鈍感な彼氏と直接言えない彼女の物語 完結   作:月島柊

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卒業まであと77日


第1話 女子生徒

 俺は影山蒼。高校3年生だ。就職先も決まり、あとは停学にならなきゃいいだけだ。俺の中学からの友達である勇気も就職先が決まっていて、もう2人で平和に過ごすだけだった。

 

「暇だよなー」

「そうか?昼休みとかサッカーしに行く勇気よりかは暇じゃないけど」

「ただ寝てるだけだろ?いいよなぁ」

「寝ればいいだろ」

 

寝てるのも楽だからいいんだよ、別に。いやけど、ここまで聞けば正反対の性格に見えるかもだが、実は共通点があった。

 

『青春かぁ…』

 

そう、彼女いない歴=年齢なのだ。周りは彼女ができているなかで、俺と勇気ができていない。

 

「気になってる奴とか、見られてる女子とかいないのか、勇気はサッカー部だろ」

 

サッカー部なんだからかっこいいと思う人もいるだろう。

 

「いない。つーかしってる奴しか見に来ないし。蒼は…科学科だからいないよな」

「悲しいこと言うなよ。確かにいないけどさ」

 

科学が好きな女子なんて滅多にいないし。今日ももう帰りか。

 

「じゃあ、俺帰るからな」

「また明日な」

 

俺は近くの駅まで歩いていった。歩いて5分くらいだった最寄り駅はJR西立川駅で、1駅で立川まで行ける。たまに立川まで歩くんだが、今日は歩く気力がなく、立川まで電車だった。西立川から

西立川

立川

八王子

片倉

中央線が運転を見合わせているときは

西立川

拝島

八王子

片倉

の八高線経由で行く。

話題が逸れたが、西立川からは18:35発立川行きで立川まで。電車には同じ高校の生徒が大量に乗る。この時間は10両での運転が多いため、あまり混まないが、席はすぐに埋まってしまう。俺が席の前に立つと、席に座っていた生徒がこっちを見た。

 

(ん?同じクラスの…春風…なんだっけ。春風でしか呼んだことないや)

 

俺は春風をずっと見つめていた。

 

「なに…影山くん」

「なんでもない」

 

俺は目をそらした。そらした先に誰もいない訳じゃないけど。

 

「そう?」

 

俺は立川駅で降りて、家に帰った。なんだろう、春風、よく見ると結構俺のタイプだった。黒髪ロングヘアーに落ち着いてる雰囲気。

 

「いや、付き合ってなんて言ったらダメだろう」

 

俺は自分に言い聞かせた。

 

 翌日高校にいくと、俺は勇気と一緒に体育館に向かった。体育館の朝清掃担当だったから。

 

「なぁ、久しぶりにやらね?人いないし」

「しょうがないな、するか」

 

俺はバク転で体育館に入った。一時期は2人でバク転してたから。

 

「蒼、モップくれよ」

「ほらよ」

 

俺はモップを投げ渡す。勇気はお返しに箒を投げた。

 

「だりー」

「暇だとか言ってたのはどいつだよ」

 

俺は面倒だと思いながらも清掃した。

 

 清掃が終わると、教室に戻った。昼過ぎになると、俺と勇気は屋上で昼飯を食べた。

 

「いつものところだよなぁ」

「落ち着くからいいだろ」

 

あまり人が来ないから落ち着いて食べられる。

ガチャ

言ったそばから人が来た。

 

「あ」

「あ」

 

俺と春風は目が合った。すぐにそらした。勇気には気付かれていない。

 

「どうした?蒼」

「ん?なんでもないさ」

 

俺は食べ始める。俺が屋根の上で、勇気が下で食べている。俺は飲み物を勇気に渡した。落とすだけだけど。

 

「ほらよ」

「サンキュ」

 

勇気が代わりのお茶を上に投げる。俺が掴むと、勇気はグッドサインをした。

 

「影山くーん」

 

下から俺を呼んだのは米坂だった。春風と仲がいいショートカットの女子。

 

「なんだ」

「瑞浪ちゃんのこと好きだったりする?」

「話したこともあんまりないからない」

 

俺は言い切った。話してないのに好きだなんて言ったらただの変人じゃん。

 

「蒼、彼女できるか、ついに」

「まだだよ」

 

俺は屋根の上から飛び降りた。勇気のもとに行き、俺は横になった。

 

「あと3ヶ月だぜ」

「そうだなー。3ヶ月で俺たちも別れるのか」

「いいだろ、そこまで会ってなかったし」

 

ただ、卒業までにはこれだけはしておきたいな…

 

【春風瑞浪視点】

 

 私は昨日の影山くんが頭から離れなかった。あの時の髪の靡き方まで覚えている。

 

「どうしたのー」

 

私の親友である米坂穂波。

 

「あの、影山くんなんだけど、頭から離れなくて…」

「じゃあ直接話しかけよ!」

「え!?ちょっ!」

 

私は穂波ちゃんに引っ張られて屋上へ。屋上では影山くんが屋根の上に、倉山くんが屋根の下に座っていた私と影山くんの目が合った。

 

「あ」

「あ」

 

すぐに目をそらした。そこに、穂波ちゃんが聞きにいった。

 

「影山くん、好きじゃないって」

「好きか聞いてきてなんて言ってないよ!」

 

私は鋭く言った。でも、ちょっと悲しい。もう少し話した方が良かったかな、卒業まではあと3ヶ月。付き合えるかな…




卒業まであと75日
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