影山蒼
影山柚葉
影山楓
父さん
母さん
(春風瑞季)
以上5名(6名)
夜が明け、楓たちも起き始めた7時。もう起きる気すらなかったが、柚葉がキスしようとしてきたからしょうがない。
「なーんだ、蒼くん起きちゃうんだ~」
「いや起きるだろ……」
俺はゆっくり起き上がった。すると、柚葉が俺の口にキスした。
「はむっ」
「ん……」
一瞬だったが、なんか仕掛けられた気がする。
「おはようのキス」
「彼女じゃないんだからさ」
柚葉はブーブーいいながら部屋から出ていく。
俺はカレンダーに赤丸をつける。もう結婚式は明日にまで迫っている。
結婚式は土曜日で、休日にしたのは、瑞季や、今日帰ってくる父さんと母さんが来れるようにだ。
「もしもし、瑞浪?」
俺は瑞浪に電話した。
《ごめん、今瑞浪いないから私出てる》
瑞季が電話に出ていた。
「そうなの?じゃあ、瑞浪に、明日のウエディングドレス楽しみだって言っといて」
《オッケー!私も着たいな~》
「しょうがないよ。彼氏つくるしかないな」
俺は瑞季にそう言うと、電話を切った。瑞季にはまず、全然早すぎる。卒業してからだな。
俺は明日に向けて、服装や髪型を考え始めた。服装は式場で着れるからいいとして、問題は髪型だ。どんな髪型にしようか、未だに悩んでいる。
瑞浪に聞こうとも思いはしたが、いないとなるとなぁ……しょうがないけど、なんか不都合だ。
どうしようか。ヘアスタイルに詳しい人なんてそう簡単はいないだろうし……
「蒼くん、入るよ」
楓の声だ。入れても大丈夫だろう。
「入って」
俺は楓を招き入れた。楓は髪を整えながら入ってきた。あ、いた。
「捕獲」
俺はそう言って楓の両肩をつかんだ。
「え、なに」
「髪型、明日整えてくれないか」
「明日結婚式だからね」
楓は正座した俺に寝た。
「明日、行くからね」
「──あぁ」
楓のたった一言に、俺は今までにないほど感動した。何でかは分からない。ただ、何となく──。
「蒼くん、泣いてる」
「え、あ」
俺は楓に言われて泣いていたことに気付く。
「蒼くん、結婚おめでとう」
「……ありがとう、楓」
俺は楓に礼を言った。なんだろう、結婚式前日ってこんな感じなんだ。そう思った。
楓は膝に寝たまま俺の腹を触った。楓がこんなことするなんて今までなかった。楓からしても、明日が特別な日ということが分かってるんだろう。
夜になり、風呂に入っていた。もうそろそろ父さんと母さんが帰ってくる時間だろう。
空気の入ってくる音が聞こえたかと思うと、父さんの低く太い声が聞こえた。
「蒼~、どこにいるんだ~」
「風呂入ってる!」
俺は中から叫ぶ。すると、母さんも叫んだ。
「すぐ上がってきなさい!」
「あいよ」
俺は大声で言う。俺はすぐに体を拭き、服を着てリビングに走った。
「なんだ」
「蒼、そこに座りなさい」
なんか怒られるのか。俺は緊張しながら座った。
「蒼」
「はい」
「……」
父さんは黙り込んだ。あ、本当に何かあるか?
「蒼、結婚おめでとう。今日は折角5人揃ってるんだ。ケーキ買ってきたから、みんなで食べよう」
「はぁ、なんだよ、紛らわしい言い方するな」
「はっはっは、すまん!」
俺は持ってこられたケーキの皿を見た。そこには、「3つの続いた整数は3の倍数である!」と手書きで書かれていた。これって、人生で初めてやった証明問題じゃないか!
俺は書き始める。
3つの続いた整数のうち、中心の数をnとすると、3つの続いた整数はn-1、n、n+1となる。計算式は(n-1)+n+(n+1)=3n
となる。nが整数のため、3nは整数となる。
∴3つの続いた整数は3の倍数であると言える。
全て書き終わった。すると、母さんがつっこんだ。
「そうだろうなとは思ったけど、こんな時まで数学脳なのね」
『あっはは!』
すると、俺以外のみんなが笑い出す。それにつれて、俺も笑い出した。