転生者は無能と追放されたが新たな仲間達と冒険します。 作:北方守護
ある日曜日……
「おいっ!早く救急車を呼ぶんだ!!」
ある街の交差点で1人の男性が交通事故にあっていた。
(あぁ……久し振りに外に出たと思ったら、こうなったか……まぁ、俺がいなくなっても悲しむ人もいないからな……)
彼の職業は小説家で最後の作品を出版社に出しに行った帰りに事故にあったのだった。
そのまま彼は、その生涯を終えた……筈だった。
「ん……あれ?ここってどこだ?……それに、なんで体が……」
〔気が付きましたか〕
彼が目を覚ますと周り全体が真っ白な空間でそばに長い紅い髪のスタイルの良い女性が立っていた。
「え?今の声は……(はぁ……綺麗な人だなぁ……それに凄いスタイルだなぁ……)」
〔ふぇっ!?その……褒めてくれて、ありがとうございます……〕
「ん?今、俺って感想を言ったっけ?」
〔いいえ、それは私が貴方の心を読んだからです〕
「俺の心を読んだって……もしかして神様とかだったりします?」
〔はい、私は神の一柱です。貴方達が知る名前だとエオスと言う方が知られてるでしょう……〕
「確かギリシャ神話の太陽の女神だった様な……」
〔えぇ、その解釈で合ってます……それよりも、よく私の事を知ってましたね〕
「以前、執筆する時に調べた資料の1つにあったからです……それでエオス様は何故、こんな所に?」
〔はい、それは……実は、貴方は本来あそこで命を落とす事は無かったのです……〕
エオスは事情を彼に話し出した。
それによると……
彼女の部下の天使の1人が人間の寿命を記した書物を管理している最中に間違って彼の所を消したとの事だった。
「じゃあ、それで俺が今ここにいるんですね」
〔はい、彼女は直ぐに謝罪に来たのですが……一度消えた者は復元出来ないのです……〕
「そうですか……まぁ、その失敗した彼女?には気にしないでって伝えてください」
〔え?……あの、怒ったり、恨んだりはしてないのですか?……〕
「うーん……誰でも失敗する事はありますよ……だから、これから同じ事をしない様にしてくれたら俺は良いですよ……」
〔貴方は変わった人間ですね……では、私の方から謝罪として新たな命を与えます……〕
「え?新たな命って……一度消えた者は復元出来ないんじゃあ……」
〔はい、
エオスが空間に手を翳すと一枚の扉が出て来た。
「違う世界で転生ですか……それは、どんな世界ですか?」
〔はい……その世界では人間と違う種族が存在しており怪物や魔法などもある世界です〕
「怪物や魔法がある世界か……じゃあ、〔ちょっと待ってください!〕ん?どうかしました?」
話を聞いた彼が扉に向かおうとしたのをエオスが慌てて止めた。
〔その世界は貴方がいた世界とは全然違います!今の貴方が行ったら直ぐに命を落とします!!〕
「けど、俺は普通の人間だから、しょうがないですよ」
〔私の話を聞いてください!だから貴方には私から幾つかの特典を与えます!!〕
エオスが彼に手を翳して何らかの言葉を唱えた。
〔私からは【鑑定】【無限魔力】【限界突破】【全属性魔法】【錬金】【収納BOX】のギフトを与えます、これだけあれば、そう簡単に命を落とす事は無いでしょう〕
「はぁ、ありがとうございます……それじゃあ……〈チャリ〉ん?エオス様何で
彼が扉を潜ろうとした時にポケットに何かがある事に気付いたので取り出すと中央に大きな丸があり丸の周りに6つの三角があるキーホルダーだった。
〔それは……私もわかりません……けど、こんな所まであると言う事は、それは貴方にとって無くてはならない物なのかもしれませんね……〕
「そうですか……まぁ良いか、それじゃあエオス様、本当にコレでお別れですね……ありがとうございました」
〔いえ……こちらの方が迷惑を掛けたのですから気にしないでください……それでは……〕
エオスは彼が扉に入ったのを確認すると自分もその場から姿を消した。