気がついたらUAが100を超えていて一人でよろこんでました。
引き続き読んでいただけたら幸いです。
では!
「久しぶりね」
そこには大図書館の司書、パチュリー・ノーレッジが椅子に腰をかけていた。
「はい。久しぶりです」
「よっ!パチュリー」
三日月と魔理沙がそれぞれ挨拶をする。
だが、パチュリーは三日月の横にいる魔理沙を見てあからさまに嫌な顔をする。
それもそのはず、本を愛する少女にとってこの借りパクリ魔は害悪でしかない。
「貴女、いつになったら奪っていった本たちを返す気になるのかしら」
「大丈夫だって。読み終わったら返すからさ」
「そう言ってまだ帰ってきた試しがないのだけれど」
「まぁ色々あってなー」
だめだこいつ。返そうという気が全く見れない。
今度魔理沙の家に行って無理矢理にでも返させるか。そう決意する三日月であった。
「はぁ。ところで」
ため息を一つ置き、パチュリーが話を戻す。
「聞きたいことって何?私暇じゃないから早くして」
「ああ、えっと…」
三日月による状況説明会が再び開かれた。
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異変が起きた。しかしまだ手掛かりがない。
「なるほどね。それで私が何か知らないか聞きにきたってわけ」
「はい」
パチュリーは三日月の話を聞き、ある程度どのような状況か把握した。
普段、部屋に引きこもっているパチュリーにとって、外界で異変が起こっているということは基本的に知らない。今回の件も、今年の春は寒いな、くらいとしか思っていなかった。まさか異変が起こっていようとは知りもしなかった。そう、知りもしなかったのだ。
「残念だけど、私が知っていることは無さそうね」
「…!そうですか…」
もう。そんな落ち込まないでよ。
しゅんとする三日月。仕方ない。知らないものは知らないのだ。
ただ、
「あなたたちはこの異変についてどう考えているの」
「え?」
ただ、アドバイスくらいならできるかもしれない。
「あー、えっと。僕が考えているのは雪を降らす妖怪みたいなものかと」
「え、三日月そんなこと考えてたのか?私なんも考えてなかったぞ」
「だろうね」
雪を降らす妖怪。なるほど、一理ある。
たしかにこの季節外れの雪は異変で間違いない。
しかし、パチュリーは。
「多分それ、違うと思う」
三日月の思っているそれではないと断言できる自信があった。
「三日月。魔理沙。多分、この異変はあなたたちが思っている以上に大きいものだと思う」
「大きい?どういうことだよパチュリー」
「だからね、魔理沙。これは雪を降らせる''程度''のものではない」
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雪を降らせる程度ではない、か。
三日月は心の中でパチュリーの言葉を繰り返す。
三日月自信、自分の考えに自信も根拠もなかったので否されるだろうとは分かっていたが、まさかそんな言い方をされるとはいなかった。
パチュリーはこう言った。そんな程度ではないと、そう言ったのだ。
その言葉には、事態の深刻さが表れている。
「私が言えることは一つ。異変は大小さまざまだけれど、三日月。幻想郷全土を埋め尽くすこの異変はどう?小さいと言えるのかしら。雪が降っていることは確かに異変よ。間違いない。でも、それは恐らく副産物に過ぎない。だってそうでしょう?花が咲かないこと、動物たちが冬眠を続けていること、それは雪を降らせるだけの異変では説明がつかない。今起きているこの異変は、少なくともそんなものではない」
パチュリーは自分の意見を重ねていく。三日月は彼女の言わんとすることを理解した。
つまり彼女はこう言いたいのだ。
この異変、もしかしたらとても危険なものかもしれない、と。
「私が言えることもこのくらいね。後はもっと詳しい奴に聞きなさい」
「詳しい、ですか」
「それが分からないから困ってんだよなぁ」
「何言ってるの、魔理沙。居るじゃない、その手の話に詳しそうなのが」
はて?そんな奴…あぁ…
少し考えて、三日月も一人の人物に思い至った。
「八雲紫」
パチュリーは真顔でそう言った。
「霊夢のところに行けば会えるんじゃない?知らないけど」
確かに、会えるかもしれない。
「おぉ!確かに!あいつなら絶対何か知ってるもんな!」
魔理沙が、天才現る!みたいなノリではしゃぎ出す。
うーん、紫。紫かぁ…
実の所、三日月はあまり紫のことが得意ではない。嫌いというわけでは全くないのだが、彼女の計り知れない気迫や圧迫感というものに弱いのだ。
まぁ最悪それはいいとして。
「そうですね、彼女なら何か知っているでしょうし。ありがとうございました。こんなに長々と」
「いえ、どちらかと言えば私の方が話していた気がするし、別にいいわ。それより、もしかして今から行くつもり?だとしたらやめておきなさい」
「ん?どうしてだ?」
魔理沙が問う。
「もう七時よ。今行くと迷うわよ」
もうそんなに経っていたのか。時間が過ぎるのは早いなぁ。
七時となると、冬の空はもう真っ暗だろう。そんな状態で森の中を彷徨うのは確かに今は危険だ。
「大丈夫だよ。私の箒があるから」
「それも無理ね」
「え、なんでだ、ってうわぁ!お前いつから…!」
咲夜さん、さらっと会話に入るのはやめてください。
いつの間にいたんだ、このメイド長。
魔理沙が今日1番の大声で驚いた。
「今さっきよ」
「今さっきって…ていうかどういう意味だ?無理って」
「外。また雪降ってきたわよ」
「あぁ…」
完全に詰んでいた。まさか帰れないなんてことになるとは。
「え、じゃあ私たちどうすんだよ」
「はぁ…仕方ない。咲夜、空き部屋を二つ用意して」
「え?あ、はい、わかりました。」
「どうするんだ?」
魔理沙が意味がわからないというふうにパチュリーに問いかける。
「どうもこうも、泊めてあげるしかないでしょう」
……………え
「「「えぇぇ!?」」」
魔理沙と、三日月と、そして何故か咲夜も叫んだ。
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止める?停める?とめる?トメル?
今なんと言ったのだろうか。
「だから泊めるって言ったの」
泊める。宿泊という意味だろうか。
咲夜は完全に頭が混乱していた。泊めるというのか、この紅魔館に。
この二人を。三日月を。
「咲夜?」
「あ、あぁ!はい!お部屋ですね、かしこまりました」
一旦落ち着け、私。
咲夜は今日だけで一体何回取り乱せばいいのか。
部屋。そうだ、部屋の用意をしなくては。
部屋か。普通のでいいのだろうか。少しお高いベッドを用意した方がいいのだろうか。
そもそも三日月はベッドでいいのだろうか。布団の方が良かったりしないだろうか。
今の咲夜に、魔理沙のことなど考える余裕は無かった。
「あぁ後レミィにもこのことを伝えておいてくれる?」
「…ちょっといいベッドにしよう」
「咲夜?」
「あ、あぁ!はい!」
まただ。いけない、仕事をしなければ。
「では、お嬢様に報告してきます」
咲夜はそそくさとその部屋から逃げ出すように出ていった。
心臓はいまだに尋常じゃないほど鳴っている。
まさかこんなことになるとは。
予想もしていなかった。
三日月がここを訪問し、さらには泊まっていくだなんて。
「…」
今は一旦忘れよう。
咲夜は煩悩を振り切るように早足でレミリア・スカーレットの元へ向かった。
「お嬢様、よろしいでしょうか」
「咲夜?ええいいわよ」
レミリアの部屋に着いた咲夜は、ゆっくりとドアを開けた。
「どうしたの、何かあった?」
「はい。それが、」
咲夜は今までの出来事を出来るだけ細かく伝えた。
「なるほどね。いいわ、滞在を許可する」
レミリアの承諾を得た。
「ありがとうございます。では、私はお部屋の準備をしてきます」
「えぇ」
浅く礼をし、部屋から立ち去る。つかつかと廊下を歩きながら考える。
部屋の準備と、後は夕食も作らなければならないだろう。
…何を作ろうか。何か得意料理を…
いやいやいやと頭を振る。何を張り切っているんだ、私は。いつも通りでいい、いつも通りで。
「…」
やっぱり、好きな食べ物でも聞いておこうか。
咲夜はここ最近で一番と言っていいほど悩みに悩んだのだった。
いかがでしたか?
楽しめていただけたでしょうか。
異変については少し進展したかなくらいですが、長くならないかが今から心配です。
次回もぜひ読んでいってください。
では!