提督「そういえば陽炎型と夕雲型って…」   作:蒙古襲来

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第一話

 言い訳させてもらうけどあれは本当に何気ない一言だった…。

 

 「気になったんだけどさあ、陽炎型と夕雲型ってどっちが強いの?」

 

 意味なんてない。発破をかけようとか、仲たがいさせようとかそんな意図まるでなかった。本当にただただ気になった故の一言だった。

 

 「そんなの私たち陽炎型に決まってるでしょ」

 

 「そんなの決まってるでしょ?夕雲たちです」

 

 「「は?」」

 

 任務を終え、報告の為にその他の艦娘たちと共に執務室を訪れた陽炎と夕雲。ちょうど二人いるし、前々から思ってたことを尋ねてみたのだが…。

 

 「…いやいやそれはないでしょ!私たち陽炎型の方が優秀だからさ!」

 

 「…御冗談を!夕雲たちの方が圧倒的です!」

 

 「「は?」」

 

 どうやら俺はとんでもないことをしてしまったらしい。

 

 「ふぅ…。あのさ、今日の任務で敵を倒したのってだーれ?夕雲だっけ?違うよねー?私だよねー?」

 

 「え、先に敵を見つけたのは夕雲ですよ?それにギリギリまで敵に損傷を与えたのは夕雲ですし、陽炎さんはいいところ取りしただけでは…?」

 

 「あ゛?」

 

 「ん゛?」

 

 あれ、報告のこと忘れて喧嘩ですか?一緒に報告しに来た海防艦たちが恐れて震えてますぞwwwんんっ、これはいけませんなぁwwここは鎮守府の主である俺がビシッと………

 

 「ねー、司令!司令は夕雲たちより陽炎たちの方が強いって思うよねー?」

 

 「て・い・と・く!夕雲たちの方が凄いですよね~?」

 

 …その時の二人の目つきは生涯忘れることは出来ないだろう。深海棲艦に向けられるべき殺気、その全てが視線となって俺の体を貫いたのだから。

 

 そして以来…陽炎型と夕雲型は戦争状態になった。

 

 「あの、ここは不知火たちが先に予約してた席ですので。お引き取りを」

 

 「ああ゛んッ!?そんなのあたい達には関係ないね!」

 

 「…話にならんわ~。品がないんやね?」

 

 「それはこっちの台詞…かもです」

 

 食堂では不知火たちと朝霜たちが睨み合ったり…

 

 「おらあーッ!長波様のお通りだぁ!ご飯寄こせー!!」

 

 「嫌ですよそんなの」

 

 「えー親潮の稲荷が食べたかったのにーッ!!」

 

 長波が親潮たちの部屋に凸したり…

 

 「ちょっとカレーを作りすぎてしまってな。よかったら食べないか?おすそわけだ」

 

 「あ、いらないかも…です」

 

 お返しに磯風が高波のところに凸していったりと

 

 鎮守府の至る所で陽炎型と夕雲型が小競り合い、中規模な諍いを頻繁に起こしているのでそのうち陽炎型VS夕雲型の全面戦争になったらと思うと不安で眠ることも出来ない。

 

 「あー、早く戦艦になりたいなぁ」

 

 「あ、雪風も!なれるならなりたいです!」

 

 …まだ希望もあるかもだが。

 

 ちなみに陽炎型と夕雲型にここまでさせといてなんだが…

 

 俺的には陽炎型とか夕雲型より……

 

 朝潮型の方が好きだ。

 

 そして後にこの俺の思いはバレて、朝潮型をも巻き込んだ大戦争となるのだが…この時の俺はまだそんなこと思いもしなかった。

 

 




どんぐりのせいくらべ
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