シンフォギアVC 短編塚   作:サリッサ@無期限休止

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S.O.N.G所属 ある研究者の独り言

「時たま、ただの人でも居るものだ。覚醒と夢、物質と精神、生と死の狭間にある世界。
ハザマやらユメセカイなどと呼称される、その世界に入り込める生命や瞬間がね。

古来より話に出る、故人の幻影を見たとか、明確なデジャビュなど。
それらは、そのハザマを通して見たもの、だったりするわけだ。

ハザマでは文字通り、時空間の制約が存在しない。ゆえにあらゆる埒外が生じうる。
死んだはずの人間が生者にふれあい、逆に今を生きる者が後の死者に助言を行う。
過去に起きたことや、これから起こることを追体験する等々。

とりあえず、コントロールできるとは思わぬことだ、と言っておこう。
膨大なエネルギーがあったとしても、できるのはせいぜい先を垣間見る程度。

お前たちが、ハザマの住人でない限りは ね」


VC 少女のみたユメ

 

 

少女は見た。

 

 

 

世界の終わりを。

 

 

 

 

空は二つに引き裂かれ

分かたれた情景は、全く違った色彩をみせる。

 

片方は、毒々しいほどの真紅の空

もう片方は、

まるで複数の絵の具をぶちまけたような、病的な虹色が波打っている。

 

 

 

ここは世界の終着点。

無数に存在する、可能性。その内の、ほんの二つにすぎない。

 

少女はそう直感する。しかし、無感動だった。

絶望し、泣き叫び、狂い堕ちてもおかしくない有り様を前に、

少女の心は、動じなかった。

今までも同様の空を見てきたかのような感覚すら、ある。

 

 

真紅の空には、月食が浮かんでいた。

 

樹木のような支柱が数多に立ち並び

改造され、凌辱されきった地球。

 

人々は意志を失い、創造主の思うまま、

道具として朽ちていく。

 

これはまだ、比べてしまえばマシな方だ。

少女は、もう一方に目を向けた。

 

 

虹色の空、地表には渦巻く腐肉。

文明の全てが埋没し、海も陸も境目を失い、全てが飲み込まれていく。

元の形をとどめているものは、どこにもいないはずだ。

 

何もかもが終焉を決した世界に、

誰かが一人、少女に背を向けて立っている。

 

背格好を見るに、男のようだ。

 

足元には、何かが割れた残骸か

橙、青、赤、銀、萩、翠

六色の破片が散らばっている。

上空の醜悪な色彩との対比で、

少女にはその欠片が輝きを放っているように見える。

 

 

だがそれ以上に注視すべきものが、その先にあった。

 

男の向こう。揺蕩う虹色の空に、一層奇怪なモノが蠢いていた。

 

砕けた腕

萎びた赤子

業火の心臓

爛れた臓腑

黄衣の脳

 

 

五感では捉えることも、名状すら常人ではできないようもないソレら。

しかし少女は、確信をもって認識する。

 

位置間隔は、丁度逆五芒星。

 

そして5つの存在の中心、五芒星の中心点には

皆既日食が鎮座していた。

 

 

本来であれば、月と太陽の位置関係で起きる自然現象。

しかし、黒い。

自然現象と片付けられない、

日の光を飲み込み喰らい尽くしているような漆黒が、そこに居座っている。

 

 

その漆黒の穴から

 

ナニカガデテキタ

 

 

目があった。

少女が確かにそう感じた瞬間、日食から、その漆黒から強烈な閃光が放たれる。

 

おぞましさを肌で感じるほどの光。

目を瞑っても尚、その光は少女の身体を、心を焼き、白く塗り潰していく。

 

身体を作り替えられ

心を喰い散らかされ

存在を抹消されていく

 

その最中なのだと、少女は理解した。

 

耐えようも逃げようもない絶対的な存在。

抗う術など、人の身で持ち得るはずもない。

残された道は、たった一つ。

 

そこまで追い詰められ、掻き消されそうになったその時

 

 

唐突に光が遮られた。

 

 

男だ。

 

彼女の前に、あの男が立っている。

 

その容姿も、表情も

わからない。

 

だがひとつ、わかることがあった。

 

 

 

男は、泣いていた。

 




VCの前書きといった感じの詩的文となります。

まださっぱりわからない感じで恐縮です…

本編の方でも扱っていこうと思いますので、
どうぞ今後とも宜しくお願い致します。
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