「エ、エリンか...?」
「そうだよ!君の1番の親友のエリンさ!久しぶりに会えて嬉しいよ!」
そう言いながら力をより一層込めながら抱きついて顔を俺の胸板にうずめて.....って
「何やってんだこら」
「あいた!」
胸板は許すが流石に服に手を突っ込むのは許容できない。というか男にやるもんじゃないと思うんだが。
「うぅ、酷いなー。折角の君との再会だというのにー」
「やかましい、会えて嬉しいのは俺もだが久々に会っていきなり女性相手だったらセクハラ間違いなしの事をやったお前が悪い」
「いいじゃないかー少しくらいー、別に減るもんでもないしー」
「減るもんじゃないが男同士でやっても気持ち悪いだけだろ」
昔、こいつとよく遊んでいる時は何故か俺に対してセクハラ紛いのことを仕掛けてくる、男だというのに。
例で言うなら耳に息を吹きかけたりさっきみたいに服に手を突っ込んで俺の胸板や腹を触ってきたり等...
そういえばそれを見てた一部の女性達が黄色い悲鳴を上げながら「やっぱりジャク×エリよ!」とか言っていたのはなんだったのだろうか?
「ってそんな事よりお前いつ帰って...」
と言いながら未だに俺に抱きついているエリンを剥がそうと肩に手をやって離そうと...はなそ、離そうと....はな、離れねぇな!?力強くねぇ!?旅に出る前までは俺の方が圧倒的に力強かったのに!
「ふっふっふ....剥がされそうになるのも想定内さ!こんなこともあろうかと予め身体能力上昇の魔法をかけておいて正解だったね!」
「未だにお前に体当たりされた所がすげぇ痛いのはそれが原因か!つかそんなことの為に魔法使ってんじゃねぇよ!というかいつ魔法なんて使えるようになったんだ!?」
「旅をしていると色々と親切な人に会うからねぇ〜、そういう人達に色々と教えてもらったのさ!」
なんというコミュニケーション能力...一昔前のこいつを知っている俺からすれば有り得ないと思うが、実際こうしてハキハキと今まで以上に喋っているのを見ると嘘じゃねぇんだよなぁ....昔はほんとにモジモジしてて旅に出る前には幾らか大きい声で他の人と話せるようになってたし... (それでも俺と話す時と比べると小さいが)
やっぱり旅をさせて良かったな...
「あ、そうだ!色々な所で買ったお土産が沢山あるんだ〜」
「ん?おおそういやイトリアとかに行ってたんだっけな...」
俺の方にも1週間に1回...どころじゃなく4.5回、多い時には毎日手紙を送って来ていたので今日はどういうことがあったとか今はこの国にいるとか書いてあったので幾らかお土産は想像がつく。
例えばさっき言ったイトリアはパスタやピザが有名でお土産にはパスタなどに必須なソース等がオススメだとか....
「そうそう!イトリアに行った時にはお土産にナタタトルナンテ買ってきたんだ〜、君にもあげるね!はい!」
「ごめん待って何それ!?」
いや違ったわ、全く全然知らないのが出てきたわ。
いやほんとなんだこれ!?たわしとリンゴを足したみたいな見た目の奴が出てきたんだけど!?
「いや...すまん貰っといてあれだがすっげえ気味悪いんだけど、なにこれ...?」
「うーんとね、なんかたわしとリンゴを足したやつだって!僕にも分かんない!」
「買った本人も売ってたやつも分かんねぇのかよ!余計怖いわ!」
せっかく貰ったもんだから持ち帰るけども!捨てるのも忍びないし後でなんなのか調べるけども!
「ったく....なんていうか、色々と変わったなーお前は」
「うん?そうかな?」
「ああ変わったよ昔と比べれば、勿論良い意味でだけどな」
「...ふふん、僕もあれから旅をして色々とさっき言ってたみたいに教えてもらったり経験してきたからね」
そう言いながらエリンは鼻歌を歌いながらいつの間にか持っていたバッグやらなんやらを自分の部屋に無造作において....って
「せっかく掃除したんだから散らかすなよ....」
「アハハ、ごめんごめん。後でちゃんと自分で片付けるから、さ.....」
ん?
「どうした?急に静かになって、顔もなんか青ざめて...」
「...ごめんちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「お、おう...」
なんだ?なんか急に青ざめたと思ったら急に慌てだして....
「その....僕の部屋を掃除してくれていたのは知ってるけどさ...」
「おう?」
「....ぼ、僕の日記って、見た?」
「日記?んなもん見ねぇよ」
そもそも人のもん勝手に弄ったりするとか色々とアウトだろ....あれ?そう考えると俺アウトじゃね?
......い、いやいや、まぁ俺はちゃんと許可貰ってるし?それにエリンの親友だから?大丈夫大丈夫、大丈夫、な、はず.....
やばいちょっと罪悪感が....
「そ、そっかぁ........良かったぁ...バレたかと思った....」
「ん?何か最後言ったか?」
「え!?いやいや、いやいやいやいやいやいや!何も言ってないよ!?!?うん!!」
「そ、そうか」
なんか聞こえた気がしたんだが...俺の勘違いか....
...そういえばこいつ、なんか変わったか?何処と無く雰囲気が可笑しいというか....なんというか....
「そ、それよりもお茶をするんだろ?僕も喉が渇いてたし早く下に行こうよ」
「あ、そういやそうだったわ。やべー忘れてた....」
「大丈夫だよ、母さんはこんな事じゃ怒らないし君も知ってるだろ?」
「そうだけどよ....」
「ほら早く早く!あー、母さんのクッキーとお茶なんていつぶりだろ?楽しみだなぁ!」
「ちょ、おい!行くから!行くからそんなに引っ張んな!服が破ける!」
...まぁ気のせいだろ、多分久しぶり会ったからかなんかでそう感じてるだけだな。うん。
そう自分の中で結論づけた俺はエリンに引っ張られながら下に降りていった。
あ、今肩の部分からブチって音聞こえた。多分これ破れたな。
正直男の娘のままでも良かったかもしれないと思う自分がいる