アーマード・コア ~鴉の証~ (ver2.0) 作:ダイヤモンド傭兵
その男が出会ったものは、運命なのか···
DLCです。本編(番外編や外伝を含む)を読み終わってない方は読み終わってから来てください。
ある曇りの日(第31話の数ヶ月前)、シリウス領地にある町に住むアルベルトは買い物に出掛けていた。
アルベルトは当時機械の整備士をしており、その日は同僚への差し入れを買おうとしていたのだ。
すると突然、離れた所から爆発音と共に火事の煙が上がる。
アルベルト「なんだ?」
人々の悲鳴が上がり、よく見るとヘルカイトが飛んでいるのが見える。
民間人A「襲撃だぁー!」
民間人B「あのエンブレム、EGFだ!」
人々はヘルカイトのいる方向からは反対の方向へと走り、アルベルトも同じ方向へ走る。
しかし今度はゴーレムがその方向から現れる。そしてゴーレムのガトリングにより、人々が薙ぎ払われていく。
ゴーレムのパイロット《我らの教えにに従わぬ者共に、正義の鉄槌を!》
アルベルトは近くにある軍の格納庫へと向かえば、助かるかもしれないと思い、路地裏を縫うようにして走り、シリウス軍の格納庫へと辿り着く。
すると軍人達が走って逃げていくのが見えた···
アルベルトが格納庫を覗くと、先日搬入されたばかりと聞いていた中量2脚のACがそこにはあった。搬入されたばかりということで、エンブレムもカラーリングも施されていない、灰色のACである。
見るとパーツの一部が破損しており、周りには技術者はいない。
アルベルト「まさか、整備士が逃げたのか?いや、あるいはここに来る前に死んだか···」
アルベルトは一か八かでACを修理することにした。幸い、アルベルトに整備できる範囲で、近くにあったパーツと交換するだけで済むものだったため、10分以下で修理は完了した。
そしてアルベルトはACに乗り込み、システムを起動させる。
システムボイス《メインシステム、パイロットの認証を開始します》
急いで認証を済ませ、戦闘モードを起動させる。
武装は右手にライフル、左手にバトルライフル、右ハンガーにレーザーライフル、左ハンガーにレーザーブレードである。
アルベルト「どうにでもなれっ!」
ACはレーザーブレードでシャッターを破壊し、バトルライフルに切り替えながら外へ出る。
すると1機のヘルカイトと鉢合わせてしまったため、ACは慌ててライフルを連射する。
ヘルカイトのパイロット《て、敵ACです!》
ゴーレムのパイロットB《よし、やるぞ!》
ヘルカイトの背後からゴーレムもやって来る。アルベルトは覚悟を決めて正面ののヘルカイトに向けてライフルとバトルライフルを連射する。そのヘルカイトは撃ち落とされた後、近くのガレージに激突して爆散する。
そしてACはゴーレムに向き直ると、後ろに下がりながらライフルとバトルライフルを連射する。ライフルはシールドに弾かれているが、バトルライフルはシールドにダメージを与え、シールドが剥がれる。ACはそのまま両手の武器をそのまま連射し、ゴーレムも撃破する。
アルベルト「ハァッ、ハァッ···」
アルベルトは覚悟を決めてはいたものの、初めて人を殺した手を眺める。しかしその時機体に衝撃が走る。別のMT達が攻撃してきたのだ。
アルベルト「クソッ!」
アルベルトはMT達を撃破しながら町からの脱出を目指す。すると町の広場に出た所に、迷彩柄のカラーリングに青い蜂のエンブレムをつけた重量逆関節AC『ハンズフリー』がいた。
ハンズフリーのパイロットである『グレン·A·フォルン』は眉をひそめる。
グレン《ほう?ACがいたとはな···》
推奨BGM『Dirty walker』
ハンズフリーは両手のガトリングガンを連射しながら接近してくる。ACはライフルとバトルライフルを連射するが、有効なダメージを与えられない。
ACはレーザーライフルとレーザーブレードに切り替え、接近してレーザーブレードを振る。しかし逆関節特有の高いジャンプ力によってかわされ、ガトリングガンを撃ち下ろされる。
しかし、ハンズフリーのガトリングガンもACに有効なダメージを与えられていない。
グレン《フンッ、そんなことで負けはせんよ》
ACが振り返ると同時にハンズフリーは右肩の内蔵武器を起動させ、ヒートロケットを発射する。ヒートロケットは3発ともACの左足のシールドに命中し、ACの左足の損傷は免れたものの、左足のシールドは破壊されてしまう。
アルベルト「うおおおおおおっ!」
アルベルトはレーザーライフルをチャージし、ハンズフリーの胴体に命中させ、損傷を与える。そしてアルベルトは背を向けてOBで逃げ、離れた建物の裏に隠れる。
アルベルト(どうする?どうする!?)
すると、上から棒のようなものが降ってきて地面に刺さる。そしてその"棒"は傘のように展開し、青色の光を点滅させる。
グレン《なるほど、そこにいたか》
近くの道からハンズフリーが現れ、両手の武器をを連射してくる。ハンズフリーは左手の武器をハンガーにかけていたパルスマシンガンに切り替えており、TE耐性の低いACの装甲をみるみる溶かしていく。
アルベルト《うおおおおっ!?》
ACはレーザーライフルを再びチャージし、発射する。すると、ハンズフリーがヒートロケットを発射するために展開した直後の右肩に直撃し、爆発する。
それによりハンズフリーの右腕が肩から吹き飛ぶ。
グレン《なっ!?貴様ぁっ!》
ハンズフリーはパルスマシンガンを連射し続け、パルス弾はACの頭部付近に連続して命中する。
アルベルト《うぉわっ!》
ACはレーザーライフルをチャージせずに発射し、それはハンズフリーの4つあるカメラの1つに命中する。それにより怯んだ隙にACは再び逃げる。
そして再び格納庫に戻ってきてしまったが、最初に来た時には見ずにいた格納庫を見てみる。そこには1つの曲がった形をしたレーザーブレードがあった。
アルベルト「これは···『LB-66 MOONLIGHT』?」
アルベルトはハンガーのレーザーブレードをMOONLIGHTにその場で変更し、格納庫から出る。するとそこにはハンズフリーがいた。
ハンズフリーは再びパルスマシンガンを連射してくるが、ACは壁を蹴って跳躍し、チャージしたレーザーライフルでパルスマシンガンを撃ち抜く。
グレン《貴様っ!》
ACはMOONLIGHTを起動させる。すると先程までのレーザーブレードとは違い、青く光る刀身が現れる。
そして再びチャージしたレーザーライフルでハンズフリーの左足の関節を撃ち抜き、接近する。
グレン《きっ、貴様ぁぁぁぁぁぁ!》
ハンズフリーは残った左腕で殴りかかろうとする。
アルベルト「うおおおおおおおおおっ!」
ACはMOONLIGHTでハンズフリーを袈裟に斬り裂き、ハンズフリーは爆散する。
荒野を飛ぶヘリが1機。乗っているのはファットマンとマギーである。
先程、依頼で契約していたACのパイロットとの契約が終了し、拠点に帰る途中である。
するとファットマンは何かを発見する。
ファットマン「ありゃなんだ?···ACじゃねぇか!」
マギー「でもあれって···」
かなりの損傷を受け、歩いているACは脚部に限界が来て膝をつく。そしてそのまま機能停止する。
見捨てるわけにもいかないと思った2人はコクピットを開き、中を見るとそこには1人の男性がおり、意識を失っていた。
それが、2人とアルベルトの出会いだった。
読んでくださり、ありがとうございます!
今回のDLCはアルベルトの過去でした。
今でも感想やご指摘は受け付けてますいますので、遠慮なく送ってください!
●ハンズフリー
【挿絵表示】
迷彩柄のカラーリングに青い蜂のエンブレムをつけた重量逆関節AC。
武装は両手のガトリングガン、右ハンガーにハンドガン、左ハンガーにパルスマシンガン、そして右肩に内蔵されているヒートロケットである。
味方の露払いや味方ACの援護が目的であり、主戦力となる事は想定されていない。
●グレン·A·フォルン
金髪の角刈りヘアで身長171cm、31才で1月22日生まれ。
EGFに所属しており、味方の援護を得意としているが、ACとの戦闘経験は少ない。
彼の家系は、代々高い指揮や作戦立案に長けていたが、彼はEGFの思想に傾倒し、家を出ている。
そのため、戦略や指揮の能力は低い。