鈍感な彼氏と直接言えない彼女の物語 完結   作:月島柊

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登場人物
影山蒼
春風瑞浪
影山楓
以上3名


第22話 結婚式場

 瑞浪が怪我をして帰ってきた翌日、俺は瑞浪が治ったときの為に結婚式場をどこにするか決めていた。丘の上がいいんだろうか。それとも平地?経験がない俺には何も分からなかった。

 

「何してるの」

 

楓が後ろから話しかける。

 

「今度の結婚式場を探してるんだけど……」

「見つからないと」

「そう。楓だったらどういうところで式を挙げたい」

 

参考になりそうなのが楓しかいない。それ以外聞けないし。

 

「眺めがいいとこ」

「丘の上とか?」

 

楓はコクりとうなずいた。そういうのがいいんだな。

 

「オッケー。そこに予約取ってみるよ」

 

俺は丘の上にある式場の予約を取った。

 

「蒼くん、付き合ってるんだ」

「楓は」

「いない」

 

楓だったらいる気がしたけどな。何に問題があるんだ。

 

「そっか。だから俺に甘えられるのか」

「なっ……そんなんじゃない……」

 

恥ずかしがってる楓もかわいかった。

 

 俺は予約が終わると、瑞浪の家に行き、怪我の具合を見ていた。

 

「瑞浪、怪我治りそうか」

「う~ん、もう少しだと思う」

 

傷口は昨日よりは小さくなっている。だが、もう少しかかりそうだ。

 

「結婚式場も見つけたから、あとは俺の心の準備だ」

「もう!?はやーい!」

 

瑞浪は俺の手を握る。さすがにハグはしづらいのか。

 

「蒼くんの手、あったかい……」

「瑞浪の手も小さくてかわいい」

 

瑞浪の手はスマホを片手で操作できないほどの小ささ。それもかわいい。

 

「頑張って治すからね」

「あぁ。結婚式、楽しみだよ」

 

俺は瑞浪の手を握ったまま言った。

 

 瑞浪は怪我が治ると、すぐに俺のところに来てくれた。俺の両親はもう結婚することを知っている。挨拶でもないんだが、ただ会いたいだけだったと言う。

 

「ここ、俺の部屋だから」

「お邪魔しまーす」

 

瑞浪は俺の前で入る。俺がドアを閉めた瞬間、瑞浪は俺の口をふさいだ。

 

「チュッ」

 

キスだった。舌を出さない、普通のキス。そういえば、キスも久しぶりだった。

 

「蒼くんとくっつけないのが寂しかった。今、いろんなことしたい。ハグ!」

 

瑞浪は俺に飛びかかるようにハグする。俺は倒れないようにくるりとその場で回る。

 

「怪我治ったからか」

「もう傷跡もないし、痛くないもん!」

 

瑞浪はまたキスしようとする。俺が瑞浪のことを持っているせいか、背伸びしようとした瑞浪がバランスを崩す。

 

「わっ!」

 

瑞浪が俺を押し倒す形になった。俺は瑞浪のご要望どおりキスしていた。

 

「んぐ!?」

 

俺は息ができなくなった。瑞浪は笑顔になっていたが、俺はつらかった。

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