アーマード・コア ~鴉の証~ (ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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休暇の際、ラナ達から改めて様々な優しさを受け取った翔は不思議な夢を見る。


再び遅くなってすみません。
1度ある程度書いた内容を書き直しており、時間がかかってしまいました。


第35.6話 夢(新実装)

眠りに入った翔は、気づくとかつて翔の通っていた小学校の廊下に立っていた。

 

翔「えっと···なんで?」

 

翔はワケが解らなかったものの、廊下を歩く。しかしふと自身の目線が低く、小学生の頃の体型になっていることに気づく。

翔は困惑しつつも廊下を歩いていると、複数人の足跡が聞こえてくる。そして、廊下の角からかつて翔をいじめていた生徒達が走ってくる。

 

いじめっ子A「いたぞ!」

 

いじめっ子B「やっちゃえ!」

 

翔「えっ!?」

 

幼い姿の翔の元にいじめっ子達が駆け寄り、翔をその場でリンチを始める。

強化人間ではなく、ましてや大人の姿でもない翔はされるがままに暴力を振るわれる。殴られ、蹴られ、倒れた翔は過去の事がフラッシュバックすると共に叫ぶが、いじめっ子達は嬉々として翔への暴力を続ける。

それどころか、徐々にエスカレートしていった。

 

しかし···

 

 

 

 

 

聞き慣れたブーストの音がする──

 

 

 

 

 

聞き慣れた駆動音がする──

 

 

 

 

 

翔は僅かに目を開ける──

 

 

 

 

 

いじめっ子達の足の間から見慣れた2つの色が見える──

 

 

 

 

 

"ソレ"はいじめっ子達より大きく、大人になった翔より少し大きい位の大きさであり、"ソレ"はいじめっ子の1人を押し退け、振り向いた別のいじめっ子の胸ぐらを掴んで放り投げる。

 

赤と白のカラーリングの"ソレ"の名は『ノーネイム』──

 

 

 

 

 

更に、別の"ソレ"はいじめっ子の中で最も背の高い生徒の首を掴んで放り投げ、翔を自らの後ろに隠す。

 

赤と黒のカラーリングの"ソレ"の名は『コルヴィス』──

 

 

 

 

 

次に現れた"ソレ"はいじめっ子の最後の1人に突撃し、蹴り飛ばす。

 

赤と黒のカラーリングだがコルヴィスとは違う"ソレ"の名は『ディターミネイション』──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔が乗ってきたAC達が、翔を背にしていじめっ子達に立ち塞がる。いじめっ子達は3機の"AC"に向けて攻撃しようとするが、次々に返り討ちにされていく。

AC達は3機とも非武装であるものの、格闘によって翔を守る。

 

そこへ駆けつけた3人の教師がAC達に攻撃を仕掛ける。

体罰を繰り返してきた教師はノーネイムがアッパーで撃破し···

障がい者だからと差別してきた教師はコルヴィスがジャンプしてからの顔面を撃ち抜くようなパンチにより撃破され···

何かあると翔のせいにしてきた教師はディターミネイションが回し蹴りで撃破し···

 

全ての"敵"を撃破したAC達は翔の方を向き、コルヴィスが屈んで翔に手を差し伸べる。

翔はその手をとり、コルヴィスは翔を引っ張って起き上がらせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、翔の心が少し軽くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーネイムは翔の肩に優しく手を置いてゆっくりと頷く。ディターミネイションは翔を玄関の方へと促す。

 

翔はAC達に守られながら玄関を抜け、閉じられた門の前まで進む。するとディターミネイションが門を蹴り飛ばし、門は破壊される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、翔の心が再び軽くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔がふとAC達を見るとAC達は武装しており、翔にサムズアップして学校の方を向く。

 

ノーネイムはグレネードキャノンを構え──

コルヴィスはグレネードキャノンを近接信管ミサイルを構え──

ディターミネイションはライフルと肩の垂直ミサイルを構え──

 

一斉射された砲弾、ミサイル、弾丸は学校を跡形もなく消し飛ばす。

翔にとって、パルがいる時以外はまるで監獄のようだった学校が、AC達の手によって粉砕された···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、またもや翔の心は軽くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔はAC達に促され、共に学校の敷地内から出ていく。

すると周囲の場面が変わり、翔は17歳の頃の姿で立っていた。周囲を見渡すと周囲は赤一色だった。

しかし上から光が伸びている事に気づき、上を見上げる。すると水面が見えたため、翔がいる場所は水中だと気づく。

 

翔「ここは···?」

 

水中だというのに息ができ、水の抵抗を受けずに動くことができる。

 

翔「えっと···これ、もう完全に夢だよね?」

 

翔は水底の砂の上を歩いて進んでみる。最初は周囲には何もないと思っていたが、気づけば周囲には様々な兵器が大量にあり、そのどれもがどこかしらに傷を負っていた。

刀や剣、弓、銃、戦車、軍艦、航空機、MT、ハイエンド、ノーマル、ネクスト、AF、AC···

 

様々な兵器が並ぶ異様な光景に、翔は困惑する。そして近くにあった軍艦を見上げ、近づいてみる。

 

翔「管理者権限の資料でしか見たことなかったけど、何百年も前の軍艦だ···」

 

翔は更に近づき、目の前の軍艦に触れてみる。AFを見慣れている翔にとって、軍艦の大きさは大したものではなかった。

しかし軍艦に触れた途端、謎の"声"が聞こえてきた。

 

声「熱い···光が、熱い···」

 

囁くような声だったが驚いて手を離した翔は、恐る恐る再び軍艦に右手で触れてみる。

 

声「熱い···熱い···痛い···」

 

翔「···苦しかったんだね」

 

声「誰だ···お前は···?」

 

翔「僕は···翔。翔·ニールセン」

 

声「あれから···どれくらい経っている?あの戦争から···」

 

翔「もう、何百年も経ってる。かつての国の名前が、ただの地名になってたりしししてる」

 

声「そうか···そんなに経っているのか···」

 

"声"は悲しさと寂しさが混じった声で呟いた。

 

声「翔、と言ったな···世界は、平和になったのか···?」

 

翔は顔を歪ませながら言った。

 

翔「戦争は、一時期は無かったものの、再び起きました。それも、世界中全てで···そして戦争は何百年も続いたままなんだ」

 

声「そうか···ではやはり、私達の戦いは無意味」

 

"無意味"という言葉に翔は反応する。

 

翔「無意味なんかじゃない!」

 

翔は左手も軍艦にそっと触れる。

 

翔「辛かったよね?苦しかったよね?けど···あなた達が戦ってくれたお陰で、生きることができた人達がいるはずなんだ。だから···」

 

翔は深呼吸する。

 

翔「だか···ありがとう」

 

声「ああ···良かった···」

 

"声"は安堵したような声を出し、軍艦にヒビが入り始める。

 

声「私は···『長門』···ありがとう、翔·ニールセン·····」

 

その声はどこか眠たそうな雰囲気であり、軍艦のヒビはどんどん広がり、軍艦は崩れ始める。

 

翔「うん···おやすみなさい」

 

長門は音も無く、まるで眠るように崩れていった。翔は他の軍艦にも向かい、それぞれ話をしていく。そして話が終わる度に眠りにつき、崩れていく。

また、軍艦だけでなく他の兵器とも話し、兵器達は眠りについていく。

そしてその兵器の中にはストレイドも含まれていた。

 

 

 

ストレイド「世界が、もっと優しかったなら···お前も主も、もっと笑えたのかも、しれんな···」

 

 

 

そして全ての兵器と話し終わり、最後に残った兵器···銃のうちの1つ『M200』と話すが、最後に1つだけ翔は頼まれる。それは最後に残った兵器として、終わりを告げる銃声を響かせて欲しいとの事だった。

翔はそれを承諾し、M200を手に取る。マガジンの中身を確認し、ボルトを引いて弾を込め、空へ向けてM200を掲げる。

 

翔は引き金を引き、轟いた銃声は他に誰もいなくなった赤い世界に響き渡り、M200は眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

すると、翔は突然足場の感覚が無くなり落ちていく。上にあった赤い光は瞬く間に消え去り、周囲は全く光の無い闇に包まれる。

そして翔はそのまま落ちていくが、途中から周囲が暖かく感じるようになる。

 

そして誰かの腕によって受け止められる。しかしその腕は1人分ではなく、何人分もの腕によって翔は受け止められており、ゆっくりと降下している。

更に増え続ける"腕"は暖かく、優しく翔を抱き締めて包んでいく。

 

次第にその暖かさは翔の心を安心させ、翔に眠気が押し寄せてくる。すると腕の一部は翔の頭を優しく撫でてくる。

それに安心し切った翔は目を閉じ、眠りに入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると翔は自室の布団の中だった。

 

翔「やっぱり···夢だったんだ。にしても不思議な夢だったな」

 

翔は着替えを済ませるとリビングへ向かい、朝食を食べる。しかしまだ迷いのある翔だが、ラナ達は普段と変わらず接してくれていた。

 

翔はシミュレータールームに1人で向かう。そのシミュレータールームは旧式のルームであり、蛍光灯の明かりに照らされたシミュレーター用コクピットが部屋にポツンとあった。

翔はシミュレーターを起動させ、AMSを接続する。

 

 

 

 

マップは開発都市グリフォンに設定され、誰もいない街にコルヴィスは出現する。

開発都市グリフォンは、カニスやダンを含む多数のリンクスがエーアストと戦い、散っていった戦場であり、アナトリアにいた頃のアレスのリンクスとしての初陣の場でもある。

 

コルヴィスはあてもなく歩き始めるが、その足取りは弱々しかった。

翔は未だに悩んでおり、コルヴィスは空を見上げる。見上げたその空は曇っており、コルヴィスは左腕に装備されている月光を見る。

 

 

月光──

それはかつて真改がアンジェという盟友から受け継ぎ、翔に託された武器である。しかしそれと同時に、エーアストを貫いた武器でもある。

 

 

実は翔は月光を捨てようと思った事が何度もあったのだが、捨てることができずにいる。

なぜなら、真改から託された武器であると共にエーアストの想いを遂げさせた武器でもあるのだ。

複雑な気持ちになりながらもどうすることもできず、翔はため息をつく。

 

翔「なんで···僕は···」

 

すると突然、シミュレーターの設定が強制的に変更され、マップが開発都市グリフォンからクレイドルの上へと変更され、目の前にはナインボール·セラフが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

セラフ《翔···"私"と手合わせしよう。翔の心の思いを全て私にぶつけろ》

 

セラフはレーザーキャノンを構える。

 

セラフ《管理者として、親として···翔の全てを受け止めよう》

 

どこまでも広がる青空の下、2つの赤と黒のカラーリングの機体が向き合う。

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回は翔の見た不思議な夢の話でしたが、どうだったでしょうか?
遅れた割に内容が悪かったらすいません···
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