半端者と幻想と   作:あざね

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どうも。あざねです。
前回から異変について始まりました。
今後の展開にご期待いただければと思います。
では!


紅魔館

ー異変。

それは、さまざまな妖怪や人間が混在するこの幻想郷で起こる怪事件を意味する。

異変は大小さまざまで、小さい事件や、時には大事件へと繋がるものもある。

小さな地域でのみ起こるもの。

幻想郷全土を覆い尽くすもの。

その多くはちょっとした好奇心から成り立ってしまった異変が多い。

 

 

しかし時には明確な悪意を持つもの、又は成し遂げたい何かによって成される悪に目を瞑る者もいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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異変解決を手伝ってくれ。

三日月は自分に呆れていた。いくら服を買う費用が浮くからといってそんな頼みを受け入れてしまうとは。

お金は、一人暮らしで決まった職場のない三日月にはとても大切なものだ。まぁ、誰にとっても大切ではあるが、定職についていない三日月からしたら他の人より数倍は大切なのだ。

最悪、食費などは川や山で取ればいいのでどうということはないが、服はそういうわけにもいかない。

服を編むための道具もなければ技術もない。

つまり必要経費なのである。

冬服を五月に買ったら次着るのは何ヶ月後か。数えるのも馬鹿馬鹿しい。

だが、異変を解決してしまえばその気兼ねもしなくて済む。

ただ、だからといって。

 

「なんで引き受けたんだ、僕は…」

「ん?どうした?」

 

魔理沙がこてんと首を傾げる。

「なんでもない」と三日月。

 

今2人がいるのは人里。まず何をすべきかということで、やはり最初は情報収集だろうということになった。とりあえず、何かしらの目撃情報がないか調べに来たのだが残念ながらそういったものもなかった。

依頼を引き受けて三時間弱、時刻は午後二時を回ろうとしていた。

現在の進行度、0。

三日月は精神的にも身体的にも疲れきっていた。

 

「ここじゃ特に有益な情報は無いか」

「そうだね」

 

つい空返事になる。

 

「じゃあ次はあそこだな」

「?」

 

休んだりしないのか。まぁそれは百歩譲っていいとして、次…?

 

「どこかアテがあるのか?」

「そうじゃ無いが、あいつなら何か知ってそうだと思ってさ」

「あいつ?」

 

はて。魔理沙の言うあいつとは。誰か居ただろうか。異変に詳しそうな人…

 

「パチュリー」

 

ああ。たしかに彼女なら何か知っていてもおかしくない。

パチュリー・ノーレッジ。本を愛する少女。様々な分野において博識な彼女なら何か知っているかもしれない。魔理沙もちゃんと頭使うんだな。

疲れた脳裏でそんなことをつい思ってしまった。

 

「てことは、紅魔館に向かうのか。そこそこ距離あるぞ?」

「後ろ乗せてやるから安心しろ」

 

笑顔で言う魔理沙。安心できないから、それ。

しかし三日月も疲労はなかなかに溜まっていた。少し考えた後、何かを決意するように、

 

「ありがとうございます」

 

上部だけの感謝をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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時刻は二時四十二分。もうすぐで三時になろうかというところ。取り出した懐中時計をしまい、仕事に戻る。といっても、それももうほとんど終わっている。あとすることといえば夕食の準備だが、それも今やるには少々早い。少し暇ができてしまった。また掃除でもするかと考える。

よし、そうしよう。他にやることも特にない。

そう思い立って早速掃除道具を取りに行く。ふと窓の方が気になって目を見やる。

 

「あぁ、美鈴また…」

 

またサボっている。ここからではよく見えないが、どうやら誰かと話しているようだ。

誰だろうか。まぁ誰でもいい。とりあえずあのサボり魔に喝を入れなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「というわけなんだ。パチュリーに合わせてくれないか?」

 

紅魔館に着いた三日月たちはまず紅美鈴と会い、これまでの流れを話した。

紅美鈴。彼女はここ、紅魔館の門番として雇われている。衣食住、三食おやつ付きらしい。

華人服のようなチャイナドレスのようなよくわからない服を着ている。さっきまで昼寝でもしていたのか、

降ろされた長い赤髪が乱れている。

 

「あー、なるほどぉ。いや、私的には全然オッケーですよ?なんですけど…」

「何か問題でも?」

 

もしかして取り込み中だっただろうか。

 

「咲夜さんがなんて言うか…その、魔理沙さんもいますし」

「あぁ…」

「うっ」

 

魔理沙、こいつまたやったのか…

魔理沙は紅魔館に比較的よく来る方だ。というのも此処、紅魔館はパチュリーが管理している大図書館がある。魔理沙に限らず本を借りに来る妖怪も少なくはない。そう、借りに来るのだ。

しかしこいつ。霧雨魔理沙は本を強奪していくのだ。

 

「それは咲夜さんが正解だ。魔理沙、一体何冊盗むんだよ」

「ち、ちゃんと読み終わったら返すつもりだから!盗んでなんかないぞ!」

 

あぁもう。なんで紅魔館に行こうなんて言えたんだ、こいつは。

大丈夫なのかと心配になる。まだ中にすら入れていないのに。三日月は今日だけで数週間分の疲労を感じていた。

全く…ん?

そんなことを思う三日月の視界の端に光るものが写った。

 

「ッ!」

 

タン!と、隣の木から音が上がった。三日月の見間違いでなければそこには…

 

「さ、さささ、咲夜さん!」

 

そこにはナイフが刺さっていた。

咄嗟に美鈴は振り返り恐怖と焦りの入り混じった声を上げる。

美鈴が振り返ったすぐそこにはいつのまにか紅魔館メイド長、十六夜咲夜が立っていた。

 

「何をしているの、美鈴。またサボり?毎日毎日、そんなに私のナイフに刺さりたいのかしら」

「そ、そそそんなわけないじゃないですか!あ、ホラ!お客さん!お客さんです!」

 

目に見えて怯える美鈴。これは美鈴でなくてもわかる。咲夜から殺意のオーラがふつふつと立っている。

どうやらこちらのことは眼中にないようだ。

 

「お客様?」

「そうです!このお二人がパチュリー様に用があるって!」

「あぁ、それは。大変お恥ずかしいとこ、ろ…を……」

 

昨夜が止まった。ギギギと音を立ててもおかしくないほど不可解な止まり方をした。

数秒驚き顔のまま見つめられ。

 

「三日月さん!?」

 

はい。三日月です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「三日月さん!?」

 

叫んでしまった。あまりにも珍しい来客だったのだ。仕方ないだろう。そう、仕方ない。

え?三日月さん?用事?誰に?パチュリー様に?なんで?

一瞬で様々な疑問が浮かび上がった。しかし、そんな疑問たちが些細になってしまう由々しき事態があった。

 

「私もいるぜ」

 

何でいるんだ。そしてなぜ一緒行動しているのか。

 

「咲夜さん、殺気」

「うるさい美鈴うるさい」

 

一度落ち着こう。取り乱しすぎだ。一旦深呼吸…よし。

 

「ようこそ紅魔館へ。…パチュリー様にご用事ですか?」

「ん?あぁ、はい。そうです」

 

しばらく蚊帳の外だった三日月が驚いたように返事をする。

 

「ではこちらへどうぞ」

「え、いいんですか?」

「?」

 

咲夜は三日月の言ったことに疑問したが、すぐに察した。

概ね霧雨魔理沙のことだろう。

 

「構いませんよ。彼女一人なら話は別ですが、三日月さんも一緒とのことなので」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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案外簡単に中に入らせてもらえた。おそらく、三日月を監督役として信頼してのことだろう。

中に入らせてもらうのも含め、ありがたい。

三日月たちは歩き始めた咲夜のあとを追った。三日月は図書館までの道中、簡潔に今までの経緯を説明した。

 

「なるほど、それでパチュリー様なら何か知っているのではと」

「そういうことです」

 

昨夜の理解は早かった。半分程度の説明で察してくれたらしい。

本当に完璧だな、このメイド長さんは。

三日月は改めて実感した。

 

 

三日月と紅魔館の面々は少し前にとある事件で知り合った。

その時とは関係性も何もかも違っているが、三日月はたびたび顔を出している。

出逢いに関してはいいものとは言い難いかもしれないが、今はとても仲良くやっている。

 

 

「こちらになります」

 

三日月が少し思い返しているうちにとある部屋に着いた。

図書館の奥の方にある扉の前に立たされている。

 

「パチュリー様、お客様がお見えです」

「…誰?」

 

中から声が聞こえた。どうやら本当にいるらしい。

 

「三日月です。少し聞きたいことがあって」

「私も同じく」

 

魔理沙が横から声をかけた。

 

「はぁ。私、そこそこ忙しいの」

「少しだけでいいんです。お願いできませんか?」

 

迷っているのか、返事がない。

これはダメかと半分諦めていた三日月だったが、

 

「…少しだけね」

 

OKが出た。突然だったので少し驚いたが、どうやら話を聞いてくれるようだ。

「お邪魔します」と三日月が丁寧にドアを開けると、

 

「久しぶりね」

 

そこには、大図書館の司書がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
異変の進行具合はまだまだです。長くなりそうで心配ですが…
次回もどうぞ楽しんでいってください。
では!
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