【二次創作】Fate Grand Order 〜英霊が生まれる時〜   作:麻宮鈴

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遅くなりましたが、シリーズ6作目です。
この物語にはオリジナルキャラが登場するため、シリーズ初見の人は第1作目「プロローグ」から読むことを推奨します。

(あらすじ)
太宰から自身の秘密を少しだけ教えてもらい、改めて特異点の黒幕を倒そうと決意を新たにした藤丸達。
地上に手掛かりを探しに紅子に協力を仰ごうとするが、太宰から紅子に用心しろと忠告され――――

今回のお話では、藤丸が紅子の真名に気が付きます。明言はしませんが、ヒントを一杯入れたので察しの言い人にはわかるかも。

(注意点)
・今作はFGO第5異聞帯クリア後の世界を舞台としています。その為、真名など二部のネタバレを含みますのでご注意ください。
・CPはありません。ストーリーを楽しみたい人向けです。
・オリジナルキャラが複数人登場します。
・短いですがグロ注意です。オリジナルキャラしか傷つきません。傷つくのは不死身キャラですが、人体の切断を含みます。
・Fateの世界観や設定をつかみ切れていない部分があるかもしれません。その為独自の解釈や捏造を含みます。

以上、「大丈夫だよ」という心の広い方は是非最後まで読んでいただけると嬉しいです!


【閉塞特異点】邪光降臨神島 壱岐 〜古き神と月満ちる刻〜 第4節 紅子再臨

第4節 紅子再臨

 

 太宰の部屋を出た立花(りつか)たちは、紅子のいる食堂へと引き返していた。

 太宰から忠告は受けたものの、地上でツクヨミを倒す方法を探るには、月光に耐性があり地上に詳しい紅子の協力が必要不可欠だ。彼女の素性が知れないという不安はあるものの、今の所友好的だし、彼女の動向を見張る意味でも一緒に行動した方がいいだろう。

 

 「マスターは紅子のことをどう思うんだ?」

 

 隣を歩いていたラーマがふと立花に問いかける。

 

 「俺はやっぱり紅子さんのことを疑いたくはないなぁ。おなじ日本人みたいだし」

 「へぇ、紅子は日本のサーヴァントなのか。ではマスターは彼女の真名に心当たりはないのか?」

 「え? どうだろう……」

 

 紅子の特徴と言えば、可愛らしい大きな瞳に、長く切りそろえられた黒髪とセーラー服ぐらいだ。

 髪型から考えるなら平安など昔の時代の人物のような気がする。戦闘には不慣れなようだし、その可愛らしい顔つきからいってきっと貴族の娘みたいな身分だったのだろう。服装はセーラー服だが、紫式部や清少納言の例があるのであまり当てにしない方がよさそうだ。そうなると昔の貴族だろうという以外は全く見当もつかない。

 

 「うーん、昔の貴族だとは思うけど、真名までは見当つかないなぁ」

 「そうか。まぁ、焦っても仕方ない。とりあえず紅子と合流しよう」

 

 

 

******

 

 

 

 食堂に着くと、ピークは脱したのか人数は少なくなり空席も目立つようになっていた。

 

 「あ、藤丸さんにラーマさん!」

 

 布巾で机を拭いていた紅子が、立花達に気が付いて顔を上げる。

 

 「おはよう、紅子さん。仕事は落ち着いた?」

 「はい。これを片付けたら私はもうあがっていいそうです。それで、ちょうどよかった!実は藤丸さんたちを探していたんです!」

 「余たちを?」

 「はい。お願いがありまして、私と一緒に地上について来てほしいのです」

 

 紅子は真剣な目でこちらを見つめてくる。

 立花達が言おうとしていたことをまさか向こうが言ってくるとは。思わず目を見開く。

 

 「それは構わないけど……むしろ俺たちも同じことを紅子さんに頼もうと思って来たんだ」

 「え、そうだったんですか?」

 「ああ、地上に行けばツクヨミを倒す手掛かりが得られるのではないかと思ってな」

 「紅子さんは地上に何しに行くの?」

 「食料を調達しに行くんです。今までは月光に耐性がある私一人で行っていたのですが、一人では持てる量に限界がありますし、お二人に来てもらえたら助かるなと思いまして」

 

 紅子はそう言うと、「お願いできますか?」とこちらを伺う様に見つめてくる。

 わざとではないだろうが、上目遣いの様になっており大変可愛らしい。

 立花は思わず顔を赤らめながら誤魔化すように口を開く。

 

 「そ、そういうことだったらお安い御用だよ。ツクヨミの情報を探しがてら、食料調達をしようか!」

 「はい。それじゃあ準備してくるのでお二人は席に座って待っていてください」

 

 紅子はパタパタと厨房の方に走っていく。その後ろ姿を見ながら、立花はさっき太宰に言われた言葉を思い出す。

 

 『味方とは限らない。くれぐれも用心したまえ』

 

 紅子さんはいい人だ。かわいいし優しいし気が利く。

だが新宿の例もある。記憶を失くした状態では良い人であっても、それがその人の本質とは限らない。

 それでも、今俺たちに向けてくれる笑顔は偽物じゃないと思うから。だから、少しずつ彼女を知っていきたい。

 とりあえず、もっと紅子さんの話を聞いてみよう。

 

 そう決心して、ラーマと一緒に空いている席に座って紅子の準備を待つことにした。

 

 

 

 

*******

 

 

 

 「はぁ、まだ地上が見えてこない………」

 

 十数分後、紅子と合流した立花達は現在、地下に来た時の長い階段を、昨日とは逆に登っている。先は真っ暗で、まだまだ道のりは長いようだ。立花は紅子に渡された空のリュックサックを背負い直し、登る脚に力を入れる。だが、こんなに登り続けているのに息苦しさは感じない。

 

 「もう少し頑張ってください。まだここは黄泉の国ですから」

 「どこからが黄泉の国とかわかるの?」

 「はい。黄泉の国から出る時は生き返るので一気に息苦しい感じがします。逆に入る時は死ぬので息が楽になったはずですよ」

 

 確かにそう言われると昨日階段を下っている途中で息苦しさがなくなった気がする。死者に呼吸は必要ないということか。いま気が付いたが、胸に手を当てると確かに鼓動の音が聞こえない。今更ながら死者の国にいることを実感させられる。

 

 「俺、本当に死んでたのか………うっ。なんか息苦しくなってきた」

 「っ、余もだ。黄泉の国から出たのか?」

 「はい、もうすぐ地上に出ます」

 

 紅子の言う通り、先の方に光が見えてくる。

 そのまま一気に登りきると、昨日の神社跡地へと出た。

 達成感と疲労から思わずその場に座り込んでしまう。

 

 「はぁ。やっと着いた……」

 「大丈夫か、マスター?」

 「お疲れ様です。ちょっと休憩しますか?」

 

 紅子が背負ったリュックからタオルを取り出して立花に手渡す。

 

 「いや大丈夫。一つの所にとどまっていると地上の人に見つかりそうだし」

 「そういえばここは月光に晒されているが、ツクヨミに入り口がバレてしまわないのか? この光はツクヨミの結界によるものなのだろう?」

 

 ラーマが辺りを見回しながら紅子に問いかける。

 確かにここは屋根もなく、神社跡地というだけあって木に囲まれてはいるが月の光は差し込んでくる。この特異点全体がツクヨミの結界に覆われていると太宰さんも言っていたし、こんなところに入り口があっては無防備ではないのだろうか?

 

 「それなら大丈夫ですよ。黄泉の国はイザナミノミコトの領域なので、許された者にしか入り口を見ることは出来ないらしいです。出入りしている姿も見られないそうなので心配いりません。ただ長居していると地上にいる人々に見つかってしまう恐れはありますが……」

 「ならあまり休んでいられないね。俺は大丈夫だし移動しようか」

 

 ズボンをはたきながら腰を上げる。

 

 「マスターがそういうなら余は賛成だ。紅子、ツクヨミを倒す手掛かりがありそうな場所に心当たりはないか?」

 「そうですねぇ………やはり、教会でしょうか。流石に入るのは危険ですが、遠くから見るだけでも何かわかるかもしれません。ただ、私も近づいたことがないので何とも言えませんが」

 

 紅子はそう言うとリュックからこの島の地図を取り出す。前に地上に来た時に書店跡地で拾ったそうだ。地図には赤色でいくつか印が付いている。

 

 「私たちが今いるのがここです。そして私がいつも食料調達しているのがこのデパートで、教会はその先の森の奥に建っています」

 「なるほど。木陰をうまく利用すれば様子をうかがえるかな?」

 「さぁ、何とも言えません。ただ太宰さんによるとツクヨミは教会から出られないようですし、霊体化して私かラーマさんのどちらかが様子を見に行けば大丈夫ではないでしょうか? その間にどちらかは藤丸さんと一緒に食料を調達しに行くという感じで」

 「確かに。多人数だと敵に見つかりやすいし、その作戦で行こう」

 「で、どちらが教会に行く?」

 「紅子さんの方がデパートに詳しいだろうし、俺と紅子さんがデパートで食料調達、ラーマが偵察でどうかな?」

 「私はそれで構いません」

 「余も、マスターの指示に従おう」

 「じゃあ決まりだね」

 

 話がまとまり、3人はデパートの方へと歩き始める。

 

 ふと空を見上げれば、相変わらずもうすぐで満ちそうな月が浮かび、神々が住まう島と言われるこの島を神秘的に彩っていた。

 すぐに視線を戻し、ポケットのぬくもりを確認する。カルナから借りたお守りがあるとはいえ、月光の下を歩いていると自然と心がざわついてくる。月がこんなに危険なものだとはこの特異点に来るまでは考えたこともなかった。立花の脳裏には昨日追いかけてきた人々の狂気に染まった笑顔が今でも思い浮かんで離れない。

 

 ………早く黒幕を倒して、月に支配された人々を救わないと。

 

 決意を新たにして歩む足に力を込める。

 ふと隣を見ると、紅子は何やら上機嫌に髪を揺らしていた。今までは一人で外出していたようだし、誰かと出かけられるのが嬉しいのだろう。耳を澄ませば、何やら音楽の授業で聞いたような雅な曲調の鼻歌が聞こえてくる。

 

 「それ、何の曲?」

 「あ、これは何か無意識に出てきた曲で。曲名はわからないんです……」

 

 紅子は恥ずかしそうに頬を赤らめる。

 

 「だが、その曲は何か記憶の手掛かりかもしれないぞ。他に何か思い出せることはないのか?」

 「確かに、ラーマの言う通りだよ! 紅子さんは自分のこと他に覚えていることない?

紅子さんは日本の英霊だと思うし、俺だったら力になれるかも」

 「えっと、そうですね………」

 

 ラーマと一緒に問い掛けると、紅子は少しの間考えるように頬に手を添えて目を瞑る。だが少しして、悲しそうに長い髪をふるふると横に揺らす。

 

 「………いえ、特には。相変わらず自分が何者なのかわかりません」

 「そっかぁ。早く思い出せるといいんだけど」

 「はい。でも、少し気になる事があって」

 

 そう言うと、紅子は徐に顔を上げて空を見つめ出す。立花は危険なのであまり長い間直視できないが、どうやら月を見ているようだ。月光に耐性のあるラーマもつられて上を見上げる。

 

 「月がどうかしたのか?」

 「いえ………ただ、月を見ているとなんだか懐かしい気がして」

 

 ラーマが問いかけると、紅子は月を見つめたまま答える。その瞳はどことなく悲しそうに揺れているように見えた。

 月に耐性もあるし、彼女は月と何か関係のある存在なのだろう。だが、そんな人物歴史上にいただろうか?

 あまり歴史の授業が得意ではなかった立花では月に関する逸話を持つ人物など思いつかない。現段階では紅子が何者なのか推測することは難しそうだ。

 諦めて前を見ると、遠くに一際背の高い建物が見えてくる。あれが紅子の言っていたデパートだろう。見たところ周囲に人影はなさそうだ。

 

 「お、あれがデパートか」

 「そういえば食料調達って具体的には何をするの? 流石に買い物なんてできないよね?」

 「…………」

 「紅子さん?」

 

 紅子は相変わらず月を見つめてぼうっとしている。その深緑の瞳が、月のせいなのか黄色く光っているように見えて、立花の背に寒気が走った。

 

 「紅子さん!!」

 

 何かはわからないが、危険な気がして紅子の肩を揺する。

 

 「………あ」

 

 数回揺すったところで紅子は正気に戻ったのか、驚いたように立花を見つめる。その瞳はもういつもの深緑に戻っていた。

 

 「紅子、大丈夫か? ぼーっとして」

 「………はい。大丈夫です。なんだか目が離せなくて」

 「ならいいけど。いくら耐性があってもあんまり見ない方がいいと思うよ」

 「はい。気をつけます………」

 

 そうこうしている間にデパートの近くまでやってきたようだ。

 デパートの周辺の店は軒並み破壊され、デパート自体も建物は残ってはいるが、扉や窓は破壊されて滅茶苦茶な状態だ。これも月に狂わされた人々の仕業なのだろう。押さえ込まれていた強奪、破壊衝動が解放された結果なのだろうか。

 

 「では、余はここでお別れだな。教会はこの先の森の中にあるんだったな?」

 

 ラーマがデパートの奥を指さす。遠くの方に森の入り口らしきものが見え、紅子によるとそこから教会まで近づくことができるようだ。

 

 「はい、そのはずです。何があるかわかりませんから、あまり近づきすぎないよう気をつけてください」

 「ラーマ、本当に一人で大丈夫?」

 

 真剣な顔で問いかけると、ラーマは安心させるようにニコリと笑って自身の胸を叩く。

 

 「大丈夫だマスター。危ないと思ったらすぐに引き返す。それに余は太陽神にゆかりのある者、月に負けたりはしないさ」

 「わかった。頼むね!」

 「ああ、任せろ!」

 

 ゴツリと拳同士を当てると、ラーマはそのまま森の入り口へと走っていく。途中で霊体化するのも忘れない。

 ラーマの姿が消えたのを確認すると、立花達はデパートの中へと歩き始める。

 

 「それじゃあ行こうか」

 「はい」

 

 

 

******

 

 

 

 デパートの中にはいると、その惨状が目に飛び込んでくる。床には物が散乱し、棚や机も倒され歩くのも一苦労だ。

 

 「紅子さん、本当にここで食料調達できるの?」

 「はい。実はここの従業員だった方が黄泉の国にいまして、その方から冷蔵倉庫のカギを預かっているんです。幸いそこの電気系統は無事だったみたいで今でも使える食材が残っているんですよ」

 「へぇ、そうだったんだ」

 

 まさか冷蔵倉庫なんて便利なものが特異点に存在するとは。今までの特異点は時代や地域も立花の故郷と遠く離れた場所が多く、食べ物の保存に苦労することも何度かあった。そういう点でいえばこの特異点は恵まれている方なのかもしれない。

 ………まぁ、このままいけばあと三日、正確には今日を除いてあと二日でこの特異点が黒幕の手に落ちるというハードな状況ではあるのだが。

 

 「で、その倉庫はどこに?」

 

 気を引き締めなおして問いかければ、紅子は売り場の奥の方を指さす。

 

 「この先の従業員通路の奥にあります。私について来てください」

 

 そう言うと紅子は慣れた様子で次々と倒れた棚の隙間を歩いて行く。立花も置いていかれないように必死にその背中を追う。誰もいない店内を歩いていると自然と胸がワクワクしてくるから不思議だ。

 

 ………誰もいないデパートに食料を求めて忍び込むなんて、まるで漫画やアニメで見るようなゾンビやウイルスで滅んだ世界に一人だけ取り残された主人公にでもなった気分だな。不謹慎だけど、ちょっと楽しいかも。

 

 そんなことを考えながら店内をキョロキョロと見ていると、目の前を歩いていた紅子が足を止める。目の前には南京錠で施錠された鉄製の大きな扉があり、どうやらここが紅子の言っていた冷蔵倉庫のようだ。

紅子はポケットから鍵を取り出すと、慣れた手つきで南京錠へと差し込む。

 

 ガチャリ

 

 「開きました。今扉を開けますね」

 「手伝うよ」

 

 紅子と協力して重たい扉を体重をかけて引っ張ると、中から冷たい冷気が流れ込んでくる。

 

 「おぉ…!」

 

 冷蔵倉庫の中は思ったより広く、並んだ棚に様々な食材が保存されていた。大根やニンジンなどの野菜に米、調味料、さすがにもう食べられないが魚や肉まで揃っている。

 

 「さぁ、入る分だけ詰めましょう」

 「うん。こんだけあればきっとみんな喜ぶね!」

 「はい!」

 

 笑いあいながら二人は食料へと手を伸ばす。紅子が手慣れた様子で傷んだ野菜を選別しているのを見ながら、立花も見様見まねで無造作に積まれた野菜を手に取る。

 

 「あ、ジャガイモがある。これで肉じゃがとか作ったら美味しいだろうなぁ」

 「いいですね。肉じゃが好きなんですか?」

 

 何気なく呟くと紅子が食料を詰めながら首をかしげる。

 

 「うん。昔よくおばあちゃんが作ってくれて」

 「まぁ! 素敵です!」

 「紅子さんは何が好き?」

 「うーん、そうですねぇ。基本何でも好きですが………やっぱり、おばあちゃんとか大切な人が自分のために作ってくれたものが一番好きですかね」

 

 紅子は懐かしむように目を閉じて微笑む。

 もしかしたら生前のことを少し思い出したのだろうか?

 

 「昔、誰かに作ってもらった覚えがあるの?」

 「あまり思い出せませんが………でも、なんだかそんな気がするんです。おじいちゃんにおばあちゃん、私のそばにもそんな大切な人がいてくれた気が」

 「紅子さんは、おじいちゃんおばあちゃんっ子だったのかな?」

 「そうかもしれません。私もよくおばあちゃんの手料理を食べていた気がします」

 

 そう言って紅子は微笑む。

 紅子のことは昔の貴族だと思っていたが、意外と庶民的な暮らしをしていたようだ。貴族なら料理人が食事を作るだろうし。

 

 でも、紅子さんはやっぱり普通の庶民とは思えないんだよなぁ。

 

 両手に野菜を持って傷み具合を確認している姿は庶民そのものなのだが、サラサラとした美しい黒髪に誰もが見惚れるほどの美貌は人並外れている。そもそも昔の日本の庶民では英霊として座に刻まれる可能性は低いだろうし、武人というわけでもなさそうだ。やはりどこかの貴い身分の持ち主なのだろう。

 

 庶民的な所もあり、それでいて貴い身分の持ち主。そして、おじいちゃんおばあちゃんっ子で月と関連のある人物。

 

 ………あれ、そんな人の話、どこかで聞いたような気がする。

 カルデアに来るよりずっと昔に、誰かにそんな話を読んでもらった気が―――――

 

 「………あ」

 「? どうかしました?」

 

 目の前には大きな瞳で不思議そうにこちらを伺う紅子の姿がある。その姿はセーラー服というのも相まって、昔見た記憶の中の姿とはずいぶん違っている。

 それでも立花は彼女の真名がわかったような気がした。

 だが、彼女がなぜこの特異点に呼ばれたのか、英霊としての彼女の能力が何なのかわからない以上、今すぐ真名を伝えるべきではないのかもしれない。そう、人理修復の旅をつづけた少年の勘が訴えている。

 

 それに、俺が思っている通りの人物だとしたら、彼女は■■■なのだから。

 だとしたら彼女のクラスはきっと―――――

 

 「………ううん。何でもないよ。早く食料を詰めてラーマと合流しよう」

 

 誤魔化すように笑い、立花は手を動かしながら自身の想像が間違っていることを祈った。

 

 

 

*******

 

 

 

 森の中は夜といえども、月光のお陰で問題なく走ることができる。

 ラーマは霊体化したまま慎重に森の奥へ向かって走っていた。

 

 (何か手掛かりが得られるといいが)

 

 今のところ黒幕についてわかっていることは、特異点を覆うほどの結界を維持する膨大な魔力を持っている事と、その正体が日本の月神ツクヨミと何か良からぬものが混じった疑似サーヴァントということだけだ。

 まだ救いなのは、ここにいるツクヨミは神そのものではないということ。

 いくら羅刹王を倒したラーマといえど、神を倒すことは難しい。その為、ツクヨミに混じっているものが何かを知ることがツクヨミ攻略の手掛かりになるとラーマは考えていた。

 敵は教会に縛られている。太宰の言う通り、神聖な場所に閉じ込めることで弱らせて霊基の格を下げているならば、キリスト教かあるいは異教の魔性の可能性が高い。ならば自分の宝具が役立つはずだ。

 走りながら思案していると、遠くの木の隙間に石造りの壁が見えてくる。

 

 (あれか)

 

 一度足を止めて、手近な木に上り様子をうかがう。

 サーヴァントの強化された視力で目を凝らせば、離れた位置にある教会の様子もしっかり見ることができる。

 

 (………なんだ、あれ)

 

 教会そのものは通常のものと特につくりに違いはない。

 ただ、その扉は閉ざされ、教会を囲むように地上の人々が地に伏して狂ったように祈りを捧げ続けている。

 神というものは人々の信仰によって力を増す。さらにサーヴァントとなれば土地や知名度によっても強さが左右されるものだ。ツクヨミも地上の人々を操って信仰心を植え込むことで力を蓄えているのだろう。それにしても、自身を取り囲むように人々に拝ませるとは、神の仕業とは思えないほど趣味の悪い光景だ。

 

 (とにかく、何か手掛かりを見つけなくては)

 

 改めて教会の周囲に目を凝らすが、ヒントになりそうなものは特に見当たらない。

 

 (うーん、何もないか。教会自体も特に怪しいところはないしな………ん?)

 

 さっきは気が付かなかったが、教会をよく見れば外壁の一部に旗のようなものが飾られている。旗には何やらマークが描かれているようだ。

 

 (あれは月と………鍵?)

 

 月は月神であるツクヨミを象徴するものだろう。では、鍵は?

 日本神話には詳しくないが、太宰は鍵については特に何も言っていなかった。なら鍵はツクヨミと混ざっている存在を象徴するものなのだろう。だが鍵をシンボルとする存在など、カルデアにいるフォーリナーの少女以外には他になにも思いつかない。

 

 (余の知識だけではこの謎を解くのは難しそうだ。ダ・ヴィンチたちとは連絡が付かないし、太宰に聞けば何かわかるかもしれないな)

 

 他に何かないか教会を見るが、特に目ぼしいものは見当たらない。これ以上は敵に直接接触しなければ難しそうだ。だが今はまだその時ではない。

 

 (今日の所は引き上げるか)

 

 そう考え、元来た道を戻ろうと振り返った時だった。

 

 「!」

 

 咄嗟に横に傾けたラーマの頬を何かが掠って通り過ぎていく。すぐに剣を抜き、攻撃が飛んできた方に目を向けると、

 

 「! お前は―――――」

 

 

 

 

 

*******

 

 

 

 

 「これは、困った………」

 

 目の前の状況に立花は頭を抱えた。

 目の前には紅子と、月光の影響を受けたおじいさんが言い合いをしている。

 

 「ここにいては危ないんです! 私と一緒に地下に避難しましょう、おじいちゃん!」

 「うるさい…! なんじゃ、ツキガミ様に歯向かうとは何事か…!」

 「ですから、ここにいると精神がおかしくなってしまうんです! 危ない人も多いから私と一緒に……」

 「うるさい…! うるさい…!」

 

 デパートから出た矢先、この老人を見つけた紅子は立花の制止も聞かずに、さっきからずっとこんな調子で言い合いを続けている。

 老人は杖を突いて足をフルフルと震わせている為、こちらに襲い掛かってくる心配はなさそうだが、やはり月光の影響を受けて攻撃的になっている。

 

 「紅子さん、そのおじいさんはもう正気じゃないよ!」

 「わかってます。だけど、このまま放っておけません! 地上には危ない人が多いですし、地下に連れて行った方がおじいちゃんは安全だと思うんです!」

 

 いつもはわがままなんて言わない紅子だが、おじいさんのこととなると話は別らしい。おじいちゃんっ子だといっていたし、放っておけない気持ちはわかるが太宰に無断で地下に連れて行くのはまずいだろう。それに地下の人々の不安も煽りかねない。

 

 「紅子さん! 太宰さんに無断で連れて行くのはまずいよ!」

 「でも、おじいちゃんが………」

 「地上の人同士で争ってるのは見たことないし、地上にいてもきっと大丈夫だよ」

 「で、でも………」

 

 なおも食い下がる紅子を落ち着かせようと、腕を引いて老人から距離を置かせる。

 老人は攻撃的な表情でこちらを見ているが、足が丈夫でないのもあってか特にこちらに近づいてくる様子はない。

 そのことを確認して立花は紅子に向き合う。

 

 「紅子さん! どうしたの? いつもの紅子さんらしくないよ?」

 「ご、ごめんなさい。でも、何か胸がざわざわして、おじいさんを置いていったらきっと後悔するって何故だか思ってしまって………」

 「紅子さん………」

 

 不安そうにおじいさんを見つめる紅子の姿を見て立花は確信する。

 やはり、紅子は自分の想像通りの人物なのだと。

 立花の脳裏にはむかし絵本で見た、涙を流しながらおじいさんに手を振るお姫様の姿が思い浮かんだ。

 記憶では彼女は決して悪人ではない。だが、それでも立花の不安はぬぐえない。  

 このままおじいさんの側にいたら記憶を思い出すかもしれないが、それが事態の好転を招くとは限らない。だって彼女は■■■で、立花にとっては未知の存在だ。

 もちろんそんな予想は当たってほしくないが、ラーマがいない今迂闊に彼女の記憶を取り戻させるべきではないのかもしれない。

 彼女に真名のことを黙っているのは申し訳ないが、カルデアとの通信ができない今はなおさら慎重に行くべきだろう。そう自分に言い聞かせて、立花は紅子を老人から離れさせるべく彼女に手を伸ばす。

 

 「紅子さん、おじいさんはきっと大丈夫だから。月光に支配された人を助けるためにも、早くラーマと合流して………」

 「っ! 藤丸さ―――」

 

 シュッ

 

 紅子が咄嗟に立花の体を突き飛ばした。体勢を崩した立花の鼻先を掠めて何かが地面に突き刺さる。

 反射的に視線を追うと、5センチくらいのナイフが地面に突き刺さっているのが見えた。

 

 「藤丸さん、あそこ!」

 

 紅子が近くの建物の屋根を指さす。つられて見ると、そこには白髪を風になびかせたマント姿の少女―――昨日、立花を殺そうとした不死身の殺し屋の姿があった。

 

 「外しましたか………残念です。せめて一瞬で終わらせてあげようと思ったのですが」

 「君は、昨日の………」

 

 自然と、一歩後ずさる。

 

 この状況はかなりまずい。ラーマもいないし、紅子さんも記憶を失くしている状態ではサーヴァントしての能力も十分に使えない。それに想像通りの人物ならば彼女は戦闘向きではないはずだ。負担をかけるわけにはいかない。何とか逃げる方法を考えないと。

 

 今までの経験を総動員して考えていると、紅子が庇う様に立花の前へと出る。

 

 「紅子さん!? 何を……」

 「藤丸さんは、私が守ります」

 

 見ると、紅子の体は震えている。

 

 「紅子さん……」

 

 彼女は怖くとも、記憶が無くても、立派にサーヴァントとしての役目を果たそうとしている。それなのに自分は紅子のことを疑って、彼女に真名を話せずにいる。

 

 俺、最低だ。

紅子さんは、自分のことが何もわからない状態でも、いつも俺たちを助けてくれたのに。

 

 思い返せば、この特異点で最初に立花達に手を差し伸べてくれたのも彼女だ。地下に連れて行ってくれたのも、太宰さんを紹介してくれたのも、眠る場所を案内してくれたのも、この特異点に来てからずっと彼女に助けてもらっている。それなのに、自分はこのまま真名のことを黙っていていいのだろうか?

 立花が迷っていると、殺し屋の少女が動き出す。

 

 「マスターを身を挺して守るとは、良い心がけですね」

 

 厳密には紅子と契約はしていないが、今はそんなことは関係ない。

 少女は建物の屋根から飛び降りると、難なく着地して虚空から剣を取り出す。

 クラウチングスタートの様に身を前にかがませて足に力を込めると、右手に剣を構える。昨日の様に素早い動きで相手の間合いに入り、斬り込んでくるつもりのようだ。

 

 「っ」

 「紅子さん、駄目だ! 逃げて!!」

 

 紅子は震えながらも立花をかばうように手を広げる。だが、それでは二人まとめて斬られて終わりだ。立花は咄嗟に令呪でラーマを呼ぼうと左手を掲げる。

 

 「令呪をもってめい―――」

 「させない」

 

 少女は冷たく呟くと、地面を蹴って一気に距離を詰める。

 振り上げた切っ先が月光を受けてギラギラと光り、まるで死神の鎌の様に立花達の眼前に迫る。

 

 あ、駄目だ。間に合わ――――

 

 「うるさいぞ…!」

 「え」

 

 いつの間にか、さっきまで紅子と言いあっていた老人が紅子と少女の間に割り込んでいた。殺し屋の少女は老人の存在に今気が付いたのか、軽く目を見張っている。

 

 「駄目! おじいちゃん!」

 

 紅子は顔を青ざめて必死に老人に手を伸ばす。

 立花は最悪の光景を想像し、思わず目を瞑った。

 

 「………………え」

 

 間の抜けた紅子の声が聞こえる。

 何が起こったのか分からず、恐る恐る目を開くと、相変わらず老人の目の前には殺し屋の少女の姿がある。その足元にはポタポタと小さな赤い染みができていた。

 

 「!」

 

 急いで老人の姿を確認する。

 

 「え」

 

 だが、その切っ先は老人に届く前にピタリと止められていた。

 少女自身の左手によって。

 勢いのついた剣を止めるために、殺し屋の少女は空いた手で剣を握ったようだ。少女自身の血が刃を伝って地面に落ちていく。

 

 「何で………」

 「……………」

 

 立花の問いかけには答えず、少女は相変わらず感情の読めない表情で剣を放して血を払う。左手の傷が一瞬にして塞がり、そのまま両手で老人を抱えると、大きく後退した。

 

 「待って! おじいちゃんをどこにやる気ですか!」

 「紅子さん待って。あれは……」

 

 血相を変えて追いかけようとする紅子の肩を掴んで、立花は少女の様子を観察する。

 少女は無表情で老人を抱えたまま、近くの廃店舗の長椅子の上におじいさんを優しく乗せると、そのままこちらに戻ってきた。

 

 「これで、邪魔はもう入りません」

 「どうして、おじいさんを助けたんだ?」

 

 立花が問いかけると、少女は軽く目を伏せて無表情のまま答える。

 

 「私は殺し屋です。依頼された任務をこなすのが私の仕事です。すき好んで無益な殺しはしません」

 「それは、おじいさんを殺したくなかったってこと?」

 「………………」

 

 少女は心なしか視線を鋭くして立花を睨む。

 

 「………私に人の心を期待するのならやめた方がいいです。

 私は不死身の殺し屋。依頼主の命令通りに動く殺戮者です。そして、今の依頼主はあなたの死をお望みです。

 だから―――――今からお前を殺す」

 「っ」

 

 少女から殺気が広がり、虚空から新しい剣を取り出す。

 紅子は立花を背に庇う様に立つと、震えながらも目の前の脅威に問いかける。

 

 「あなたの、その依頼主というのは誰なのですか? どうして、藤丸さんを狙うんですか?」

 「答えるわけがないでしょう」

 「…………ラスプーチン、だよね?」

 「!」

 

 殺し屋の少女は驚いたように一瞬だけ無表情を崩す。だがすぐにいつもの感情の読めない顔で立花を見つめる。

 

 「………驚きました。そこまで突き止めているとは、カルデアのマスターというのも中々やるようですね」

 「君は、どうしてラスプーチンに協力しているの? 君も、異星の神の仲間なの?」

 「私はただ雇われただけです。報酬を提示され、他に依頼主がいなかったので依頼を受けた。ただそれだけです」

 

 少女は表情を変えずに淡々と話す。相変わらず感情の読めない瞳はせっかく綺麗な色をしているというのに生気がなく、先ほどの発言からも彼女が喜んでラスプーチン側についているわけではないと感じられる。

 おじいさんの件といい、全く話が通じない相手でもないようだし、交渉次第でこの状況を何とかできるかもしれない。

 そんな希望的観測を抱いていると、突然紅子が手を上げた。

 

 「あの! でしたら私たち側に付きませんか?」

 「ちょ、紅子さん!?」

 「………」

 

 突然とんでもないことを言い出した紅子の肩をつかむ。紅子は何をそんなに慌てているのかわからないといった様子でこちらを見返す。

 

 「紅子さん、何を言い出してるの!?」

 「え、だってあの方も他に依頼主がいなかったから依頼を受けたといっていますし、だったら逆に藤丸さんが依頼主になって彼女を雇ってしまえばいいんじゃないですか?」

 「いや、それは流石に………」

 「報酬は?」

 「え?」

 

 思わぬ天然ぶりを発揮する紅子とともに前に向き直れば、相変わらず感情の乏しい顔で少女が対峙している。だが剣を持った手は下げられ、先ほどまでの殺気もなくなっている。

 

 「私を雇いたいならば話は聞きましょう。それがルールですから」

 「ルール?」

 「その一、私は一番良い報酬を用意した者に付く。その二、依頼の最中でも依頼者の更新は認められる。その三、依頼交渉は必ず聞くこと。ルールですからあなたの話を聞きましょう。あなたが今の依頼主より良い報酬を用意できるならあなたに従いましょう」

 

 少女は指を立てながら淡々と説明していく。

 まさか紅子の提案が受け入れられている状況に驚きながら、立花が口を開く。

 

 「それは………君が決めたルールなの?」

 「いえ。気が付いたらそんなルールが出来ていました。ですが、特に問題はないので従っているだけです」

 

 少女は、無表情で答える。その瞳はどこか諦めの色が浮かんでいるように見えて、立花は自分の生死がかかっている状況だというのも忘れて問いかけていた。

 

 「君は、それでいいの?」

 「………なにを」

 

 少女は少し戸惑ったように瞳を揺らす。

 

 「周りが勝手に作ったルールに従って。

 君はどうしたいの?

 君は、どうして殺し屋なんてやっているの?」

 「……………………………………」

 

 少女は少し俯くと、虚空から銃を取り出して銃口を立花に向けた。

 

 「っ、藤丸さん!」

 「交渉する気がないなら黙りなさい、人間。

 ………お前には今以上の報酬を用意することなど不可能です。早々に死ね」

 「っ」

 

 冷たく呟くと、ガチャリと撃鉄を下げる。

 どうやら何か少女の気に障ることを言ってしまったらしい。令呪を使う暇もないまま、少女は引き金を引く指に力を入れる。

 

 「駄目ぇ!!!!」

 

 バンッ バンッ

 

 紅子の悲鳴と同時に二発の銃弾が少女の手から放たれた。

 

 

 

******

 

 

 

 世界が遅い。

 死ぬ直前は見ている風景がスローモーションに見えるなんて聞いたことがあったが、いざ自分がなってみて本当だったのだと思い知った。

 目の前には二発の弾丸がこちらに迫ってきている。

 このままでは紅子とともに撃たれて、自分は殺される。

 それがわかっていても、立花にはもうどうすることもできない。

 いくら世界がゆっくりに見えても体は重く、言うことを聞いてくれない。

 

 …………そんな、まだ俺にはやらなきゃいけないことが、成し遂げなきゃいけないことがあるのに!

 

 おじいさんの件もあって、どこかで少女と話ができるのではないかという期待があった。だが、それは勘違いだった。

 目の前の立花を見る瞳は、ひどく冷たくて何の感情も読み取れない。それは、人を殺しても何とも思わない本物の人殺しの目に違いなかった。

 

 ごめん、みんな。

 ごめん、マシュ。

 そしてごめん、紅子さん。俺のせいで君を道連れにしてしまって…………

 

 すぐ前には、立花を庇う様に立つ紅子の黒髪が揺れている。自分を庇って撃たれる彼女の姿を見たくはないが、瞼は重くて動いてくれない。

 

 だが、そのおかげで立花は紅子に起きた変化に気が付くことができた。

 銃弾が当たる寸前、突然紅子の体が光り出す。

 

 あれ、この光は確か――――

 

 目の前がまばゆく瞬き、間もなくこのゆっくりな世界は終わりを迎えた。

 

 

 

 

******

 

 

 

 目の前の光景に息をのむ。

 

 プシュッ

 

 足元には血だまりが広がり、そこに質量を持った何かが倒れこむ。

 

 ビチャ

 

 それは、二本の足だった。

 銃口を向けていたはずの人物の足。

 その膝から上は何かに食べられたかのようにすっかり無くなっており、悲鳴も断末魔も何も聞こえない。

 既に放たれていた弾丸もどこにも見当たらず、立花の体には何の痛みも訪れていない。

 

 一体、何が起こったのか。

 

 その答えを、立花は確かに見ていた。

 スローモーションの世界の中、紅子の体が光に包まれた後に起こった光景を。

 不死身の人殺しを、銃弾ごと食い殺した犯人の名を呟く。

 

 「………紅子さん」

 

 そこには霊基再臨を果たし、衣装を巫女服に替えた紅子と、その傍らに浮かぶ黄色い真ん丸の謎の生物の姿があった。

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回も投稿できるよう頑張りますので、応援していただけると嬉しいです。

この作品はpixivの方にも載せています。そちらは挿絵有のものとなっています。
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