アーマード・コア ~鴉の証~ (ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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翔が消えた世界で、愛海は翔が守った世界を見る。
そこにあるのは、希望か終焉か···


DLCです。本編(番外編と外伝を含む)を読み終わってない方は、読み終わってから来てください。


DLC⑧ 鴉が消えた世界(新実装)

雨上がりの空に、虹がかかっている。その空の下にある喫茶店に、愛海は住んでいた。

かつて愛海は養子を引き取ったが、その養子は今や一人暮しを始めている。

 

この日は休日のため、愛海は外へ散歩に出かけていた。

新しく買ったスニーカーで歩き、物思いにふける。内容は翔の事である。

愛海は翔が守った世界がほとんど変わっていないことに嘆き、拳を握り締める。

 

世界はAIを恐れ、エクシーナインの1件を研究者に押し付け、自らのした事からは逃げていた。更にはコルヴィスと翔を血眼になって探し、利用しようとすらしていた。

変わったこととすれば、ロボットバトルに火が着き、世界的な競技となったことくらいである。

 

しかし最近では徐々に下火になってきており、競技人口は減っていくばかりである。

そして、そのロボットバトルに翔の乗っていたコルヴィスを見ることはなかった。愛海はコルヴィスの名前は知らないが、機体の姿は鮮明に覚えている。

 

 

 

 

 

愛海は商店街でイチゴチョコクレープを買い、食べ歩きをしながら空を見上げる。

翔が戦った日とそっくりな青空が広がっており、愛海は少しだけ笑顔になった。

そしてクレープを食べ終わると、帰路に着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、テレビを見ていた愛海はチャンネルを変えているとある番組で目が止まる。

それはロボットバトルの番組であり、どうやら今夜の対戦はプリズムvsレオのようで、会場は盛り上がっているようだ。

 

愛海「レオの人って、確か休養中じゃなかったっけ?」

 

今回の対戦マップは『VORKA CITY』で、雪の積もった廃墟の街で、マップの中心は開けている。そしてその中心には塔があり、主にエッフェル塔と呼ばれている。

その塔を挟んだマップの端に、プリズムとレオが位置に着く。

 

司会《さぁ、これより始まります!レディー、ゴー!》

 

 

 

プリズムは正面に向かって進み、レオはビルの陰に隠れながら進んでいく。そしてレオはプリズムを発見すると右側面からOBで接近し、右ハンガーから切り替えたレーザーブレードでプリズムを袈裟に斬りつける。

 

プリズムは損傷を負い、右腕を破壊されてしまう。しかしプリズムは左へのQBで距離を取り、左手のプラズマガンを発射してレオに損傷を与える。

どちらもTE属性への耐性は低いため、損傷は大きかった。

 

プリズムはどうにかして距離を離そうとするが、レオはそれを許すはずもなく、左手のショットガンをプリズムの頭部に撃ち込む。

頭部のメインカメラを破壊されたプリズムは、音だけを頼りにプラズマガンを撃とうとする。

 

しかし次の瞬間、プリズムの胴体はレオによって縦に一刀両断される。

 

 

 

司会《終了ー!勝者、レオ!》

 

会場は拍手と歓声に包まれるが、愛海はコーヒーを1口飲んだだけであった。

 

愛海「今回の試合、単に実力差がありすぎよね···」

 

愛海はその日は眠れる気分ではなく、再び散歩へ出掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜ということもあって人は少なく、町は静かだった。愛海が歩いていると、地面にリンゴが散乱しているのを発見する。見ると1人の女性が地面に落ちたリンゴをかき集めている。

 

愛海「手伝いますよ」

 

女性「お!ありがとな~」

 

髪を短いツインテールにし、浅緑色に染めた女性はそう答え、2人はリンゴを集める。リンゴを集め終わると、女性は愛海に飴玉を手渡す。

彼女の顔には、左目の上から右頬にかけて大きな傷の縫い痕があった。

 

女性A「キヒヒッ、あんさんええひとやな。ほれ、リンゴのお礼や」

 

その後、女性は陽気に鼻唄(『Speed』)を歌いながら去っていき、愛海はその女性とは別の方向へ足を進める。

 

 

 

しばらく歩いていると、女性に肩を貸してあるく男性の2人組がいた。

 

男性「姉さん、だからやけ酒はやめてって言ったじゃないですか···」

 

女性B「ネットで炎上したんだから良いじゃな~い!」

 

その2人はよく喫茶店に来る兄妹であり、射撃の世界大会にて弟は優勝し、妹は賞こそ取れなかったものの、世界大会に出場する程だった。

しかし今夜は調子が良くなさそうであり、愛海はそんな2人とすれ違うと、そのまま歩いていく。

 

 

 

 

 

愛海は歩いている途中、ふと空を見上げると流星群が降り注いでいた。

 

愛海「今年って流星群が降る日はまだなのに、どうして···?」

 

流星群の事が気になりつつも、愛海は散歩を続ける。そして砂浜に着くと、流木に腰掛けて流星群を眺める。

今降っている流星群は美しく、心を躍らせるが、同時になぜか不安な気持ちにもさせる。

 

愛海「なに···これ···?」

 

愛海は自身の身体を抱き締めるが、ふと海の方から何かが水に落ちる音がする。見ると、青く輝く立方体が浜に打ち上げられていた。

愛海は立方体を手に取ってみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青く輝く立方体からは、微かに様々な音が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

波の音──

砲撃の音──

プロペラの音──

船が進む音──

何かが沈む音──

誰かの断末魔──

何者かの慟哭──

 

 

 

 

 

 

 

愛海「ホントに、今夜はなんなの···?」

 

愛海は立方体を海に投げ捨てると、来た道を戻り始める。この時愛海は再び何かが起きる予感がし、心が不安で一杯になっていた。

 

愛海(翔···)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、喫茶店に2人の客が来る。

1人は少年、もう1人はその少年の祖父である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来の未来から、書き換えられたこの世界で、愛海は何を見るのか···?

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!
また遅くなってすいません!

今回のお話は、私の別作品『Ravens lane ─鴉達の未来─』に繋がっています。
この話が投稿された時点ではアップデートされてませんが、この小説ともう1つ別作品のアップデートが終わり次第、こちらもアップデートする予定です。

まだ時間はかかりますが、楽しんでくれたら幸いです。

●VORKA CITY
ACVDに登場するマップ。

中央は開けてると共に、エッフェル塔と呼ばれる塔がある廃墟と化した街であり、雪が積もっている。

●女性A
浅緑色に染めた短いツインテールの髪で身長152cm、19歳で7月29日生まれ。

本名はクラエス·パッカード。

左目の上から右頬にかけて大きな傷と縫い痕があり、リンゴと飴をこよなく愛している。
裏社会では殺し屋をやっており、時にテロに加担することもあり、それらは趣味の1つでしかない。

しかし基本的に面倒見が良く、ノリの良い性格をしており、依頼も気分で請け負っている。
また、翔と同じ時代に生きていた場合、AMS適正は91%である。

余談だが、一時期ロボットバトルの非公式大会に出場したこともある。
その際は、白と水色のカラーリングにリンゴのエンブレムをつけた逆関節型ネクストを使っていた。

●男性
黒い短髪で身長169cm、18歳で8月7日生まれ。

本名はカリス·ウェイン。

姉のことをとても大事にしており、落ち着いた性格をしている。

射撃の世界大会に優勝し、精密長距離狙撃のギネス記録も取得している。
最近はロボットバトルにも出場しており、白と紫のカラーリングにライフルと葉のエンブレムをつけた、狙撃特化4脚を使っている。

●女性B
ピンクに染めたロングヘアで身長160cm、20歳で6月1日生まれ。

本名はフェルレート·ウェイン、愛称はフェル。

弟のカリスをとても大事にしており、少々雑な性格をしている。

弟と共に射撃の世界大会に出場するも、準決勝直前で敗退してしまう。しかしサバゲーやロボットバトルにて索敵の才能を開花させ、弟と共にロボットバトルに出場している。

またロボットバトルでは、黄緑色と白のカラーリングに青い盤面に白い花を入れたエンブレムをつけた、武器腕4脚を使っている。
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