「私です、ニーナです。神木さん、入っても良いですか?」
「ニーナくん? どうぞ、カギは開いているよ」
部屋に入ってきたニーナは寂しそうな表情をしている。
「神木さん……日本に戻るんですね」
「あぁ。──大丈夫。またすぐに会えるよ」わざと明るめな声を出す神木。
「あの、神木さん──」意を決したように、ニーナ。「お願いがあるんですけど、聞いてくれますか?」
「う、うん。何だい?」
「冬休みの時に行った、 ブランデンブルク門近くのレストランにまた一緒に行きたいんです。ほら、前回はカールが現れて食事も取らずに店を後にしたから、そのやり直しも兼ねて……」
「あのレストランか。良いよ、一緒に行こう!」
「本当ですか?! ありがとうございます!」
飛びあがらんばかりに喜ぶニーナ。
「じゃあ、明日の午後5時30分に、ロビーに待ち合わせで! お願いしますね!」
「はいはい。じゃあ、また明日」
ニーナはルンルン気分で部屋を後にした。
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翌日。集合時間にロビーに向かうと、ピンク色の可愛らしいドレスを着て化粧をしたニーナが立っていた。
「ニーナくん……。すごく綺麗だよ」思わずドギマギする神木。
「本当ですか? 私、すごく嬉しいです……」
はにかみながら満面の笑みを浮かべる。
「さぁ、行こうか……」
ニーナの手を握り、外に出る二人。件のレストランは、以前と変わることなく営業をしていた。
「いらっしゃいませ」
給仕は二人の顔を見て少し驚いたような表情を見せたが、すぐに引っ込めて営業モードに入る。
「さすがに覚えられていたか」
メニューを見ながら神木が呟く。
「ふふっ。でも、今度はちゃんといただきましょう」ニーナが笑顔で言う。
運ばれてきた料理はどれも美味しく一級品揃い。二人は楽しく談笑しながら料理をつっつく。
「それにしても、またこうしてニーナくんと一緒に食事が出来て嬉しいよ」
食後のデザートを食べながら、神木。
「しばらく伯林からは離れるけど、良い思い出が出来て良かった」
「そうですね……」
言いながら涙を目にためるニーナ。
「ど、どうしたの?!」
「ごめんなさい……私、どうしても神木さんと離れ離れになるのが辛くて……本当はお祝いしなきゃいけないのに……。私、本当は会った時からずっと神木さんのことを……」
「ニーナくん……」
神木はニーナにハンカチを差し出そうとするが、すぐにそれを思いとどまると、椅子から立ち上がってニーナを優しく抱きしめた。
「か、神木さん……」
「僕も君のことが好きだ、ニーナくん」
二人は時が過ぎるのも忘れて、お互いをしっかり抱きしめていた。
【サクラ大戦Ⅵ ハロー・マイラブ(ニーナエンド)完】