第一話
「なんだこの状況は?」
白い空間と六人の美女という組み合わせにどうなっているんだと思うのは、普通のことのはずだ・・・普通だよね!?そんなくだらない自問自答をしていることも責められないだろう。
そんな、状況に陥ったのは今から遡ってずいぶん前のことが原因だったらしい。
鳥の囀りとゴミ収集車から流れる音楽によって目が覚めた。
「うるさいなあー、毎回思うけど収集車の曲選ってどういう風にやってんの?」
他の地域でのことは知らないが毎日違った曲が収集車のスピーカから流れている。最初の頃は、収集車がきたことを告げる合図と衝突防止のためと考えていたが、そんなことではないのではないと感じるようになっていった。
先週は、クラシックが流れていたかと思うと今週は子供が喜びそうな有名なアニソンが流れていた。
「まあー。いいころ合いに来るから目覚まし代わりにはいいんだけど・・・どういう意図でながしているんだ?」
そんな恒例の頭のストレッチをしてから、朝食と準備を済ましてからいつも通りの道で出勤する。会社に入るところで仲のいい同僚から声をかけられた。
「よおー。将暉元気か?」
「秋山か、おはよう。」
「何気に元気かっていう部分スルーするよなお前・・・まあーいいか。そうそう、お前に耳寄りな情報があるんだ。」
「なんだよ、耳より情報ってまた下らないことだったら、分かっているよな・・・今度こそどつき回すぞ!」
「まあまあー、そんなにカリカリしなさんな。今度こそ本当に耳より情報だって!神に誓ってもいいぞ、それが信じられないならお前が欲しがってた俺のコレクションの中からとっておきのものをかけてもいい。」
「わかったわかった。そこまで言うってことは自信があるんだろ。じゃあーそれを早く教えてくれよ。」
「待て待て、そう焦るなって会社の昼休みまで待ってろ。そうすれば、同時にもっと嬉しいことがあるから。」
そっちから、話をふっておいてここでじらされたことに文句を言っていると始業時間になってしまったので、しぶしぶそこは引き下がった。
(一体何なんだ。あそこまで言うってことは俺が絶対に反応を示すということ分かったうえでの行動だろうけど・・・ああー思いつかない。)
考えても仕方がないと思い、もやもやした気持ちを抱きつつそれを何とか振り払って昼まで仕事に打ち込んだ。
「さあー、昼になったんだ散々じらしてくれたことを発表願おうか。」
今の自分の顔を見たら大半の人が何事と思うほどの表情を浮かべていることだろう。
「ああーいう言うから、そのおっかない顔を何とかしてくれ。」
「これで、いいか。」
「まだ、なんか違和感があるがまあ―いいだろう。聞いて驚け何とお前が欲しがっていたあの公開すらされていないフィギュアの入手に成功した!」
「またまた、お前が言っているのはあのアルターが出したイメージすらネットに出回っていない魔法少女リリカルなのはのフィギュアことだろ。確かに入手できたならお前に尊敬と感謝を伝えるが見え見えの嘘はやめてくれ。」
「まあー普通そう反応するよな、だけどこれは本当のことだ。俺の友人にそこの重役がいてなあ。そいつとは仲が良いんだよ、良く酒も一緒に飲みに行くほどさ。その中でお前の話もしていてなあー、それで尋ねてみたんだよ、すると明日の昼頃に情報が公開されるんだとさ。つまり、今公開されるんだ。
そんな折、無茶な頼みと思っていたけどダメもとで頼んだらさ、公開後に渡すことを条件に送ってくれたんだよ。」
「まじかー。それ本当だよな!?いまさらドッキリでしたなんて言っても絶対許さないからなあ!」
「本当さ、今実物を拝ませてやる。」
そう言うと近くの箱をごそごそとやってからそれは姿を現した。
「すげー再現度。これってフィギュアか、本物が小さくなったって言われた方が信じられるぞ。」
「ああー。これは、市販品とは一線を画すものだからな製作陣にしかてに出来ない最高の品さ。」
そこからは、仕事なんかこんな状況で続けられるかということで二人で早退した。
家に帰ってからは、送られたなのはフィギュアを鑑賞していた。しばらくの間、秋山とアニメ談義を電話でしながら時は過ぎて行った。
気づくと朝になっていた、疲れたのか身体がだるかったし、気が乗らなかったから有給を取ることにした。
気晴らしに散歩に出かけるとゴミ収集車からの音楽が聞こえないことに気が付いたが、そこまで気にすることでもないとスルーしていると目の前に帽子が飛ばされてそれを追いかけている小学生の男の子とトラックの姿があった。
頭で考えるより先に身体が動いていた。なんとか男の子を突き飛ばしてそこから記憶が途切れた。
そして、最初に戻る。
「俺は、死んだのか。」
「はい、その通りです。」
か細い声で六人の女性の一人が話しかけてきた。
「一応確認させていただきますが、あなた方はどなたですか?」
「・・・はい、申し遅れました。私は創世神のマリアナといいます。他の五人は、左から武神ミカ、賢神アテナ、時空神ヨミ、生命神ミア、恋愛神カレンです。」
「それで、・・・誠に言いにくいのですがあなたが死んでしまった原因私にあるのです。」
「生命神のミア様・・・それは、一体どういうことでしょうか?」
とても言いにくそうにもじもじとしていた。その様子を見て、何となく状況に察した。しばらくミア様が発言するのを待っていると大きな深呼吸をしてから、決したように話し始めた。
「横山将暉さん、もう既にお察しいただけていると思いますが今回のことは私に原因があります。本当に申し訳ありませんでした。」
そこから、事の詳細を話していってくれた。今回のことを簡単に要約するとこうだ、本来であれば俺は病院のベットの上で目を覚ますはずで死ぬことはなかったのだそうだ。時空神や他の神からの指摘も受けて、初めて俺が死んでしまっていたことを知ったそうだが、その時にはもう既に手遅れになっていたそうだ。
そこでふと気になっていたことをきいてみた。するとミア様から助けた子供は無事元気でいると聞いて俺がやったことは無駄ではなかったと思うことができた。
「それで、六神の皆様俺はどうなるんですか?」
純粋に気になっていることを聞くと、創世神のマリアナ様が話を引き継いでこう言ってくれた。
「こちらの不手際で死なせてしまったので、そのお詫びの意味も込めて対応したいと思っています。」
「それは、実にありがたいことなのですがよろしいのですか?」
「はい、良いのです。あなたは・・・いえ、将暉さんは良き行いをしたのにも関わらずこちらのミスで人生を奪ってしまいました。そのことは本当に申し訳ないと思っています。
ですから、あなたの希望する世界への転生と願いをいくつか願いをかなえることにしました。」
「そうですか。・・・ありがとうございます。早速で申し訳ないのですが、俺の友人秋山に遺書を渡してもらえますか。」
少し、もめた様子だったが時空神のヨミ様が時間を遡って渡してくれることになった。
「それで、あなた自身に対するお願いを言ってください。」
なぜか、せかすように言ってきたことに疑問を持っていると賢神のアテナ様がその訳を話してくれた。
「あなた、人のことを優先する傾向があるため。」そう言われたが、そこまで他人を思いやってきた自覚はなかったが、無意識のうちに多くの人を助けていたそうだ。そんな話をしている間に願いの内容が浮かんできた。
「それでは、転生先は魔法少女リリカルなのはの世界でお願いします。その他の願いは身体能力なんかの向上でお願いします。」
「分かりました。それで、準備させていただきます。転生後も楽しく過ごせるようにこちらでもしっかりサポートさせていただきます。」
「おっ、やっと話が終わったか将暉って言ったかこっちのことで迷惑かけたな。しかし、お前転生後は魔導士を目指すのか!・・・よし、今回のこともなんかの縁だろあっちはあら事も多いだろうし、私が稽古つけてやるよ。」
話が一段落したところで、武神のミカ様が話しかけてきて驚くべき提案をしてくれた。
「それは、ありがとうございます。ぜひ、おねが…『それなら、私たちも色々と教えてあげるよ。』」
ありがたい提案と思い二つ返事で了承の旨を伝える前に時空神と賢神の二人が新たな提案をしてきた。
「それでしたら、私も微力ながら教えさせていただきます。」(生命神)
「ずるい、私が提案しようと思っていたのに!」(創世神)
「まあまあー。全員で順番に教えていけばいいだけでしょ。」(時空神)
「あっちの世界では、デバイスが必要になっていくだろうから私がはじめに教えていいかな?」(賢神)
そんな口論をしていたがやっと終わったのか今度はジャンケンで勝負を始めた。
一番目はアテナ様のようだった。次からミカ様、ヨミ様、ミア様、マリアナ様、カレン様の順番で教えてくれるそうだ。
「それでは、アテナ様他の皆様方これからよろしくお願いします。」
「うん、まかせて。その前にその様呼びやめてくれるかな!そんな堅苦しくしないで気楽にアテナって呼捨てでよんで。みんなもその方がいいよね?」
全員がそんなことを思っていたのか反論意見はなかった。恐れ多い事ではあったが、呼び捨てで呼ぶようにした。
「それじゃあー、早速あなたのあっちの世界での
そう言うとアテナは俺のデータを取るためか手からスキャナーのような光を出して全身を隅々まで光が行くようにしていた。
「ふむふむ、なるほどね。・・・よし、これくらいデータがあればいい子ができるはずだよ。ヨミ少しデバイス制作に手を貸して!」
「うん、分かった。私は何をすればいいの?」
「完成機体に次元収納をつけて欲しいの。最高のものを作るならそうした方がいいからね。」
簡単な調整を済ませてからすぐにデバイスは完成していった。
「よし、完成。流石にこんな子は作ったことがなかったから不安だったけど、良い仕上がりに出来て良かった。あとは、ヨミお願いね。」
「規模は、どのくらいがいいかな?」
「何かあった時に対応できるように広めにやっておけば、いいんじゃない?」
「じゃあー。世界二つ分くらいにしとく。」
少し不安に思う発言が聞こえたが、せっかく作ってもらったものと思い受け流すことにした。
「将暉、デバイスが完成したからこの子に名前を付けてくれないかな?」
アテナかヨミがつけてくださいとがないと辞退したが、「一回言って見てからにしてください!」と突っぱねられてしまった。
そこから、頭をフル回転させて考えた。
「ティルというのはどうですか?」
「うん、いいんじゃないかな。君のパートナーになるんだから本人に決めてもらうのが一番いいよ。」
『マスター、良い名前をありがとうございます。固有名:ティルで登録しました。同時にマスター登録も完了しました。これから、よろしくお願いします。』
「ああー、こちらからもお願いするよ。ティルこれからよろしく。」
「さあー、お互いのあいさつも済んだし残りのことも決めていこうか。」
『了解しました。アテナ様、マスターこれからバリアジャケットと武器を決めていきます。テンプレートも出すので希望を言ってみてください。』
目の前にコンソールが浮かび上がってきた候補の中から、空戦魔導士候補生の教官のカナタ・エイジと魔法少女リリカルなのはのクロノ・ハラオウンの服装を合わせたようなものを選んだ。
「武器に関しては、日本刀型、銃型、杖型の三つを基本と考えていてくれ。」
「詳しく言うと、銃型はバトルライフルをイメージした長・中距離でも使えるものを杖型は、杖術も使えるようなデザインで頼む。」
『分かりました。マスター。』
「大体のことは決まったかな?それじゃあー、私の指導を始めるね。」
そこからは、魔法の基礎と応用について学んでいった。リンカーコアからミッドチルダ式魔法、ベルカ式魔法等を作中でも語られていなかったことも交えて教えてもらうことができた。
そこからは、俺に教えるというよりはティルに知識などを蓄積させていくという感じに早々と進んでいった。
「将暉さん、お疲れ様でした。これで教えたいと思っていたことは粗方伝え終えました。忘れてしまってもティルがサポートしてくれるでしょう。」
仰々しい感じで言ってきたので何かあるのか?と思ったが「さあーお巫山戯はこれくらいにしますか」と一つ咳払いをするといつもの感じに戻った。
「それでは、将暉さんあちらの世界でもよい人生を。」