サクラ大戦Ⅵ ハロー・マイラブ    作:蛇王

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パート7

ナターシャの怪我は、3日もせずに9割方回復した。普通に考えても驚異の回復力だ。

 

「だから言ったろう? 心配するなって」

 

サロンで、ギプスの外れた腕を見せながら笑うナターシャ。マレーネを除く他の皆も笑顔だ。

 

「でも良かったよ本当に。大事に至らなくて」

 

「オーバーだなぁ隊長は。あたしは打たれ強いのさ」

 

「──みんな、聞いて」

 

スピカが手を叩きながらやってくる。

 

「いよいよ明日が『ロミオとジュリエット』千穐楽よ。残り4公演、気合い入れていくわよ!」

 

「はい!」

 

皆が返事をした瞬間、警報が劇場内に鳴り響いた。

 

「おっと、敵さんのお出ましね。みんな、すぐに作戦指令室に集合よ!」

 

「了解!」

 

指令室に集まると、モニター画面に赤の市庁舎とトゥルーデの姿があった。

 

「こいつ……また現れたのか!」

 

ナターシャが言う。

 

「みんな! 前みたいな戦闘はしないでね。必ずこいつを倒すのよ!──神木くん、出撃命令を!」

 

「はい! 伯林華撃団・四季組、出撃! 目標、トゥルーデの撃破!」

 

「了解!」

 

 

*******

 

 

赤の市庁舎前の広場では、トゥルーデの高笑いが響いていた。

 

「あーはっはっは! ヨーゼフの仇討ちに目がくらんで肝心の破壊を忘れていたとは、私もつくづくバカよねぇ。さぁ、忌まわしき人間どもを恐怖に陥れてやる!」

 

「そこまでだ、トゥルーデ!」

 

空中からアイゼンクライト改が飛来してくる。

 

「伯林華撃団、参上!」

 

「ふん。来たか、負け犬どもめ。また私に倒されたいみたいねぇ」

 

「その言葉、よく覚えておくんだね」

 

ナターシャが啖呵を切る。

 

「泣いて許しを請いてもダメだからな」

 

「チッ、調子に乗りやがって! すぐ楽にしてやるからな!」

 

トゥルーデが襲い掛かってくる。神木が素早く命令を出す。

 

「みんな、【雪】作戦でいくぞ!」

 

「了解!」

 

防御力を上げ、持久戦に持ち込む一同。上手いこと『アネモーネ』の攻撃をかわし、相手が隙を見せるのを待つ。

 

「クソッ。ちょこまか動きやがって……。うぁああああああ!」

 

痺れを切らしたトゥルーデが一直線に突っ込んできた。

 

「今だ!」

 

神木の合図と共に、三人が一斉にトゥルーデに攻撃を仕掛ける。隙を突かれたトゥルーデは『アネモーネ』の防御も間に合わず攻撃を直で受ける。

 

 

 

「ぎゃああああああああああ!!!!」

 

 

 

トゥルーデの断末魔の叫びが響き渡る。

 

「これで終わりだ!」

 

ナターシャの渾身の一撃が、『アネモーネ』の急所を突いた。

 

 

 

 

「お兄様ぁあああああああ!!!!!! お許しをぉおおおおおお!!!!!」

 

 

 

 

『アネモーネ』は爆破に巻き込まれ、トゥルーデは業火の中で散っていった。

 

「……終わったな」

 

燃え盛る炎を見ながら、ナターシャが呟く。

 

「あぁ、僕たちが勝ったんだ。ナターシャ、君のおかげだ」

 

「……隊長。あんたの場をよく見た指揮、大したもんだよ。これからもよろしくな」

 

「さぁ、さぁ。皆さん!」

 

ニーナが元気よく割って入る。

 

「リベンジも果たしたことですし、いつものあれ、やりましょう!」

 

「あれ? あれって?」

 

「四季組は戦いに勝った後は、いつも『勝利のポーズ』をするんですよ。さぁ、ナターシャさんも入って、入って。──では、行きますよ。せーの!」

 

 

 

 

 

「勝利のポーズ、決め!」

 

 

 

 

 

*******

 

翌日の千穐楽は、無事に終えることが出来た。

 

カーテンコールでは、お客さんのスタンディングオベーションが10分以上も続いた。

 

ニーナたちキャストは満面の笑みでお客さんたちに手を振り続けた。

 

ナターシャも舞台の楽しさに目覚めたようで、これから本格的に演技の勉強をするらしい。

 

また、ナターシャもスピカの尽力でお咎めなしとなった。

 

舞台袖で見ていた神木は、感慨の笑みを浮かべて惜しげもない拍手を送った。

 

 

【Ep.2 完】

 




【次回予告】

ある時は貞淑な大和撫子。ある時は何にも縛られないモダンガール。
どっちも私。でも本当の私は、一体どっちなの──? 

次回、サクラ大戦Ⅵ 第三話『ヤマトナデシコ二変化』

お楽しみは、これからよ!
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