アーマード・コア ~鴉の証~ (ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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エンディングBパターンです。

推奨エンディング曲『Thinker』


エンディングB ~生き残ってしまった少年~(ver2.0)

多くの記者やマスコミが壇上の車椅子の男性を撮影している。

 

司会者「では、今年度の小説アカデミーを受賞した『神城 翔』さんにスピーチしていただきましょう!」

 

壇上にいる翔はエクシーナインとの決戦の後、愛海と結婚していた。それから5年経った頃、翔はある小説を執筆し、アカデミーを受賞していた。

また、あのエクシーナインとの決戦はいつしか『頂上決戦』と呼ばれるようになっていた···

 

翔「はい。皆さんが知っている通り、僕には記憶が無く、今でも戻っていません···」

 

翔は記憶喪失という事にしており、表向きには詳細は未だに反面していない事になっている(未来から来たのでそもそも無いのだが)。

 

翔「けれど、ほんの少しだけ戻りました···良い内容とは、決して言えませんが···」

 

翔は深呼吸した後、その"記憶"を語る。

 

翔「僕は···生き残ってしまったんです。大切な人達は皆死んで、僕だけが生き残ってしまったんです。けれど、生き残ってしまったからこそ、やるべき事があると思い、この本を執筆しました」

 

会場に大小のざわめきが起こると同時に、翔の脳裏にエーアストの時とエクシーナインの時の事が頭をよぎる。

 

翔「皆さんはどうでしょう?この本の"皆"のように、何を思って戦いますか?ある人は生きるために···ある人は答えを求めて···ある人は希望を探すために···またある人は、未来のために···戦っていました···」

 

翔はAMSのリミッターを解除してエクシーナインと戦ったため、両足と左腕が動かなくなっていた。

AMSを活かせば動かせると思われていたが、翔のいた時代の技術を少しでも与えることの危険性を考慮し、翔は車椅子生活を送っていた。

 

翔の脳裏に、あらゆる状況が次々とよぎる──

 

翔「僕は、それらを本にして形にしました···こんなのまともなスピーチじゃありませんよね。すみません···」

 

翔が謝ると、司会者は優しい笑顔で返答する。

 

司会者「いえ、あなたはあなたなりの気持ちがあるのでしょう?では、質問時間とさせていただきます!」

 

質問時間となった途端、多くの記者が挙手をし、最初の質問は最も早く挙手をした記者になった。

 

記者A「〇〇新聞の森田(もりた)です。この小説の物語には少々矛盾してる所や都合が良すぎる部分がありますが、それは先程のスピーチに反しているのでは?」

 

翔「はい、同然そう思う描写もありますよね···では皆さんは···『ド三流のハッピーエンドなおとぎ話』か『救いの無い未来の真実』か···どちらの物語を信じたいですか?私は、バットエンドが嫌いなんです···だから、『嘘をつく』事を選んだんです」

 

翔は、その記者の眼を"戦場の目付き"で見る。

 

森田「分かりました···ありがとうございます···」

 

記者の森田が座ると、次の記者が立ち上がる。

 

記者B「〇〇タイムズの江口(えぐち)です。この小説には『頂上決戦』の時に現れたロボットと酷似したロボットが登場しますが、赤いロボットのパイロットは、もしかしてあなたですか?」

 

翔は江口に笑顔を見せ···

 

翔「それは···私は、あの機体のパイロットではありません」

 

翔は、最高の笑顔で答える。江口は何かを察した表示を浮かべ、席に座る。

 

その後、いくつか質問を受け、質問時間が終わった翔は授賞式を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔は愛海に車椅子を押してもらいながら車に乗る。

 

翔「ちょっと、寄り道してくれる?あの海に」

 

愛海「ええ、もちろん」

 

愛海は翔を車で海まで送ると、駐車場から2人で海と夕日を眺める。

すると、翔の視界に1人の少年が入り、その少年は泣いていることが解る。

 

翔は愛海を留め、ひじ掛けにあるスティックで車椅子を操作し、泣いている少年の元に向かう。

 

 

 

翔は、体育座りをして泣いている少年の前で止まる。

 

翔「こんにちは。どうしたの?そんなに泣いて」

 

少年「僕の···お父さんとお母さんが、死んじゃったの···なんで···?」

 

1人生き残ったその少年が、過去の翔と重なる。

 

翔「君は、生き残ったんだよ。だったら、お父さんとお母さんは君に生きてほしいと願ってるんじゃないかな?」

 

少年「本当?」

 

顔を上げた少年の顔を見た途端、翔は内心驚いた···

 

 

 

 

 

なぜなら···少年の顔は、幼い時の翔の顔にそっくりだったからだ···

 

 

 

 

 

翔「僕はね、そういう出来事に3度もあっちゃってね···最初は君と同じように、家族が、次に友達が、最後に他のもの全員が···」

 

翔はふと海と夕日に目を向け、話を続ける···

 

翔「なんでいっつも僕が生き残ったのかは解らない···けれど、皆···僕に生きてほしいって願ってたんだ···その先に答えがあったかどうかは解らなかったけれど···いや、もしかしたら今になって解ったのかもしれない」

 

翔は少年に笑顔を向ける···

 

翔「これを上げるよ。きっと、君の助けになるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔が少年に渡したのは、翔が先程までアカデミーの時に持っていた『おとぎ話』である。

 

翔は去り際に少年に向かって"戦場にいる時の心"で言った。

 

翔「生きて足掻くんだ。でも仲間を見捨てないで、可能なら仲間と一緒に生き残るんだ!そして···大切なものを守るために、立ち向かえ!···君なら、きっとやれるさ」

 

翔は去っていく···少年は立ち上がり、翔の後ろ姿をしばらく眺め、翔と反対の方向に歩き出した···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅した翔は丘の上から海を眺める。家は喫茶店のすぐ近くに新しく建てており、喫茶店はそのまま残してある。

 

愛海「どうしたの?そんなに海を眺めて」

 

翔「うん···なにか、海に何か起きる気がして」

 

翔はなんとなくそう感じ、愛海は一瞬不安そうな表情を浮かべる。

 

愛海「翔···」

 

翔「そうだ!帰ったらまたコーヒー淹れてよ!愛海のコーヒー大好きだからさ!」

 

愛海「もう、翔ったら!」

 

2人は笑い合いながら新しく建てた家に戻っていく。

その家は大きく、地下室は巨大なガレージになっており、そこにはコルヴィスが鎮座している。

コルヴィスはもう機能のほとんどを失っており、AMSを繋ぐくらいしかできなくなっている。

 

しかしそれでも、コルヴィスのエンブレムはどこか輝いているようだった──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔から小説を譲り受けた少年は、後に里親に引き取られ、里親からのDVや学校のいじめから隠れてこの本を読むことになる。そして、その小説と翔の言葉が、その少年を生かし、運命を大きく変えることとなる。

 

その小説は高いリアリティを誇り、少年だけでなく様々な人々に希望をもたらしていき、小説はやがてアニメになり、実写化されたり···その物語は語り継がれていく。

 

 

その小説の名は──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        『ARMORED·CORE』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました!

翔は小説にするという形で自らの体験とパイロット達の生きざまを残し、そして全てハッピーエンドに変えるという選択をしました。
もし良ければ、他のエンディングやDLCも読んでいただけると、ありがたいです。

●新居とコルヴィス
実はこのエンディングでは、翔には若干の猶予があり、コルヴィスを動かしてコルヴィスと翔の落ちた山に撤退しています。

そして、新居の完成までは絶対安静で体が動かなくなるまでの時間を稼ぎ、翔の体が完全に動かなくなる直前で、ガレージにコルヴィスを移送することに成功しました。
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