アーマード・コア ~鴉の証~ (ver2.0) 作:ダイヤモンド傭兵
幕間です。
翔がエーアストを撃破したことは世界に広まった。
すると地上の人間達は手の平を返し、翔を英雄に祭り上げた···しかし、レイヤードに移り住んだ者達は祭り上げることはしなかった。
ただ、接し方や扱いは今までと変えることはしなかった。
それは翔がどのような人物か知っている場合と相手個人を見る場合であり、地上の人間達はそれが無いために翔をまるで神であるかよのうに扱い、翔を地下から解放するよう声明を発表する者まで現れる始末だった。
翔「僕は···英雄でもヒーローでもない!···違う!違う違う違う違う違う違う違う!」
自室で頭を抱え蹲る翔をパルがそっと抱き締め、翔の頭を撫でる。
パル「地上の人間がどう言おうとも、私達は翔がどうなのか知ってる···あなたは英雄じゃなくて、友達の最後のお願いを叶えた"優しい鴉"よ···」
翔が顔を上げる。その顔はやつれており、目には隈ができていた。
パル「フフッ···ねぇ、ちょっと出掛けない?」
パルと居住区に出掛け、クレープなどを食べ歩きながら路地裏など、普段あまり見ない所を探索してみる。居住区も以前と比べて変わった所も多く、翔に違った見方をさせてくれた。
その後も、色んな所をまわった。
ゲームセンターや喫茶店、公園など···
そう、パルは一度ACから翔を遠ざける事にしたのだ。
新しく増築された居住区へ入り、そこでも2人で散歩をしてみる。すれ違う人の中には翔と親交のある者もいたが、深くは振れずにこれまでと変わらない接し方だったことに翔は多少安堵していた。
その様子をラナは監視カメラから見ており、小さなため息をつく。
ラナ(翔は道を決めたものの、やはり休息が必要だな···)
その頃地上では、翔を神格化する者やレイヤードの保護を求めるものが現れ、各地でデモなどを行ったり中には争いに発展する場合も出てきていた···
ラナ(あんなことをしても、無意味だというのに···つくづく愚かだな···)
ハスラー《エーレンベルクの稼働を確認した》
ラナ「了解、翔とパルを呼び戻す」
しばらくして輸送機でエーレンベルクの近くにやって来た翔とパルは、エーレンベルクが起動する様子を眺めていた。
エーレンベルクによる空への巨大な砲撃が撃ち込まれ、それと同時にエーレンベルクは爆発し、粉々になる様子を見届けた···
翔「これで、クローズプランは完遂したね···」
パル「ええ···あとは地上の人類に任せましょう。翔は、もう休んで···」
翔は心の中にどこか虚しさを感じつつ、パルとラナと共に帰還した。
翔達がレイヤードに戻ると、ラナが大事な話があるということで翔と2人きりで話すことになった。
ラナ「翔、お前と私達人造人間の違いは解るな?」
翔「うん。人造人間は老化は無くて、バックアップさえあれば何度でも再生成できるんでしょ?」
ラナ「そうだ···しかしお前は強化人間だ。真人間より老化が遅く、寿命も長いが、いずれは死ぬ。だが私達AIが見てきたように、未来を見たいか?」
翔「うん···」
ラナ「なら1つ方法がある。『コールドスリープ』といってな、簡単に説明すると、冬眠に近い。それを数百年単位で行うわけだ」
翔「そんなに寝るの?」
ラナ「ああ···だが安心しろ。お前が寝ている間は私達で記録を録り続け、必要であれば介入する。お前は、必要になった頃に起こす」
翔「うん···解った。でも、ずっと寝たままなのは嫌だからね?」
ラナ「フッ、解ってるさ」
翔がコールドスリープを行った後、地上の人類は現実から逃げるためにネクスト技術を"ほとんど"消し去った。
そして争いを続けつつ、汚染の少ない場所に向けて移動を開始する。
ラナ達はアンチコジマを散布しようかとも思ったが、改めて人類を試すため、あえて散布は一部の地域にのみ留めた。
そして500年経っても、人類の争いは止まらなかった···
読んでくださり、ありがとうございます!
さて、次からはACVDの時間軸となります!