影山蒼
立花桜
以上2名
俺はちょっと瑞浪と話してからすぐに帰った。立花さんも帰ってる途中だろうから。
「母さん、女来てたか」
「えぇ。部屋にいると思うわ」
俺は自分の部屋に向かった。部屋の中に立花さんはいて、俺は冗談で名前で呼んだ。
「桜」
「うん?あ、蒼くん…」
あれ、両方名前呼びになってる。このままいけるかな。
「あのさ──」
「ぎゅぅっ」
立花さんは目を瞑って俺に抱きつく。えっと、多分寒いんだろうな。3月でも寒い人いるし。
「待ってて。毛布あるから」
俺は毛布を出して立花さんにかけてあげた。俺は毛布をかけた立花さんの横に座った。しかし、なんか不満そうな顔をしている。
「な、なんだよ…」
「ぶーぶー」
なんでそんな不満なんだよ…意味が分からないし…
「いいだろ、それでも」
「ぶーっ…」
俺は部屋から出た。もう意味が分からない。女なんて。
「まって!蒼くん!」
「なんだ」
「どこで寝る?」
ああ、俺と同じ部屋で、俺が床だけど。
「床で俺は寝るけど」
「同じ部屋で?」
「……じゃあリビング」
俺は自分の毛布だけをもってリビングの隅に敷いた。
「……苦手なんだよな、実は」
「私が?」
「違う。同じ部屋にいるのが」
俺は毛布を敷きながら言った。
「お前だって子どもじゃないんだから。1人で寝ろ」
「うん……」
俺は立花さんに付いていった。そして、部屋に戻り、スマホの充電器を持って再び戻った。
「立花さん、桜って呼んでいいかな」
「さっき呼んでたじゃん。もう」
「そうだっけ。お前もさっき『蒼くん』って呼んでたろ」
俺は毛布を被った。明日は休みだから瑞浪とデートできる。
「まだ19:30だよ?」
「寝てもいいだろ。もう眠いんだ。桜は俺のベット貸すから」
俺は目を瞑った。
【立花桜視点】
私は蒼くんの部屋を借りて寝ることになった。同じ部屋にいるのが嫌って、絶対私の事じゃん。
「ごめんって…」
私は泣き出しそうになった。過去の事などを思い出しそうだったから。
中学二年くらいのころ、私と仲が良かった女の子の友達がいた。名前ははっきり覚えている。
この子は、勉強も普通、運動も普通で、一般的な生徒だった。しかし、普通ということは、クラスの1/2は萌ちゃんより上ってことになる(萌ちゃんが1/2で、上下共に1/2となる)。そして、上の生徒からの煽りが絶えなかった。
進級してから半年経った10月、萌ちゃんは中間テストの結果が返され、いつも通り上だった非とからあまりにも酷い扱いをされ、煽られたりもした。その時はたまたま私の方が上だったけど、私はテストや立場関係の話を一切しなかった。
萌ちゃんはやがて、私といるときも嫌な顔をし始めて、ついには一緒に帰らなくなった。だけど、私からの友情は消えなかった。
しかし、萌ちゃんは耐えきれなくなり、11月の上旬、11/5に、3階のクラスのベタンダから飛び降り、自殺を図った。しかし、奇跡的に命に別状はなく、中学三年になってから登校を再開した。
一方の私は、萌ちゃんが自殺を図ってからすぐ、いじめを受けた。机に「お前が手助けした」「殺人鬼が」「近寄るな」「このクラスにお前はいらない」などと、その他数ヵ所に油性ペンで書かれていた。酷いものは、彫刻刀で彫られていた。
私はそれから学校に行かなくなった。1ヶ月すると、お母さんから「学校行きなさい」と言われたけど、私は断った。
三年生になると、みんなに会わない時間帯である、7:00に学校に着くようにした。会うと怖いから。
だから高校は離れた場所にした。電車で1時間近くかかる場所で、みんなに会わなかった。
萌ちゃんは今どうしてるんだろう。けど、きっと、会ったら、私、また壊れちゃう。結局会わない方がいい。
そう考えたら、生徒会長、蒼くんも似たようなものかもしれない。私にとって、必要なかったのかもしれない。
私は怖くなった。最初から全て考え直した。どうして私を一人にしたのか。そんなの、考えたらまた心臓が締め付けられるようだった。