学園都市。最先端の科学技術を研究し開発している教育研究機関である。総人口は230万人、その8割は学生で構成されている。合計で23の学区に分かれていて、それぞれの学区に特徴・役割がある。
学園都市は各国に科学技術を輸出していることもあり、世界でもその名を知らない者は少ない。
そんな学園都市が誇る技術の中で最も有名なものは『能力開発』である。
学園都市にいる少年少女に超能力を発現させる技術で、様々な手段を使い
脳を開発することで『
能力者はその
精密機械を使わないとわからない程の微弱な力とされ、学園都市の生徒の六割はこのレベル。
スプーンを曲げる程度の力で、日常生活で役立つものは少ないとされている能力。
レベル1よりも上だが、日常ではあまり役には立たない。学園都市の学生のほとんどはこのレベル以下である。
目に見えて強く、日常生活で便利だと感じる程度の能力を持っていて、能力的にはエリートとされている。
学園都市外部の科学技術では、到底再現不可能な超常現象を実現させ、戦闘面において軍隊で戦術的価値を得られる程の能力。
そして、学園都市230万人の頂点にして最高レベルの能力者たち
彼らは「一人で軍隊と戦える」と評されるほどの強大な力を持っている。また、純粋な出力だけでなく、能力研究の応用が生み出す利益や発展性等を基準に決定される超能力者内での順位が存在する。
これは、レベル5であり第八位の少年の物語である。
まだ、肌寒さが残る春先。学園都市の第七学区を一人の少年が歩いていた。
少年の見た目は、黒髪黒目の純日本人の見た目をしている。身長は高く、鋭い目つきからは周囲に冷たい印象を与えている。
冬の季節が過ぎたといってもまだまだ寒い春先の午前6時にもかかわらず、割と薄着の格好をして道を歩く。
だが、彼は寒いとは感じていない。なぜなら彼は自身の能力で周囲の『温度』を操作し、適切な温度に調節しているからだ。
「・・・・・」
小腹が空いたのでコンビニまで歩いているのだが、彼はコンビニまで無事にたどり着けるとは思っていない。
とゆうのも、彼はよくトラブルに遭遇する。しかも、かなりの高確率で。
それだけなら見て見ぬふりなどをしてトラブルに関わらなければいいのだが、彼は困っている人を見捨てられない性格をしている。
そして案の定トラブルが起きる。
「や、やめてください・・・!」
「うるせぇな・・・いいから金だせ」
彼が目を向けると、学生と思わしき4人の少年の姿があった。その内3人が、尻餅をついている少年を取り囲んでいる。
「おい、早くしろよ。そろそろ遊びに行きてぇんだけど」
「チッ・・・わかってるよ。ほら、早く出せよ!」
「だ、だからお金なんて持っていません・・・!」
どうやらカツアゲのようだ。朝っぱらから元気だなと彼は考える。尻餅をついている少年は完全に怯え切っている。
「もう実力行使でよくね?」
「・・・そうだな、その方が手っ取り早い」
3人の少年はどうやら実力行使にでるようだ。これ以上は見てられないと、少年は落ちている石を拾い少年たちの方へ歩いていく
「・・・おい」
「あ?・・・なんだ、お前?」
少年たちが彼へと振り返る
「・・・そこの彼を解放しろ」
「は?アハハ!正義の味方ごっこのつもりかよ!」
少年たちは彼を見てゲラゲラと笑う
「面倒だな、こいつもやっちまうか」
「そうだな。ついでにこいつからもむしり取るか」
少年たちはどうやら彼に勝つつもりらしい。だが、少年たちは知らない。自分たちの目の前にいるのは、末席とはいえ学園都市の頂点の一人だということを・・・・
「いくぞ!オラッ!!!」
一人が殴りかかろうと迫ってくる
それに対して彼は石を投げる。彼のモーションからはとても石を軽く投げているように感じられるが・・・
ここで彼は石の『速さ』と『質量』を操作する
彼のモーションからは想像できないような速さで、石が少年へと投擲された
「がッッッ!!!!」
石はそのまま少年に直撃し、意識を削り取った
「こ、こいつ能力者か!!」
「なんだ今のは・・・念動系能力か?」
残った少年二人は彼が能力者だとわかると警戒度を上げた。片方の少年は言う
「どんな能力かは分からないが・・・俺たちも能力者なんだぜ?」
瞬間、少年の手から電気が出現する。その少年はレベル3の
「くらえッッ!!!」
電撃が彼を襲うが・・・・・
「な、なにッ!!!」
途中で、放った電撃が掻き消えた
「ば、バカな・・・」
少年は理解できなかった。なぜ、電撃が消えたのか。まるで、自身の操作していた電気の電気量が急に消えたような・・・
「・・・・次は」
少年が思考している途中で、彼が口を開く
「・・・・・こちらからいくぞ」
彼は『距離』を操作して少年の前に、急に現れると少年を殴り飛ばす
「ぐはッ!!!」
そのまま電撃使いの少年が倒れこむ
「・・・・・」
「くそッ!!!」
それを見て最後に残った少年は、彼から距離をとる
「奴の能力は、どんな能力なんだ・・・?」
少年は考える
「石を高速で投げ、電撃を無力化して、おまけに空間移動系能力の真似事だと?」
意味が分からない。それが少年の彼に対する感想だった
「だが、・・・やるしかないッ!!!」
少年はレベル3の
炎はその高熱をもって、対象を焼くが・・・・・
彼は『温度』や『熱量』すら操る。故に・・・・
「なッ・・・なんだと!!」
彼には効かない。熱くもない炎は彼にとっては脅威ではない。彼は炎をはたきおとす。
「・・・・・」
彼は考える。たまには「アレ」を使おうかと。しかし、「アレ」は少々演算が面倒である。だが、面倒ではあるが使い勝手が良く、おまけに強力な力。未だにこの力は突破されたことはない。
「くそがッ!どうなってやがる!!」
やっぱり使おうと彼が考えていると、少年がいくつもの炎を放とうとする
その瞬間───────
「くらいやがれ!この化物や───────」
世界が静止した
正確には彼以外の全てが静止している。彼がやったのは・・・
時間の停止である。
これこそ今の彼の切り札である『時間』の操作。
彼は止まった時間の中をゆっくり歩く。そのまま少年の前まで行くと、少年を殴る。
そして時は動き出す
「───────ごがッ!!」
少年は理解できなかった。彼がいつの間にか自分の前にいるのは恐らくさっき見せた空間移動系能力の真似事だとしても、いつ攻撃されたのかも解らなかったのは自分の理解の範囲外だった
そのまま少年は意識を失った
「・・・・・」
少年たちを倒すと、彼はそのままこの場を去ろうとした
「あ、あの!」
さっきの尻餅をついていた少年が彼を呼び止める
「・・・・・」
「ありがとうございました!!」
少年は彼にお礼を言う。
「・・・・・別に構わない」
こんな事は彼にとっていつものことだ。トラブルに首を突っ込むのも。誰かを助けるのも。
彼はまた目的地に向けて歩きだした。
彼の名前は、空式 透(からしき とおる)
学園都市の頂点である
能力の名は
それは第一位が操作するベクトルに対比する概念を操作する能力
『質量』『距離』『エネルギー』『電荷』『温度』『面積』『体積』『速さ』『時間』や、あらゆる大きさのみを持つ量を観測し操作する。
つまり、あらゆるスカラーを操作する能力
そんな強力な能力を持つ彼だが欠点一つある。それは・・・・・
(いやーやっぱり人からお礼を言われると嬉しくなるよね)
・・・・とてつもなくコミュ障であることだ。