿をしている現人類。21世紀、特に極東の島国から発生したパンデミック以降頻繁に目撃される。
大断絶
旧人類の歴史上、何度か発生した情報的な断絶。パンデミックの他に地球に墜落する隕石群とそれを迎撃する核ミサイルの話などもある。


序章

「なあ、先生。何で俺たち人類は衰退したんだ?」

ここはクスノキの里にあるクスノキ総合文化センター。

一時代前なら立派であっただろう三回建ての円筒形の建物ですが、この建物も例に漏れず天井が一部崩落したコロッセオ風となっているように衰退中の人類の住まいに相応しい様相となっています。

まあ、他の建物に比べたら損傷もそれほど酷くないので色々なことに使われているんですけどね。

そして現在進行形で文化センターの一室を使用しているわたしが何をしているかって?

A,B,C三人の教師をしているんですよ。

 

 

 

現人類である妖精さんと旧人類である私たちの間を取り持つのがわたしの仕事である調停官の役目。

国連調停事務所の所長をおじいさんから譲り受け、日々妖精さんとの調停に明け暮れる毎日。

妖精さん関連のみならずクスノキの里に住んでいる住民のトラブルまで何でも受け持っています。

そのため教職でもないのに子供を教えてやってくれとおじいさんから頼まれた(強制)時は、頭が真っ白になりました(原作7巻)。

なんやかんやありましたが、それ以降も時間があればこの三人を教えている今日この頃です。

 

 

 

さて、先程「なぜ人類は衰退してしまったのか?」という質問をしたのは、私の教え子の1人であるA。

まさか衰退中の人類がこのような探求心のある質問をするとは教師であるわたしも幾らか驚きました。

それも優等生気質のBではなく腕白坊やのAがするのですから。

 

 

 

国家が教育という制度を終えてから数百年たった現在、教育というのは親から子へと引き継がれる物となっています。

そのため簡単な計算や読み書きなどといった生活に関わる学問が生き残り、旧人類の世界で繁栄していた自然科学、社会科学、人文学といった学者様の学問はお亡くなりになりました。

そりゃそうですよね。

これらの学問の基礎を学ぶ学校がないのに伝えられるわけないじゃないですか。

人類最後の教育機関である学舎を卒業した私でさえ先日の『月旅行』がなければこれらの学問のことなど知り得ませんでしたよ。

知り得たといっても旧人類が繁栄していた時代における高等教育機関で学び、学位を授与される者と比べたら圧倒的に知識不足なのですが。

 

 

 

これ以上脱線するのはAにもよろしくないのでそろそろ彼の質問に答えないといけませんね。

ですが簡単に答えるのも彼のためにはならないので彼に考えさせてみますか。

「そうですね・・・。逆に聞きますがなんで衰退したと思いますか?」

「え~質問しているのは俺の方なんだけど?」

「自分で考えるのも学びの一つですよ。B君とCさんも考えてみてください」

そこから三人とも考え込みますが中々答えが出て来ません。

まあ衰退まっしぐらの私たち旧人類が過去のことなど知っているわけがありませんからね。

そうしていると降参というかのようにAが手を挙げました。

 

 

 

「先生、やっぱ思いつかないよ。そろそろ教えてくれよ」

「しょうがないですね。人類が衰退した理由は諸々あります。隕石が衝突したこと、戦争があったこと、飢饉が発生したこと、子供が生まれにくくなったこと、人類の成長が止まったこと・・・。これらは伝承が曖昧なため事実かどうかは分かりません。ですが一つだけはっきりとわかっていることがあり、それが衰退への大きなきっかけではないかと言われています」

「きっかけ・・・ですか?」

「はい、B君。きっかけです。それは疫病。遥か昔、どこかの島国から致死性が高く感染率の高い病気が大流行し、全世界中へと広がりました。感染すると人ならざる者と成り果て、人を襲うというこれまでにない病気は最終的に収まりましたが、その影響が尾を引き人類は衰退したと言われています」

「そんなこと知らなかったわ」

Cがそう呟きます。

ええそうでしょう。

なんたって大断絶の遥か向こう側にある旧人類の失われた記憶の一話なのですから。

じゃあなんで失われた記憶をわたしが知っているかって?それは原作9巻を読んでくださいね。

 

 

 

「先生、今日の授業はそこまでにしてそのことについて教えてくれよ」

Aがそう言うと、BとCも目を輝かせて話を聞きたそうにしています。

本当は他里との交流について教えたかったのですが、まあたまにはいいでしょう。

歴史を伝えるのも学者の一人であるわたしの役目。

そこからわたしは汽車の窓から眺めていた学舎と思わしき建物に立てこもっている五人の女性のことを思い浮かべて話し始めました。




始めましてそしてお久しぶりです。
現実逃避第二弾の投稿をしています、つりーはうすです。
現実逃避とは何ぞやと思う方は著者の最新話「ロクでなし魔術講師、アルベルト=フレイザー」をご覧ください(宣伝じゃないよ!)。
さて現実逃避に本棚を片付けていると昔の本が出るわ出るわ。
その中から「がっこうぐらし」と「人類は衰退しました」を読み進めていると、「これをクロスオーバーさせたらおもろいんじゃね?」という感じで書き始めてみました。
現実逃避で書いているので続くかどうかは分かりませんが、気になっている読者は待っている間にこの二つの作品を読むことをお勧めします。
とても面白いですよ。
それでは気長にお待ちください(1、2週間ぐらいかな?)
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