「神木さん!」
売店にいたアンジュが神木の元に駆け寄る。
「アンジュくん、何があったんだ?」
「知らせによると、ブランデンブルク門でまたゴーレムが現れたそうです!」
「何だって? クソッ。アンジュくん、リリィを避難所まで連れていってくれ」
そう言ってリリィをアンジュに預ける。不安そうにするリリィ。
「分かりました。さ、こっちにおいで……」
「ゆーいちろーは? ゆーいちろーは避難しないの?」
「僕は、悪い奴らと戦ってくるから。大丈夫、すぐ戻ってくるよ」
それだけ言い残すと、神木は作戦指令室へと急いだ。
指令室にはすでに着替え終わったみんなが集まっていた。
「……ゴーレムは全部で10体。これに関してはすぐに倒せると思うわ」
モニター画面にブランデンブルク門の様子を映しながら、スピカが説明する。
「問題なのは……こいつね」
彼女が指さした先に、ボロボロになった敵蒸気機械『フェーレ』に乗ったハインリヒの姿があった。
「こいつ……まだ生きてやがったのか」
ナターシャが呆れた口調で言う。「前回倒したと思ったのに……」
「バカは死ぬまで治らない、ってね。霊力は前回よりも落ちてるけど、人間追い込まれた時に火事場の馬鹿力を発揮するから、くれぐれも油断しないこと! いいわね?」
「はい」
「神木くん、出撃命令を!」
「はい! 伯林華撃団・四季組、出撃! 目標はハインリヒの撃破だ!」
「了解!」
*******
「──クソォ! 俺としたことが、あんな奴らにやられるなんて……」
青息吐息になりながらも態勢を保つハインリヒ。
「……だが、今度こそ、奴らを倒して……兄者に……認めてもらう!」
「しつこいんだよ。死にぞこないが」
「んあ!?」
ハインリヒの真上に、アイゼンクライト改が飛行したまま集結している。
「伯林華撃団! 参上!」
「ハインリヒ! いい加減負けを認めたらどうだ!?」
「ククク、来たか……」
「もうお前に戦える力は残っていない!」
「馬鹿め! 俺の真の強さは、追い詰められた時にこそ発揮する! ハ~~~ア~~~~!」
言うや否や、気をため始める。『フェーレ』から青白く光るエネルギーが放出されていく。
「……なんという奴だ。まだこれほどの霊力を残していたとは!」
「ケッ。とどのつまり馬鹿ってことじゃねぇか」
ナターシャがつまらなさそうに言う。
「う、うるさい! 馬鹿、馬鹿言うな! 貴様ら全員、塵にしてくれるわ!」
「来るぞ! 全員戦闘配置につけ!」
「了解!」
スピカの懸念通り、ハインリヒの戦闘力は前回よりも強くなっていた。
地上形態では危険だと判断した神木は、飛行形態のまま相手を倒すことにする。
『隊長! 飛行形態は攻撃力が下がるから、いつまでたっても決着つかねぇぞ!』
ナターシャが通信で神木に言う。
「分かってる! だから、地上でも戦えるよう飛行形態のまま相手の体力を削っていくんだ! 機が熟したら、地上での戦闘に切り替える! いいな!」
『了解!』