転生者は無能と追放されたが新たな仲間達と冒険します。 作:北方守護
彼が新たな世界に転生してから年数が経ち25歳になった頃だった……
「オイッ!タケアキ!!今日でお前は追放だ!!」
リョダリ王国の東部にある街の1つ【クリニエーラ】の酒場である冒険者パーティーがタケアキと呼ばれている青年を追放させようとしていた。
「ん?追放って……俺の事か?」
タケアキはパーティー内では【ポーター】のスキル持ちであった。
「あぁ!今日の戦闘でもお前は役に立たなかったじゃないか!!」
彼はパーティーのリーダーで名前をミュルと言い【剣士】のスキル持ちであった。
「確かにミュルの言う通りだな……タケアキは後ろの方にいたな」
彼はパーティー内でタンク役でもある【盾使い】のスキル持ちのエスカと言いミュルの意見に賛同した。
「おいおい、俺はポーターなんだから後ろにいるのは当然だろ?」
「それで他のメンバーに迷惑をかけてるだろう!!」
「じゃあ聞くが俺がどんな迷惑をかけたんだ?」
「ウチの回復役であるクーラが常にそばにいるじゃねぇか!!」
クーラとは【聖女】のスキル持ちの女性である。
「それは当然じゃないか。クーラが前に出てケガを負えば回復出来る奴がいなくなるかもしれないだろ。
第一クーラ程のレベルがあるなら遠距離からでも回復魔法を使える」
「それだけじゃねェ!もう1人の
リンセとは獣人と呼ばれてる存在で多数ある種族の中でも【山猫族】の少女だった。
「確かにそうだが、あれはリンセが大技を使う時に“タメ”が必要だからいるのであって通常時はミュルやエスカと共に前に出てるだろ?」
「ケッ、相変わらず口だけはうまい奴だな」
「いやいや、口だけうまいと言うが俺はちゃんと正論を言ってるだけだが?」
「あぁ、そうかい……けどなお前を追放する理由はこれが1番なんだよ……」
ミュルは少し貯めてから口を開いた。
「お前だけが未だにレベル10のEランクじゃないか!!」
ミュルはタケアキを指差すとそう言った。
「お前がいなきゃ、俺達のパーティーはとっくにAランクに上がれてるんだよ!!」
「ふむミュルの言う通りだな」
エスカがミュルの意見に賛成してる中タケアキはAランクへの昇格資格を思い出していた。
冒険者ギルドでは幾つのランクが設定されており上からS、A、B、C、D、E、Fと決められている。
幾つかの昇格資格がある中でこの様な資格があった。
パーティーの全メンバー内のランクによって昇格する事が出来ると……
ちなみにAランクに昇格する為 4〜6人パーティーの場合。
・Aランク保持者最低1〜2人。
・Bランク保持者1〜2人。
・Cランク保持者1〜3人。
・Dランク以下のメンバー1人につきパーティーランクが一段下がる。
となっていた。
「なるほど……このパーティーは5人で俺がEランクでクーラとミュルがAランク、エスカとリンセがBランクだから俺がいなくなればAランクに昇格出来るって訳か……」
「そうだ、だからお前には出て行ってもらう」
「だけど……
「心配しなくても、お前程度のスキル持ちならいくらでもいるんだよ!!ホラ!さっさとここから出てけ!!これは
「そうか、なら俺はこのパーティーを出て行くとするよ。そうだ一応引き継ぎしたい事があるからクーラかリンセに話したい事があるんだけど……」
「あの2人ならタケアキとは話したくないって言ってたぜ、だから早く出て行けよ」
「ふーん……じゃあ出て行くよ ならこの店の支払い位はやってくれないか?」
「へっ、それ位なら払ってやるから早く出て行くんだな!」
タケアキは言われた通りに店を出たがそれから少しして「どれだけ食べたんだ!!」と声がしていた。