これが投稿される時には、タグが1つ減っていると思います。理由としては、少し予定を変更して、コンプリートフォームを出そうか迷っているからです。あ、コンプリはコンプリでも21の方です。ただ、その場合だとコンプリ21をかなりテコ入れしないといけなくなります。相手が悪かったり、コンディションが最悪だったりと状況が状況だけに仕方ないと言えますが、あのような残念な結果になってしまったので。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、第9話をどうぞ。
あの兄弟を返り討ちにしてから、数日後。俺はフクロウから届けられた制服に身を包み、デルゾゲード魔王学院へ足を向けた。
試験が終わってからは行ってなかったので、生徒として登校するのは今日が最初である。多くの生徒が正門をくぐり、続々と校内に入っているが、黒の制服と白の制服で分けられていた。
これは、特待生である純血の魔王族は黒服、それ以外の混血は白服と分けられているからだ。純血と混血を一緒にするなと制服でも分かりやすく示している。
「制服でも純血が偉いとか言いたいのかね」
俺の口から零れた呟きは誰かに反応されることもなく虚空に消える。
校内にあった大きな掲示板にクラス分けが載っており、俺の名前は2組の欄にあった。
「教室は・・・第二教練場か」
少し迷ったが、第二教練場に辿り着いた俺は扉を開け、第二教練場の中に入る。
第二教練場の中は机と椅子がずらりと並んでおり、既に何人かの生徒がいたが、皆とある一点を見ていた。皆の視線の先には、アノスとミーシャが居た。
「よっ」
俺が2人に声をかけると2人とも俺に気づいたようだ。
「隣、座っても良いか」
「構わん」
「・・・ん・・」
どっち側でも良いようなので、ミーシャの隣に座る。アノス側の席は近い内に誰かが座る事になるだろうし。
「それで、どうして皆アノス達の方を見てるんだ?」
「それは俺も気になるが、まさか俺の冗談ではないだろうな」
「・・・冗談?」
「アノス、何言ったんだ?」
もし、それが原因だとしたら何を言ったんだこの魔王様は?
「皆の者、良い朝だな!今日からこのクラスは俺が支配してやる!逆らう奴は皆殺しだ!とな」
それを聞いた俺とミーシャからの一言が
「誤解されてると思う」
「誤解されるだろうな」
殆ど同じだったのは言うまでもないだろう。
「なるほど。2千年前はウケたんだがな」
2千年前はこれでウケていたのか・・・2千年前の面白い基準がバグってんのか?
「それと、今日はずっと見られている気がするのだが、何か知ってるか?」
確かに、冗談を言っただけにしてはアノスの方に視線が集まり過ぎている気がする。
「噂になってる」
「俺がか?」
ミーシャはこくりと頷くと、アノスが着ている制服の校章を指さす。
「その印・・・」
「ん?これか?」
アノスも自分の制服に付いてる校章を見る。俺やミーシャこの場にいる生徒、果ては第二教練場に来るまでに見た魔王学院の生徒の校章が多角形や芒星が押されているのに対し、アノスの校章はそのどちらでもなく十字の烙印が押されていた。
「その印は魔力測定と適正検査の結果を表してる。多角形や芒星の頂点が増えるほど優良」
「俺の校章は多角形や芒星でもなく、十字なんだが?」
「それは魔王学院で初めての印」
「それで、アノスの校章はいったい何を表しているんだ?」
俺はアノスの校章が何を表すのか知っているが、会話に参加したいのでそれとなく聞いてみる。
「・・・不適合者」
ミーシャが淡々と述べる。
「その不適合者というのは噂になる程のものなのか?」
「魔王学院は始祖の血を引く魔王族だけが入学を許される。だからこれまで、魔王族で魔王の適性がないと判断された者はいない。アノスは初めての不適合者」
「妙だな。魔力測定は俺の魔力が大きすぎて計れなかったから分かるが、適性検査は満点の筈なんだがな」
そりゃそうだ。適性検査は始祖の名前を言えだの、始祖の気持ちを答えよだの、始祖に関する問題ばかりだった。それを、正真正銘の始祖であるアノスに聞いているのだから普通に考えたら外す筈がない。事実が間違って伝えられたりしなければ・・・
「ミーシャ、始祖の名前を知ってるか?」
「知ってる。でも、呼んではならない」
ミーシャがそう言うと、アノスはミーシャの頭に手をやる。
「思い浮かべるだけで良い」
アノスの行動に嫌がるわけでもなく、不思議そうに視線を向けいていたミーシャは目を瞑る。
今頃、ミーシャは始祖の名前を思い浮かべているのだろう。そしてアノスは始祖の名前が間違って伝わっていることを知るのだろう。
「で、どうだった?」
「始祖の名前が間違っていた」
聞いといてなんだが、知ってた。暴虐の魔王はアノス・ヴォディゴードではなくアヴォス・ディルへヴィアと間違って語り継がれている事を。
しかし、アノスの反論にミーシャは首を左右に振る。
「これが正解。魔王の名前を間違える魔王族はいない」
「始祖の名前は恐れ多くて口にしたらいけないんだったな?」
ミーシャは頷く。恐れ多くて誰も口にしなかったせいで、2千年後には始祖の名前が間違って語り継がれていた。これは、歴史上よくあることなのか定かではないが、アノスは自分の名前が間違って語り継がれている事に呆れているだろう。
「暴虐の魔王とはどんな奴だと言われている」
「冷酷さと博愛を併せ持ち、常に魔族のことだけを考え、己を省みず戦った。欲はなく、崇高な心を持ち、その暴虐な振舞いも、余人には計り知れない尊き心からくるものだった」
「なんだ、その完璧超人は」
「流石にそれは嘘だろ。そんな奴、創作上の人物ぐらいだぞ」
余りの完璧超人ぶりに俺もアノスも声を上げるが、ミーシャは淡々と話を続ける。
「始祖の思考や感情に近い程、魔王としての適性が高いとされる。今、この学院で特に魔王に近いと言われている・・・」
そこでミーシャは言葉を切り、前を向く。恐らく、俺達の後ろを通った生徒を見たからだろう。
その人物は、チラッとアノス・・・正確にはアノスの制服に付いている十字の校章を見て、そのまま去っていった。
それから程なくして、チャイムが鳴ると黒い法衣を纏った女性が入ってきた。
「皆さん、席についてください」
その一言で、立っていた生徒が席に座り始める。生徒全員が座ったのを確認すると、その女性は口を開き自己紹介を始めた。
「2組の担任を務めます、エミリア・ルードウェルです。1年間よろしくお願いします」
1年間よろしくお願いします・・・か。1年間、俺達の担任でいれるといいですね、エミリア先生。
「まずは班分けを行います。リーダーを希望する人は立候補してください。ただし、この魔法を使えることが条件になります」
と言って、エミリア先生は魔法陣を浮かべる。
「集団の戦闘能力を底上げする軍勢魔法〈
黒服の生徒の何人かが手を挙げる。その中には、俺達の後ろを通る時にアノスの制服の校章をチラッと見ていた奴もいた。
黒服の生徒しか手を上げていないが、そんな事おかまいなしと堂々と手を挙げる白服の生徒もいた。それは勿論、ミーシャの隣に座っているアノス・ヴォディゴードである。
アノスが手を挙げた事で第二教練場はざわめき、視線がアノスの方に集まり出す。
「アノス君でしたか。残念ですが白服、つまり混血の生徒には資格がありません」
「では」
アノスは立ち上がり、口を開く。
「混血が皇族に劣らぬ事を証明すれば良いのだろう。〈
「出来なければ、不敬を謝罪して自主退学してもらいますよ」
「構わん」
アノスはエミリア先生の元へと向かう。
「〈
「〈
2人の間に赤い魔法陣が浮かび、2人が魔法陣に手を翳す。すると、魔法陣が右側から黄緑になったと思ったら一瞬で青色に染め上がった。
「なぁ、ミーシャ。〈
見ていただけではさっぱり分からなかった俺は、隣の席のミーシャに聞く。
「魔法文字で条件を記した魔法陣を展開して、相手がそれに調印する。そうすれば、両者の同意がない限り、決して違えることのできない魔法契約が結ばれる」
「同意がない限り、絶対に破れないのか?」
「魔力に大きな差がある場合は、一方的に破棄できる」
それを聞いてホッと胸を撫で下ろす。
魔力測定で多くの生徒が3桁だったので、モブ程度だったら〈
「これを仕上げたのは皇族か?」
アノスが〈
「え?えぇ」
「欠陥品だぞ」
〈
「まさか。あり得ません。2千年もの間欠陥など」
「転生前に気づいていたのだがな」
アノスが〈
「そんな・・・少し書き換えただけで魔力効率が1割も良くなって・・・魔法効果が1.5倍!?」
「あいつ何者なんだよ・・・?」
「初めて見た魔法陣の欠陥を指摘して、書き換えるなんて・・・そんな話聞いたことないよ・・・大体、学生は魔法研究の基礎にだって触れてないのに・・・」
「しかも、魔法効率が1割増しで、魔法効果が1.5倍って・・・」
「世紀の大発見だろ、これ・・・」
といった感じで、教室は騒然としていた。
「惜しいな」
アノスは浮かんでいる〈
「魔法効果は2倍だ。この魔力門が、3つの魔法文字と干渉を起こし、根源へ二度働きかける韻を踏む」
それを聞いたエミリア先生は悔しそうな表情を浮かべる。
「どうだ?」
「立候補を許可します」
エミリア先生はアノスの立候補を嫌々認めると、アノスは自分の席に戻るのだった。
如何でしたか?不適合者の烙印なんて当てにならないことが早速証明されましたね。
さて、前書きでも書いた通り現在、コンプリ21を出すかどうか迷っています。ただ、先でも書いたようにかなりテコ入れする事になるので下手したらコンプリ21の形をした何かになってしまう可能性もございます。
そこで、アンケートを取ろうと思います。下に記載しておくので、どちらか答えていただけると嬉しいです。
それではまた次回お会いしましょう。