宇宙戦艦ヤマト2202 If 猛虎咆哮す   作:モアンゴル

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これだけ書いてもまだヤマト帰還から1ヶ月も経ってなかったのか………。


第十二話 猛虎開会せり その1

【第12話】

 

 時に、西暦2200年。

 

ガミラス帝国との星間戦争により、一時は存亡を危ぶまれた地球人類は

国連軍極東管区の宇宙戦艦ヤマトの活躍でもたらされたコスモリバースシステムを使い

ガミラス帝国に汚染された地球環境を人類の生存可能レベルに回復させることに成功、

辛うじて絶滅を回避した。

 

人類は、ヤマト搭載の異星のオーバーテクノロジーで設計された次元波動エンジンを活用、

当座の避難場所になっていた地下都市のエネルギーの補充を行い、

暫時の生活基盤を確保するとともに本格的な地上復員・地表復興の下準備を開始する。

 

 

 

これは、ヤマトが中東管区に最後の給電支援を行い同管区を出航した2200年2月12日から

一週間後に、国連極東管区地下都市・国連軍司令部ビルにて開幕する話だ。

 

 

「報告します。宇宙戦艦ヤマトは一昨日に富士宇宙軍港仮設錨地へ入泊、技術部と南部重工ほかの

 技師による整備調査を受けたところ、若干の部品損耗が認められたとのことです。」

 

「うむ。帰還後即2ヶ月近く追加行動をとったのだ。当然と言う他ないな。

 いつ、再度の出動があるかわからぬ。可及的速やかに復旧するように。

 修船部門にはこちらで話を通しておく。」

 

「はっ!」

 

芹沢は司令部にて部下から帰投したヤマトについて報告を受け、対処を命じる。

そんな彼に対し藤堂行政長官が話しかけてきた。

 

「ご苦労、芹沢軍務局長。」

 

「長官。……いかがなされましたか?」

 

「あぁ、()()()がいよいよ本格始動する。準備を手伝ってもらえるかね?」

 

「了解しました。」

 

芹沢は例の件、すなわち地球の全管区の首脳間で行われる遠隔会議の本格的な準備が

始まったことを聞かされ、気を引き締めた。芹沢が未来の記憶と知識と持っているとはいえ

実際に知りうるのは2202年末頃からの数か月分のみである。

それ以前、2202年までの出来事は断片的にしかわからない。

つまり、芹沢は結果は知っているものの過程は知らない。

芹沢が下手に行動を起こすと知らず知らずに過程を変えてしまい、

未来視と異なる結果になりうる。それも芹沢に、延いては地球に望ましくない形に……。

 

(……間違いなく、円滑に地球の統一政治機構を造れるか否かが今後に大きな影響を与える。

 ……各国首脳、後の地球連邦政府の閣僚となる人物とのパイプは作っておきたいところだが…

 ……性急に動くのは上策と言えぬ。ともかく今は会議の成功に全力を傾けるとしよう。)

 

脳内で行動指針を練りつつ、芹沢は藤堂に伴って会議室へ移動した。

 

 

 

 

極東管区本部ビルの会議場に、行政・軍務両局長以下関係人員が揃い踏みする。

メンバーは主に、他管区との折衝を行ってきた人間が占めている。

 

「現在は、各管区のエネルギー事情も好転し、配給・医療などの状況も2194年時に匹敵しています。

 これに伴い各管区の暴動も沈静化、治安も回復しました。」

 

「エネルギー供給への心配がなくなったため通信もほぼ復活、

 現在はリアルタイムで各管区の動向が把握できるようになっています。」

 

「どれもこれも、ヤマトのおかげですな。」

 

ヤマトによる給電完了後の各海外管区の情勢が先んじて共有される。

どの管区も、エネルギー危機の解消により問題をある程度は軽減することに成功し、

不自由は残りながらも差し迫った生命に関する危険に市民が晒されることはなくなったようだ。

藤堂は感慨深そうに頷きながら、会議場の各位へと語りかける。

 

「……各管区の市民が窮状から救われたのは実に喜ばしいことだ。

 その成功の立役者であった諸君ら我が極東管区国連軍職員には感謝の言葉もない。

 ……だが、我々はそれに満足せず、地球人類をよりよい明日へ導くべく

 さらに一歩、前へと踏み出すべきである!」

 

「「「ハッ!!」」」

 

芹沢以下会議場の面々は気合を入れた応答を藤堂へ返すと、

各国連管区首脳会議の事前準備会議が始まる。

 

 

「会議の内容は、いうまでもなく今後の人類全体の活動指針をどこへと置くか、

 またその活動方針に沿った諸事への意見調整であります。」

 

「我々極東管区が掲げる人類の活動方針としては、藤堂長官の発案を基にした国際連合に代わる

 新たな全地球的政治機構の建設を第一に行い、しかる後に地表の再開拓及び地上への復員を

 目指すというものになります。新政治機構については対ガミラス戦において各管区も必要性を

 理解していると見られ反対意見はないものと考えられます。」

 

「今のところ、予想される他管区が提出する対案として、政治機構の創生と地上への復員を

 同時並行で行うというものなど、幾つかありますが、現状の地球の生産力、マンパワーなどの

 視点から考証して先述の我が管区の提出予定案が最も妥当であるといえます。」

 

「また、我が管区のヤマトや輸送航空隊などによる支援は我が管区に対する海外管区の心証を

 高めているといってよく、提出案を他管区に承認してもらう上で強みになると思われます。」

 

職員たちの報告を聞きながら、手元のデバイスに送られているデータを見ていた芹沢が発言する。

 

「……では、優先的に新政治機構設立を行うという極東管区提出案については

 懸念はないとして……問題は、その新政治機構をどのような形で造るか、という点にあるのだな?」

 

「はっ、仰られるとおりであります。」

 

「ふむ……」

 

浮上した問題に藤堂は腕組みをして考え込み、芹沢は唸りつつ左手の指で顎をつまむ。

芹沢は、未来視によって地球連邦が旧管区に縛られることのない組織になっていることを

知っているのだが、如何にしてそのような組織にできたのかはあまり把握できていない。

取り扱うことがことだけに、流石の芹沢も不用意な先走りは許されない。

 

「……まぁ、いいだろう。そこは後々詰めていく話だ。何も首脳会議は一度きりで終わるわけではない。」

 

藤堂は息を吐きながら言った。

 

「……それに地球人類はガミラスとの戦争で甚大な打撃を受けた。管区に関わりなく、だ。

 今後地球統一政治機構が建設されるとしても、人材の絶対的不足から特定の管区が

 力を持つようなことはありえまい。むろん、我が極東管区もその例外ではない。」

 

「仰られましては、確かに。」

 

藤堂の言に幕僚たちも賛意を示す。確かにガミラスの攻撃により人類は大打撃を受けた。

物的・人的損害は計り知れないほどに、である。しかしそれは今まで人類間で支配的だった

勢力にも大きな痛手を与えた側面もあった。何せガミラスの攻撃は無差別だったのだ。

結果的に海外管区間の勢力格差がある程度解消されたこととなる。喜ぶべきかは別として。

 

藤堂はそのことを根拠に決して有力管区が幅を利かせ、制度硬直になりつつあった国際連合の

二の舞に新政治機構がなることはない、と言ってのけたのだ。

 

「……ともかく、基本方針のほうはこれで決まったと見るべきだ。

 続いて、新政治機構設立に付随する諸案件に対する議論を行う。長官、よろしいですか。」

 

「うむ。」

 

こうして、極東管区においての首脳会議対策は熟議を重ねられていった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、同様に海外管区群も次世代の地球のヴィジョンを独自に描き出していた……。

 

 

北米管区。

がっしりとした体格の初老の白人男性が、黒人の補佐官から報告を受け取っていた。

 

「……我が北米管区は大被害を受けましたが、必ずや復興します。この会議はその一助となりましょう。」

 

「……そうだな、Mr.ブラウン。我々は不屈だ。先人たちに恥じぬ働きをしよう」

 

 

欧州管区。

三人の分管区行政長官が電話で連絡を取り合っていた。

 

「……極東管区の調査隊によって、我が管区の鉱物資源が復活していることは判明済みだ。」

 

「……わけのわからない現象ではあるけれど、結果が伴っているならそれに越したことはない」

 

「……一刻も早い地上復員が望ましいですわね」

 

 

東亜管区。

東洋龍の壁掛けが掛かる行政長官執務室にて、長官が来客と語らっている。

 

「……正直なところ、我が管区の体制は変革が必要だ。そのための助力をお願いしたい」

 

「……連邦時代から続く地方分権を捨てなさるか。ふふふ、面白くなってきたじゃないか」

 

 

アフリカ管区。

少々メンテナンス不足の高架道路上を行く公用車中で管区の高官らが話している最中だ。

 

「……すでに旧先進国管区の力は失われた。我々の巻き返す好機だな。」

 

「……それはいいが、重要な問題があるな。…それは……」

 

「我が管区が、旧先進国管区と同等以上に疲弊していることだな」

 

 

中東管区。

とある暗室に、スーツや民族衣装を着た老紳士たちが集い意見交換を行っている。

 

「……すでに聖典の教えが絶えて久しいが、これこそまさに……」

 

「神の恵み、か。だがエネルギーに関して石油はもはや役に立つものではない」

 

「……ヤマトの波動エンジン、あれを複製できぬものかな……」

 

 

 

 

 

そして2200年 三月一日、オンライン上にて各管区の首脳陣による会議が始まった……!




ひ、頻度を……もっと投稿頻度をあげられんのか……!?


申し訳ない、厳しいです。(土下座)
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