相変わらずの低クオリティ、自己満足です。
1話のサブタイ変えました。
日がまだ登りきっていない早朝---
「まだ帰ってきてねぇのかよあいつ....ったく、誰が掃除すると思ってるんだか...」
俺はとある一軒家のひとつの部屋でそんな事を愚痴りながら掃除していた。
最初に言っておくとここは俺の家ではない。....決して不法侵入とかそういうのではなくちゃんとした事情がある。
簡単に言うと冒険をしている幼馴染の部屋をいつ帰ってきても楽に過ごせるようにしてやっているのだ。
この部屋の主、エリンはもう何年も前にこの家を出た....と言う訳ではなく本人曰く「少しの間開けておくだけ」らしい。少しとか言っておいて何年も経っているのは疑問に思うが。
エリンは男なのだが子供の頃は女子のように細く白い肌に
周りの男子と比べると身長が小さかった為小さい虐めの様なものがあった。とはいっても暴力とかそういうのではなくハブったりする程度のことだが、子供にはキツかったのかポロポロ涙を零していたのを今でも覚えている。そんな姿を見て放っておけず俺だけはあいつと一緒に遊んでいた。時たま別のやつらが「オカマ野郎と遊んでやんのー!」と囃し立ててきたが一切気にしないで無視していた。
そんなある日、俺とエリンはいつものように遊んでいたのだがその際にエリンが初めて俺の家に来た時の事だった。思えばあの日があいつの運命の日だったのかもしれない。
うちは親が滅多に仕事で居らずたまに帰ってきたかと思えば怒涛の勢いで次の仕事へと向かっていくという感じだった為小さい頃は寂しかったが周りの人達が気にしてくれたおかげで8歳の頃には慣れていた。
その際に俺の為にアホみたいな量のお土産を持ってきてくれるのだがその中に1冊の本が入っていたのだ。
確か題名は「ルクイル・グレイソンの生涯」だったかな?簡単に言うと冒険家のお話だ。
俺はそれを見た時はふーんこんな人が居るんだー程度だったのだがエリンはそれを見た瞬間キラキラとした目で時間も忘れて読んでいた。帰る時間になっても本から離れようとしないため持って帰ってもいいと言うと満面の笑みで「ありがとう!!」と言い、おばさん曰く食事中にも読むくらいあの本にハマっていたそうだ。
そうして次の日にあいつは
「僕、グレイソンみたいな冒険家になるんだ!」
と宣言してあいつの両親と俺を心底驚かせた。
あいつの事だから家の仕事を手伝うのかと思っていたのだがどうやらあの本を見て自分も冒険家になりたいと思ったらしく早速宣言したらしい。
勿論おじさんおばさんは猛反対した。そりゃあそうだろう、冒険家なんて不安定な職がいつまでも続くとは限らないし成功するとは限らないのだ。
しかし当時の俺はよく分かっていなかったため2人に「冒険家になったっていいじゃないか!」とか「きっとすごい冒険家になれるよエリンなら!」等無責任な事を言ってしまった。
そんなことを何度も言ったおかげか一週間に一度は手紙を送ること、どうしてもダメだった場合すぐに帰ってくる事を約束に許してくれた。
そうして冒険家になる為にあいつは今まで苦手だった運動に熱心に打ち込み、勉強も人一倍頑張るようになり遂に旅に出ることになった。
その頃には俺とエリンはお互いの考えてることが簡単なことなら分かるくらい仲良くなっていた。
そして旅に出る際にエリンは
「どんな傷を負ったとしても君の所へ帰ると約束するよ」
そんな事を言ってあいつは旅に出た。
あれから数年たった今も帰ってきていない。
事故にあったのか病気にかかったのかそれとも遭難したのか、それすら分かっていない。
「....ったく、何処にいるんだか...」
その時ガチャリと部屋の扉が開いた。入ってきたのはエリンの母親のリオおばさんだ。
「いつもごめんねぇジャック君、バカ息子の部屋をいつも綺麗にしてくれて...」
「いやいや俺にはこんな事しか出来ないので、それにアイツが帰ってきた時おばさん達とゆっくり過ごして欲しいですから」
「ほんとにごめんねぇ。あ、そうだ。さっきクッキーを焼いたからお茶でも飲んでいくかい?」
クッキー...甘いのが好きな俺にはとても魅力的な誘いだ。これは断るという選択肢はない。
「お願いします」
「じゃあ下で準備して待ってるからね。」
ニッコリとそう言いながら部屋を出ていくのを見送った俺はクッキーの為に早く終わらせようと掃除用具を手にした
その時
バタン!!ガチャガチャ!ダッダッダ!
下の方で扉が開いた音が聞こえたと思えば荒っぽく2階へと上がってくる音が聞こえてきた。
「?なんだ?一体誰が...」
少し身構えながら部屋の扉の方を見たその直後、
「ジャーーーーーーーーーック!!!!!」
「ぶっふぅええぇぇぇぇあああああああ!!!!!」
凄い勢いで扉が開いたと思えば鳩尾になにかが飛び込んできた。
やばい、死ぬ、苦しい......
「あぁ!ごめんね、痛かった?」
俺に勢いよく飛び込んできた奴は心配そうに声をかけてきた。
痛みに耐えながら飛びかかってきたやつに文句の1つでも言おうと睨みつけるようにそいつの顔を見て思わず目を見開いた。
旅に出た時と比べて随分と伸びた綺麗な銀髪に相変わらず陶磁のように滑らかで白い肌、宝石のようにキラキラと目を輝かせながら俺に抱きついていたそいつは-----
ここ数年帰ってきていなかった親友のエリン・ヴァイスだった。
一応続く予定ではあります、多分