【第77話】
「敵艦隊です、提督!」
「……随分と遠いな。敵の種別と数は?」
彗星帝国軍第七機動艦隊旗艦、空母「バルゼー」艦橋にて。
副官ヴィルホが艦隊前衛部隊から届いた「敵艦隊見ゆ」の報を
意気のこもった声で伝える傍ら、艦隊司令長官バルゼーは唸る。
彼の内心に頭をもたげたのは、ある疑念であった。
敵艦隊の出現そのものに対しては、さしたる驚きはない。
先遣隊が跳躍阻害装置を用いた伏撃で殲滅されたとする事例を鑑みれば、
第七機動艦隊司令部にとって想定内の出来事だ。
その上で、敵艦隊の発見された空間にバルゼーは着目する。
敵が布陣しているのは、最初に第七機動艦隊を強制転移させた後
前進した艦隊の前衛集団によって破壊された阻害装置の近傍ではなく、
その奥__より第六惑星(土星)軌道に近い空間に設置された
別の阻害装置群の傍らだ。どうやら、装置を守る格好で展開しているらしい。
(第一の阻害装置はあくまで我が艦隊を第七・第六惑星軌道の間に
強制転移させるためのもので、我らをこの場に留め続ける役割を
あちらの阻害装置が担っているという訳か。)
バルゼーは、上級指揮個体ゆえ製造時から片鱗として与えられ、
幼生体の頃に賜った先代からの教えと幾多の実戦で培ってきた戦術眼で
手元の情報を素早く統合し、敵の狙いを読む。
(ならば、我が第七機動艦隊が転移した時に攻撃してこなかったのも分かる。
前哨戦では一つしかない阻害装置を確実に守るために先遣隊の転移直後に
攻撃を行ったのだろうが、装置が複数あるならば圧倒的優勢な我らに
無理な攻撃する必要はない。一群の装置を守れば我らの足止めができる)
思考を進めると共に、バルゼーの口端は吊り上がった。
(だが言い換えれば、我々を留め続けてこの防衛線を維持するには、
最低一群は阻害装置を守り続けねばならないということでもある。
艦隊が張り付いて守るあの装置群がこの宙域における最後のものだな。
その後方にまだあったとしても、護衛がやられては意味がなかろう。)
元より、第七機動艦隊の任務は本隊・白色彗星の
即ち敵の敷設した障害物の破壊と敵宇宙艦隊など機動戦力の撃滅にある。
目標と見做した存在が眼前に現れた以上、バルゼーの選択肢は見敵必殺以外にない。
そこに、艦隊の前衛から続報が旗艦に届けられ、ヴィルホが内容を読み上げる。
ちょうど、バルゼーが口にした疑問に答えるものとなった。
「第一集団の報告によりますと、
動力
波紋形状の大小から判別するに、"戦艦"36、"巡洋艦"81、"駆逐艦以下"多数、
反応総数はなお増加中とのことです!」
「フム……」
報告を聞き終えると、バルゼーは眼前に投影された情報ウインドウを覗く。
第七機動艦隊の舳先が向けられた遥か彼方に展開する地球艦隊の戦力は
前衛集団による観測結果から大小の艦艇約250隻と想定されていた。
(この銀河に展開していたガミロンの艦隊がゾル星系に集結したことは既に判明している。
数はおおよそ2500といったところだったか。それがこの場にいないということは、
後方か、あるいは我が艦隊の探知圏外で待機しているのだろう。)
事前情報と照らし合わせ、バルゼーはいまだに不鮮明な敵の出方を推し量る。
(……となれば、彼奴等の思惑としてはテロン艦隊で我らを抑えつつ、
ガミロン艦隊が側背から旗艦、司令部を叩きに来るといったところか。
最後の先遣艦隊からの報告にあったものと同じ戦法だな)
現状のガトランティス軍が入手出来ている情報から、司令長官は敵の企図を断定した。
戦力の大小は、戦場における選択肢の多寡に直結する。
テロン・ガミロン連合軍のおよそ10倍の戦力を誇る第七機動艦隊を打破するには、
他に手があるとも考えにくい。___あくまで、現時点での情報を基にして、だが。
(それにしても、同じ"前衛"であろうに、随分と格差がある。)
敵艦隊がいる前方空間を凝視しながら、バルゼーは嘲りをにじませた笑みを浮かべる。
この宙域で相対しているのは、双方とも両陣営において前衛にあたる艦隊。
だが、その戦力差は隔絶していると言って良いものだ。
地球艦隊の250隻に対し、第七機動艦隊の戦力は2万5千と数十隻でおよそ100倍。
さらに質的にも自軍側が有利であると、バルゼーは確信している。
銀河辺境のガミラス浮遊大陸基地を占拠した前衛艦隊が全滅する前に送ってきた
報告によれば、地球軍の艦艇は大半がガトランティスの"駆逐艦"に相当する程度の
艦体規模であるとされ、第七機動艦隊の殆どを占める"大戦艦"とは戦闘力的に
大きく水をあけられている。
(
"自民族の居住星系を防衛する上での義務"という名目だろうか、
地球艦隊は大損害が見込まれる先鋒にして壁役を盟邦から押し付けられたのだ__
バルゼーはそう推測し、「無駄なことを」と言わんばかりに目を細める。
前衛の
尖兵たる第七機動艦隊と、後続する主隊・白色彗星に滅ぼされることに変わりない。
「鎧袖一触だな」
第七機動艦隊司令官・バルゼーは自信を湛えた笑みを浮かべ、断言する。
彼の艦隊は現在、準戦闘速力で転移位置から恒星系中心へ向けて航行中だが、
これを最大戦速まで加速し、一挙に火力と質量を地球艦隊へ叩きつければ
その薄い封鎖陣をあっという間に食い破るだけでなく、
ガミラス艦隊が狙っているであろう第七機動艦隊の最後部に位置する旗艦部隊、
即ち指揮系統への迂回攻撃を躱すことが可能である、という目算を立てていた。
奇襲さえ躱せば、あとは戦力の優位性を以ってガミロンを磨り潰せる。
バルゼーは直ちに麾下艦隊に最大戦速での突撃を命じるべく、手を振り上げた。
だが。
「提督!第一集団より敵艦隊を光学にて確認したとのこと!」
「むぅ!?」
彼の動きは副官ヴィルホの注進によって遮られた。
副官は報告に前後して操作盤を叩き、上官の目前にウィンドウ画面を展開させる。
画面に映るのは艦隊前衛部隊が望遠捕捉した地球艦隊の陣容であり、
そこには艦隊の最上位者であるバルゼーの命令を中断させるに足る、
火急で伝えるべき"重要存在"の姿があった。
「……これは……『
さしものバルゼーも目を見開く。
彼は、ゾル星系進攻作戦が始まった頃、帝星中枢にて大帝に謁見した際に
"諜報記録長官"が列席者に見せた各種の戦闘記録にて、その姿を見た。
星をも砕く絶大な威力を誇る"大砲"を艦首に備えた宇宙戦艦だ。
地球艦隊の旗艦となっているのだろう、隊列の中央に陣取り、
周囲の艦とは大きさも、艦容も異にしたその艦は見間違えようがない。
艦首に空いた"大砲"の砲口も、相変わらず健在である。
「奴は今、テレザートからの帰還途上にあるはずでは……!?」
傍らにいるヴィルホも、冷や汗を浮かべながら言った。
バルゼー艦隊が現在得ている情報では、当該地球戦艦はゾル星系に存在するはずがない。
「ヤマト」は第八機動艦隊を退けた後、大胆にも単艦でテレザート星へ向かい、
彗星帝国屈指の精鋭であるゴーランド艦隊やザバイバル陸戦軍団を含む阻止部隊を
排除して同惑星を解放し、今頃は白色彗星を追ってゾル星系に向かっている最中と
考えられていた。
「……同型艦かもしれんな」
バルゼーはすぐに、眼前の「ヤマト」の正体を推察した。
これまでの戦闘から得られた戦訓では、対峙した地球艦隊の中に「ヤマト」と同じ
"大砲"を装備した艦はいなかったため、第七機動艦隊司令部、ひいては帝星上層部は
半ば必然的にゾル星系の敵、特に地球艦隊の中に"大砲"装備艦は存在しないと結論付け
作戦計画を立てていた。客将としていたガミラスの元総統・デスラーから得られた
"大砲"の開発がガミラスの技術力を以てしても困難であったとする情報も、
その推測を裏付ける材料となった。
つまり、「
これがバルゼー艦隊のゾル星系侵攻作戦における前提認識となっていた。
先ほどまでバルゼーが立てていた作戦もこれに基づくものであるため、
"前提"が覆された以上、話は大きく変わってくる。
(馬鹿正直に真正面から突撃してくれば、大砲で艦隊を丸ごと「串刺し」にされる。
"大砲"搭載艦の存在という新情報を得て、バルゼーは脳内の作戦案を抹消した。
万隻、千隻と大戦力で畳みかければ敵陣突破は不可能ではないが、
艦隊が釘付けにされて足踏みしていればガミラス艦隊が急襲してくるのは明白だ。
敵の"大砲"を封じつつ、速やかに地球艦隊を突破しなければならない。
ここで、バルゼーはある考えに思い至った。
「……大帝より賜った、新兵器を使うとしよう」
「ハッ!!」
鸚緑色の肌の猛将は艦橋の窓から、空母「バルゼー」の甲板を見下ろすのだった。
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「敵旗艦と思しき巨大空母より艦載機が発進した模様!__数、80!」
地球連邦防衛宇宙海軍・第二連合艦隊の旗艦「ムサシ」CIC(第二艦橋)に
詰めていた
丁度、艦列を予め計画されていた迎撃フォーメーションに組み直した矢先のことだった。
「小手調べといったところか?」
CIC最上座・指揮官席の2CF司令長官マーカス・J・パエッタ中将は唸るが……
「……いえ、そうではなさそうです」
それに対し、同参謀長ワイアット・G・ロバーツ少将がモニターを凝視しながら答えた。
ロバーツは、I級・M級艦長、旧欧州管区宇宙艦隊司令部員を歴任し、
現場と後方作戦立案部門の両方を知る地球軍で数少なくなった士官である。
一連のガトランティス迎撃作戦の策定などにおいて司令長官を支えていた。
彼の見る画面には敵艦隊の旗艦と推定される1km級の白い超大型空母から
発進した"艦載機"を、
その形状はまるで"
敵の異様な姿を見るや、ロバーツは瞬時に敵の意図を察知してみせた。
「これは、
おそらく敵は、正面から艦隊を突撃させた場合、『ムサシ』の波動砲によって
甚大な損害を受けると考え、先んじて排除を試みたものと推測されます。」
「通常の艦載機ではなく、わざわざこんなものを出してきたとなると……」
「はい、こちらの波動防壁を突破する手段を有しているものと思われます」
ぬぅ、と危機感を表情に出したパエッタに、険しい顔でロバーツも返した。
彼我に距離があるとはいえ、出撃した敵の"剣"は相当の速度で迫りつつある。
早急な対処が必要なのは火を見るより明らかである。
「『ムサシ』一艦に80機……80隻とは、高く買われたものだな」
パエッタのすぐ前にある情報モニターには、画像から推定された
"剣"の性能諸元が示されている。全長はなんと百数十mと、艦艇クラスだった。
艦載機の枠組みを大きく超えており、長官は言い直したのだ。
そんな彼に、ロバーツが具申半ばに問うた。
「旗艦を下げますか?」
「現位置を維持せよ、士気に関わる。
……早めに隊列を組み変えておいて幸いしたな。全艦、対空戦闘用意!」
危険は承知で、毅然と返すパエッタ。
そしてそのまま、二連艦全体に迎撃命令を下した。
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「そう来なくてはな」
CICに居る二連艦司令部から下された「旗艦不退転」の命令を、
「ムサシ」艦長・尾崎徹太郎は不敵な微笑と共に受け取った。
2CF司令部が受け取ったデータは艦隊各艦に共有されており、
迫り来る敵特攻艦の情報を尾崎もまた把握している。
全長百数十m、回転砲塔2基装備、そして、波動防壁中和能力を有すると推測……
推定されたデータだけでも極めて危険な敵が、連合艦隊の旗艦で波動砲を持つ
宇宙戦艦「ムサシ」に殺到してくると予測された。
ヤマト級二番艦「ムサシ」は、一番艦の艤装・武装をほぼ完全に
踏襲しているため、敵の剣型特攻艦に対して有効な武装が少ない。
新造艦や改設計艦が装備する5インチ両用速射型
中・長距離で敵大型機や小型艦艇への接近阻止を想定した兵装は
前後各1基の8インチ三連装副砲と艦各部の空間魚雷・ミサイルに限られ、
しかも前者は高機動性を有する敵への追随は困難で、後者も射角などに
制約がある上に発射後は再装填に要するタイムラグが存在している。
だが尾崎艦長は、自軍が構築した艦隊対空防御に信頼を置いている。
綿密に、重層的に設計された探知・迎撃システムは、同じような状況を想定した
事前演習・訓練で最終的に完璧に近い防御率を叩き出していたのだ。
「ムサシ」単艦で対処できないなら、艦隊全体の力で対応するまで__
尾崎大佐は、乗艦の直面する状況が姉妹艦と異なることを熟知していた。
「対空戦闘用意。無人艦隊が撃ち漏らした敵をやる。電測は警戒を厳とせよ」
特殊な製造過程を持つガイゼンガン兵器の一種であり当戦場で初見参の
自滅型突撃艦80隻が出撃するより少し前、地球艦隊は隊形を変更していた。
第七~第十一艦隊がそれぞれ並んだ横列陣であることには変わりないが、
81隻の改FE級無人宇宙
上下2列の無人艦群は艦底部を向け合うように、上段列の艦はそのまま、
下段列の艦は上下180度横転した状態で、二重の単横陣を形成している。
この迎撃フォーメーションをとることによって、無人宇宙
VLSミサイル火力を前面上下方へ効率的に投射可能となるのだ。
無人艦の"盾"を構えた二連艦に属する、他の艦艇群も迎撃準備を整える。
隊列最後方に陣取る改FE級無人軽空母は、ミサイル艦の攻撃を掻い潜った
敵特攻艦に備え、これを迎え撃つに足る機動力と火力を有している
二式無人空間戦闘攻撃機「コスモレイブン」を即時に
状態で待機し、旗艦以下の有人艦部隊も対空兵器での即応態勢へ移行した。
斯くして、"
万全の守りを固めた地球艦隊に、正面から挑みかかることとなったのである。
「__敵特攻艦、無人打撃艦の射程に入ります!」
「よろしい、迎撃開始!」
オペレーターの報告を聞き、パエッタ中将は吼えるように下令した。
奇しくも敵特攻艦とほぼ同数の無人
攻撃開始命令が入るやすぐに、友軍艦や僚艦と共有されたデータに基づき
各艦が迫る敵に照準を割り振り、1隻3発、計243発のミサイルを射ち放った。
上方・下方に向けられたVLSの蓋が開き、噴煙と共に飛翔する迎撃弾。
対するガトランティス特攻艦は、母艦である超大型空母から
「飛行甲板を一部の船体ごと
遠心分離機の要領で露天繋止されていた甲板から母艦周囲へ離艦する」という
特徴的な方法で発進した後、遠心分離で投げ出された方向へ加速し
地球艦隊から見れば花開くように拡散、敵艦隊周辺を通過していた。
そして今度は、地球艦隊旗艦で"大砲"を有する「ムサシ」がいる隊列中央へ
咲いた花の花弁が閉じるように、収束するような動きを見せてきている。
横から見れば、それぞれが長大で緩い曲線を描くような機動であった。
狙いが明白な敵の動きはそれだけに軌道予測がしやすいため、
発射されたミサイル群は真正面から出迎えるように敵艦を捉える。
当然ながら、特攻艦も黙ってはいない。"剣"の柄に相当する箇所に装備した
輪胴速射砲塔からビームを放ち、ミサイルの阻止を試みる。
この"ラッキーパンチ"で墜とされる迎撃弾もないではなかったが、
元より3倍の弾数である。大多数のミサイルは忠実にその使命を果たした。
炸裂するミサイル群。
2世紀半ほど昔に生まれ、時折創造主らを脅かしてきた由緒正しい弾頭は
遠く離れた盟邦の技術を取り込んで進化を遂げ、威力は一級品である。
天体級熱量の融合反応を至近距離に受けてタダで済む宇宙船などほぼいない。
ガトランティス特攻艦部隊は大半が標的の遥か前方で消失する。
ミサイルの早爆という幸運に助けられた例外も、
継ぎ間なく放たれた追撃で時間を置かずに僚艦の後を追うこととなった。
地球艦隊の戦術補助AIは、敵艦の迎撃兵装の存在の報告や
演習時のミサイル命中率データからある程度の撃ち漏らしは予測しており、
それを受けた司令部が第一撃の後も油断なく"次"を備えたのが功を奏したのだ。
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「攻撃部隊、全滅した模様!」
初撃として送り込んだ期待の新兵器が全く戦果を挙げぬうちに
退場したという報告を受けてなお、バルゼーは泰然とした表情を崩さなかった。
「この程度はやってくれねば、我らの武名が上がらぬからな」
第七機動艦隊の攻撃は、これで終わりではない___
その意を強く込めて、バルゼーは嘯く。
確かに新兵器の自滅型突撃艦は無為に喪われたが、艦隊主力は無傷のままだ。
元来、バルゼーが得意としているのは怒涛の攻勢による敵の圧殺戦術であり
2万5000隻の大戦艦があれば、それは十分に実行可能である。
しかも、地球艦隊の"大砲"の封殺にもほぼ成功したようなものだ。
何故なら、成否に関わらず攻撃を行ったことは、地球軍に対して自軍が
大砲について情報を得ており対策する意図がある、と知らしめることになり、
敵の"大砲"の使用に掣肘を加えることに繋がる。
それでも敵が大砲を使用してきた場合は、各隊の旗艦・制御艦を射線から避退させ、
損害を無人の戦列艦のみに留め、艦隊運用系統の維持を図ればよい。
いかに高威力の大砲とて、2万を超える艦を一時に屠ることは不可能だ。
さらに大砲の攻撃の兆候は、敵の動力反応を確認すれば捉えられる。
充填には相応の時間が必要であると考えられ、隠蔽することも難しいはずだ。
充填中にできた隙を突き、撃たせるまでもなく撃沈できよう___
こうしてバルゼーは、当初の敵陣急速突破に立ち返ることを決め、
自滅型突撃艦を発進させた直後から指揮下の艦隊に増速を命じていた。
(どこまで食い下がれるか、見物としよう)
鸚緑の船体色をした無数の宇宙戦艦は、猛然と加速を続けた。