影山蒼
春風瑞浪
影山楓
以上3名
瑞浪が怪我をして帰ってきた翌日、俺は瑞浪が治ったときの為に結婚式場をどこにするか決めていた。丘の上がいいんだろうか。それとも平地?経験がない俺には何も分からなかった。
「何してるの」
楓が後ろから話しかける。
「今度の結婚式場を探してるんだけど……」
「見つからないと」
「そう。楓だったらどういうところで式を挙げたい」
参考になりそうなのが楓しかいない。それ以外聞けないし。
「眺めがいいとこ」
「丘の上とか?」
楓はコクりとうなずいた。そういうのがいいんだな。
「オッケー。そこに予約取ってみるよ」
俺は丘の上にある式場の予約を取った。
「蒼くん、付き合ってるんだ」
「楓は」
「いない」
楓だったらいる気がしたけどな。何に問題があるんだ。
「そっか。だから俺に甘えられるのか」
「なっ……そんなんじゃない……」
恥ずかしがってる楓もかわいかった。
俺は予約が終わると、瑞浪の家に行き、怪我の具合を見ていた。
「瑞浪、怪我治りそうか」
「う~ん、もう少しだと思う」
傷口は昨日よりは小さくなっている。だが、もう少しかかりそうだ。
「結婚式場も見つけたから、あとは俺の心の準備だ」
「もう!?はやーい!」
瑞浪は俺の手を握る。さすがにハグはしづらいのか。
「蒼くんの手、あったかい……」
「瑞浪の手も小さくてかわいい」
瑞浪の手はスマホを片手で操作できないほどの小ささ。それもかわいい。
「頑張って治すからね」
「あぁ。結婚式、楽しみだよ」
俺は瑞浪の手を握ったまま言った。
瑞浪は怪我が治ると、すぐに俺のところに来てくれた。俺の両親はもう結婚することを知っている。挨拶でもないんだが、ただ会いたいだけだったと言う。
「ここ、俺の部屋だから」
「お邪魔しまーす」
瑞浪は俺の前で入る。俺がドアを閉めた瞬間、瑞浪は俺の口をふさいだ。
「チュッ」
キスだった。舌を出さない、普通のキス。そういえば、キスも久しぶりだった。
「蒼くんとくっつけないのが寂しかった。今、いろんなことしたい。ハグ!」
瑞浪は俺に飛びかかるようにハグする。俺は倒れないようにくるりとその場で回る。
「怪我治ったからか」
「もう傷跡もないし、痛くないもん!」
瑞浪はまたキスしようとする。俺が瑞浪のことを持っているせいか、背伸びしようとした瑞浪がバランスを崩す。
「わっ!」
瑞浪が俺を押し倒す形になった。俺は瑞浪のご要望どおりキスしていた。
「んぐ!?」
俺は息ができなくなった。瑞浪は笑顔になっていたが、俺はつらかった。