サクラ大戦Ⅵ ハロー・マイラブ    作:蛇王

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パート8 ナターシャエンド

「隊長、いるかい?」

 

「ナターシャか、いるよ。カギは開いているから、入っておいで」

 

部屋に入ってきたナターシャは、どことなく照れている表情をしている。

 

「どうしたんだい。珍しいね、僕の部屋に来るなんて」

 

「ハハ、まぁね。なぁ、隊長。明日、ヒマか?」

 

「明日? 特に用事はないけど」

 

「そうか……! いや、実は、明日久しぶりに市内をランニングしようと思っててさ。ほら、ずっと戦いっぱなしでトレーニングする時間を作ることが出来なかったから。それで……隊長も一緒に走らないか、と思って……」

 

「えっ? 僕が?」驚きの声を上げる神木。

 

「い、いや……。嫌なら良いんだ。本当に、走るだけだから……」

 

「──確かに最近、あまり体を動かせてないなぁ。海軍に戻ることだし、きちんと体を作っておくのはアリだな。いいよ、ランニング行こう」

 

「ほ、本当か?! じゃあ、明日13時にロビーに集合な!」

 

ナターシャは顔を明るくしながら神木の部屋を後にした。

 

 

*******

 

 

翌日。約束時間の五分前に運動着姿で神木はロビーに向かうと、すでにランニングウェアに着替えたナターシャが先に待っていた。

 

「やぁ、ナターシャ。お待たせ」

 

「お、来たね隊長。ふぅん、なかなか似合っているじゃないの」

 

「海軍士官学校にいた時に着ていたやつさ。ナターシャこそ、なかなかサマになっているよ」

 

ナターシャは半袖シャツにショートパンツを穿いており、彼女のプロポーションの良さを惜しげもなく表している。

 

「それで、どこに行くんだい?」

 

「シュプレー川沿いを走っていって、トレップトアーパークで休憩しようと考えている」

 

「トレップトアーパークか。中々走るね」

 

「ランニングは長距離走らなきゃ意味無いからな。よし、じゃあ準備運動したら早速走りに行こうぜ!」

 

二人は入念に準備体操をして、ランニングを始める。元傭兵らしく、ナターシャは疲れを見せず走り続ける。神木も、士官学校でしごかれまくった体力で軽快に走り続ける。

 

「へぇ、あたしの走りについてこれるなんて。隊長、案外タフなんだねぇ」

 

トレップトアーパーク内のベンチの前に立って汗を拭きながらナターシャが言う。

 

「これでも、海軍士官学校を主席で卒業したんだ。これくらいへっちゃらさ」ベンチに座りながら神木が言う。

 

「なるほどね。さすが隊長だ」神木の隣に腰かけるナターシャ。

 

「さすが隊長だ、か。君の口からそんな台詞が出るとはね」

 

「な、何だよ」

 

「最初のころは僕に楯突いて来たじゃないか」そう言ってハハハと笑う神木。

 

「あ、あれは! あたしも、まだ隊長のことをよく知らなかったし……」

 

そう言って照れてしまうナターシャ。そのまましばらく無言になる。

 

「──なんかさ。隊長とこうして話していて、つくづく感じたよ。こういう何気ない光景が、実は幸せなことなんだよな。平和じゃなかったら、こんなこと、出来ないだろうし」

 

「……そうだな、こういう何気ないことが平和へとつながるんだ」

 

「だからさ、隊長……。これからも、あたしの道標となってくれないか?」

 

「もちろんだとも。僕はずっとナターシャの味方さ」

 

「へへ、ありがとよ、隊長。──さて、休憩も済んだし、隊長、ランニング続けるぞ!」

 

「お、おい。急に走り出すなよー!」

 

二人は笑いながら、伯林の街をバックに走り続けてた。

 

 

 

【サクラ大戦Ⅵ ハロー・マイラブ(ナターシャエンド)完】

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