暴虐の魔王と世界の破壊者   作:カトポン

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 どうも、おはんこんばにちは。
 最初に言っておきますが、前回出した怪人やダークライダーが一切出てこない第12話です。頑張って出したかったんですけど、ねじ込める隙間はないし、一斉に突撃させようとかも思いましたがそれだとオーバキルになってしまい、泣く泣くボツにしました。ダークライダーや怪人の活躍を期待していた方は本当に申し訳ございません。いつか、彼等にもちゃんと出番を与えてやりたいです。
 それでは、第12話をどうぞ。


第12話 前座&真打vsサーシャ班

 オーロラカーテンでサーシャ班の建てた魔王城から外に出たディケイドは変身を解除し、アノスと合流するフィリウス。

 

「こっちは終わったぞ」

「うむ。殺してないだろうな」

「ちゃんと手加減はしたし、喋ってたから大丈夫」

「なら良いが、フィリウス下がってろ」

「了解」

 

 アノスの指示に従い、少し後ろに下がるフィリウス。

 フィリウスが下がった事を確認したアノスは、サーシャ班の建てた魔王城の壁に手を伸ばすが、魔王城の前に張られた反魔法によって遮れる。

 

「随分と軽そうな城だな。魔法ばかりを警戒するとは、戦闘というものを分かっていない」

 

 が、そんなものなど関係ないと言わんばかりに反魔法を貫通し壁に触れるアノス。

 そして、ぐっと壁に爪を立てるとアノスの指が城壁にめり込んだ。

 

 

 

「う、うぅっ・・・」

 

 一方、サーシャ達はというと、フィリウスにボッコボッコにされ、多くの生徒が負傷していたというより、負傷していない生徒は居なかった。多くの生徒が壁や机を支えにし、やっとの思いで立ち上がっていた。

 

「皆、大丈夫?」

「え、えぇ。何とか・・・」

 

 この状況から態勢を立て直そうと、方針を考えていた時だった。魔王の全体が立つ事すら困難な程激しい揺れに見舞われた。

 その原因は・・・

 

「そ、そんな馬鹿な!?」

「この城を・・・持ち上げてます!」

「嘘・・・どうしてこんな力が・・・」

 

 加護を受けない魔王(キング)である筈のアノスに、なぜこれ程の力があるのかと戸惑うサーシャ班。それに対しれに対し、アノスは

 

「なに、地力の差だ」

 

 なんてこともないように言い放ったアノスは、そのままポイっと上空へ放り投げる。

 

「キャーーー!」

 

 サーシャ班の建てた魔王城の城内は生徒を含め多くの物が浮かびあがる。

 アノスは放り投げた魔王城を、片手で受け止める。

 

「うまく受け身を取れ」

 

 今度はバスケットボール回しの要領で魔王城を凄まじい速さで回し始めた。

 

「キャーーー!!」

 

 魔王城の内部はまるで、竜巻に巻き込まれたかのように生徒や物が飛んでいた。

 

「でないと、死ぬぞ」

 

 アノスは、回していた魔王城を思いっきり投げ捨てた。

 

「キャアアアーーー!」

 

 風を切りぶっ飛んでいくサーシャ班の魔王城は、ズガアアアアアアアァァァァァンッと地面に叩きつけられた。

 

「手加減が過ぎたか」

 

 投げ飛ばした魔王城は半壊。サーシャ班の班員もまだ、なんとか戦える程度のダメージで抑えられていた。

 

「〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉を使うわ」

「し、しかし、サーシャ様。〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉は魔王城の加護と、魔導士メイジ隊の魔力を結集しても、成功率は二割もありませんっ!」

「それに失敗すれば、今の状態の魔王城は確実に崩壊しますっ!」

「怖気づいている場合じゃないわっ!敵の力を認めなさい。炎属性最上級魔法〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉でもなければ、あの2人は倒せない。こんな所で恥を晒す為に魔王学院に入ったんじゃないでしょ。死力を尽くして臨みなさい。貴方達の最高の魔法を!」

 

 サーシャの叱咤に、班員は押し黙り、力強く立ち上がる。

 

「皇族の誇りを!あの雑種共に見せつけてやるわよ!!」

「「はい、サーシャ様!!」」

 

 そして、力強く立ち上がった班員達が声を上げる。

 その様子を見たアノスは、フィリウスに指示を出した。

 

「フィリウス、上空で待機してくれるか?」

「上空?別に構わんが、理由は?」

「俺の攻撃を上に飛んで避けるかもしれんからな」

「了解。じゃ、せっかくだしもう1回変身するか」

 

 フィリウスはネオディケイドライバーを取り出し、腰に当てて装着する。

 

「変身」

 

 ライドブッカーからディケイドのライダーカードを取り出すと、ネオディケイドライバーのバックル部分に挿入する。

 

『KAMEN RIDE DECADE』

 

 ディヴァインサイドバンドルを押し込み、フィリウスは再びディケイドに変身した。

 

「飛べる奴・・・コイツにしよう」

『FORM RIDE』

 

 ライドブッカーからライダーカードを取り出し、ネオディケイドライバーに挿入すると、ディヴァインサイドバンドルを押し込む。

 

『OOO TAJYADOL』

『タージャードルー!』

 

 ディケイドオーズ タジャドルコンボに変化すると背中に6枚の翼を展開し、上空高く飛び上がる。

 アノスは、それを見届けると正面を見る。サーシャ達の魔王城に魔力の粒子が立ち上った。大魔法を発動させる為に、魔王城そのものを巨大な魔法陣にする立体魔法陣だ。

 

「敵にしておくには惜しいな」

 

 アノスを口角を上げてそう呟いた。

 それもその筈。〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉は魔法技術の研鑽があってこその物。班を組んで1週間の内に、修練を積み実戦で使えるレベルまで練り上げたのだから。

 そして、各自の特性を生かしながら、それぞれの魔力を足し、10倍以上に引き上げる集団魔法。それが、〈魔王軍(ガイズ)〉の真骨頂なのだから。

 

「皆の力、預かるわ!」

「サーシャ様!」

「見せてやりましょう!」

「行くわよぉぉっ!!〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉っっっ!!」

 

 魔王城の正面で大砲のように型作られた立体魔法陣から、極限まで溜められた魔力が一気に爆発するように、黒い太陽が射出された。

 

「見事だ。褒美をくれてやろう」

 

 成功率2割以下の〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉をこの土壇場で完璧に放った事に敬意を表し、アノスは向かってくる〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉に人差し指を伸ばし、小さな赤黒い炎を放った。

 アノスの放った小さな炎は〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉に衝突する。次の瞬間、漆黒の太陽に穴が空き、霧散した。

 

「相殺された!?」

「サーシャ達、向こうはまだ生きてます!」

 

 アノスの放った小さな炎は、〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉を貫通し、サーシャ達の元へ向かっている。

 サーシャ達は、すぐさま反魔法を多重に張るが、それすらも次々とぶち壊して全く勢いが衰えないまま向かってくる。

 

「〈飛行(フレス)〉!」

 

 アノスの放った小さな炎を防ぐのは不可能と判断したサーシャ達は〈飛行(フレス)〉を使い上空に跳んで避けようとする。

 しかし、アノスの放った小さな炎が魔王城に命中した事で発生した爆炎に多くの生徒が呑み込まれる。そして、爆炎に呑み込まれなかった生徒も・・・

 

「残念だったな」

「なっ・・・」

 

 上空で待機していたディケイドオーズ タジャドルコンボが黄色のライダーカードをネオディケイドライバーに挿入し、ディヴァインサイドバンドルを押し込む。

 

『FINAL ATTACK RIDE O O O OOO!』

 

 不死鳥を模した炎を纏い突撃する必殺技『マグナブレイズ』によって爆炎に呑み込まれなかった生徒が地上に叩きつけるとそのままミーシャが居る魔王城へと向かう。

 一方、アノスとディケイドによって多くの生徒が地に伏す中、サーシャはやっとの思いで立っていた。そんな、サーシャの前に〈転移(ガトム)〉で移動したアノスが現れる。

 

「・・・まさか、たった1人で〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉を使えるなんて・・・」

「ん?俺が使ったのは〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉ではないぞ。〈火炎(グレガ)〉だ」

 

 それを聞いたサーシャは、目を見開き驚く。

 

「まさか・・・炎属性最低魔法で・・・」

「言っただろ。地力が違うと」

 

 炎属性最強魔法の〈獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)〉を炎属性最低魔法の〈火炎(グレガ)〉で破られた事に驚きを隠せないサーシャは、その場でへたり込んでしまった。

 

「約束を覚えているな。お前は見込みがある。俺の配下になれ」

 

 アノスがサーシャに手を差し出す。

 

「死になさい!」

 

 しかし、サーシャはそれを拒否し、瞳に〈破滅の魔眼〉を浮かべて睨み殺そうとする。

 

「断る」

 

 アノスはそう言って、サーシャの〈破滅の魔眼〉を真っ向から見返す。

 

「だったら殺しなさい!」

「強情な奴だな。いいから、手を取れ」

「・・・こんな屈辱、絶対に忘れないわ。いつか強くなったら、きっと貴方たちを殺すわよ・・・!」

 

 ワナワナと体を震わせながら放ったサーシャの言葉にアノスはふっ、と笑う。

 

「言っておくが、サーシャ。殺したぐらいで死ぬなら、俺は2千年前にとうに死んでいる。それに、お前の妹は同じ班になりたいそうだ」

 

 アノスの後ろにオーロラカーテンが出現し、その中からフィリウスとミーシャが出てきた。

 

「サーシャ・・・怪我」

 

 ミーシャは、サーシャを見つけると姉であるサーシャの元へ駆け寄る。

 

「平気よ。このくらい」

 

 サーシャは、ミーシャの手を借りずに立ち上がる。

 

「いいわ。貴方とそこに居るアイツには敵いそうにないし、かと言って〈契約(ゼクト)〉には逆らえないもの」

 

 サーシャはアノスの差し出した手に自分の手を乗せる。

 

「でも、覚えていてちょうだい。これはあくまで契約。貴方に心まで売ったつもりはないわ」

「あぁ。よろしくな」

 

 こうして、サーシャはアノスの班に加わる事になった。

 

「ふーん。友達の為に私を誘ったって訳ね。お優しいことだわ」

「それだけではない」

「じゃあ、何よ」

「お前の魔眼()が綺麗だった」

 

 アノスの言葉にサーシャの顔が赤くなる。動揺してかその瞳には〈破滅の魔眼〉が浮かぶ。

 

「相当の魔力を秘めている。本当だぞ。そんな綺麗な魔眼は見た事がない。聞いているのか?」

「・・・聞こえないわよ、馬鹿・・・!」

 

 サーシャは、プイッと顔を背けるがその顔はさらに赤くなるのだった。




 如何でしたか?これを書いて思ったのは、アノスやディケイドはチートなんだなって思いました。だって、こんなに好き放題してんのに、2人とも全然本気じゃないってのがね・・・。流石、暴虐の魔王と世界の破壊者・・・その二つ名をつけられるだけの事はあります。
 それでは、次回もお楽しみに。
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