ジャッジメントですの!に転生したけど おねぇさまぁ!した方がいい? 作:ゆうてい
アンケートおねげぇしやす。
ついでに、お気に入りとここすきと評価も10でおねがセイヤッ!
そげぶっ!
3
『現在』の、病室の食蜂操祈は帆風の前にも関わらず、ふふふと笑ってしまった。不思議な子だね。みたいな目で見られたが、帆風に限ってそんなことはないと信じる。
笑うとその度に、夏の暑さで汗をかいてしまう。悲しいことに、持っているものはあまり揺れない。
帆風の料理を楽しんだ彼女は、いつもなら学生寮に戻る時間だが、今はここがマイホームなので帆風にお別れの挨拶をして横になる。
そしてまた、思い出す。
あれはひどい『出会い』だった。
きっと、人間関係の中に彼が入り込んできたのはもっと前だが、明確に周りからも認知されてしまったのはその時だっただろう。
4
…………夏季都市水害防止プログラム。それは毎年やる、水害に対する訓練、もしくはテストだったりする。
『うううう、なんなのよぉ、これぇ』
第7学区。ホームグラウンドとも言える、学園都市を代表する街並みの広がる学区だが、今は見る影もなかった。膝の高さまである水は、食蜂には高かったらしく、水の前で立ちすくんでいた。荷物は、ビニールを被せただけのいつものハンドバッグに入れていたが、問題はそこではない。これは、簡単に言えばプールなので泳ぐことのできない彼女には酷だろう。
『これやる! 一緒に潜ったら絶対に楽しい‼︎』
『えー? 防水機能付きハンドミキサーで何するのよ』
『もしかしたら速く泳げるかもよ!』
『あんた、日本代表としてどうなの?』
『いやいや、いつもはちゃんと泳いでるから!』
きゃーきゃー言いながら小さな子供達があちこちを走り回っている。一回、聞き捨てならないことが聞こえたけど、多分気のせい、ハンドミキサーを試そうなんて思っていない。これは家に帰って作るお菓子用だから!
じょおぉ!!! じょぉぉ!!
『あれ、意外に進む?』
別に、地下街を通らなくても街は移動することができる。ただ、最短ルートはどこかと聞かれるとここなのだ。
まして、この猛暑を耐え抜くことなど、ここ以外の道では出来ない。エアコン最高、冷たい水最高。結局地下街を通るのである。
彼女の服装は水着だ。最初からここを通ると決めていたので、見栄張ってしまった。もちろんここからバスに乗ることもできるが、水着である。もちろん電車も乗れるが、水着である。
夏休みの1日。ほんのちょっと買い物に出かけて寮に戻るだけでソフトクリームのように溶けてしまう。周りではきゃーきゃー叫んだり、浮き輪やボールで遊んでいる子供や大人。大人も遊ぶんですか? そんな人たちとは違い、食蜂操祈の周りだけ『逆スポットライト』のように世界が暗かった。
と、そこへ足音が聞こえてきた。人混みの中なのに、なぜかそれは不思議と彼女の耳に響く。
『あれ…………? お前、階段の真ん中でぐったりして、何やってんだ? 熱中症とかじゃないよな?』
『…………黒子ちゃんの奴隷男』
『上条当麻様だよ知ってんだろキンキラ小娘』
『食蜂操祈様よぉ……‼︎』
なんとなく、ここで全力で否定をしておかないと、黒子や固法先輩に今後一生のあだ名として呼ばれてしまいそうな悪寒に襲われ、即座にキンキラ少女は叫び返していた。
『そーいや、しょくほうってどんな字だ? 食品サンプルの食に宝とか? それとも色に奉仕の奉とか?........え、なんでそんなに全体的にしんなりしてるわけ?』
『どっちも違うわよぉ、なんで1ヶ月も知り合いなのに知らないわけ!?』
『いやいや、教えてもらってないし、連絡先もひらがなだし』
あ、そうだった。私の漢字が全く出てこなくてひらがなにしたんだった。
これはどちらの責任?
判決を下す。
有罪 上条
よっしゃぁああぁあぁあ!!!!
『私の脳内裁判ではぁ、あなたの責任よ?』
『何言ってんだ、俺の脳内裁判じゃお前の責任だよ』
『はぁ!? どこが!? 説明しなさいよ!』
『全部だよ! お前が教えなかったんだろ!』
『はあ!? 聞いてこなかったあなたが悪いんでしょ!?』
『なんだとぉ!? —————』
プルプルプル プルプルプル
《すみません、地下街で痴話喧嘩してるカップルがいるんだけど、俺が通れなくて困ってんだ》
《そうですの、もしかして金髪とツンツンだったりしますの?》
《そうだよ。ほんっとうにけしからん! あんな格好で! うぃへへ》
《ついでにあなたも拘束させていただきますの》
ガチャ
おい!なんだこれ!おれは上級国民だぞ!拘束なんてしていいと思ってんのか!?政府に言いつけてやろうか!それとも理事会がいいか!?おい!どうにか言ったらどうなんだ!
『上条さん』
『なんだ食蜂』
『あんな人にはなりたくないわ』
『ああ、喧嘩なんてやめようか』
『がっ、がぼ………⁉︎』
とくに人に押されたわけでもない食蜂は、滑って水に落ちていた。無闇に手足をバタバタ振り回すが、ハンドミキサーを全開で回すが、何かが良い方へ行くことはない。まるで、車輪型のおもちゃの中で走りまくるハムスターのようだ。そうこうしているうちに、身体中の酸素が別のものに変わり果てていく。頭の中が、とてつもない熱に苛まれる。
『ああもう‼︎』
そんな、人を憐れむ声が聞こえた気がした。
すぐに、巨大な気泡の塊が突っ込んでくる。それは水中でもがく食蜂の細い腕を掴み、そのまま一気に水上へと引きずり上げる。
黒子の奴隷こと上条当麻だった。
『げべっ! ごぼっ‼︎』
涙目で咳き込む美少女に、そいつは至近距離から叫ぶように言った。
『黒子達から聞いた通りだな!ここ、水深1メートルもないから!膝までだぞ!?子供用のプールで溺れてバイトの係員を困らせる人だったんだなアンタ‼︎』
『う、うるさいわねぇ…………』
はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁパァはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁにゃあはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁあらまぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ
『だ、だいじょうぶか?気分悪いか、待ってろ民間の即応救急呼ぶから。いや、俺風紀委員だったわ、背中乗れ』
『だいじょうぶよ! わたしはがっこうでたいいくのせいせきいちいだったんだもん!』
『呂律が回ってない。すぐにいいとこ連れてってやるからな。っていうかその成績は改竄したんだろ』
頭の先までずぶ濡れになった食蜂操祈は全身を真っ赤にして、そのまま上条当麻の体にガシイ‼︎と抱きついた。
『おいおい、少しキツイぞ?』
『ふん、水に浮かび上がるのがそんなに偉いわけ? カエルの真似事するのがそんなに勝ち組なワケェ!? 陸上生物の人間がわざわざ無理してまで水中を進む技術なんてもの作るから、私みたいな
『お前元気だろおい!』
『ふんっ! たまたま黒子ちゃんに教えてもらってなかっただけだし!他のことはなんでも出来るし!』
『あっそう、なんとなく黒子が凄いってことはわかったぞ。ってだから、なんでそれが俺の首を絞めるほど強くおんぶする必要があるんだよ!お前健常者だろ!?』
『もうこうなったら私のプライドにかけて流れるプールのようになった地下街を通る必要があるのよ、でも浮き輪なんかに頼ってちゃ無様だし、それなりにエレガンシィーな見栄えを用意する必要があるからよぉ』
ようするに、実は水深1メートル未満のプールで溺れる笑える食蜂操祈嬢という目撃談を抹消し、ちゃんと水の道は進めまっせぇ!というアピールをしなければならないのだ!
そのためには両手を掴んでもらいながらバタ足ではなく、男の手を取って優雅にプールを進む格好にするべきなのだが、これでは水が怖い妹のためにおんぶをしてあげる良きおにぃちゃんになって、上条の好感度上がってしまう。だが、そんなことを考える暇のない食蜂は気づかない。
『いや、当たってるから!なんかさっきからお前のが背中に当たってるから!』
『ほんっとにうるさいわねぇ!きゃあ!揺らさないでよ!こっちは揺れて揺れてそれどころじゃないのよぉ‼︎』
『たとえどんなに慎ましくても、女性の象徴は女性の象徴なんだぁ‼︎』
『なぁんですってぶごばぁ!』
食蜂の鼓膜を破りそうな叫びが途絶えたのは、彼女の顔の真ん中にイルカの浮き輪がクリーンヒット、激突したからだ。
少し離れたところにいる、結構奇抜なファッションの黒髪ロング少女が、あまりにも見事に無様な食蜂を目の当たりにして、ぶっふぉぉ!!と腹を抱えて笑っていた。
そして、上条当麻の一声がトドメをぐっさりと刺した。
『はぁ、もー、またかよ。さっきも後ろからきた子に気づかなくて迷惑かけて、そりゃあんなに抱きついてたら避けれないだろ』
『あなたが避ければよかったんじゃないの!?』
『いや、俺はしゃがんだぞ?』
『ふふ、ふふふふふ。ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっふっふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ』
もう、食蜂操祈はなりふり構わなかった。
暗い笑みと共にバッグの中に手を突っ込み、無数の中から2つのリモコンを取り出し、ボタンを押しながら両手を振り回す。
『記憶を消去ぉぉ!!!私の無様力に関する記憶ぅぅ!みぃーんなしょうきょおおぉぉぉぉ!!!!!あははははははは!』
『おまっ!暴君すぎるだろそれは!』
ちなみにターゲットはこの場の全員だったが、上条の異様に早い対応で食蜂のコマンドを空中で打ち消していた。
『ちょっとぉ!それじゃ私の無様力がこの世に残っちゃうじゃない!』
『バカか!だからって人の記憶を消して言い訳がないだろ!?』
『ふんっ!学園都市のレベル5、心理掌握の食蜂操祈サマのお供を務めているんだから、それくらい見逃してよっ!』
『はっ!第5位がこんなんじゃ、他のレベル5もしょうもないやつばっかかもなぁ!』
『はぁ!? 私のどこがしょうもないのよ!しょうもないのは御坂さんだけよ!』
『そいつが誰かはしらねぇが、お前ほどじゃねぇだろうな!』
『むっきぃいいいい!あんなぺったんこよりも私の方がしょうもないわけがないでしょ!』
『はんっ!お前もそんなないだろうが!』
『なによ!じゃあ私をしょうもないぺったんこ人間に仲間入りさせようっていうの!?』
『んだと!?
『まじで言ってんの!?
『被ってんだよ俺の能力と!
『あなたが被ってきたんじゃないの!?』
『んなわけねぇだろ!あーあ、心理掌握なんてできてねぇんじゃねぇの?』
『ふっ! 今あなたが喋っている言葉は私が思っていた通りよ!』
『ふぅ。う、嘘だ、聞きしに勝る精神系最強の超能力者はナイスバディでバリバリのお姉様だっていううわさだったのに‼︎これも思い通りかぁ!?』
『それ私のこと初めて知ったときのセリフじゃない!っていうかお姉様でしょうがよぉ‼︎これでもクラスの中では随分と大人っぽいねの位置をキープしているのだから!』
『食蜂君』
地下街は急に静寂に包まれた。人々は皆、二人の会話に耳を傾けていたが、こんなにも静かになるのは初めてだった。上条当麻が立ち止まり、彼の口から発せられる言葉に、周囲の全てが注目した。不思議なことに、上条は優しい表情で言う。
『食蜂君、食蜂操祈君。私はね?たしかに先ほど、どんなに慎ましくても女性の象徴は女性の象徴だ、といった
『な、何よぉ!』
ゴクリと、この場の人間が唾を飲み込む。
『いいか小娘。前も言ったが、お姉様とは学生寮の管理人を務めていたり、エレベーターガールさんだったり、アナウンサーさんだったり、みんなの相談を聞いてくれるくらいの包容力あってこそのお姉様だ。その点、キサマのような小娘にはどうしても、明らかに足りないものがある。ここまで言えばわかるだろう?小娘、言ってみろ』
カップルの男どもは、「そうだそうだ足りてないぞ、俺の彼女みたいに!」などと言ってお相手にボコされているが、ソロの女性の方々は、「やっぱりそれが大事なのか!」と絶望している。
分かる訳がない。
怪訝な目を向け返す食蜂に、傍のツンツンツン男はこう言い放った。
『分からないのか?こんなギリギリな胸はお姉様サポートのギリギリ対象外だ。顔を洗って出直してこい』
『なぁんですってぇッッッ‼︎⁉︎⁇』
上条の腕や足にはナニかに噛まれた跡がバッチリ残っていたと言う。。。
原作文章にオリジナルを挟んでる。って感じになっちゃいました。原作の文章も変えてはいますが、自分の力じゃないって感じが丸見えですね。もちろん、上級国民とかペドキラーとかはオリジナルですよ♪
上級国民はやっぱ寒いですねぇ