パート1
三ヶ月後。年も暮れる12月。
スピカが神木および四季組と空組の面々を、舞台終了後にサロンへと集めた。
「みんな、集まったわね」
スピカが皆の顔を見渡しながら言う。
「スピカ、急に集合なんて、どうかしたの?」マレーネ
「まさか、敵か! 場所は、数は?!」ナターシャ。
ヨーゼフを倒して以降、伯林には平和な日々が続いていた。伯林華撃団も、伯林歌劇団としての活動に専念することが出来、毎月の公演も滞りなく行っている。
「違う、違う。そうじゃないのよ」
スピカが笑いながら手を振って否定する。
「皆、今日が千秋楽でしょ? 一年間お疲れ様。敵も倒して、舞台もやって、皆も疲れているでしょう?」
「そうかなぁ?」
リリィが首をひねる。
「リリィはまだ若いから分からないのよ。でも、身体は正直でね。あまり無理して活動を続けていると、後々そのツケを払うことになるの。──というわけで、明日から来年の1月10日まで、伯林歌劇団は冬休み期間とします!」
「冬休み?! 休みが貰えるんですか?!」
秋奈とニーナが歓喜の声を上げる。
「そうよ、私からのご褒美。思いっきり、羽を伸ばしてらっしゃい!」
「それって、わたしたちもか!?」
アンジュが手を挙げて質問する。
「えぇ。四季組・空組ともに明日から冬休みよ!」
「やったぁー!」
「ただし、まだやることが残っているのなら、片付けた方が後々楽ね」
「アンジュ、リン。まだ事務作業が残っているでしょう? 今日中にはとても終わる量じゃないから、私達の冬休みは明後日からになるわね」
つぼみが声を掛ける。
「なーんだぁ。もう冬休みモードに入っていたのに……」
しょげるリンに、スピカが「まぁまぁ、それも冬休みのイベントと捉えて……」となだめる。
「まぁ、いいか。どのみちアレが明日来ることだし」
「……アレ? リンくん、何だい、アレって」
神木がリンに尋ねる。
「えへへ、ヒ・ミ・ツ、です」
「は、はぁ……」
「それで、神木くんはどうするの、冬休み?」
スピカが神木に尋ねる。
「……うーん、そうですね。急なことなんで、まだ決めてないですけど。二週間もあるんなら、日本に帰るのもありだなと思いますね」
「そうね。せっかくの休みなんですもの、有効に使わないとね」
スピカはここで言葉を切り、懐中時計で時間を確認すると「ではもう今日は遅いから、これでお開きとするわ」と言った。
自室に戻った神木は、ベッドにゴロンと横になって天井を見つめながら、明日からのプランを考える。
『伯林観光も良いし、日本に帰るのもありだし……。うーん、迷うなぁ……』
そんなことを考えながらボンヤリしていると、部屋のドアがコンコンとノックされた。
「はい、どなた?」