かつては上野から青森まで走る485系昼行特急でしたが、90年のダイヤ改正で寝台特急として運転されていた
鶴岡晟弥は、十和田湖に来ていた。
仕事で青森へ来た、東京へ帰るには、もったいないので十和田湖へ来ていた。
「美しいな、この湖は。」
と、鶴岡は言った。
「本当にね。」
と、鶴岡に声を掛けたのは絢瀬絵里だった。
「私ね、小学生の時にバレェヲやってたの。」
「それで、湖に来たのか。」
「ええ、今度私舞台に出るんです。」
「なるほど。」
「場所は、東京でね。」
「おお。」
そこへ、2人のチンピラがやって来た、もう1人はサングラスと金髪の男でした。
「おい、見つけたぞ。」
と、絵里は鶴岡にかくまった。
「あっ!、助けてっ。」
「これはどういう事なんだ。」
「私は、今、狙われているの。」
と、絵里は言う。
「えっ、この2人に。」
「うん。」
そこへ、鶴岡は2人のチンピラに相手をする事になった。
「おいっ、女が嫌がっているじゃねーか、乱暴はやめなっ。」
「うるせぇ。」
と、男はナイフを取り出した。
「おりゃーッ!。」
鶴岡は蹴りを1発喰らった。
「ギャッ」
と、ナイフはとんで湖に。
「この野郎、よくもやってくれたな。」
と、鶴岡はボクシングでパンチを食らった。
「グハッ。」
と、鼻血が出た。
「どうだ、またやるか。」
「わっ、逃げろっ。」
「チクショー、覚えてるよ。」
と、逃げ去って行った。
「ありがとう、私の為に。」
「いえいえ、ところであなたはどちらまで。」
「蔦温泉です。」
「だったらご一緒に。」
と言って鶴岡は女と一緒にバスに乗って青森へ向かった。
「私、絢瀬絵里です。」
「鶴岡です。」
「お強いんですね。」
「ええ、運動系の部活をしていたので。」
「そうでしたか。」
鶴岡と絵里は、蔦温泉で1泊することにした。
次の日、鶴岡は青森へ行は17時35分発寝台特急「鳥海」上野行が発車した。
5時半と言えば、まだ明るい。乗客たちは当然、起きている。上野に到着するのは翌朝の6時11分である。
秋田までの主な停車駅は、弘前、大舘、東能代である。秋田着が20時30分、発車が32分である。
秋田から、女の前に40過ぎと見える男が乗って来た。
この「鳥海」には二段式のA寝台が連結されている。
「何だ、この匂いは。」
と、一人の乗客が違和感を感じた。
「どうしました。」
と、車掌が言う。
「僕の前の席が匂うんですが」
「何の臭いです。」
「血の臭いですよ」
「カーテンを開けましたか」
「開けようと思いましたが、車掌さんに知らせた方がよいと思って、開きませんでした。」
「どの席ですか」
「4号車の」
と言って乗客は歩き出した。4号車に来る。
「この席です」
と座席を指さした。車掌はベットの間に入って声を掛けた。
「お客さん、お客さん。お休みのところ、申し訳ありませんが」
と声を掛ける。車掌は乗客表を見て思い出した。
この席にはきれいな女性がいた。中からは返事がない。
「お客さん、眠っておいでですか」
客は毛布を掛けて眠っている。
「車掌さん、そこ」
と乗客は、毛布の端の方を指さした。そこは、何か赤いものが流れている。毛布を更にめくってみた。
「あっ」
と声を上げた。
「死んでいる」
そこへ、鶴岡がやって来た。
「どうしました。」
「A寝台で女性が。」
「何だって。」
車掌は声を掛けた。
「あのー、あなたは。」
「東京中央公安室・公安特捜班の鶴岡です。」
と、手帳を見せた。
「鉄道公安隊の方ですか。」
「はい。」
「この列車は何時に着きます。」
「上野には翌朝の6時11分に到着します。」
「よし、すぐに鉄道公安に連絡を。」
「わかりました。」
秋田からは、羽後本荘、仁賀保、象潟、遊佐、そして酒田に停まる。
「わかりました、すぐに上野公安に連絡します。」
「お願いします。」
青森から発車した寝台特急「鳥海」は6時11分、上野に到着した。
そして 事件の捜査は始まった。