また、サブタイが長いですが中々良いのが思いつかなかったので過去最長で長いサブタイになってしまいました。本当に申し訳ございません。
話は変わりますが、また1人投票者が増えて、点数が少し上がりました。本当ありがとうございます。
それでは、謝罪と感謝を述べた所で第21話をどうぞ。
「いつまで泣いている?立て、サーシャ」
アノスが言葉を発すると、サーシャは泣き腫らした赤い目をゆっくりと俺達に向けてきた。
「諦めるのはまだ早い」
「・・・ミーシャの代わりに私を消す事が出来るの?」
「出来るか出来ないかで言えば出来る。サーシャが使ったのは確か、〈
すると、ミーシャが訴えるような視線をアノスに向けてきた。
「それはダメ」
「安心しろ。そんな事をするつもりはない」
今度は、サーシャが言った。
「お願い!アノス。私を消して!私はもう十分生きたわ!残りの人生はミーシャにあげる」
「元々居なかったのは私。サーシャが犠牲になるのはおかしい」
サーシャとミーシャがアノスに自分の思いを訴える。
互いに庇い合い、自分が消えるべきだと主張している。
「何で、片方が消える事で解決しようとしてるんだ?」
だから、言ってやった。
何も片方消える事でしか解決出来ない訳じゃない。
「そういや、適正検査の質問で『力はあるが魔王の適性に乏しい娘と、力はないが魔王の適性に長けた息子がいたとする。あるとき二人は神の呪いを受け、死にかける。呪いを解くための聖杯は一つ。どちらを救うべきか。このときの始祖の考えを述べよ』ってのがあったな。アレ、正解は何だったか覚えてるか?」
「適性に長けた方」
答えたのはミーシャだ。
「理由は?」
「どれだけ力があっても適性の無い魔族に、魔王は転生しない」
ミーシャの答えは、まさにこの時代らしい考え方であり、血統や適性を重視する現在では、その答えは正解だ。
「確かに、適正検査だったら正解だ。だが、アノスに言わせてみればその答えは違うというだろうな。だから、もう一つ質問だ。アノスだったらこの問いになんて答えると思う?」
「適正に長けた方じゃないなら、力がある方かしら?」
サーシャがそう答える。
この場合だと、力ある者が魔王だからそっちを助けるという考えだろう。
「それは、アノスが出す答えでもないし、適正検査でも不正解だろうな。アノス、正解は?」
アノスが出す答え。それは・・・
「聖杯を2つにして両方救う、だ」
サーシャとミーシャに向かい、堂々と宣言するアノス。
「そもそも、どちらを救うべきかと訊いてくるコイツは誰だ?始祖がいつどちらかしか救えないと口にした?神の呪いだと?なぜ神如きに俺が屈する?」
アノスの答えが何を意味するか分かったのだろう。力なく、しかしサーシャは確かに立ち上がった。
「それって・・・」
「2人共助けてやる」
「・・・だけど、どうやって・・・?そんなの考えなくても無理だって分かるわ。私達の体と魂は元々1つ。それをずっと2つに分けておく事は出来ない。ミーシャの器を用意したって、魂は半分だけじゃ長く生きられない。転生させたって、それは同じよ」
そんな事不可能だと、サーシャが理屈を並べて否定する。
だが、それでもサーシャは立った。不可能だと分かっていながら、なぜ立ち上がったのか?
それは、アノスに期待しているからだ。2人共助かる正に理想的なハッピーエンドを。その僅かな望みをアノスに賭けているのだ。
「全ての原因は、お前たちが元々1つだったということだ」
「・・・だから、無理ってことでしょ・・・?」
「いいや。簡単な理屈だろう。それなら、
サーシャが目を大きく見開き、驚きをあらわにする。
「そんな事、どうやって?」
「過去を変える」
サーシャは絶句した。まさか、過去が変えられる物だと思ってもみなかったのだろう。
「15年程度なら、〈
すると、今度はミーシャが言った。
「過去を変えれば、私は生まれない」
「……そうよ。〈
サーシャの言う通り、例え過去を変えたとしても、今度はミーシャが生まれない。
文字通り八方塞がり、不可能という訳だ。
しかし、アノスには不可能なだろうがなんだろうが全て可能になるだろう。何故なら、彼は不可能や理不尽を全て滅ぼす暴虐の魔王なのだから。
「分かれた2つの魂、つまり根源はいつか必ず1つに戻る運命だ。なら、もう1つ根源があれば良いと思わないか?」
「どういう事よ?」
「サーシャがもう1人いれば良い。もう一人のサーシャを〈
半ば呆然と2人はアノスの話を聞いている。
「サーシャはサーシャと、ミーシャはミーシャと融合させる。簡単な足し算だ。そうすれば、1つの完全な根源を持った、お前達2人が誕生する」
「・・・意味が分からないわ・・・。それは私がもう1人居れば、そうかもしれないけど、何処に居るのよ?全く同じ人物を作るなんて、そんな魔法があるっていうの?」
「残念だが、どんな魔法を使っても同一人物は生み出せない。俺達の根源はこの世にただ1つしかない」
「じゃ、やっぱり無理って事でしょ?」
「いいや。同一人物は生み出せないが、もう1人の自分に会いに行く事は出来る」
「・・・どうやって・・・?」
「過去を遡れると言った筈だ。過去にいるお前達と、現在のお前達を融合させる」
流石のサーシャとミーシャも、まるで分からないといった表情を浮かべている。
「つまり、今ここにある2人の根源を、15年前に送り込む。そこには生まれたばかりのお前達の根源がある。現在も過去も2つの根源は元々1つだった。ミーシャとサーシャは同一人物。当たり前だが、過去のミーシャと現在のミーシャも同一人物だ。そして、2つの根源は1つに戻ろうとする。ならば、過去のミーシャの根源と、現在のミーシャの根源を1つに融合する事は出来る。サーシャも同じだ」
「・・・どうなる・・・?」
「有り体に言えば、15年前に、お前達は双子で生まれた事になる」
過去改変には様々な法則があるので、正直なところ危険な行為である。タイムパラドックスが発生し最悪の場合自身が消滅してしまう、なんて事もあるからだ。
もし、ミーシャとサーシャが双子として生まれた事に誰かが気づけば、タイムパラドックスが発生し、過去の改変は上手く行かずどんな影響を及ぼすか分からない。
だから、誰にも気づかせず、世界にすら悟られずに過去を改変しなくてはならない。
「過去は改変されるが、お前達も、アイヴィスも、ミーシャは〈
信じられないといった顔をしながら、サーシャは言った。
「・・・そんな事が、本当に出来るの・・・?」
アノスははっきりと頷いた。
「皇族なら起源魔法は使えるな?」
「使えるけど・・・」
アノスがミーシャに視線をやると、彼女も頷く。
「〈
「・・・待って、起源魔法の基礎は分かってるけど、そんな大魔法、とてもじゃないけど・・・」
「その為に〈
自然魔法陣の部屋に巨大な〈
「魔力と魔法行使は俺に任せろ」
「じゃあ、私達は何をすれば・・・」
「お前達の為すべき事は、その魔眼で起源を見据える事だ。対象にする起源は2つ」
アノスは指を2本立てる。
「1つはお前達、自身の起源。母親のお腹に居た頃を見据えろ。それによって〈
アノスはミーシャとサーシャが居る方へ歩きながら、話を続ける。
「もう1つ。これが重要だが、〈
巨大な魔法陣の中央で立ち止まる、アノス。
暴虐の魔王がアノス・ヴォルディゴードではなくアヴォス・ディルへヴィアと語り継がれている現在において、アノスが言った事は何言ってんだコイツみたいな事を誰もが思うだろう。
だが、そんな事を言わせる隙も無く、アノスは話を続ける。
「でっち上げられた偽物ではなく、俺を信じよ。そうでなければ〈
ミーシャとサーシャは顔を見合わせる。
そして、覚悟を決めたようにお互い頷いた。
「信じる」
と、サーシャが言った。
「どのみち、もう貴方を頼る他ないもの。もし、ほんの少しでも、可能性があるのなら、私は悪魔だって信じるわ」
そう、サーシャが言った。
「その言葉、忘れるな」
その時だった。
ドガラガァンッとけたたましい音を立てて天井が崩落し、崩れた瓦礫の山が重力に従い、この場所に降り注ぐ。
そして、それをよりも速く一直線に落下してきた影があった。
それを防ごうと、腰に巻かれたままになっているネオディケイドライバーにディケイドのライダーカードを挿入し、ディヴァインサイドハンドルを押し込む。
「ちっ。変身!」
『KAMEN RIDE DECADE』
ディケイドに変身するが、その途中で天井から落下してきた影が手にしていた魔剣でアノスの心臓を貫いた。
「・・・アノス・・・!!」
サーシャが悲鳴のような声を上げる。
「さらばだ。名も知れぬ強き魔族よ」
天井から落下してきた影の正体は、七魔皇老の1人であるアイヴィス・ネクロンだった。
ディケイドに変身した俺はすぐさま、アイヴィス・ネクロンの顔面目掛けてライドブッカーの銃弾を浴びせるが、アイヴィス・ネクロンは物ともしない。
「流石、七魔皇老なだけあるな。だったらコイツだ」
ライドブッカーから、カードを取り出し、ネオディケイドライバーに挿入する。
『KAMEN RIDE RYUKI』
ディヴァインサイドハンドルを押し込み、龍騎にカメンライドするとライドブッカーからカードを取り出して、ネオディケイドライバーに挿入しようとするが・・・
「・・・サーシャ・・・」
「・・・分かってるわ!」
ミーシャが〈
俺が今使おうとした技ではこの連携プレイを邪魔してしまうので使うのを一旦やめる。
「死になさい!!」
サーシャの〈破滅の魔眼〉によって、降り注ぐ瓦礫だけでなく周囲にある物という物が音を立てて、一斉に砕け散っていく。
「静かにするが良い」
アイヴィスは片手を振った。〈破滅の魔眼〉が封殺され、鋼鉄の牢獄が破られる。さらに、アイヴィス・ネクロンが発動した魔法によって、魔力の鎖がサーシャとミーシャを縛り上げた。
「貴様らは大事な器だ。大人しくしているがよ。もうまもなくだ。〈
アイヴィス・ネクロンは天を仰ぎ、降り注ぐ月明かりを見つめる。
「ふむ、なるほどな。〈
驚愕したようにアイヴィス・ネクロンは、心臓に魔剣が刺さったままのアノスを見た。
「・・・馬鹿な・・・魔剣ガドルの傷は癒せぬ筈だ・・・」
「確かに、さっきから回復魔法がまるで働かないな。だがな、心臓を潰したぐらいで俺が死ぬとでも思ったか?」
アノスはアイヴィス・ネクロンの顔面を鷲掴みにする。
「そろそろ来る頃だろうと思っていたぞ、アイヴィス・ネクロン。千年もかけて研究した融合魔法を、自らの子孫に施した。それを台無しにされるのを、見過ごすマヌケとも思えないからな」
アノスはアイヴィス・ネクロンの体の内側に魔法陣を描く。
「悪いが、遊んでやれる時間も無い。早々に退場してもらうぞ」
アノスは凝縮した魔力を一気にアイヴィス・ネクロンの内側に叩き込む。
「〈
瞬間、アイヴィス・ネクロンの内側に出現した漆黒の太陽が、幾重にも張り巡らされた反魔法をズタズタに引き裂き、その体を内部から崩壊させていく。
黒い光がアイヴィス・ネクロンの体から漏れ始め、大きく弾けた。
「ぐ・・・がぁぁ・・・なん、だ・・・この魔力は・・・。馬鹿な・・・魔法の知識のみならず、この私よりも・・・強い、だと・・・!?」
吹き飛んだアイヴィス・ネクロンは、体内に荒れ狂う〈
それを見た俺は、使おうとしていたライダーカードをネオディケイドライバーに挿入し、ディヴァインサイドハンドルを押し込む。
『ATACK RIDE ADVENT』
カードの力を解放し、ドラグレッダーを召喚する。
ドラグレッダーは口から吐く5000℃の火球、ドラグブレスでアイヴィス・ネクロンに攻撃する。
それをモロに食らったアイヴィス・ネクロンはさらに悶える。
「ふむ。流石は神話の魔族、中々しぶとい」
アノスは自分の心臓に突き刺さっていた、魔剣ガドルを引き抜く。
「この魔剣の傷は癒せないんだったな」
アノスは魔剣ガドルをアイヴィス・ネクロンめがけ、投擲した。
吸い込まれるようにその漆黒の剣は、アイヴィス・ネクロンの髑髏に突き刺さる。
勢いはなおも収まらず、アイヴィス・ネクロンの体が宙を浮き、そのまま魔剣で壁に磔にされた。
「ぐ・・・がぁ・・・ぁ・・・」
「最後のオマケだ」
俺はオーロラカーテンを出現させると、仮面ライダーリュウガを召喚する。
「アイツを石化させろ」
リュウガは頷くと、カードデッキからアトベンドカードを取り出す。リュウガは取り出したアトベンドカードを左腕に装着しているブラックドラグバイザー上部カバーを開いてその中に取り出したカードを装填し、上部カバーを閉じる事で装填したカードを読み込ませる。
『ADVENT』
リュウガの契約モンスターであるドラグブラッカーを召喚すると口から6000℃の黒炎、ドラグブレスを放ち魔剣ガドル諸共アイヴィス・ネクロンを石化させる。
リュウガとドラグブラッカーをオーロラカーテンを使って帰らせている間にアノスは反魔法を使い、サーシャとミーシャを縛り上げている魔力の鎖を断ち切った。
「無事か?」
ミーシャとサーシャはこくりと頷く。
「さぁ、最後の仕上げだ。俺を信じよ」
アノスが魔法陣を構築しそこに魔力を注ぎ込むと、起源魔法〈
如何でしたか?
第一章がクライマックスに突入しました。此処から先は怒涛の展開になりそうです。
さて、今回は少し書いている私もちょっと良く分からないところがありました。なので、もしかしたらココ違うだろうみたいなところがあるかもしれません。もし、そんな所があったらコメントなどで教えてもらえると嬉しいです。
それでは、また次回お会いしましょう。