アーマード・コア ~鴉の証~ (ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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UNAC達が暴走する中、翔はヴェニデから緊急の依頼を受ける。
破壊と怒りに呑まれた悲しき兵器とは···?

過去話にて作戦開始時刻を書き忘れていたので、修正しておきました。すいません!


第37.5話 怒りの権化(新実装)

依頼主:ヴェニデ

 

目標:所属不明兵器の撃破

 

作戦開始時刻:20:00

 

報酬:270000c

 

所属不明の兵器を急ぎ撃破してもらいたい。

敵は勢力関係無く基地や施設、果ては民間施設までも攻撃している。このまま野放しにはできない。

しかし、こちらの戦力をもっても未だに撃破できないでいる。悔しいが、力のある者に頼るしかない。

現在はこちらの基地に向かっているとの報告を受けている。

頼む、奴を止めてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緊急の依頼との事だったが、翔は胸騒ぎがしていたため、アルベルトに僚機としての依頼を出し、主任とWRを連れて出撃した。

今回、ディターには両手にライフル、肩内蔵にヒートロケットを装備してきており、作戦エリアで所属不明兵器を待っていると、小柄な人型の兵器が現れる。

 

浮遊している所属不明兵器は銀色で、上半身は人間の形に極めて近いものの、デバイスと化した腕と肥大化し、逆関節のようになっている脚部···そしてその兵器の周囲をゆっくりと守るように旋回しているシールドのようなものが6枚···

 

ラナ《スキャンした。奴は···『Liv(レディー·ヴォーテックス)』というらしいな》

 

アルベルト《なんだよありゃあ···》

 

 

 

推奨BGM『Device』

 

 

 

Liv《コワス···コロス···ゼンブ、ゼンブ!》

 

シールドのようなものから高威力のレーザーが散弾のように複数同時発射され、ディター達は各々QBで即座に回避する。しかしLivのレーザーはこれまでのものと違い、若干ではあるが追尾してくる。

 

WR《なんだよあれ!?》

 

主任《アイツ···まさか!?》

 

主任は何かに気づいた様子だったが、Livは更に大量のミサイルを太ももの部分から発射し、ディター達に向かってくる。

そのミサイルの誘導性能は平均的なものだったが、着弾するとその場でジャミングを発生させ、その範囲にいた主任とディターは動きを阻害される。

 

翔「マズイ!」

 

主任《来るぞ!》

 

Livは高度を下げながらディターに向けて接近しようとする。しかしダウンギャンブル改が両手のライフルを連射しながらLivを煽る。

 

WR《おいおい!壊すとかなんとか言っといて、1番弱ぇ俺は倒せねぇのかよ?》

 

Livがダウンギャンブル改の方を向いたところでなんとかディターとハングドマンはジャミングの範囲から脱出し、ディターはヒートロケットを発射する。

しかしLivのシールドのようなものから放たれた緑色のレーザーによりヒートロケットは無力化されてしまう。

 

翔「なっ!?」

 

Livの左側面に回り込んでいたグリザイユは武器腕スナイパーキャノンを発射するが、それも無力化されてしまう。

しかしダウンギャンブル改やディターのライフルは無力化されずにいる。

ハングドマンはハイレーザーライフルをフルチャージで発射すると、そのレーザーすら無力化されてしまう。

 

主任《···へぇ、ある程度高い火力の攻撃は迎撃されるようだね》

 

ハングドマンはハイレーザーライフルと右ハンガーのレーザーライフルをパージして機体をその分軽くする。

グリザイユはヒートマシンガンでLivを狙うが、基本的な高度が高いため、ヒートマシンガンはあまり当たらない。それどころかLivの装甲は、グリザイユの装備しているヒートマシンガンの威力を上回るため弾かれている。

 

アルベルト《俺と主任はアイツと相性最悪ってか!?》

 

グリザイユはLivのレーザーを回避しつつ壁に身を隠しながらそのまま回り込もうとし、ハングドマンはLivの注意を引き、現状の主な火力となるディターとダウンギャンブル改に攻撃がいかないようにしている。

ディターとダウンギャンブル改は両側面からライフルを連射し、Livにダメージを与え続ける。

 

 

 

 

 

Livは時折別の場所へと移動し、拡散レーザーやジャマーミサイルを連射してくる。

しかしLivは突然高度を下げると共に背部の装置が本体を離れ、変形してブレードとなり、Livの右腕と接続される。

 

Liv《コワス···コワス···コワス!》

 

Livはハングドマンに向けてブレードを突き出して突撃してくる。ハングドマンの機動力ではLivのスピードに勝てず、Livのブレードがハングドマンに突き刺さるかに思えたが···

 

アルベルト《オラァッ!》

 

グリザイユがレーザーブレードで右側面からLivを斬りつけ、怯んだLivはその場を急速に離れる。

グリザイユのレーザーブレードはLivのシールドのようなものの3枚を破壊し、Liv本体の右腕も破壊していた。

 

Liv《ユルサナイ···ユルサナイィィィ!》

 

Livは大量のジャマーミサイルをグリザイユに向けて発射するが、グリザイユの前に出てきたディターがジャマーミサイルの大半をライフルで撃ち落とす。

それは、これまで敵を極力殺さないようにしてきた翔だからこそできた芸当だった。

 

WR《行くぞおおおおおお!》

 

高台に登ったダウンギャンブル改がLivに突撃し、武器腕ブレードで残ったシールドのようなものを3枚とも破壊する。

そして下からハングドマンがバトルライフルを発射してダウンギャンブル改の離脱を援護する。

 

ディターが背部の装置を起動しようとすると、グリザイユがLivに突撃し、至近距離から武器腕スナイパーキャノンをLivの腹部に突きつける。

 

アルベルト《この距離なら!》

 

グリザイユの武器腕スナイパーキャノンの砲弾により上半身と下半身に分けられたLivは坂の上に落下し、そのまま転げ落ちる。

 

Liv《ユ(あ···)サナ(りが···)イ···(と···)ッタ(う···)ニ···!》

 

Livは青い光と共に爆散し、周囲には静けさが残った。

Livの最期の言葉は怒りや憎しみ、怨みといった感情が籠っていた。しかしその中にほんの僅かに小さな声で感謝の言葉が混ざっていた···

 

アルベルト《なぁ、こいつ···》

 

主任《···解放されたみたいだね》

 

WR《なんか···やるせねぇな》

 

翔「·····」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔達が帰還した後、翔は主任に疑問に思っていることを聞いてみた。

 

翔「しし主任···あのLivって···」

 

するとキャロルが割って入ってくる。

 

キャロル「それについては、私から説明しましょう」

 

主任は振り向かず、一言···

 

主任「···ちょっと用事ができちゃってね」

 

去っていく主任を尻目にキャロルは翔を別室へ連れていく。

 

 

 

 

 

キャロル「あのLivから発せられていた声紋と、Livに関する情報はある人物と一致していました」

 

翔「それって、誰?」

 

キャロル「200年前にいた『アンジェリカ』という女性です」

 

キャロルは翔に資料を手渡す。

 

キャロル「そして、同じく200年前に『ゾディアック計画』というものがありました。そしてLivはその計画からできたものです」

 

キャロルから渡された資料には12機のACの情報もあり、その中には以前夢に出てきた白と紫のカラーリングのACも含まれていた。

 

キャロル「ゾディアック計画とは、人為的にドミナントを作り出そうとする計画です。そしてそのために力を求める人間を集め、AI化させたのがこのAC達です」

 

資料の中にはその過程も記載されており、AI化に伴って感情などに異常が出る者もいた。

 

キャロル「この計画に関わった人間には我々のような技術力は無く、飛躍的な戦闘力の向上はあるものの、ドミナントには及びません」

 

翔「なんのために、そんな計画を···」

 

キャロル「あなたも薄々感づいているとは思いますが、利益のためです。私が言えたことではありませんが、目的のためではあれば、彼らは人命などなんとも思いません」

 

 

 

そして資料はアンジェリカの部分に移る。

 

キャロル「ゾディアックの部隊の中で、アンジェリカは指揮官としてAIを量産されていましたが、まだ感情の残っている本体は生きていました」

 

翔「しし資料を読んだ限りだと、ゾディアックのACが全滅したと同時に、アンジェリカも機能停止したってあるけど···」

 

キャロル「はい、量産型の方は資料にある通り機能停止しました。しかし本体はまだ生きており、ゾディアック計画は失敗したため、その本体はあのLivへと改造されることになりました」

 

資料には『Livへの改造に伴い、怒り、憎悪、怨恨以外の感情の完全削除を実行』と記載しれていた。

それを見た翔は拳を握り締める。

 

キャロル「···ただ、やはり我々のような技術力は無かったので、感情の完全削除には至らなかったようですね」

 

翔は立ち上がり、深呼吸する。

 

キャロル「研究所には主任が既に向かいました。あなたが行く必要はありません」

 

翔「そっか···」

 

キャロル「ご安心を。主任はあのような輩をそのままにしておく事はありませんので」

 

 

 

 

 

 

後日、その研究所のあった場所は徹底的に破壊され、見るも無惨な事になっていたのだった···

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回はLivを登場させましたが、どうだったでしょうか?

●Liv
頭部のバイザーのような部分は紫色で、他は全身銀色のカラーリングの特殊兵器。
周囲を浮遊しつつ旋回しているシールドのようなものからは拡散レーザーキャノン、太ももの部分からはジャマーミサイルを発射し、背部の装置は変形した後に腕に接続され、ブレードとなる。

ゾディアック計画の失敗によりアンジェリカの感情のほとんどを削除したものを改造してできた機体。
ある程度高い火力の攻撃は特殊なレーザーにより無力化することが可能。

しかし怒り、憎悪、怨恨の感情のみを残したために暴走し、研究所を脱走した。
だが、撃破された時に別の感情が混ざっていた事から、おそらく深層意識の中で僅かに生きていたと推測されている。

●ジャマーミサイル
Livに搭載されていたミサイル。
着弾すると爆発の代わりにジャミングを発生させ、ロックオン、エネルギー供給、駆動系に極めて協力な障害を発生させる。

●アンジェリカ
栗色のロングヘアで身長160cm、AI化直前で27歳、8月1日生まれ。
ゾディアック計画によりAI化し、計画が失敗したため怒り、憎悪、怨恨の感情のみを残されLivに改造された。

AI化する前は同じ計画で集められた仲間と共に多くの作戦に参加、指揮官としての腕を大いに発揮していた。
また、仲間の1人とは恋仲に発展したが、その矢先にAIとなってしまった。

●ゾディアック計画
人為的にドミナントを作り出そうとする計画。
最初は力を求める者を集め、機体構成や薬物による戦闘力の向上を計ったが上手くいかず、実験の副産物によって得られたAI化の技術に手を出した。

ゾディアック部隊にはそれぞれ、星座のエンブレムとナンバーが与えられる。

AI化は感情の一部を失ったり、精神に異常を起こす者もいたが、戦闘力の飛躍的な向上が確認されたため、ゾディアック部隊を戦闘力の高いACと戦わせる事でより大きな力を求め続けた。

しかし、主任を撃破した"本物のドミナント"単機により、ゾディアック部隊は壊滅し、計画も破綻した。
だが人為的にドミナントを作り出そうとする計画は続けられ、ある研究所でアンジェリカのAIを使ってLivを作ることに成功した。
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