影山蒼
市野穂花
立花桜
以上3名
俺は穂花と一緒に、長いロングシートに座って帰っていた。俺の左に穂花がいて、右には知らない女性がいる。結構かわいいけど、浮気は許されない。そう心のなかで決めている。
「んんんっ…」
大丈夫なのかよ…この女の人。俺に寄り掛かったりしないよな?俺は少し不安になりながらも手を出さずにいた。
「影山先輩、私、特技があるんです」
「へ、へぇ、なんだ」
俺は隣の女性に動揺しながら聞いた。
「ある数を適当に2つ言ってください。そのあと、かけるか、2乗するか言ってください」
「あぁ、分かった。えっと、じゃあ、12,530の2乗」
穂花は頭のなかで計算している。ちなみに俺も計算が速いで学校1位だった。答えは157,000,900。果たして計算できるか。
「分かった!一億五千七百万九百!」
数字に直すと157,000,900。合っている。じゃあ次だ。
「135,881の2乗」
135,881は素数。結構大きい数だが、少数を1番少なく割れる1とその数以外の数は5。27,176.2。
おっと、ちなみに答えは18,463,646,161。
「百八十四億六千三百六十四万六千百六十一」
18463646161だよな。合ってる。じゃあ、2倍だともっと早いか。
「1,234の2倍」
これは簡単。偶数を4つ言えばいいだけ。答えは2,468。
「二四六八!」
分かってて言ってる。じゃあ少数いってみるか。
「5,683.64の2乗」
俺も時間がかかるが、多分32,303,763.6496。
「32,303,763.6496かな…少数だと少し曖昧になっちゃいます」
合ってるとは思うけど、一応電卓で計算。
「32,303,763.6496。合ってるな」
「やったぁ!」
要するに計算を素早く出来るかだろう。結構すごい技身に付いてるな。
「すごいじゃん、148の2倍とかすぐ分かるだろ」
「296ですよね」
「レジ向いてるんじゃないか」
「あんまり役立たないですよ。料理も得意なので」
そうか、レジでは電卓だから電卓が早い人がいいのか。
「なんか役立てれないかな、その特技」
「自慢にしか使えませんからね…しょうがないです」
それもそうか。計算を多く使う仕事じゃないもんな、カフェのバイトって。
「これだったら役立つかもよ」
俺はスマホの地図を開き、穂花に見せた。
「俺の家まで、大体駅から500mなんだけど、2往復するとどのくらい?」
要するに1往復で2倍だから、1000の2乗、もしくは500の4倍。
「2kmですか」
「そう。こういうのだったら役立つんじゃないか」
「けど、使いますかね」
確かにそうだ。こんなの使うことまずないし、2往復とか聞かないし。中学生だったら役立つな。例えば、球の体積とか。4/3πr3乗だから。表面積でも、4πr2乗だから使える。
「日常生活では使わないな」
「そうですよね」
その時、隣にいた女性が俺に寄り掛かってきた。さっきのはフラグだったか。
「せんぱぁい、ちょっと眠くなってきたので、肩お借りします」
穂花も俺の肩に寄り掛かってきた。両耳から交互にすーすーと寝息がくる。
「あの、起きてください」
女性に俺は話しかけた。女性は俺の肩からゆっくり離れる。
「ん?……ああっ!すみません!」
「いや、いいんですけど…あれ、立花桜さん?」
「なんで名前を…って、生徒会長!?」
生徒会長だからというか、生徒会の各学年は生徒全員の顔と名前を覚えている。
「覚えててくれてよかった。立花さんも今年卒業だもんね」
「うん。会社も決まってね、生徒会長に影響受けてJR東日本の“東京圏輸送管理システム”なんだ」
「東京圏輸送管理システムってあれか、無線で東鉄指令とか言うあれか」
東京圏輸送管理システムは、無線での呼び方は「東鉄指令」。位置は東京の田端駅付近。この近くには「東京支社」のビルもあり、鉄道関係がたくさんある。
「そうそう!4月からだから、もうすぐなかなか会えなくなっちゃうね」
「じゃあチャットID交換しようぜ。いつでも連絡とれるように」
「いいよ!」
立花さんは俺にIDを見せ、俺は交換を始めた。
「よろしくね、あ、家…泊まってもいい?」
「え?いいけど」
「じゃあお願い!」
急にどうしたんだろう。俺はその場の流れで許可した。