星降る夜のイヴ   作:野生のムジナは語彙力がない

1 / 6
初めましての方は初めまして!
ハーメルンの方でいくつかアイアンサーガの二次創作をさせてもらっているムジナと申します。狸(型BM)ですよろしくお願いします

注記
・クリスマスイベントなので、出演はクリスマススキンを持っているパイロットに限定されます。読んでくださる指揮官様のためにも、本当は全員を登場させたいのは山々なのですが、それだとムジナの語彙力が追いつかないので……申し訳ないのです。

・先にも述べたのように、本作はムジナが昨年書いた『12の月の小夜曲』の続編にあたります。一応、初見でも読めるように配慮しておりますが、先にそちらをお読み頂くとより一層、話が分かりやすくなるかもしれません。

・文中の ( ) で囲まれている部分が指揮官様のセリフです。ただし、必ず( )内のセリフを喋っているわけではなく、あくまで『このようなことを言っている』ということでもあり、また一人称も特に設定しておりませんので、ご自身の話し方に合わせて脳内で変換していただけると幸いです。


長々と失礼致しました。
それでは、始まり始まり……



プロローグ

機動戦隊アイアンサーガ

非公式クリスマスイベント2020年版

『タイトル未定』

 

 

 

 

プロローグ

 

 

 

 

 

基地内を騒然とさせた『あの事件』から数日後……

 

 

 

12月……日ノ丸の言葉で師走。

文字通り、走り回るほど忙しいという意味が込められたこの月。世間は12月特有の忙しなさに包まれつつも、来たる年末に向けた高揚感に溢れ、それがどこか楽しげな風さえ感じさせられた。

 

 

 

エリア████ベース████(指揮官の基地)

12月某日 お昼前……

 

 

 

(……ん、まあこんなものかな)

 

多忙なのは巨大傭兵組織の創設者であり、ベカスや朧などといった数多くの優秀な人材を従える指揮官も同じだった。

今日も朝早くから執務に取り組み、膨大な量の仕事も一区切りがついたところで、そろそろ朝食を摂ろうとした時には既に日は高く上りきっていた。

 

(午後も色々やることがあるし、今のうちに何かお腹に入れておかないと……)

 

時間的にも昼食にはまだ早い。しかし、空腹もピークに達していることもあって、指揮官は少し早めの昼食を摂るべく身支度を整え、自室から基地内の食堂へと向かった。

 

広い基地内を歩いて食堂へたどり着き、辺りを見回すと、昼食の時間にはまだ早いこともあって、飲食をしている人は殆ど見られなかった。

何を食べようか……

そんなことを考えながら、食堂の隅っこにある券売機の方へと向かった指揮官は、そこで意外な人物の姿を目撃した。

 

(あれは……?)

 

見ると、そこには全体的に青い髪で、毛先だけがピンク色に染まっているという、特徴的なツインテールを揺らす1人の少女がいた。

 

真紅の瞳、幼い容姿ながらもメリハリのある身体つき、この季節に寒くないのだろうか……いつもの胸元からお腹にかけて大きく開いた服とミニスカートの組み合わせを着用している。

「…………」

その少女は、ぼーっとした様子で券売機の前に立ち、心ここに在らずと言った目でコインの投入口を見つめていた。

 

(セラスティア?)

 

「……っ!?」

 

指揮官が呼びかけると、その少女……セラスティアは何故かびくりと体を震わせた。

 

「し、指揮官……!?」

 

驚いた様子でセラスティアが背後の指揮官へと振り返る。しかし、いつもの自信たっぷりな様子は何処へやら、セラスティアは非常にあたふたした様子で頰を赤く染めていた。

 

(えっと……どうかした?)

 

「どうって、何が……?」

 

(いや、顔が赤いけど?)

 

「こ、これは……ちょっと寝不足で……」

 

そう言ってセラスティアは指揮官から顔を背けた。

寝不足で顔が赤くなるものなのだろうか?

 

(もしかして風邪……)

 

「風邪なんかじゃないわよ!」

 

もう12月ともあって、外はおろか室内ですらヒンヤリと張り詰めた空気が充満していた。そんな中で露出の多い服を着て出回るのは、風邪を引きたいと言っているようなものだ。指揮官はセラスティアの体を気遣ってそう尋ねたものの、セラスティアはそれを強く否定した。

 

「天才の私が風邪引くわけないでしょ!」

 

普通は逆なんだけど……

そんなことを思いつつ、指揮官は苦笑いを浮かべた。

 

(ところで、今からご飯?)

 

「そ、そうだけど……何?」

 

(いや、いつもこの時間はラボにいるか、格納庫で機械いじりしてるっていうイメージがあるから、ここで見かけるのは珍しいなって思って……)

 

「失礼ね! 私だって偶にはご飯くらい食べに来るわよ!……ふん、どーせいつもは自分のラボに引きこもって1人孤独に細々と食べてますよーだ」

 

(そこまでは言ってないんだけど……)

 

怒っていじけた様子を見せるセラスティア。それに対して指揮官は謝罪しつつも……そんな彼女に、いつもの調子が戻りつつあることを確認して、密かに安堵していた。

 

しかし、それで安心してはいけないことを指揮官はしっかりと理解していた。スタッフのメンタルケアも指揮官の大事な役割の1つである。

もし、セラスティアが何か悩みを抱いていたり、心に何か問題を抱えているのであれば、親身になってそれを解決へと導く必要があった。

 

(よかったら、ご飯一緒に食べない?)

 

先ほどの様子から、セラスティアに何かがあることを悟った指揮官は、食事を共にすることで、さりげなく彼女から話を聞き出そうとするべく、そう提案した……しかし

 

「な、なんでアンタなんかと一緒にご飯を食べないといけないのよ!?」

 

……アンタなんかって

セラスティアの激しい反発に遭い、流石の指揮官もこれには少しだけ心の中でチクリとするものを感じた。

 

(あー……実は、1人で食べるのも寂しいからって、ここに来るまでに何人かに声をかけたんだけど、時間も時間だし、誰も捕まえられなくて……)

 

「え? あ、そ……そうなんだ……」

 

(嫌なら別にいいよ。邪魔しないようにお昼ご飯はテイクアウトにして、別のところで食べるからさ……)

 

そう告げて、指揮官がテイクアウト用のメニューが並ぶ券売機の方へと移動しようとしたところで……

 

「ま、待ちなさいよ!」

 

セラスティアに袖を引かれ、無理やり引き戻された。

 

「あ、アンタが……どーしても私と一緒に食べたいって言うんだったら……い、いいわ! 付き合ってあげるわよ!」

 

(本当?)

 

案の定、目の前に垂れ下がってきた餌に速攻で食いついてきたセラスティアに、指揮官は内心ではニヤニヤとしつつも、平静を装って大げさに驚いてみせた。

 

セラスティアがラボで1人寂しく食事をしているのなら、その寂しさも知っていることだろう。ならば、目の前に同じ境遇の人がいるのなら放っては置けないはず……言い方は悪いが、指揮官は彼女の優しさにつけ込もうとしていた。

 

「か、勘違いしないでよね! 私は1人寂しく食事する指揮官のことが可哀想で可哀想でたまらなくて……仕方なーく、一緒に食事してあげるんだからね?」

 

(分かってる。ありがと)

 

「流石指揮官、分かってるじゃないの〜。それじゃあ、お代は指揮官持ちってことでいいわよね?」

 

(ん、お安い御用)

 

チョロいなぁ……

密かにそんなことを思いつつ、指揮官は上機嫌な様子の彼女を微笑ましく見つめた。それから券売機で2人分の食券を購入し、カウンターへと持っていくと、まもなく2人の前に熱々の湯気を立てた料理が運び込まれてきた。

 

それを持って、2人は適当な席を見つけて腰を下ろし、雑談も交えつつ料理に手をつけ始めた。

 

セラスティアの身に異変が起きたのは、それから少し後のことだった。指揮官が見ていた限りでは、何気ない会話に花を咲かせていた最中に、彼女は突然何かを思い出したかのようにハッとした顔になると……

 

(セ、セラスティア……?)

 

突然、目の前で顔を真っ赤にして頭からモウモウと煙を吹き上げ始めた彼女に、指揮官は思わず驚愕した。

 

(どうしたの……?)

 

「ふぁ?」

 

セラスティアの口から間の抜けた声が漏れ出た。

一体どうしたと言うのだろうか?

 

指揮官はセラスティアとの雑談の中に、何か彼女にとって触れてはいけないことがあったのかもしれないと、話した内容を振り返ってみるも……特にこれといってピンと来るものはなかった。

 

とりあえずセラスティアの心を落ち着かせようと、指揮官は彼女へ水を飲むことを勧めた。

 

(どう、少しは落ち着いた?)

 

「……うん」

 

コップに入った水を飲み干した彼女を見ると、まだ顔はにわかに赤く染まっていたものの、煙の放出は治まっていた。

セラスティアのオーバーヒートは完全ではないものの、ある程度は解消されたようだった。

 

(それで、どうしたの?)

 

「そ、それは……」

 

再びオーバーヒートが発生しないよう、指揮官が細心の注意を払いながら彼女へと問いかけると、セラスティアは非常にしおらしい様子で指揮官から目を逸らした。

 

(もし悩みがあるんだったら言って欲しい)

 

天才であるセラスティアが抱える悩みなど、凡人(スロカイ様曰く)である自分が解消できるとは思っていなかった指揮官だったが、それでも仲間が目の前で困っている以上、放っておくことはできなかった。

 

「うう……」

 

セラスティアは頬を赤く染めたまま、俯きがちになって言いづらそうにしながらも、やがて意を決したように口を開いた。

 

 

 

「アンタのせいよ……」

 

 

 

(え?)

 

セラスティアが示したのは、他ならぬ指揮官だった。

 

自分はセラスティアに何か酷い事をしてしまったのだろうか……? 指揮官は自分の胸に手を当てて考えてみるも、彼女のことで特に悪口を言った覚えもないし、パワハラやセクハラなどで彼女のことを害したことなど、断じてなかった。

 

 

あるとすれば、アルハラぐらいだろうか……

 

 

いや、でも用量はちゃんと守ってたし……無理やり飲ませている訳でもない。いや、でも自分ではそう思っているだけで、セラスティアにしてみればいい迷惑だったのかも……?

 

そんな感じで、指揮官が思考を巡らせていると……

 

「この私にあんなことして……アンタは、なんでそんなに平気なのよ……」

 

(あんなこと……?)

 

「わ、忘れたとは言わせないわよ!」

セラスティアは机を台パンした。食器が揺れる。

 

「私に……その……」

 

(うん?)

 

「い、言わせないでよ!」

 

そう言って、セラスティアは恥ずかしそうに自分の唇を手で覆い隠した。

 

 

(あー……)

セラスティアのその仕草で、指揮官は彼女の言わんとしていることを察した。

 

 

 

それは少し前の出来事だった。

 

基地の中で、色々あって怪しい薬(おねショタ促進薬)を服用してしまった指揮官が、幼い少年の姿になってしまうという事案が発生したことがあった。

 

しかも、薬にはどうやら一部の女性を魅了する副作用があるようで、それによって指揮官は一日中(アレな意味で)大変な目に遭うのだった。

 

その際、セラスティアには薬の分析を行ってもらっていたのだが、分析の最中に薬の異常性に暴露してしまい……分析の結果を聞くために指揮官がラボに戻ってきたところで彼女に襲われ……

 

 

 

まあ、とにかく色々あったのだ。

 

 

 

[詳しくは、ムジナの著作である『機動戦隊オネショタサーガ』(未完成)を参照して下さい。或いは想像にお任せするのです]

 

 

 

(そもそも、あれはセラスティアが……)

 

羞恥心からか、可愛らしく左右の人差し指同士をチョンチョンとさせているセラスティアに、指揮官は反論しようとして……やめた。

 

(……いや、なんでもない)

これに関しては、自室のデスクに置かれていた薬を不用意に飲んでしまった自分も悪い……そう思った指揮官はセラスティアから目を逸らした。

 

あの日は、あまりにも色々なことが起こりすぎていたことに加え、仕事に身が入らなくなるのを防ぐため……さらに言えば、セラスティアを始めとする薬の影響を受けた被害者たちとの関係を保つためにも、あまり思い出さないようにしていたのだが、それがかえってアダとなったようだ。

 

正直、この件に関しては彼女のことを傷つけてしまったわけでも……ましてや、一線を超えてしまったわけでもないので軽く見ていたのだが、彼女にとってはそういう訳にもいかないのだろう。

 

いくら薬の副作用があったとはいえ、別に好きでも何でもない男とそういうことをするのは、誰だって普通に嫌だろう。

 

彼女の気持ちを考えていなかったわけではない。しかし、それは言い訳にならない。言うまでもなく、その場の空気に流されてしまった自分にも大いに問題があるからだ……

 

(ごめん……)

色々考えた末に、指揮官は素直に謝ることにした。

 

「な、なんで謝るのよ……?」

 

深々と頭を下げる指揮官に、セラスティアは困惑する。

 

(嫌だったでしょ?)

 

「嫌って、そんなことは……」

セラスティアはそこで否定のために首を横に振った。しかし、その動作が謝罪のために頭を下げている指揮官の目に入ることはなかった。

 

「まあ、こういうのはもっと順序を踏んで……まずは正統なお付き合いから始めて、デートを重ねて、お互いの気持ちをちゃんと確かめ合ってから、したかったな……って、思ってたりするけど……」

 

蚊の鳴くような声でセラスティアはそんなことを呟いた。しかし、周りが静かだったため、その呟きはしっかりと指揮官の耳に届いていた。

 

(…………)

普段から露出の多い服を着ているセラスティアだったが、意外なことに色恋に関しては純情派なようだった。それ故に、指揮官は申し訳なさで胸が締め付けられる想いでいっぱいだった。

 

彼女がそういう流れや雰囲気だとかを大事にしていることは分かったし、それに彼女にだって男を選ぶ権利がある。

 

いくら薬のせいとは言え、自分のしてしまったことは、彼女の純情を弄び、踏みにじったようなものだ。なればこそ、その罪を重く受け止めなければならない。

 

「どうしてくれるのよ……」

 

セラスティアはモジモジとした様子で続けた。

 

 

「その……アンタとしてから、私……あの日のことがずっと忘れられなくて、気がつけばあの日のことを思い出しちゃって……お陰で夜も眠れないの」

 

 

そんなセラスティアの告白に……

 

……そ、そんなに嫌だったの……?

指揮官は心の中で激しいショックを受けた。

 

まさかトラウマになってしまうほどだったとは……彼女が自分に対して良い印象を持っていないというのは会話から察してはいたものの、そこまで言われるのは1人の男として悲しくなってくるものがあった。

 

(その……どうして欲しい?)

 

恐る恐ると言った感じで、指揮官が尋ねると……

 

「ど、どうして欲しいって……そ、それは……」

 

顔を真っ赤に染めたまま、セラスティアは少し言いづらそうにしながら……おずおずと、こう続けた。

 

 

 

「せ……責任、取りなさいよ……」

 

 

 

(ッッッ!)

その言葉に、指揮官はドキッとするものを感じた

 

……そうか、そういうことか

指揮官はセラスティアの言いたいことを察して、ため息を吐いた。

 

 

 

 

 

それはつまり『賠償しろ』ということなのだろう

 

 

 

 

 

いや、無理もない。自分のしたことはセクハラに当たる行為だ。しっかりと、セラスティアにはそれ相応の償いをしなければならない。

 

そんなことを考えた指揮官は……

 

(分かった)

 

真剣な眼差しでセラスティアを真っ直ぐに見つめ、その答えを口にした。

 

「え……?」

 

するとセラスティアは困惑した表情を浮かべ……

 

「ほ、ほんとに……? ほんとに責任取ってくれるの?」

やや焦ったようになりながらも、上目遣いに指揮官を見つめ、確認を求めるように再度聞いてきた。

 

……うう

それに対して、指揮官はプレッシャーを感じた。

 

なぜなら、例の事案にて……不可抗力とはいえ、セラスティア以外にもセクハラとも取れる行為をしてしまった仲間が他に大勢いるからだった。今回の件で、その全員から賠償請求されたとなると、その金額は相当なものになるのは明白だった。

 

しかし、天才メカエンジニアの肩書きを持つセラスティアは勿論のこと、彼女たち全員が優秀な人材であり、最早この基地にとって必要不可欠な存在だった。

なので、指揮官は即座に決断した。

 

(勿論! だって、セラスティアのことが必要だから!)

 

先ほどよりも真剣な眼差しを浮かべ、指揮官はそう言い放った。お金で優秀な彼女たちとの関係が保てるのなら、金額に糸目をつけるつもりはなかった。

 

「…………ッ!?」

それに対し、セラスティアはさらに顔を真っ赤に染め上げ、驚きのあまり両目を大きく見開いた。

 

(いや、むしろ大歓迎!)

そう、賠償金を支払った程度で許してくれるのなら……そういう意味で、指揮官は続けざまにその言葉を口にした。

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!?」

 

 

 

すると、限界まで赤くなったセラスティアの顔が、ボン……と爆発した。そればかりか頭の方からぷしゅうぅ……と、大量の煙を吹き上げ、瞳の奥までピンク色に染めていた。

 

「あう……そ、そっか……」

セラスティアはうっとりとした表情で指揮官を見つめ……

 

 

 

「指揮官はそんなに私のことを必要としてくれているのね……そ、そうまで言われちゃ……し、仕方ないわね。だから……い、いいわ! 一緒にいてあげる!」

 

 

 

(本当? ああ、良かった……)

その言葉に、指揮官は安堵の表情を浮かべた。

 

その一方で、何故かとても嬉しそうな表情のセラスティアを見て

……ああ、これは高く取る気だな?

と、覚悟をするのだった。

 

 

 

(ところで、1つ聞いてもいい?)

 

問題が解決したところで、指揮官は小さく咳をして気持ちを切り替え、少し前から気になっていた『あること』について、セラスティアに聞いてみることにした。

 

「ふふん、なぁに? 指揮官」

 

にやけ顔を隠そうともせずに、セラスティアが聞き返す。彼女の周囲には、幸せそうなオーラがポワポワと浮かんでいた。

 

(グニエーヴルから聞いたんだけど、メカのことだけじゃなくて、薬学にも精通しているんだって?)

 

「ああ、その話ね。ふふっ……なんでだと思う?」

 

そう言ってセラスティアはイタズラっぽく笑ってみせた。それに対して、指揮官は少し考えた後に「分からない」と告げると、セラスティアは……

 

 

 

「ズバリ、サンタクロースよ!」

いつもの自信たっぷりな表情で、そう言い放った。

 

 

 

セラスティアの話を要約すると、こうだった。

 

去年のクリスマスで、基地内に現れる謎の人物=サンタクロースの存在を改めて認識した彼女は、今年のクリスマスこそサンタクロースを捕獲するべく、準備をしていたのだという……

 

[詳しくは『12の月の小夜曲』をご参照下さい]

 

その準備の1つとして……セラスティアには、睡眠ガス地雷を用意するというものがあった。予想されるサンタクロースの進路上に、お手製の睡眠ガス地雷を設置し、サンタクロースがそれを踏んで眠ってしまったところを確保しようという算段だった。

 

その為だけに、天才である彼女はその後1年をかけて睡眠ガスの元となる薬物の研究を行い、ついでに薬学の知識をその過程で身につけたのだという……

 

 

 

(へー、それで薬学を?)

 

「そうよ! それもこれも、このセラスティア様が天才だからこそ出来たことなのよ!」

 

(おお……流石、天才!)

 

「ふふん、もっと褒めてもいいのよ?」

 

(最高! まさに今世紀最大の偉人! 世界一!)

 

(大きな)胸を張って自慢げな表情を浮かべるセラスティアの期待に応じて、指揮官は彼女のことをこれでもかと褒めまくるのだった。

 

しかし、そうは言いつつも……天才を自称する彼女の本質は努力家である。努力家な彼女が薬学という、メカエンジニアとは真逆の能力を習得できたのは、ただ天才というだけではなく、毎日のひたむきな努力による成果である。

 

その点を、指揮官はしっかりと理解していた。

 

 

 

「今年こそ、サンタクロースを捕まえてやるわ!」

 

 

 

沢山褒められて、すっかり上機嫌になった彼女は、指揮官の前で力強くそう宣言した。

 

(ん、捕まえられるといいね)

 

「そうよ! 目にもの見せてやるんだから!」

 

そうして、2人は楽しそうに笑い合った。

しかし、それもつかの間……セラスティアはふと、指揮官へ意味ありげな視線を送り……

 

 

 

「せいぜい怯えて待ってなさい、サ・ン・タ・さん?」

 

 

 

挑発的なその視線は、指揮官に向けられていた。

 

(あはは……)

セラスティアの視線をひしひしと感じ取り、指揮官は小さく笑うことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

クリスマスまで、あと少し

 

 

 

 

 

続く




ムジナは、本当はこんなラブコメみたいなの作るつもりはなかったのです。ただ、前作『おねショタサーガ』(未完成)での伏線を回収して、クリスマスへ繋げれればそれで良かったのですが……どうしてこうなったのです?

まあ、いいのです。
(おねショタサーガの続きもちゃんと書きます!)

それで、12月25日までに完成させたいのですが、現在は12月11日……2週間しか期限がないという……本編は前後編で分けるので、最低でも1週間で1つ作らないといけないという。(頑張らせていただきます! なので、よろしくお願いします)
ご感想または誤字脱字等、言いたいことがあれば是非コメントまで、よろしくお願いします。執筆の励みになる場合もありますので!

それでは、また……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。