鈍感な彼氏と直接言えない彼女の物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
影山蒼
市野穂花
立花桜
以上3名


第7話 再会

 俺は穂花と一緒に、長いロングシートに座って帰っていた。俺の左に穂花がいて、右には知らない女性がいる。結構かわいいけど、浮気は許されない。そう心のなかで決めている。

 

「んんんっ…」

 

大丈夫なのかよ…この女の人。俺に寄り掛かったりしないよな?俺は少し不安になりながらも手を出さずにいた。

 

「影山先輩、私、特技があるんです」

「へ、へぇ、なんだ」

 

俺は隣の女性に動揺しながら聞いた。

 

「ある数を適当に2つ言ってください。そのあと、かけるか、2乗するか言ってください」

「あぁ、分かった。えっと、じゃあ、12,530の2乗」

 

穂花は頭のなかで計算している。ちなみに俺も計算が速いで学校1位だった。答えは157,000,900。果たして計算できるか。

 

「分かった!一億五千七百万九百!」

 

数字に直すと157,000,900。合っている。じゃあ次だ。

 

「135,881の2乗」

 

135,881は素数。結構大きい数だが、少数を1番少なく割れる1とその数以外の数は5。27,176.2。

おっと、ちなみに答えは18,463,646,161。

 

「百八十四億六千三百六十四万六千百六十一」

 

18463646161だよな。合ってる。じゃあ、2倍だともっと早いか。

 

「1,234の2倍」

 

これは簡単。偶数を4つ言えばいいだけ。答えは2,468。

 

「二四六八!」

 

分かってて言ってる。じゃあ少数いってみるか。

 

「5,683.64の2乗」

 

俺も時間がかかるが、多分32,303,763.6496。

 

「32,303,763.6496かな…少数だと少し曖昧になっちゃいます」

 

合ってるとは思うけど、一応電卓で計算。

 

「32,303,763.6496。合ってるな」

「やったぁ!」

 

要するに計算を素早く出来るかだろう。結構すごい技身に付いてるな。

 

「すごいじゃん、148の2倍とかすぐ分かるだろ」

「296ですよね」

「レジ向いてるんじゃないか」

「あんまり役立たないですよ。料理も得意なので」

 

そうか、レジでは電卓だから電卓が早い人がいいのか。

 

「なんか役立てれないかな、その特技」

「自慢にしか使えませんからね…しょうがないです」

 

それもそうか。計算を多く使う仕事じゃないもんな、カフェのバイトって。

 

「これだったら役立つかもよ」

 

俺はスマホの地図を開き、穂花に見せた。

 

「俺の家まで、大体駅から500mなんだけど、2往復するとどのくらい?」

 

要するに1往復で2倍だから、1000の2乗、もしくは500の4倍。

 

「2kmですか」

「そう。こういうのだったら役立つんじゃないか」

「けど、使いますかね」

 

確かにそうだ。こんなの使うことまずないし、2往復とか聞かないし。中学生だったら役立つな。例えば、球の体積とか。4/3πr3乗だから。表面積でも、4πr2乗だから使える。

 

「日常生活では使わないな」

「そうですよね」

 

その時、隣にいた女性が俺に寄り掛かってきた。さっきのはフラグだったか。

 

「せんぱぁい、ちょっと眠くなってきたので、肩お借りします」

 

穂花も俺の肩に寄り掛かってきた。両耳から交互にすーすーと寝息がくる。

 

「あの、起きてください」

 

女性に俺は話しかけた。女性は俺の肩からゆっくり離れる。

 

「ん?……ああっ!すみません!」

「いや、いいんですけど…あれ、立花桜さん?」

「なんで名前を…って、生徒会長!?」

 

生徒会長だからというか、生徒会の各学年は生徒全員の顔と名前を覚えている。

 

「覚えててくれてよかった。立花さんも今年卒業だもんね」

「うん。会社も決まってね、生徒会長に影響受けてJR東日本の“東京圏輸送管理システム”なんだ」

「東京圏輸送管理システムってあれか、無線で東鉄指令とか言うあれか」

 

東京圏輸送管理システムは、無線での呼び方は「東鉄指令」。位置は東京の田端駅付近。この近くには「東京支社」のビルもあり、鉄道関係がたくさんある。

 

「そうそう!4月からだから、もうすぐなかなか会えなくなっちゃうね」

「じゃあチャットID交換しようぜ。いつでも連絡とれるように」

「いいよ!」

 

立花さんは俺にIDを見せ、俺は交換を始めた。

 

「よろしくね、あ、家…泊まってもいい?」

「え?いいけど」

「じゃあお願い!」

 

急にどうしたんだろう。俺はその場の流れで許可した。

 

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